HIIT
01 HIITって何?
HIITとは、High Intensity Interval Tranigの頭文字をまとめた略語です。このハイイテンシティーインターバルトレーニングとは、直訳すると高強度のインターバルトレーニングのことで、その字義の通り、高強度の(負荷が高い)運動と休息(ないしは低強度の運動)を短いスパンで交互に繰り返していく独特のトレーニング法を意味しています。
具体的には、20秒から40秒くらいの運動、強度の目安は心拍数160以上になるような運動を、10秒間の短い休憩時間(インターバル)で、クイックに運動⇒休息と切り替えて行くことを大体20~30分くらい繰り返していく運動です。最近は、Appleウォッチなどで心拍数も手軽に測れるようになっているので、お持ちの方はご持参されるといいかもしれません。

このHIITというトレーニング方法は、元々は、立命館大学の田畑泉教授が有用性を研究して論文として発表した日本発の新しいトレーニング方法です。スケート日本代表選手の強化のために生まれ、「20 秒間の高強度運動+10秒休む、を8回行う」というメソッドが「TABATAプロトコル」として世界で話題になりました。現在では、世界中のアスリートが取り組んでいるかなりメジャーで定番のトレーニング方法として一般に広く浸透しています。
このトレーニングは,最大酸素摂取量の 170%の強度(連続して行えば 50 秒程度で疲労困憊になるような強度)による 20 秒間の自転車エルゴメータ運動を 10 秒間の休息を挟んで間欠的に行い,6 から 7 セット目の運動で疲労困憊に至る
田畑泉「タバタトレーニング」(2020)
このTABATA式トレーニング、通称HIITという、トレーニング方法は「超短時間」で運動効果が得られることが最大の特徴で、一分間のHIITトレーニングが45分間の持続的運動(軽めの有酸素運動)と同等の効果が得られるといわれています。
02 HIITは有酸素運動と無酸素運動の両方の効果が得られる
さらに、心拍強化や持久力強化、カロリー消費といった有酸素運動効果だけではなく、筋力増強、既嘘代謝UPなどの無酸素運動の効果もあり、有酸素運動と無酸素運動の両方の運動効果が得られ、ダイエットと同時に筋力UPや筋肥大など、リバウンドしない痩せやすい身体作りにも効果的と評判です。実際、オンザショアの会員様の中には半年間で30㎏のダイエットに成功したお客様もいらっしゃいます。
そもそも、有酸素運動とは、ダイセット効果やスタミナアップ効果があるウォーキングやジョギングなどの酸素を取り込む運動です。一方、無酸素運動とは、筋力アップや瞬発力アップに効果がある短距離走や筋トレなどの瞬発的な運動です。
このように、一般的に有酸素運動と無酸素運動は別メニューになるため、両方をバランス良くやるには、どうしても時間と根気が必要でした。たとえば、無酸素運動をしてから有酸素運動をするなどと、両方のトレーニングを行う必要があり、ハードな筋トレをした後に、根性でトレッドミルで走るなどのことをしないといけないというのが、それまでの常識でした。特に時間がかかるのが、有酸素運動で、ランニングを始めたとしても、脂肪燃焼の効果を出すためには20分~30分ぐらいは走らないと効果が出づらいと躊躇した方も多いはず(これについては、最新の学説では、20分未満の運動でも脂肪燃焼効果があると認められています)。
こうした従来のトレーニング方法に対して、HIITならば、有酸素運動(脂肪燃焼)と無酸素運動(筋トレ効果)を同時に達成できて、さらに個別のトレーニングよりも短時間で行えることが非常に魅力的なトレーニングメソッドとなっています。
03 HIITはダイエット効果だけじゃない!
また、HIITはダイエット効果があるばかりではなく、多くの基礎疾患、たとえば、肥満、心臓病、脳血管疾患(脳卒中)、成人型糖尿病、骨粗鬆症になる可能性を低下させ、確実に死亡率を減少させ、癌にもかかりづらくなり、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールと中性脂肪を減らすことが、さまざまな研究で報告されています。運動をすること自体がこうした効果を生むことは以前から分かっていたことですが、HIITは、この効果が非常に高いということが分かっています。
さらに、HIITには、アンチエイジング効果が高いことも分かっており、血管年齢が若返り、血圧を改善させ、脳の神経細胞を新しく作り出し、認知症リスクを低下させ、若さを保つ上で重要なホルモン(成長ホルモン、DHEA、テストステロン)を分泌させ、持久力が上がり、疲れにくくなります。そして、筋肉量が増えることで、基礎代謝が上がり、そもそも太りにくい体質へと変化します。
人生100年時代を十分に謳歌するためにも、HIITを賢く利用して、健康寿命をしっかり伸ばしていきましょう。

まず、HIITを行うことで得られる6つのメリットについて以下のページにてご説明します。
04 HIITを行うことで得られる主なメリット
(1)体力・持久力アップ
HIITを行うと最大酸素摂取量がUPし、体力・持久力がアップします。
(2)ダイエット効果
HIITは脂肪の燃焼効果が非常に高くリバウンドし辛い痩せ体質を作ります。
(3)筋トレ効果
HIITはには、いわゆる筋肉トレーニングを行うのと同等の効果があります。
(4)血糖値の正常化
HIITを行うことで糖尿病予防や血糖値の急な上昇などを防ぐことができます。
(5)血管の若返り
HIITを行うと血管が若返り、コレステロールを良好に改善します。
(6)脳の老化予防
HIITには脳細胞を新しく作り、情報処理能力を高める効果があります。

【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |