2023年3月22日(立川の溶岩ホットヨガ)

「僕には伝えたいことがあるんだけど、君には伝わらない」

00 傾聴、アクティブリスニングというテクニック

中島義道の『<対話>のない社会』について、続きをきちんと書きたいと思っているのですが、同じ内容の日記の続きを書くには、それなりの余暇というか、暇がなければ、なかなか書く気にもならず、毎回「続きは後日」で誤魔化しております。しかし、今回のテーマはそれと少し近いものです。誰も経験したことがあると思うのですが、自分が何かを人に伝えたいと思って、それを一生懸命話して伝わないことがあると思います。最近は、アクティブ・リスニングという言葉が流行っているように、自分の話をすることはナンセンスで、ひたすら「傾聴」といいますか、相手の話を聞くというテクニックがもてはやされていますが、正直、聞くほうが楽なんですね。

精神分析家やカウンセラーが患者とカウンセリングする際に(カウンセラーがカウンセリングするってなんだか同じことを繰り返して言っているようですが)、大事なことは、何かを話すのではなく、ただ聞くことに徹し、相手が言ったことを反復することが大事だという、カウンセリングの基本中の基本のお約束があります。人は相手の話なんて聞く気はないんですね。ただ自分の話をしたいだけ。それは私も同じでしょう。そして、聞くことの大切さが説かれるわけですが、それはあくまでも相手の不満や悩みを解消したり、合意を形成するための、一種の説得術にすぎません。少し言い過ぎかもしれませんが、精神分析家やカウンセラーが相手の話を聞くのがテクニックであるように、<本当に>相手の話を聞いているかというとそうでもないわけですね。

01 本当に<人>と話しているのか?

このことは、ビジネスの世界では、一つの優れた方法でしょうし、何か悩みを抱えている人の悩み解消させるには有効なのでしょう(悩み自体を直接的に解決するのではなく、悩みを話させているうちに、自己解決させるわけですね)。この傾聴、あるいはアクティブリスニングというのは、私自身も相談事を受ける際には用いますし、その効果は抜群に高いと体感しております。なので、精神分析医やカウンセラーがそういうテクニックを用いるのはもちろん、ビジネスの様々な場面で、有効な手段として用いられるのはわかります。

しかし、それは中島義道がいうような<対話>ではありませんし、まさに「話し合う」ということではないと思います。そこあるのは、まさに鏡像のような、写し鏡であり、誰かが一人語りしているのを、受け入れるということでしかないと思います。そうすることで、心の問題やビジネスの問題が解決するので、それは結果的に良いことであり、大変有用なテクニックではあるのはよくわかっています。だが、それでは、極端に劇画化すれば、AIどころか、人形相手に話しかけているのと何も変わらないことであり、そこに人はいなくてもよいのではないでしょうか。

まあ、そういうのは言い過ぎかもしれませんし、心に問題を抱える人が悩みが消えて元気になっていくのは、素晴らしいことだと思いますが、ビジネスの世界以外、とりわけ友人や恋人などで、このテクニックが使われて友情や愛情が形成されるというのは、何か洗脳術とどこが違うのか、正直私にはわかりません。確かに、人にはそれぞれその人の価値観や感性があり、人に自分の価値観や感性を押し付けようとすることは間違っているかもしれません。しかし、相手の価値観や感性を重んじるばかりで、自分の本音や想いを隠し通すことは、本当に人と人のコミュニケーションといえるのでしょうか?

02 プロタゴラスとロシアのウクライナ侵攻

今お話ししましたように、人にはそれぞれ正義があって、ロシアがウクライナを侵攻するのも、あるいはそういうロシアを非難するのも、それぞれ正義があり、違った価値観があるのでしょう。しかし、それで、ロシアはロシアだし、アメリカはアメリカだ、と多文化相対主義といいますか、人はみんなそれぞれだよねえ、と終わらせてしまっていいのでしょうか。相対主義とまではいわずとも、世に真理などなく、古代ギリシアのソフィストたちのように、人それぞれ意見があり、大切なのはそれをいかに相手をいかに説得し、多数派を形成するか、あるいは交渉で成功するかという側面は現実問題生きていくのに大切なことでしょう。実際、ロシアがウクライナを侵攻することを、世界の多数派は容認しておらず、ロシアの行動に対する批判的な意見はかなり説得的で、私自身も納得します。

もちろん、ロシアの行動を批判する人の中には、原理主義的というか、反共であったり、戦争反対というお題目だけを唯一の正義と盲信して、批判している人も多いでしょうし、そうなると、説得的かどうかというより、何か唯一の「正義」があって、その正義の名のもとにロシアが裁かれているという面もあり、それは相対主義ではないでしょう。しかし、そういう人ではなく、ロシアがウクライナを侵攻することはとても容認できることではなく、それには〇〇という理由がある、と説得的に話す方もいらっしゃるでしょう。しかし、そういう説得的な意見に対して、一体今の日本なり、西欧社会の誰が「本当にそうなのか?」と疑ったり、ロシアとの対話を試みようとしている方はいるのでしょうか?

もちろん、さまざまな観点や理由からロシアのウクライナ侵攻は容認できないというのは、私はその辺の事情に詳しくはないのですが、なんとなく「やっぱり、そうだよね」と流されてしまっていて、深く考えてないですし、ロシアの侵攻容認派の人と話したいとも思っていません。しかし、本当にそれでいいのだろうか、という疑問だけは少しだけ持っています。

まあ、ロシアのウクライナ侵攻という例はあまりよくない理由ですが、少なくともいえることは、誰もロシアの言い分など聞こうとしていないということではないでしょうか。もちろん、いかなる理由、主張があるにせよ、戦争は許せないという意見もわかります。しかし、それなら、有史以来戦争を繰り返した来た人類は、すべてただ誤っているのであり、平和を希求しないという暴力的な、人類の悪しき側面でしょうか?そして、いまだに世界中の各地で紛争、戦争が終わらない人類は「悪魔」でしかないのなら、一体、人類とはなんなのでしょうか?

03 エコチェンバー・フィルターバブル、小部屋の中で過ごす現代人

少し話が大げさになってしまいましたので、修正します(苦笑。ロシアの話を今したいわけではく、人は人の話を聞かないし、人は人に自分の話を伝えようと思ってもそれは絶望的ではないかという話をしたいのでした。実際、またロシアの話をぶり返してしまえば、戦争という手段は「話し合い」が決裂した結果、あるいは「話し合い」をあきらめた結果起きる現象ではないのでしょうか。もちろん、その「話し合い」を放棄し、実力行使したロシアが世界中から批判されているように、「話し合い」を放棄した人は批判されるべきであっても、決して誇らしいことではないのではないでしょうか。

しかし、残念ながら、日常では、人は人の話を聞かないし、人は人の話に興味がありません。現代は、SNSやLINEなどの多種多様なコミュニケーションツールがあり、コミュニケーションが活発であるかのように見えます。その一方で、アメリカ合衆国の法学者キャス・サンスティーンが指摘したように、自分と似た興味関心をもつユーザーをフォローする結果、意見をSNSで発信すると自分と似た意見が返ってくるという状況、サンスティーンの言葉を使えば「エコチェンバー」という現象が起きたり、Googleを代表とする検索エンジンは、アルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習することで、個々のユーザーにとっては望むと望まざるとにかかわらず見たい情報が優先的に表示され、利用者の観点に合わない情報からは隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立するという状況、つまりフィルターバブルといわれる事態に陥っていないでしょうか。

現代人は、SNSなどをはじめとする多種多様なコミュニケーションツールやGoogleなどの情報検索ツールをもち、もはや知識は不要となるような状況になっているにも関わらず、自分と異なる価値観・感性を持った人々と話し合う機会を、失いつつあるのではないでしょうか。

そして、異質な他者と出会わなくなった時代に、さらに傾聴やらアクティブリスニングが隆盛し、もはや、自分と異なる意見や価値観・感性を持った人の話の「中身」を全く聞かなくなっているように思えます。

話の続きはまた後日で(苦笑。

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以下、お店のご紹介です!

溶岩ホットヨガだけではなく、ピラティスボクササイズキックボクササイズHIITバトルロープもしたいという本気でダイエットしたい方におすすめなのが、イタリア溶岩ホットヨガ&ピラティススタジオ「オンザショア」です。日本で唯一溶岩ホットヨガ環境下でボクササイズやキックボクササイズを行うというかなりハードなエクササイズが体験出来るスタジオとなっております。

スタジオ名イタリア溶岩ホットヨガ&ピラティススタジオ「オンザショア」
住所東京都立川市曙町2-14-10エトロワビル 3階
TEL042-595-8039
事業内容溶岩ホットヨガ、ピラティス、キックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、バトルロープ、総合格闘技、パーソナルトレーニングなど
特徴50種類の豊富なレッスンと早朝から深夜まで開催しているヨガのレッスンなど
対応エリア立川、西国分寺、国分寺、国立、昭島、東大和、日野、青梅、あきる野、府中、武蔵村山、福生、羽村、八王子など
定休日年中無休
URLhttps://ontheshore.jp/

立川駅北口徒歩1分の好アクセス。立川エリアで活動する方にはとても行きやすい。早朝から深夜まで、お仕事帰りは勿論、お仕事前にも通える街のホットスポット、立川の溶岩ホットヨガスタジオ「オンザショア」です。土日も早朝、夜も開講中です。パーソナルトレーニングについてはお気軽にお電話・メール等でお問い合わせくださいませ。

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立川ヨガ 立川エリア唯一の溶岩ホットヨガスタジオ「オンザショア」

エントランス
立川の溶岩ホットヨガスタジオ「オンザショア」
【監修者】宮川涼
プロフィール早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

コロナ時代におけるスポーツの効果(スポーツ庁)

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