腹式呼吸の効果

腹式呼吸の効果についてご紹介します。疲れが溜まっているとき、ストレスに悪阻あれたとき、パニックに陥っているとき、そんなときに深呼吸をすると落ち着く、そんな経験を誰もがしたことがあると思います。深呼吸といっても、ここでお話ししたいのは腹式呼吸についてですが、科学的にも腹式呼吸にははっきりとしたエビデンスが存在しています。

ハーバード大学医学部のデュレックらは「リラクゼーション・レスポンス」という研究を行っており、この「リラクゼーション・レスポンス」というのは、ストレスや痛み、不安を克服するために、人間の心の力を利用する技術のことを意味しています。瞑想や呼吸法、ヨガなどの呼吸法を意識したエクササイズのことです。

研究では、こうしたヨガにおける呼吸法などを通じて、心拍数や血圧を低下させたり、呼吸数を減らしたりすることによって、不安感や緊張感が低減するか、安堵感が増大するかを調べました。実験では、「リラクゼーション・レスポンス」を実践している19人の被験者と実践していない19人の被験者を選び、未経験者の後者には8週間のトレーニングを受けてもらった上で実験前後で比較しました。

その結果、「リラクゼーション・レスポンス」を行うことで、細胞の代謝、活性酸素の生成、慢性的な心理的ストレスなどに変化が生じ、短期間でも長期間でも効果があることがわかりました。つまり、既に「リラクゼーション・レスポンス」、いわゆるヨガなどの経験者だけではなく、新しくヨガなどの「リラクゼーション・レスポンス」を始めた人にも効果がすぐに現れたということです。

呼吸法には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の大きく2つが代表的なものでしょう。もちろん、ヨガには他にも複数の呼吸法がありますが、一般的にはこの2つが代表的なものです。しかし、私たちはいつも胸式呼吸をしています。胸式呼吸は自律神経における交感神経を刺激するもので、緊張や興奮を起こします。疲労やストレス、怒りなどが加わると呼吸はより浅く激しいものになり、より交感神経が働くようになります。

それに対して、腹式呼吸は、鼻で息を吸いながらお腹を膨らませ、吐く息でお腹をへこませる呼吸法ですが、腹式呼吸を行うと副交感神経が優位になります。2秒賭けて、2秒またはさらに長く6秒かけて吐く腹式呼吸で爽快感やリラックス効果が得られたと東北大学の高橋らの研究によって実証されています。

皆さんも深呼吸をするときは、ただ深く息を吸うだけではなく、腹式呼吸をすることを意識してみませんか?慢性的なストレスを緩和する一手になるかもしれません。

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