ダイエットについて

イントロダクション

ダイエットは、健康的な生活を送るための重要な要素であり、体重を管理し、生活習慣病を予防するための手段です。この記事では、ダイエットの科学的な側面、具体的な方法、注意点について解説します。ダイエットに興味がある方、またはダイエットを始めることを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ダイエットのビフォー&アフターについてのイラストを作って。

何故、ダイエットをする必要があるのか?

ダイエットは単に体重を減らすだけでなく、健康的な生活を送るための一部です。適切な体重を維持することは、心臓病、糖尿病、高血圧などの生活習慣病を予防するのに役立ちます。また、ダイエットは自己肯定感を高め、生活の質を向上させることもあります。生活習慣病予防などについては、下記に詳細に記載しておりますので、そちらをご覧ください。ここでは、一旦、とりわけ、自己肯定感の重要性についてご紹介します。自己肯定感とは、自分自身の価値を認識し、自分の能力と業績に自信を持つ能力を指します。一方、ダイエットは、体重を管理したり、健康を改善したりするための方法です。これらの2つは、精神的および身体的健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。

ダイエットと自己肯定感は密接に関連しています。自己肯定感とは、自己評価や自己価値感に関する感情や信念のことであり、自分自身を受け入れ、肯定する能力を指します。多くの人がダイエットを行う際、理想的な体型や外見に対する社会的な規範や期待に合致することを目指す傾向があります。しかし、ダイエットの成果や外見の変化が思うように得られない場合、自己評価や自己肯定感に悪影響を及ぼす可能性があります。

一部の研究[1]によれば、高校生や大学生におけるダイエットと自己肯定感の関連性が探究されています。この研究では、ダイエット行動を取る学生たちの自己肯定感が低下する可能性が示唆されています。また、認知行動療法という心理療法が、ダイエット目的の心理的アプローチに有効であるとされています[2]。認知行動療法は、思考や行動のクセや歪みを改善し、自己肯定感を高めることを目指す心理療法の一種です。

一部の研究[3]では、現代女性の痩身化の実態や痩身願望についても言及されています。痩身願望は、自己の体重を減少させたり、体型をスリム化しようとする欲求であり、様々なダイエット行動が関連付けられています。また、肥満の若者を対象とした減量キャンプの心理社会的結果を評価しています。参加者は自己効力感、自尊心、自己効力感、一般的な体重関連の生活の質を改善しました。自己肯定感を高めることがダイエットの成否にも影響を与えるとする心理カウンセラーの提言もあります[4]。自己肯定感が高い人は、自分自身を受け入れ、ポジティブな自己評価を持ちやすく、ダイエットにおいてもより効果的なアプローチをとることができるかもしれません。

このように、ダイエットと自己肯定感は相互に関連しており、ダイエットの目標達成や外見の変化が自己肯定感に与える影響が重要なテーマとして研究されています。ダイエットにおける自己肯定感の向上には、認知行動療法などの心理的なアプローチや自己受容の重要性が示唆されています。

ただし、注意点として、ダイエットや自己肯定感に関しては個人の経験や心理状態によって異なる場合があります。個人が安全かつ健康的な方法でダイエットを行い、自己肯定感を向上させるためには、専門家の指導やサポートを受けることが重要です。

自己肯定感が低い人は、しばしば自分の外見や体型に対する厳しい評価を持つことがあります。このような厳しい自己評価は、体重を落とすことで「解決」しようとするダイエット行動につながる可能性があります。しかしこれが必ずしも健康的な結果をもたらすわけではありません。あまりにも厳格なダイエットは、過食症や拒食症などの食事障害を引き起こす可能性があります。

逆に、健康的なダイエットは自己肯定感を高めることができます。適切な食事と運動を通じて身体的健康を改善することで、自己尊重感が高まり、自己肯定感が強化されることがあります。その結果、ダイエットを続ける動機付けが高まり、成功の確率が上がることがあります。逆に、自己肯定感が低いと、うつ病や不安障害などの精神的健康問題につながる可能性があります。また、ダイエットのプレッシャーが高まると、ストレスレベルが上昇し、これも精神的健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

それでは、次に健康面についてフィーチャーして、なぜダイエットをする必要があるのか説明していきましょう。

(1)心臓病とダイエットについて

心臓病は現代社会の主要な健康問題であり、その予防と管理は医療専門家の重要な課題です。ダイエットは、心臓病リスクを低減するための一つの手段として広く認識されています。しかし、ダイエットの方法やその影響については、多くの誤解と混乱があります。

心臓病のリスク因子には、肥満、高血圧、糖尿病などがあります。これらのリスク因子は、食事と生活習慣によって大きく影響を受けます。ダイエットは、これらのリスク因子を管理するための一つの手段として広く認識されています。

ダイエットの方法は多岐にわたりますが、心臓病リスクを低減するためには、健康的な食事と適度な運動が重要です。特に、低糖質ダイエットは、糖尿病や肥満のリスクを低減する可能性がありますが、一方で心房細動のリスクを高める可能性もあるとされています。また、過度のダイエットは筋肉減退(サルコペニア)を引き起こし、心血管リスクを増大させる可能性があります。

ダイエットは、適切に行われれば心臓病のリスクを低減する一方で、過度なダイエットや偏った食事は逆にリスクを高める可能性があります。特に、超低カロリーダイエットは、一時的に心臓に脂肪が集まり、心臓に悪影響を及ぼす可能性があります。また、短期間で意図的でない体重減は、心臓病や脳梗塞のリスクを高める可能性があるとされています。

(2)糖尿病のリスクを低減させる

肥満のある人は体重を減らすことで、長期的な健康上の利益を得られ、とくに4.5kg以上の減量に成功した人は、その後の体重増加が少なく、2型糖尿病のリスクも減少することが、約20万人を対象とした長期的な研究で示されています。

食事・運動・体重管理などの健康的な生活スタイルにより糖尿病を改善できることが、多くの研究で確かめられています[2]。最近は、食事と運動で体重を減らせば、糖尿病の症状が「治る」という報告が相次いでいます。

しかし、糖質制限ダイエットが体質的に合う人、合わない人がいるという意見もありますが、糖質制限ダイエットは万人に効果が出るダイエットとされています。太る原因が糖質の過剰摂取であるということは、生化学という学問ですでに解明されています。

欧州心臓学会(esc)は2019年に、「低炭水化物ダイエットは、短期的には、体重を減らし、血圧を下げ、血糖コントロールを改善するために有用という研究が発表されていますが、長期的な安全性については確かめられていません」と発表しています。

また、肥満や過体重のある糖尿病患者は、体重を5%以上減らせば“糖尿病が治ったのに近い状態”を維持できることが多いとされています。ただし、いったん体重を減らしても、元の状態にリバウンドすると、その効果は失われてしまいます。

これらの研究結果から、ダイエットは糖尿病のリスク低減に寄与する可能性があると言えます。

(3)ダイエットと高血圧の予防について

高血圧は、生活習慣病の一つであり、その予防と管理には適切な食事と運動が重要な役割を果たします。特に、ダイエットは肥満の改善とともに、高血圧のリスクを低減する効果があります。

高血圧予防のための食事と言えば、一般的には塩分を減らすことが重要とされています。また、アメリカ発の高血圧の食事療法として注目されている「DASH食」もあります。これは、野菜や果物、全粒穀物、低脂肪乳製品、魚、肉、豆類などをバランスよく摂取する食事法で、塩分の摂取を控えることも重要なポイントとなっています。

「DASH食」とは、Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事療法)の略称で、高血圧を管理または予防するための食事療法です。この食事療法は、1990年代にアメリカの国立血圧研究所(NHLBI)によって開発され、心血管疾患のリスクを低減する効果が科学的に証明されています。DASH食は次のような特徴を持っています。

  1. フルーツと野菜の摂取を増やす:DASH食では、フルーツと野菜の摂取を増やすことが推奨されています。これらの食品はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、低カロリーです。特に、カリウム、マグネシウム、カルシウムが含まれており、これらのミネラルは血圧を下げる効果があるとされています。
  2. 全粒穀物を選ぶ:全粒穀物は食物繊維が豊富であり、血糖値の上昇を抑える効果があります。また、満腹感を得やすく、過食を防ぐことができます。
  3. 低脂肪乳製品を選ぶ:DASH食では、低脂肪乳製品の摂取が推奨されています。これらの食品はカルシウムが豊富で、カルシウムは血圧を下げる効果があるとされています。
  4. 飽和脂肪酸とコレステロールを制限する:動物性食品の摂取を制限することで、飽和脂肪酸とコレステロールの摂取を抑えることができます。特に、赤身の肉と全脂乳製品は制限対象です。
  5. ナトリウム(塩分)の摂取を制限する:高血圧予防のため、ナトリウムの摂取を制限することが推奨されています。特に加工食品には高いナトリウムが含まれていることが多いため、注意が必要です。
  6. 糖分の摂取を制限する:砂糖や甘い飲み物の摂取を控えめにすることで、余分なカロリー摂取を抑えます。

DASH食は、低ナトリウム、高カリウム、高カルシウムで、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、赤肉、添加糖を少なくすることを特徴としています。また、適度な赤肉の摂取、豊富なフルーツと野菜、全粒穀物、魚、家禽肉、豆類の摂取を推奨しています。

DASH食は長期的なライフスタイルの変更を目指しており、一時的なダイエットとは異なります。これは、一生続けることができる食事療法を目指しています。すぐに全てを変えようとするのではなく、少しずつ食習慣を改善することで、長期的に維持可能なライフスタイルの変更を行うことができます。

DASH食以外の、主なダイエット法のいくつかを紹介します。

  1. メディテラネオダイエット: これは伝統的なダイエットピラミッドの一つで、主に地中海地方の食生活をベースにしたダイエット法です。フルーツ、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツ、オリーブオイルなどを中心に、魚介類も週に数回摂取します。メディテラネオダイエットとは、栄養学とダイエット学の文脈でよく引用される伝統的な食事パターンの一つで、その基本的な構造は、地中海地方の食生活に根ざしています。具体的には、フルーツ、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツ、そしてオリーブオイルを主軸とし、魚介類も週に数回摂取するという特徴があります。これをさらに深く考えるために、”ダイエットピラミッド”という概念を理解することが有効です。ダイエットピラミッドとは、健康的な食事の組み立て方を視覚的に示すためのモデルで、最下層には最も頻繁に摂取するべき食品があり、ピラミッドの上に行くにつれて摂取量が減る食品群が配置されます。このメタファーを用いると、メディテラネオダイエットの最下層には野菜や果物が、次に全粒穀物や豆類、ナッツが位置し、その上に魚介類やオリーブオイルが配置されるイメージです。これまでの研究では、メディテラネオダイエットが心血管疾患の予防や寿命の延長に寄与する可能性が示されています。この理由は、このダイエットが含む食品が体に必要な栄養素をバランスよく供給し、体内の炎症を抑える効果があるからです。

  2. ベジタリアンダイエット: 主に植物性食品のみを摂取するダイエット法で、心疾患、糖尿病、高血圧のリスクを下げる効果があるとされています。ベジタリアンダイエットは、その名の通り、主に植物性食品のみを摂取する食事法で、この種の食生活は様々な健康上の恩恵をもたらすとされています。具体的には、心臓疾患、糖尿病、高血圧といった生活習慣病のリスクを軽減する可能性が示唆されています。ここで注目すべきは、”ベジタリアンダイエット”という言葉の意味から見て、このダイエットが肉や魚などの動物性食品を一切含まないという特徴です。動物性食品を排除することで、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量が減少し、これが心臓疾患のリスク軽減につながると考えられています。また、植物性食品は食物繊維や抗酸化物質を豊富に含むため、血糖値の管理や血圧の安定に寄与するとも言われています。一方で、初めてベジタリアンダイエットを考えている人々にとっては、肉や魚を食べない生活を想像するのは難しいかもしれません。そこで、比喩を使って説明すると、ベジタリアンダイエットを追求することは、まるで新しい料理のレシピを探し求めるようなものです。新たな食材や調理法を試すことで、未知の美味しさを発見することができるでしょう。

  3. ケトジェニックダイエット: 炭水化物の摂取を極端に制限し、脂肪の摂取を増やすことで、体をケトーシス状態にし、体脂肪を燃焼させるダイエット法です。ケトジェニックダイエットは、炭水化物の摂取を厳しく制限し、その代わりに脂肪の摂取を増加させることで体がケトーシスという状態に入るように促す食事法であり、これによって体脂肪の燃焼が促進されることを目指します。ケトジェニックダイエットの概念を理解するためには、まず「ケトーシス」について理解することが重要です。ケトーシスとは、体がエネルギー源として脂肪を使用し、それによりケトン体という物質が生成される生体反応のことを指します。この状態は通常、体内の糖質(炭水化物)が不足しているときに起こります。つまり、ケトジェニックダイエットでは、食事から炭水化物の摂取を制限し、代わりに脂肪を摂取することで、体をケトーシス状態に誘導し、体脂肪を燃焼させることを目指しています。一方で、ケトジェニックダイエットの理解を深めるための一例として、ある種のエンジンの働きにたとえることができます。通常、私たちの体(エンジン)は糖質(ガソリン)を主なエネルギー源として利用しますが、ケトジェニックダイエットでは、体を脂肪(ディーゼル燃料)を燃焼するように切り替えることを目指します。

  4. モノトロフィックダイエット: 一定期間、一種類の食品のみを摂取するダイエット法。目的は主に体重減少ですが、長期間続けると栄養不足になるリスクがあります。モノトロフィックダイエットは、特定の期間にわたり一種類の食品のみを摂取するという食事法で、これは主に体重減少を目的としています。しかしながら、この食事法は栄養素のバランスを崩す可能性があり、その結果、長期間続けると栄養不足に陥るリスクが存在します。モノトロフィックダイエットの主な理念を簡単に説明すると、ある特定の食品のみを摂取することでカロリー摂取量を自然と制限し、その結果、体重の減少を達成するというものです。たとえ話を用いて説明すると、モノトロフィックダイエットは音楽の世界で一つの楽器だけを演奏することに似ています。その楽器を演奏することで音楽は奏でられますが、他の楽器の音色やバランスを欠くため、完全なハーモニーを達成することは難しいでしょう。

  5. フレキシブルダイエット: 大きな食品群すべてからバラエティ豊かな食品を摂取するダイエット法で、野菜、フルーツ、全粒穀物、低脂肪の乳製品、高品質のタンパク質源、ナッツや種などが含まれます。フレキシブルダイエットは、その名の通り、柔軟性を重視した食事法で、大きな食品群全てからバラエティ豊かな食品を取り入れます。このダイエット法は、野菜、フルーツ、全粒穀物、低脂肪の乳製品、高品質のタンパク質源、そしてナッツや種などを主体にします。フレキシブルダイエットは、食事制限の厳格さを軽減しながらも、健康的な食事バランスを保つための方法です。たとえば、ある種のダイエット法が音楽のジャンルに例えられるなら、フレキシブルダイエットはジャズに似ているかもしれません。ジャズは、多様な楽器と即興性を駆使して、独自のハーモニーを生み出します。それぞれの楽器(食品群)が異なる音(栄養素)を出し、それらが全体として一つの曲(健康的な食事)を作り上げるのです。

以上、参考にしてみてください。

高血圧を放置した場合のリスクや、ダイエットが重要である理由、食事療法や運動のポイントについても解説していきます。肥満の方は正常体重の方と比べて、高血圧になる確率が約2~3倍高くなるといわれています。

後述するように、高血圧の予防とダイエットは密接に関連しています。適切な食事と運動を通じて体重を管理し、健康的な生活習慣を維持することが、高血圧の予防と改善につながると言えます。

また、高血圧に限らず、心臓病、糖尿病、高血圧などといった生活習慣病は、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が病気の発症や進行に関与する疾患の総称であり、高血圧、肥満、糖尿病などが代表的な例です。これらの病気は、不健全な生活の積み重ねによって引き起こされ、医療費にも大きな影響を与えています。

生活習慣病の予防と改善には、適切な食事と運動が重要な役割を果たします。特に、ダイエットは肥満の改善とともに、生活習慣病のリスクを低減する効果があります。ヨガやピラティスなどは体力に自信のない人や、関節痛などで悩む人も効率的に体を鍛えることができ、転倒予防や、高血圧・肥満などの生活習慣病の改善にも寄与します。

食事については、時間制限摂食が、肥満症や糖尿病などの生活習慣病の予防や改善に効果がある可能性が示されています。また、塩分と血圧の関係については、減塩による高血圧の対策として、塩分を控えることが推奨されています。

生活習慣病の予防とダイエットは密接に関連しています。適切な食事と運動を通じて体重を管理し、健康的な生活習慣を維持することが、生活習慣病の予防と改善につながると言えます。

ダイエットの方法について

ダイエットの方法は人それぞれですが、基本的にはバランスの良い食事と適度な運動が必要です。食事では、野菜や果物、全粒穀物、低脂肪のタンパク質を中心に摂ることが推奨されます。また、運動は週に150分の中程度の有酸素運動と、週に2日以上の筋力トレーニングが理想的です。

(1)バランスの良い食事について

バランスの良い食事とは、体を動かすための栄養素と、体を作るための栄養が適切に含まれている食事を指します。具体的には、「主食・主菜・副菜のそろった食事」を「その人に合った量(適量)食べる」ことが重要です。これにより、体内の栄養バランスが整い、代謝も上がるため、ダイエットにも効果的です。

食事バランスガイドは、望ましい食生活についての具体的な行動を示すもので、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安を分かりやすくイラストで示しています。たとえば、たんぱく質は、1週間単位で朝・昼・晩とまんべんなくとることが推奨されています。また、野菜は生野菜より、ゆで野菜のほうがかさが減るので、加熱してたくさん食べるのがおすすめです。

ダイエットを成功させるためには、食事の内容を変えることが一つの方法ですが、「ダイエットのときには何を食べたら良いんだろう?」という疑問を持つ人も多いでしょう。身体に必要な栄養素はさまざまにあり、一つの食品にも多様な栄養素が含まれているため、身体に必要な全ての栄養素の理想的なバランスや、何を食べればそれを満たせるのかという基準を提示することは難しいと考えられます。

しかし、バランスの良い食事を摂ることが大切であり、それを実践するためには、栄養バランスの良い食事とは何なのか、なぜ栄養バランスが重要なのかを理解することが第一歩となります。

まとめると、バランスの良い食事とダイエットの成功のためには以下のポイントが重要です:

  1. 主食・主菜・副菜をバランス良く摂る。
  2. その人に合った量を食べる。
  3. たんぱく質は1週間単位で均等に摂る。
  4. 野菜は加熱してたくさん食べる。
  5. 食事バランスガイドを参考にする。

これらを実践することで、健康的なダイエットを達成することが可能となります。ただ、タンパク質とダイエットの関係については示唆に富む研究も多いので、炭水化物、脂肪、タンパク質の三大栄養素において、とりわけ、高タンパク質の食事には心がけると良い効果が得られると考えられるという研究結果などについて、以下に紹介しておきます。

  1. “高タンパク質ダイエットは食欲、自発的なカロリー摂取、体重の持続的な減少を引き起こす” by David S. Weigleら。この研究では、ダイエットの炭水化物含有量を維持しながらタンパク質含有量を増やすと、食欲と自発的なカロリー摂取が減少し、体重が低下することが示されました。この効果は、低炭水化物ダイエットによる体重減少に寄与する可能性があります。

  2. “脂肪、タンパク質、炭水化物の異なる組成を持つ減量ダイエットの比較” by Frank M. Sacksら。この研究では、カロリー制限ダイエットは、どのマクロ栄養素を強調しているかに関係なく、臨床的に意味のある体重減少をもたらすことがわかりました。しかし、高タンパク質ダイエットに割り当てられた参加者は、高炭水化物ダイエットに割り当てられた参加者よりも体重が大幅に減少したことが観察されました。

  3. “インスリン抵抗性のある肥満女性における高脂肪・高タンパク質ダイエットと高炭水化物ダイエットの比較” by Kirsten A. McAuleyら。この研究では、低タンパク質ダイエットは、高タンパク質のコントロールダイエットと同等の成長パフォーマンスをサポートできなかったと結論付けられました。

(2)ダイエットを効果的に達成するための効果的な運動とは

次に、ダイエットにおける運動療法としては、運動の頻度は定期的に(できれば毎日)実施し、運動量は30分以上、強度は中等度(ややきつい)の有酸素運動が一般的です。適度な運動とは、個々の身体能力や健康状態に合わせた、適切な強度と時間で行われる運動を指します。運動の強度は、一般的にMETs(運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの)で表され、世界保健機関(WHO)はガイドラインの中で3つのレベルに分けて運動強度を示しています。安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。

ダイエットの観点から見ると、適度な運動はカロリー消費を促進し、体重管理に役立ちます。ダイエットのための運動としては、有酸素運動と筋トレが一般的です。有酸素運動は心拍数を高めて長時間行う運動で、脂肪を燃焼させる効果があります。一方、筋トレは筋肉を鍛える運動で、筋肉量を増やすことで基礎代謝を上げ、脂肪燃焼効果を高めます。

適度な運動量については、主要な健康機関で意見が一致しています。世界保健機関、米国疾病予防センター、米国心臓協会などの機関が、有酸素運動について次のようなガイドラインを出しています。

  1. 激しい運動を1週間に75分以上
  2. 中程度の運動を1週間に150分以上
  3. これらの組み合わせ

また、週に2回の「高強度筋力トレーニング」を推奨しています。一般的には、高強度筋力トレーニングは最大筋力の60%以上の強度で行われるとされています. 高強度の負荷がかかることにより、筋肉は収縮に対応するために適応し、成長していくと考えられています。高強度筋力トレーニングの効果には、筋力の増強や筋肉の肥大化、筋持久力の向上があります. 筋力トレーニングは、特異性の法則に基づいて効果が現れるとされています。つまり、目的に応じて適切な運動強度や回数を選択することが重要です. 筋力増強を目的とする場合は、高強度で低回数のトレーニングが効果的であり、持久力向上を目的とする場合は低強度で高回数のトレーニングが適しています。

また、高強度筋力トレーニングには神経系の改善による初期の筋力増加がみられ、トレーニングの継続によって筋肉の断面積が増加していくとされています。トレーニング開始後20日間では筋肉の太さに変化はほとんど見られず、40日から60日以降に筋肉の断面積が増加していくことが報告されています。

高強度筋力トレーニングを行う際の注意点として、適切な呼吸法が挙げられます. 筋力を発揮する際は、下腹部に力を入れながら呼吸をコントロールすることが重要です。適切な呼吸法により体幹が安定し、パフォーマンスの向上や血圧の急激な上昇を抑えることができます。高強度筋力トレーニングは、筋力の向上や身体のパフォーマンス向上に効果的なトレーニング方法です。トレーニングの目的や個々人の状態に応じて、適切な強度や回数を選択し、安全かつ効果的に取り組むことが重要です。

高強度筋力トレーニングにおいて、重要な指標は、レップという考え方です。レップとは、筋トレ用語で「一回の動作」を指します。単純に「〇〇レップ=〇〇回」という意味で使用されます。この言葉は英語の”reps”(反復)に由来し、筋トレの文脈でよく使われます。例えば、「ベンチプレス10レップ3セット」という表現では、ベンチプレスの一連の動作を10回繰り返し、それを3セット行うことを意味します。

また、レップ(数)と同様に、「RM(アールエム)」という用語もよく使われます。RMは、運動の強度(重りの重さなど)を指す言葉で、「〇〇レップできる重さ=〇〇RM」という形で使用されます。例えば、「10レップギリギリできる重さ=10RM」となります。また、「1RM」は「一回ギリギリ挙げられる重さ」を指し、最大重量を表します。トレーニングの際には、自分のRMや1RMを把握することで、効率的なトレーニングや怪我の予防に役立ちます。

筋力トレーニングにおいて、レップ(数)は重要な要素です。一般的には、低重量で高レップ(数)のトレーニングよりも、高重量で低レップ(数)のほうが筋肥大により効果的とされています。ただし、フォームや動作の速度なども重要な要素であり、安全かつ適切なトレーニングを行うことが重要です。

このように、「レップ」の意味は、一回の動作を指し、トレーニングの強度や反復回数を表す用語です。トレーニングの目的や個人の目標に応じて適切なレップ(数)や重量を設定することが重要です。負荷としては、10回目が1回目よりもかなりキツイというのが目安です。高強度筋力トレーニングは、短時間で高強度の運動を行う筋力トレーニングの形式です。これは、一般的には、一つのエクササイズを最大限の努力で行い、その後に短い休憩を挟むというパターンを繰り返します。その目的は、筋肉を最大限に活性化し、筋肉の成長と筋力を最大化することです。

高強度筋力トレーニングは、特定の効果を得るために適した運動を行う必要があります。高重量トレーニングは筋肉の肥大効果だけでなく、筋肉と脳の連携を向上させる神経系トレーニングの効果が期待できます。スポーツ科学のデータによると、筋力トレーニングによって筋肉の量や筋力を高めることで、理想とするパフォーマンスをより発揮しやすくなります。また、筋肉の断面積が大きくなるほど発揮できる力も増えることが示されています。筋肉の量や断面積を大きくするためには、筋力トレーニング、つまり高強度筋力トレーニングが必要です。高強度筋力トレーニングには以下のような効果があります。

  1. 筋力と筋持久力の向上: 高強度の運動は筋肉に強い負荷をかけ、筋肉の成長と筋力の向上を促進します。
  2. 脂肪の燃焼と体重管理: 高強度の運動は高いカロリー消費を引き起こし、体重管理や脂肪の燃焼を助けます。
  3. 心肺機能の向上: この種の運動は心臓と肺の能力を高め、全身の血流を改善します。
  4. 筋肉の肥大効果: 高重量トレーニングによって筋肉の肥大効果が得られます。
  5. 筋肉と脳の連携の向上: 高強度トレーニングは神経系トレーニングとしても効果があり、筋肉と脳の連携を向上させます。
  6. パフォーマンスの向上: 筋力トレーニングによって筋肉の量や断面積を増やすことで、理想とするパフォーマンスをより発揮しやすくなります。

しかし、ダイエットという観点においては、この高強度筋力トレーニングのみではなく、有酸素運動とこうした高強度筋力トレーニングの組み合わせが、最適な運動パターンとされています。有酸素運動は心肺機能を強化し、カロリーを大量に消費します。一方、高強度筋力トレーニングは筋肉量を増やし、基礎代謝を上げることで、安静時でもカロリー消費を促進します。

また、筋力トレーニングは、内分泌機能にも影響を与えます。その一つが成長ホルモンの分泌に関連しています。成長ホルモンは、体の成長・発達、細胞の再生・修復、代謝機能の維持等に欠かせない役割を果たします。そして、成長ホルモンは筋トレによってその分泌が促されると言われています。さらに、筋トレにより成長ホルモンが分泌され、それが身体の各部位に作用することで筋肥大を促進する可能性があると考えられます。

ちなみに、成長ホルモンの分泌は加齢とともに減少します。具体的には、思春期前の値を100%とすると成長ホルモンの分泌量は、思春期後期で多くなり、200%と2倍くらいになります。しかし、その後はどんどん少なくなり、30、40歳台では50%、60歳では30%くらいになります。また、この成長ホルモンは、骨の健康維持に必要です。成長ホルモンが出なくなると骨が弱くなり、骨折したり骨粗鬆症になりやすくなります。さらに、成長ホルモンが皮膚の汗腺に届かなくなると、汗の量が減少して肌がカサカサになります。その他にも、気分の落ち込みや集中力の低下、倦怠感や孤独感など、精神面にも影響が出る可能性があります。成長ホルモンはインスリン様成長因子(IGF)とともに脳の発達、記憶などにも関与していることが示唆されているのです。

また、筋肉トレーニングは、筋力や筋持久力の向上に重要な役割を果たしますが、その後に行われる有酸素運動も同様に重要で、下記のような効果が見込めると言われています。

  1. 脂肪燃焼効果の向上: 筋肉トレーニングによって筋肉が活性化された状態では、有酸素運動を行うことで脂肪燃焼効果が向上します。筋肉トレーニング後の有酸素運動によって、エネルギー需要が高まり、脂肪をより効率的に燃焼させることができます。

    【解説】 筋肉トレーニングによって筋肉が活性化されることで、基礎代謝が上がります。有酸素運動はエネルギーを消費するため、この状態で有酸素運動を行うことで、脂肪を効率よく燃焼させることができるのです。

  2. 筋肉の修復と回復の促進: 筋肉トレーニングは筋肉繊維に微細なダメージを与えますが、有酸素運動によって血流が増加し、酸素や栄養素が筋肉に供給されます。これにより、筋肉の修復や回復が促進されます。

    【解説】 筋肉トレーニングによって筋肉がダメージを受けると、その修復には酸素や栄養素が必要です。有酸素運動によって血流が増加し、酸素や栄養素が筋肉に運ばれるため、筋肉の修復や回復がスムーズに行われるのです。

  3. 心血管機能の向上: 有酸素運動は心肺機能を高め、心臓や血管の健康を促進します。筋肉トレーニング後の有酸素運動によって心拍数が上昇し、心臓と血管がより効率的に働くようになります。

    【解説】 有酸素運動は心臓や血管に負荷をかけることで、これらの器官を鍛える効果があります。筋肉トレーニング後の有酸素運動によって心拍数が上昇し、心臓と血管がより強くなり、酸素や栄養素を全身に効率よく供給することができるのです。

ところで、筋力トレーニングの対象の部位としては、まずアウターマッスルが挙げられます。アウターマッスルと、身体の表層部にある筋肉のことを指します。これは、大胸筋や大腿四頭筋など、身体を動かすための大きな筋肉です。アウターマッスルは体を動かす役割を担っています。具体的には、三角筋、大胸筋、広背筋、僧帽筋などがあり、これらの筋肉は肩関節を大きく動かすときに主に関わっています。アウターマッスルは、早い動きや大きな力を出すために使われ、長時間動かすことができない特徴があります。また、外部の衝撃を守る役割も担っています。アウターマッスルを鍛えることで逞しい体になります。

アウターマッスルと対比されるのがインナーマッスルで、これは身体の深層部にある小さな筋肉を指します。インナーマッスルは、関節の動きを細かく微修正して、姿勢保持やバランスを取る役割があります。体幹だけでなく、上肢・下肢の筋肉の深層筋もインナーマッスルと呼ばれます。インナーマッスルは「姿勢保持筋」「ローカル筋」とも呼ばれ、見えない場所にある筋肉ですが、アウターマッスルとともに働いて、正しい姿勢の保持や動作のサポート、内臓の正しい働きを促すなど重要なはたらきをします。

アウターマッスルとインナーマッスルの鍛え方は異なります。アウターマッスルの鍛え方としては、無酸素運動とプロテインの摂取が推奨されています。一方、インナーマッスルには、ゆっくりと小さい負荷をかけるエクササイズなどのトレーニングが適しているとされています。

さて、こうした筋力トレーニングと有酸素運動による組み合わせの効果についてですが、有酸素運動と筋力トレーニングは、それぞれ異なる効果を持ち、上手に組み合わせることでダイエット効果を最大化することが可能です。有酸素運動は、心拍数を高めて長時間行う運動で、脂肪を燃焼させる効果があります。一方、筋トレは筋肉を鍛える運動で、筋肉量を増やすことで基礎代謝を上げ、脂肪燃焼効果を高めます。

  1. シナジー効果: 有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、相乗効果が生まれます。筋トレによって筋力や筋持久力が向上すると、有酸素運動のパフォーマンスも向上しやすくなります。逆に、有酸素運動によって心肺機能や持久力が向上すると、筋トレの効果もより高まります。
  2. 脂肪燃焼と筋肥大: 有酸素運動は脂肪燃焼に効果的であり、筋トレは筋肥大を促します。組み合わせることで、脂肪を燃焼しながら筋肉を増やすことができます。この結果、体脂肪率の低下やスリムな体型の維持に効果的です。
  3. 筋力維持: 有酸素運動だけを行うと、一部の筋肉が減少する可能性がありますが、筋トレを組み合わせることで筋力の低下を予防することができます。特に高齢者にとっては筋力の低下を防ぐ意味で有酸素運動と筋トレの組み合わせが重要です。

これらの運動を組み合わせる際の最適な方法についても研究が行われています。一般的には、筋トレの後に有酸素運動を行うことが推奨されています。なぜなら、筋トレによって筋グリコーゲン(筋肉のエネルギー源)が消耗され、その後に行う有酸素運動では脂肪がより効果的に燃焼されるからです。

このように、最初に筋トレを行ってから有酸素運動を実施することで、脂肪燃焼効果をより高めることができると考えられます。これは、筋トレにより筋肉が活性化され、その後の有酸素運動により脂肪が効率的に燃焼されるためです。しかし、ある研究によると筋力トレの前に有酸素運動を行うと、筋トレによる成長ホルモンの分泌が抑えられてしまうことが判明しています。これは、運動の順序がホルモン分泌に影響を与えることを示しています。

また、有酸素運動だけを行うと筋肉量が減少する可能性があるため、筋トレを組み合わせることが重要です。筋肉量が減少すると基礎代謝が下がり、ダイエットの効果が減少する可能性があります。

ダイエットのための運動は、個々の体調やライフスタイルに合わせて計画することが重要です。適切な運動方法と適度な栄養摂取を組み合わせることで、健康的なダイエットが可能になります。

注意点

ダイエットに取り組む際は、極端な食事制限や偏った食生活を避けることが重要です。これらは栄養不良を引き起こす可能性があります。また、食事の回数を減らすことは推奨されません。これは身体がエネルギーを蓄えようとして、逆に体脂肪が増加する可能性があります。

ダイエットは、健康的な体重を維持し、慢性病のリスクを減らすための重要な手段です。しかし、ダイエットの方法は多種多様で、その中には科学的根拠に乏しいものも存在します。ここでは、ダイエットにおける注意点と、その背後にある科学的な理論を解説します。

(1)エネルギーバランス(Energy Balance):

エネルギーバランスは、私たちの体重をコントロールする上で非常に重要な概念です。これは、私たちが摂取するカロリー(食事から得られるエネルギー)と消費するカロリー(身体活動や基礎代謝で使われるエネルギー)のバランスを指します。

このエネルギーバランスがポジティブ(摂取カロリーが消費カロリーを上回る)であれば、余剰のエネルギーは体内に蓄積され、体重が増加します。一方、エネルギーバランスがネガティブ(消費カロリーが摂取カロリーを上回る)であれば、体は蓄積されたエネルギー(つまり、体脂肪)を燃焼し、体重が減少します。この原理は「カロリーの法則」とも呼ばれ、ダイエットの基本的な理論を形成しています。

しかし、この法則を理解し、適用することは必ずしも簡単ではありません。なぜなら、私たちが摂取するカロリーは食事によって容易にコントロールできますが、消費するカロリーは身体活動のレベルや個々の基礎代謝率に大きく依存するからです。基礎代謝率は、私たちが全く動かずに過ごしているときに消費されるエネルギーの量を指します。これは年齢、性別、体重、筋肉量などによって異なります。

基礎代謝とは、身体が安静状態で維持するために消費するエネルギー量のことを指します。基礎代謝は、呼吸や体温維持、心臓の鼓動など、生命活動を維持するために必要な最低限のエネルギーです。基礎代謝量は、個人の性別、年齢、身体構成、筋肉量などによって異なります。一般的に、身体が成長する段階や筋肉量が多い場合には基礎代謝量が高く、年齢とともに徐々に減少していきます。

基礎代謝量は、体重管理やダイエットにおいて重要な要素となります。例えば、基礎代謝量が高い人は、同じ活動量でもより多くのエネルギーを消費する傾向があります。そのため、基礎代謝量を正しく把握することは、体重管理や摂取カロリーの調整に役立ちます。また、基礎代謝を制御する分子機構に関する研究も行われています。この研究では、酵素PGKが基礎代謝を制御する一因であることが示唆されています。

基礎代謝には、体表面積や身体組成などの要因が影響を与えることもあります。身長が高くて細身の人や筋肉質の人は、同じ性別・年齢・体重でも基礎代謝量が大きくなる傾向があります。基礎代謝量は個人によって異なるため、一般的な平均値を把握することも重要です。

したがって、ダイエットを成功させるためには、自分の基礎代謝率を理解し、それに基づいて適切なカロリー摂取量を設定することが重要です。また、身体活動を増やすことで消費カロリーを増加させ、エネルギーバランスをネガティブにすることも可能です。これは運動を通じて達成できます。しかし、運動によるカロリー消費は個々の運動強度や持続時間によるため、適切な運動計画を立てることが重要です。

(2)マクロヌートリエント(Macronutrients):

マクロヌートリエントは、私たちの体が大量に必要とする栄養素であり、エネルギー供給の主要な源です。マクロヌートリエントには、タンパク質、脂質、炭水化物の3つがあります。

  1. タンパク質: タンパク質は、私たちの体の細胞を構成する主要な成分であり、筋肉、骨、皮膚、髪などの形成に必要です。また、酵素やホルモンの生成、免疫応答の調節など、体の機能を維持するためにも必要です。タンパク質はアミノ酸という小さな単位から構成されており、これらのアミノ酸は体内で自然に生成されるものと、食事から摂取する必要があるものがあります。タンパク質は、私たちの体が正常に機能するために必要なマクロヌートリエントの一つです。特に、運動を行う人々にとって、タンパク質は筋肉の成長と修復を助ける重要な役割を果たします。タンパク質は、筋肉の成長と修復を助け、体の重要な生化学的プロセスを制御するために必要なマクロヌートリエントです。また、酵素、ホルモン、抗体など、体の重要な生化学的プロセスを制御するためにも必要です。運動を行うと、筋肉組織は微細な損傷を受けます。タンパク質は、これらの損傷を修復し、筋肉をより強く、より大きくするのに必要なアミノ酸を提供します。

  2. 脂質: 脂質は、体内のエネルギー貯蔵の主要な形態であり、体が必要とするエネルギーを供給します。これは特に、長時間にわたるエンドランス運動を行う際に重要です。例えば、マラソンランナーや長距離サイクリストは、長時間にわたる運動を維持するために脂質からエネルギーを得ます。これらのアスリートは、アボカド、ナッツ、種子、魚など、健康的な脂質を豊富に含む食品を食事に含めることが推奨されます。また、脂質は細胞膜の構成成分であり、ホルモンといった重要な生物学的物質の生産にも必要です。脂質には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、これらは心臓病のリスクに影響を与える可能性があります。

  3. 炭水化物: 炭水化物は、私たちの体の主要なエネルギー源です。炭水化物は糖分に分解され、体の細胞でエネルギーとして使用されます。炭水化物には単純糖類(果糖やグルコースなど)と複雑糖類(デンプンや食物繊維など)があります。特に、運動を行う人々にとって、炭水化物はエネルギー供給と運動パフォーマンスの維持に重要な役割を果たします。炭水化物は、体内で最も効率的にエネルギーに変換される栄養素であり、筋肉と脳の主要なエネルギー源です。運動を行うと、筋肉のエネルギー備蓄であるグリコーゲンが消費されます。炭水化物を摂取することで、これらのエネルギー備蓄を補充し、運動パフォーマンスを維持することができます。例えば、スプリンターやウェイトリフターのような高強度の運動を行うアスリートは、運動前後に炭水化物を豊富に含む食事を摂ることが推奨されます。これは、エネルギー備蓄を最大限に保つためです。炭水化物は、パン、パスタ、米、果物、野菜などの食品に豊富に含まれています。

これらのマクロヌートリエントは、バランス良く摂取することが重要です。それぞれが体の異なる機能をサポートしており、一方を過剰に摂取し、他方を不足させると、健康に影響を及ぼす可能性があります。健康的なダイエットを目指す場合、これらのマクロヌートリエントのバランスを考慮に入れた食事計画を立てることが重要です。また、ビタミンやミネラルなど、体が少量しか必要としない栄養素は、体の機能を正常に保つために必要なので、こちらも忘れずにいましょう。

(3)飽和脂肪酸(Saturated Fats)と不飽和脂肪酸(Unsaturated Fats)

健康に対する脂肪の影響については、多くの誤解があります。全ての脂肪が悪いわけではなく、実際には私たちの体にとって必要不可欠な栄養素です。しかし、それらが健康にどのような影響を及ぼすかは、その種類によります。ここでは、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸について詳しく見ていきましょう。

飽和脂肪酸(Saturated Fats): 飽和脂肪酸は、主に動物性食品(肉や乳製品)や一部の植物性食品(ココナッツオイルやパームオイル)に含まれています。これらの脂肪は「飽和」しているため、室温で固形になります。飽和脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールのレベルを上げる可能性があり、これが心臓病のリスクを高める一因となります。そのため、飽和脂肪酸の摂取は適度に制限することが推奨されています。バターやチーズなどの飽和脂肪酸は、摂りすぎるとコレステロール値を上げ、心臓病のリスクを高める可能性があります。

不飽和脂肪酸(Unsaturated Fats): 不飽和脂肪酸は、主に植物性食品(アボカドやナッツ)や魚(サーモンやマグロ)に含まれています。これらの脂肪は「不飽和」であるため、室温で液体の状態を保ちます。不飽和脂肪酸は、HDL(善玉)コレステロールのレベルを上げ、LDLコレステロールのレベルを下げる可能性があります。これにより、心臓病のリスクが減少する可能性があります。例えば、オリーブオイルやアボカドに含まれるモノ不飽和脂肪酸は、心臓病のリスクを減らす可能性があります。また、魚に含まれるオメガ-3脂肪酸は、心臓病の予防だけでなく、脳の健康にも良いとされています。

健康的な食事を心掛ける際には、飽和脂肪酸を制限し、不飽和脂肪酸を適度に摂取することが重要です。しかし、全体的なカロリー摂取量とバランスの良い食事を念頭に置くことも忘れないでください。

(4)ミクロヌートリエントについて

ミクロヌートリエントは、私たちの体が正常に機能するために必要な栄養素で、ビタミンやミネラルなどを含みます。これらは微量ではありますが、健康を維持するためには欠かせない要素です。ミクロヌートリエントは、体の成長、発達、免疫機能の維持、エネルギーの産生、そして細胞の損傷から体を守る役割を果たします。これらの栄養素が不足すると、体の機能が低下し、病気や感染症に対する抵抗力が弱まる可能性があります。

  1. ビタミン: ビタミンは、体の成長と発達を助け、免疫機能を強化し、視力を保つなど、体の様々な機能をサポートします。ビタミンA、B群、C、D、E、Kなどがあります。ビタミンは大きく2つのカテゴリー、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。水溶性ビタミンにはビタミンB群とビタミンCが含まれ、これらは身体がすぐに利用でき、余分なものは尿と一緒に排出されます。一方、脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kが含まれ、これらは身体の脂肪組織に保存され、必要に応じて使用されます。それぞれのビタミンは特定の健康効果を持っています。例えば、ビタミンAは視力と免疫機能を支え、ビタミンCはコラーゲンの生成と鉄の吸収を助け、ビタミンEは細胞をフリーラジカルから保護し、ビタミンKは血液の凝固を助けます。ビタミン不足は、特定の健康問題を引き起こす可能性があります。例えば、ビタミンD不足は骨の脆弱性を引き起こし、ビタミンA不足は視力問題を引き起こす可能性があります。

  2. ミネラル: ミネラルは、骨と歯の形成、神経と筋肉の機能、酵素の活性化などに重要な役割を果たします。カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、ヨウ素などがあります。ミネラルは、身体が自己生産できないため、食事から摂取する必要があります。例えば、カルシウムは骨と歯を強くするために必要で、鉄は酸素を全身に運ぶ役割を果たします。また、カリウムは神経伝達と筋肉の収縮を助け、亜鉛は免疫システムの機能をサポートします。ミネラル(特にビタミンDとカルシウム)の摂取が不足すると、骨密度が低下し、パラチオロモン(PTH)のレベルが上昇する可能性があります。PTHはカルシウムの代謝を調節するホルモンで、そのレベルが上昇すると骨からカルシウムが溶出し、骨が弱くなる可能性があります。

ミクロヌートリエントは、食事から摂取することが一般的です。野菜、果物、全粒穀物、肉、魚、乳製品など、バラエティ豊かな食事を摂ることで、必要なミクロヌートリエントをバランス良く摂取することができます。ただし、特定の栄養素が不足している場合や、特定の病状にある場合は、医師の指導のもとでサプリメントを利用することもあります。

ミクロヌートリエントが不足すると、体の機能が低下し、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。例えば、ビタミンAの不足は視力低下や免疫機能の低下を引き起こし、鉄の不足は貧血を引き起こす可能性があります。また、亜鉛の不足は成長の遅延や味覚障害を引き起こす可能性があります。

一方で、ミクロヌートリエントの過剰摂取も問題となります。特にサプリメントを利用している場合、適切な量を超えて摂取すると、体に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、ビタミンAの過剰摂取は肝臓に悪影響を及ぼし、鉄の過剰摂取は消化器系の問題を引き起こす可能性があります。

ミクロヌートリエントは、私たちの体が正常に機能するために必要な栄養素です。適切な量を摂取することで、健康を維持し、様々な病気を予防することができます。食事からバラエティ豊かな食品を摂ることで、必要なミクロヌートリエントをバランス良く摂取することができます。ただし、特定の栄養素が不足している場合や、特定の病状にある場合は、医師の指導のもとでサプリメントを利用することもあります。

結論

ダイエットは、健康的な生活を送るための重要な要素であり、体重管理だけでなく、全体的な健康状態と生活の質にも大きな影響を与えます。しかし、ダイエットは単に体重を減らすだけのものではなく、栄養バランスを考慮した食事と適度な運動を組み合わせた健康的なライフスタイルの一部であるべきです。適切なダイエットは、体重管理だけでなく、心血管疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の予防にも寄与します。また、適切な栄養摂取と運動は、身体的な健康だけでなく、精神的な健康と生活の質の向上にもつながります。ダイエットを実践する際は、食事の質と量、運動の種類と頻度、そして十分な休息を考慮することが重要です。例えば、食事では、マクロヌートリエント(タンパク質、脂質、炭水化物)とミクロヌートリエント(ビタミン、ミネラル)のバランスを考慮した食事を心掛けることが重要です。運動については、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることが推奨されます。ダイエットは、健康的な生活を送るための重要な要素であり、適切な方法で取り組むことで、体重管理だけでなく、生活の質の向上も期待できます。この記事が、あなたのダイエットの参考になれば幸いです。

参考文献

[1] 高校生・大学生におけるダイエットと自己肯定感との関連に関する研究

[2] 心理的アプローチによるダイエット目的の認知行動療法

[3] 現代女性の痩身化の実態と痩身願望

[4] 自己肯定感がダイエットに影響する

この記事は、上記被リンクの引用文献の他、厚生労働省、e-ヘルスネットなどを参考に作成されています。

 

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【監修者】宮川涼
プロフィール早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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