『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(17)

01 ヨガで考える5つの心の働き

前節までのところで、ヨガで考える心(vrtti)の5つの種類が全て出そろいました。それは、「プラヤーマ」「ヴィパリャヤ」「ヴィカルパ」「ニドラー」「スムリティ」の五つで、「プラヤーマ」が平易な日本語で訳せば「正しい認識」、「ヴィパリャヤ」が「誤った認識」、「ヴィカルパ」が「空想」、「ニドラー」が「睡眠」、「スムリティ」が「記憶」となります。現代人の我々にとって、心の働きがこの5通りに収まるのかどうか疑問が湧いてくるかと思いますが、「プラヤーマ」の「聖典」のところで説明したように、本当にこれだけなのか、あるいはこの5つで正しいのであろうかと疑って見る姿勢も『ヨーガ・スートラ』を読み解くに当たって必要なことであるとも思います。ただ、この五つに心の働きを分類することに意味があるというよりは、私はむしろ、普段私たちが心の働きと思っていないことが挙げられていると受け止めています。とりわけ、「記憶」や「睡眠」と訳されたニドラーやスムリティなどは、現代人が思い描く心のイメージとは大分ずれると思います。

02 二ローダ(止滅)とは何か

abhyasavairagyyabhyam tannirodhah アビャーサヴァイラーギャービャーム タンニローダハ

続く節からは、二ローダ(止滅)についての説明が始まります。「abhyasa」とは「反復、繰り返し、習慣、繰り返された読誦、研究」を意味し、「vairagyabhyam」というのが「蒼白になること、色の変化、嫌うこと、世俗的事物に対する無関心、欲望からの自由、禁欲」を示し、「tat」は「それ、かれ」という意味になります。原文の語順で直訳すると「アビャーサとヴァイラーギャの二つにより、それが止滅である」という感じですね。その上で、次の節を見てみましょう。

tatra sthitau yatno’bhyasah タットラ スティタワ ヤトノービャーサハ

「tatra」は「そこに、その場合に」で、「sthitau」は「残ること、滞在すること、留まること、継続」を意味し、「yatnah」が「努力、尽力、苦労、難行」を意味します。そして、「abhyasah」が「反復、繰り返し、習慣、繰り返された読誦、研究」と訳される先程の「アビャーサ」ですね。原文の語順で直訳すると、「そこに留まる努力が、アビャーサである」ということです。何をどのように努力するのかは、ここではわかりませんが、先を読み進めてみましょう。

sa tu dirghakalanairantrayasatkarasevito drdhabhumih サ トゥ ディールガカーラナイランタリヤサトカーラーセーヴィトー ドリダブーミヒ

「sah」が「それ、かれ」、「tu」が「しかし、もし、また」を意味します。「dirgha」は「長い、長期間」を、「kala」は「時間、時」を、「nairantarya」は「中断されないこと、密接な連続」、「satkara」が「称賛、行為、心の傾注」、「asevitah」は「繰り返された、勤勉に実行した」、「drdha」は「強固な、確固たる」、「bhumih」は「大地、地点、場所」を意味します。原文の語順による直訳をすると「それはしかし、長い時間中断されないで、心を傾注し、勤勉に実行されることで確固たる境地となる」でしょうか。ここでいう「それ」というのは、「アビャーサ」のことです。この「アビャーサ」という言葉自体に「反復、繰り返し、習慣、繰り返された読誦、研究」という意味があるのですが、ここでもまた「繰り返された」という「asevita」という単語を用いているわけです。繰り返し実践することが大切であることを再度強調している形になります。このことをもう少し個別に観ると「時間」「頻度」「集中」という三つの観点があると思います。まず、必要なのは「長い時間」ということです。反対にいえば「短い時間」では到達できない境地ということですね。そして、ただ「長い時間」であればよいわけではなく、「nairantarya」、つまり「中断されず」に行われるということが必要であるわけです。つまり、時間を掛けたとしてもたまに思いつくようなこではなく、常に考えているような程度の頻度が必要だということです。そして、「satkara」、つまり「心の傾注」が必要というわけです。長い時間をかけ、頻繁に実践するだけではなく、心が上の空ではなく、心を傾けて傾注することで「確固な境地」に至れるといっているわけですね。

drstanusravikavisayavitrsnasya vasikarasamjna vairagyam ドリシュターヌシュラヴィカヴィシャヤヴィトリスナスヤ ヴァシーカーラサンジュニャー ヴァイラーギャム

「drsta」が「見られた、知覚された、観察された、考えられた、理解された」を意味し、「anusravika」が「聴いたところによる、ヴェーダ聖典、伝統に基づいた」という意味で、「visaya」は「感覚の対象、客体」を、「vitrsnasya」が「満足した、欲望のない」を意味し、「vasikara」が「征服、克服」を、「samjna」は「意識、知性」を、「vairagyam」は「世俗的事物に対する無関心、欲望の欠如、欲望からの自由」を意味します。原文の語順で直訳すれば、「見られ、聴いたところによる対象への欲望のない克服された意識が、ヴァイラーギャである」ということです。

「vairagya」とは「viraga」に由来する言葉で、「viraga」は「欠如、分離、分散」を意味する接頭語「vi」と、本来「染めること」の意味の「raga(ラーガ)」とが結合している言葉です。この「raga」という言葉は仏教では特によく用いられている単語で、人の煩悩の3種を「三毒」といいます。一つは「貪(とん)」、二つ目が「瞋(じん)」、三つ目が「癡(ち)」です。「貪(とん)」とは、むさぼりの心。つまり目先の欲に溺れて本当に大切なことを見失ったり、自分の欲だけのために行動して、他人を傷つけたりすることです。「瞋(じん)」とは、怒りや憎しみの心。自己中心的なものの見方から生じます。「癡(ち)」とは、不平不満・グチの心です。そして、そのラーガに分離、分散

【目次】

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(1)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(2)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(3)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(4)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(5)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(6)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(7)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(8)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(9)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(10)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(11)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(12)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(13)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(14)

『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(15)

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【監修者】宮川涼
プロフィール早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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