HIITには遺伝子発現効果がある
こういうとビックリされる方もいるかもしれませんが、HIITには遺伝子情報にまでプラスに働くことがこれまでの実験結果より報告されています。私たちの身体を構成するすべての細胞には、その人固有の遺伝子情報(遺伝子)が格納された物質が存在します。これが、二重らせん構造で出来ていて、よく「人の設計図」ともいわれることのある「DNA」です。分かり易くDNAとは何かを説明するとこうなります。
「DNA」という言葉は、生物学から出てきた用語で、「デオキシリボ核酸」を略したものです。DNAはヒトで言えば、60兆個にも及ぶすべての細胞に存在し、DNAの情報に基づいて体の細胞、器官、臓器が作られていくため、「体の設計図」とも表現されます。
MYCODE
近年では、自分のDNAを解析して、体質的な特徴や人種的なルーツなどを調べる研究も増えてきました。ところで、たまに誤解されてしまうのですが、DNAに特定の情報が書いてあるからといって、必ずしもそれが発現する、つまり読まれるとは限りません。そのため、遺伝子的に糖尿病になりやすい体質(家系)でも生涯糖尿病にならない人も当然居ます。
人の体ではDNAの一部を読み取りながら、遺伝子の産物であるタンパク質を生成しています。この「一部の」というのがポイントで、隅から隅まで読み込まれるわけではないわけですね。
なので、体内のコンディションによって、DNAのどこを読み取るのかも変わっていくのです。たとえば、肥満になると、生活習慣病に関わるような遺伝情報が読まれやすくなるというように、「うちは糖尿病の家系だからなあ」と決めつけてしまうのは大変勿体ないことなのです。
医学の世界は非常に進化していて、DNAのどんんあ情報が読み取られるか(即ち、どのような遺伝子が発現しているか)を「RNA配列」と呼ばれるものを観察することで調べることができます。RNA配列とは、
RNAはDNAと同じ核酸で、ヌクレオチドと呼ばれるリン酸・塩基・糖から成る基本構造を持ち、ヌクレオチドが連なった構造(ポリヌクレオチド)をとります。RNAは、転写により一部のDNA配列を鋳型として合成されます。DNAとRNAの違いは3つあります。まず、一本鎖のポリヌクレオチドであることです。二番目は、糖の種類です。RNAの糖(リボース)は、酸素分子がDNAの糖(デオキシリボース)より一つ多いことです。三番目は塩基の種類です。DNAの塩基はA、T、G、Cですが、RNAはTのかわりにUになります。
MBL
というものなのですが、このあたりのメカニズムは非常に複雑なので、簡単に説明すると、RNAには複数の種類があり、その一つ一つにDNAの遺伝子情報の一部が「転写」された「メッセンジャーRNA」というものがあり、RNA配列を観察することえ、どんな情報が読み取られたのかわかるのです。
され、2017年に『セル・メタボリズム』という科学誌に発表された研究結果では、HIITを行った後にRNA配列がどう変化したのかも調べています。その結果、年齢を問わず、次のように遺伝子情報が積極的に読み込まれるようになったことがわかりました。
(1)ミトコンドリアの機能を高める遺伝子
(2)インシュリンシグナルを高める遺伝子
の二つです。こうした遺伝子情報は誰しもが持っているものですが、HIITをすることによって、より読み取れるようになったということです。つまり、HIITを行った結果、ミトコンドリアの産生を活発化し、血糖値を上げやすくする遺伝子が発現したわけです。
ちなみに、運動や食事などで生活習慣を整えると、体に悪さをする遺伝子情報が読み取られにくくなるということも、長年の研究でわかってきています。
遺伝子情報を消しさることはできませんが、生活習慣、とりわけ、運動習慣と食生活を整えていくと、受け継いでしまった悪い遺伝子情報を発現させることなく引っ込めさせてしまうことが可能なんです。
「うちは家系的に太りやすいからなあ」とお悩みの方や「うちは糖尿病のけがあるからなあ」と心配なアナタはぜひ、オンザショアでHIITのデビューしてみませんか?

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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |