アッパーの打ち方

ジャブやストレートは相手を前方へ突くのに対して、アッパーは下から上に突きあげるパンチになります。
ジャブやストレートは顔全体ですが、アッパーは顎だけと当たる面積も小さいので当てる難易度も高く、ピンポイントでしっかり当てないと効き目の薄いパンチになります。
しかし、しっかり相手の顎にアッパーが当てられた場合、脳が揺れる為、身体のダメージに関係なくノックアウトできる事もあるパンチになります。
脳を揺さぶるパンチではフックも優秀ですが、身体が開きやすくガードが甘くなりやすいフックに対して、アッパーは脇を締めてガードを固めたままでも打てるので、ディフェンシブに打つことが可能です。
しかし、アッパーのリーチはフックより更に狭くなるので、しっかり踏み込む必要があるでしょう。
マイクタイソンのようなインファイターが好むパンチですが、アウトボクサーでも相手の突進を止める為に、アッパーを打ちこんで逃げるという戦法もあります。
狙う場所は、基本的に相手の顎に当てるパンチです。ボディへ当てるアッパーもあります。
01 右アッパーの打ち方について
アッパーは大きく分けて2種類あります。ショートアッパーとロングアッパーがあり、ロングアッパーは力が入りづらく、当たってもアドバンテージを取りづらいので、短距離へ向けたショートアッパーをメインに使います。
上級者でもロングアッパーは殆ど使わないので、できるだけ近い相手を狙って打つ意識をもって練習してみましょう。
アッパーは下半身が重要なパンチだと言っても過言ではありません。膝が伸びきった状態では良いアッパーは打てません。
腕を上に突きあげるパンチなので、どんなに強く打っても身体が流れないように、下半身を固める事が大切になります。
前足は曲げて、大腿部(大腿四頭筋)に力が入るように。後ろ足も曲げながら、膝を内側へ。カカトも上げて捻りましょう。
内転筋を上手く意識して、しっかり両足をがっちり固定しましょう。下半身が固定できたら、腰を一気に回して手打ちにならないように身体のバネを使いましょう。
上半身の使い方は、右アッパーの場合、右肩を低くするといいでしょう。そのうえで、右肘が自分の正中線上を通るように、真上に打ちます。
※自分から見て、肘~拳が床に対して垂直になるように。拳は顎のラインより少し上(目線)まで上げる程度でいいでしょう。
左腕はガードをしながら、脇を締めて後ろへ引くようにすると上半身がスムーズに回り、右拳を自分の正中線上(=相手の正面)まで一気にもってこれます。
拳の角度は、自分の方へ手のひらが向くようにします。拳が的に当たる瞬間、手首のスナップを手前に入れるようにします。こうすることで、ヒット時の威力を上げるとともに、手首を痛めずに済みます。上手くスナップを入れる為には、右肘が前に出るように意識するといいでしょう。