瞑想の科学的な効果
瞑想というと、どうしても何だか胡散臭いものじゃないかと思われる方も多いはず。しかし、実は、近年科学的にも瞑想が効果があることが様々な研究で実証されています。ヨガで行われていた叡智は、本当に役立つものだったんですね。カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校のジーグラーらは、個人向けの瞑想トレーニングが可能なモバイルアプリを開発し、瞑想の効果を研究しています。
まず実験では、18~35歳の59人の被験者に瞑想のやり方をビデオで見て貰いました。そして、モバイルアプリを使用しながら、瞑想をしてえもらい、6週間でどのような効果が表れるのかを脳波を測定しました。被験者達に行って貰った瞑想は1回当たり10秒~15秒ほどと極めて短時間で、意識を集中しながら深呼吸するという誰にでも出来る方法でした。
その記録をアプリにの押していき、6週間後、集中力の持続時間などが伸びたかどうかを調べたところ、注意力と「ワーキングメモリ」の向上が認められたというのです。ワーキングメモリとは、日常生活のあらゆる場面で行動の目標や計画を記憶しておくために重要な脳の働きのこと。発達心理学では、ある情報を短い時間に心の中に保持しながら、同時に処理する能力のことを言います。
また、他の実験では、瞑想でコルチゾールが低下することが実証されています。カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校のエペルらは、60人を対象に、三ヶ月間の集中的な瞑想プログラムを行った研究を発表しているのですが、それによると、自己統制感の向上に加え、ネガティブな感情の減少が見られました。
瞑想に関する研究は、昨今のマインドフルネスブームもあり、世界中の至る所で行われており、ストレスを軽減させる効果があるとさまざまな研究機関の研究成果が報告させています。たとえば、全インド医科大学のシンらは、1ヶ月に渡って、ゲームをしてストレスをためた後に、15分間の瞑想を被験者に行って貰い、電気皮膚反応と心拍数、唾液からストレスホルモンのコルチゾールの値を測定する実験を行い、その結果、ストレスレベルが低下することはもちろん、驚くことに被験者のIQと認知機能のスコアも上昇したそうです。
ヨガは元々は修行者による瞑想を目的とした活動ですが、この瞑想の効果は、注意力UP、ワーキングメモリ上昇、IQアップ、認知機能スコア上昇、ネガティブ感情減少、ストレスレベル低下、自然統制感向上といった様々な効果を発現することが分かってきました。ヨガ、インドの叡智が今現代で再評価されているのです。
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |