ヨガ思想の極北としてのシャンカラの思想
今回は、8世紀インドの哲学者シャンカラの思想について紹介したいと思います。『カタウパニシャッド』に「私は最高のブラフマンである、という確信を持ってアートマン(自己)を見る者は再び生まれ変わることはない」という言葉があります。このように宇宙の原理ブラフマンとアートマンを同一視することを梵我一如と言います。このような思想はヴェーダ聖典に古くから見られるものですが、この思想はシャンカラによってさらに深められました。これをアドヴァイタイ・ヴェーダーンタ(不二一元論)と呼びます。では、シャンカラはどのように教えてくれるのでしょうか。
これまで他の記事でご紹介した『ヨーガ・スートラ』と『ヴァガギット・ギーター』は、いずれもサーンキヤの二元論、プルシャとプラクリティの関係によって世界を説明していました。しかし、シャンカラはこの二つの原理によって世界が生じるのは不合理だと喝破します。サーンキヤ学派は二元論の立場に立って、宇宙の根本原理としてプルシャとプラクリティの存在を想定し、プラクリティにはサットヴァ・ラジャス・タマスの三つのグナがあり、その均衡状態が崩れると宇宙が展開すると主張していました。しかし、この三つのグナの均衡状態が崩れるということは不可能であるとシャンカラは説きます。なぜなら、宇宙が展開する前には、この均衡状態を破る原因となる無知は存在しないし、その他の原因も認めていないからです。
仮に三つのグナの一つが他のグナの原因だとすれば、常に活動が起こっているか、全く活動が起こっていないかのいずれかということになります。しかし、サーンキヤ学派の体系におけるプルシャは不変のものであると考えられているので、プラクリティがプルシャのために存在するのは不合理であるとシャンカラは考えるわけです。また、プルシャに変化が起きることも不合理だと考えます。プルシャとプラクリティが互いに関係することはないと考えるわけです。確かに、『ヨーガ・スートラ』においては、プルシャとプラクリティが結合する原因は無知であると説明されていました。この無知から解脱するためにヨガが必要であったわけですね。しかし、シャンカラは、世界が生じる前に無知は存在しないのだから、無知によってプルシャとプラクリティが結合するという『ヨーガ・スートラ』の理論は成立しないとシャンカラは主張したわけです。また、三つのグナそのものには均衡を崩す動機はないし、純粋意識は不変なので、不変であるプルシャが根源物質であるプラクリティに影響を与えることも理にかなっていないと考えたわけです。
したがって、プルシャとプラクリティが結合しないのであれば、この世界はそもそも存在しておらず、あるとすれば夢や幻のようなものに過ぎないとシャンカラは考えました。つまり、アートマンである私には現象世界は現れていないのであり、その幻想を見破ればいいと考えたわけです。シャンカラはその著『ウパデーシャ・サーハスリー』にて「目がないから私は見ない。耳がないから私が聞かない。言語器官を持たないから私は語らない。心を持たないから私は考えない。ブラーナを持たないから私は行為しない。統覚機能がないから認識主体ではない。したがって、智慧も無知もない。私は純粋意識であって、常に解脱しており、清浄であり、不変であり、不動であり、不死であり、不滅であり、身体を持たない。虚空のように、宇宙に満ちている私は、飢えも渇きもなく、心配も迷いもなく、老いることも死ぬこともない。なぜなら、私は身体を持たないから」とシャンカラは言い放ちました。ラージャ・ヨガのよいうな実践も必要ないし、ヨガの到達地点であるサマーディも存在しないと主張したわけです。
「私はブラフマンである」という結論自体は、ヴェーダで古くから語られているものですが、シャンカラはその認識を得るためには一切の努力が必要ないと説いたわけです。また、プルシャとプラクリティはそもそも結合していないので、私たちが現実だと思い込んでいる現象世界は錯覚に過ぎないという虚無論を展開しました。このような考え方は、一つの極端な例に思われるでしょう。もちろん、シャンカラの説を私たちが素直に受け入れることができるかどうか問題ですが、シャンカラの教えの本質は、ヴェーダの古い教えに立脚していて、むしろその障害を非常にシンプルな理論で取り除いたところにそのユニークさがあります。つまり、プルシャとプラクリティは本当は結合していないので、既にあなたは解脱しているので、解脱のための努力(たとえば、ヨガ)をする必要はないと説いたわけです。
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |