免疫力は生き抜く力
「免疫力」という言葉を聞いただけでは、何だか難しく聞こえるだけでよく分からないかも知れませんが、免疫力とは、病気にならないようにカラダを守ったり、たとえ病気になっても快復したりできる力のことです。生命力そのものである免疫力は、その人の顔色から状態を把握することも出来ます。
たとえば、病気の人や悩みを抱えている人は顔色が青白かったり、ドス黒かったり、血色が悪く、元気がありません。しかし、健康な人は色が良く、肌のつやもよく、生き生きとしています。この違いは、体温の違いにあります。恒温動物は常に一定の体温を保ちながら生きていますが、体温は高度な仕組みを働かせて健康に生きるための大事な要因なのです。
免疫力を遡ると、おおもとはアメーバーのような細胞で、義足を出して、動き回り侵入者を飲み込んで処理していました。処理をするにはエネルギーを必要としますが、そのエネルギーが発熱です。風邪を引くと発熱するのは、カラダがわざと発熱させ免疫力を働かせて、侵入者の処理をするベストの条件を作っているのです。それほどカラダにとっては体温は大事なものです。免疫力が働けるかどうかは体温次第で、体温が高ければ大体の侵入者でも異物でも免疫細胞が処理できます。
外界の細菌やウイルスなどから身を守るために、カラダが必要としている一定の体温というのが、深部体温というもので、脳や内臓などのカラダの内部の体温で37.2度くらいです。このくらいは深部体温がなければ筋肉も免疫力も働きません。体内酵素や新陳代謝も活性化しないのです。
深部体温37.2度は、脇の下で体温測定すると、少し低い36.5度くらいになります。体温が36.5度というのは自律神経のバランスが偏らず、免疫力が理想的な状態（リンパ球の割合38％）にあることを意味しています。健康を維持し続けるには、常時36度～37度の体温があれば、病気しらずのままでいられます。
逆に、36度未満の低体温の人は、ストレスを抱えているなど免疫力も低下しています。34度台の人は何らかの病気を抱えている可能性があります。ちなみにガンが好きな体温は35度。そして、39度異常の熱でがんは死滅することがわかっています。
低体温では免疫力は低く、侵入者の処理ができないので、生死に関わる状況になってしまいます。維持されている体温と免疫力は一体化しているのです。なので、低体温の状態の人は一日も早く低体温の状態から脱却する必要があります。
低体温にならないためには、カラダで熱を作ることと外から熱を補うことの2つが7あります。カラダで熱を作るには、熱を生み出す最大の器官である筋肉を鍛える必要があります。
確かに、まったく運動をしていなくても心臓、横隔膜などの日常生活を営むための最小限度の筋肉は維持できます。しかし、筋肉量が少なく、ギリギリで生きているような人は、少し夜更かしをしたりすると、たちまち体調不良になって、体温が低くなってしまいます。
こういう人は、ヨガ（YOGA）やピラティス、キックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT（ヒート）などの運動や筋トレがオススメです。筋肉量を増やし、発熱量を増加させ、基礎代謝を上げることができます。
一方、外から熱を補う簡単な方法は、岩盤浴や溶岩浴、温泉、お風呂などでしっかりとカラダを温めることです。こうした温めは、血流の改善や免疫力を高め、ストレスに打ち勝つ力も養われ、免疫力を高めます。
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| 【監修者】 | 宮川涼 |
| プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |
