ヨガと医学の知恵で学ぶダイエットのこれが間違い!
健康法の中でも近年は様々な種類のダイエット法が生まれては消え、消えては生まれてくるご時世ですね。一体、何が正しいダイエット方法なのかなかなかわかりづらいもの。ここでは、ヨガと医学の知恵で検証されているよくあるダイエット法の間違えについて紹介していきます。正しいダイエットというと大上段に構えすぎて難しいですが、ヨガや医学などの知見で、最低限度これはあまりよくない、というダイエットを知っておきましょう。
01 ヨガ好きが好きな断食でデトックスダイエット
合宿を行う専門の道場まである断食ダイエットというのがあります。一定期間、固形物を食べないことでカラダが排せつモードに切り替え変わり、体内にある毒素が外に出され、それがダイエットにつながるという考えです。確かに、断食は、近年ファスティングというのが流行っていますよね。断食というのは、もともとは、セム系宗教といわれる、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教などで昔から行われていました。祈りや祈願の効果を高めるためであたっり、修行などで行われてきた慣習です。とりわけイスラム教におけるラマダーン(アラビア語: رمضان、フスハー発音:[ra.ma.dˤaːn]、ペルシア語: رمضان、ウルドゥー語: رمضان、発音:[ra.ma.zaːn]、トルコ語: Ramazan、インドネシア語: Ramadan))はイスラム暦の9月、2022年では、4月にあたりますが、この一か月間、イスラム教徒(ムスリム)は日の出から日没にかけて、一切の飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育むことを重視しています。また親族や友人らと共に苦しい体験を分かち合うことで、ムスリム同士の連帯感は強まり、多くの寄付(ザカート)や施し(イフタール)が行われるそうです。断食中は、飲食を断つだけではなく、喧嘩や悪口や闘争などの忌避されるべきことや、喫煙や性交渉などの欲も断つことにより、自身を清めてイスラム教の信仰心を強めるために行います。
とはいえ、断食といっても、当然期間中完全に絶食するわけではなく(死んでしまいますよね)、日没から日の出までの間(=夕方以降から翌未明まで)に、一日分の食事を摂る。この食事は普段よりも水分を多くした大麦粥であったり、ヤギのミルクを飲んだりすることで生存を維持します。これが現代になり、非イスラム教徒の間でもファスティングとして流行し、腸内環境の改善と代謝の活性化を目指して、一定期間消化器官を休ませると、今まで「消化」にばかり使われていた酵素やエネルギーが一気に「代謝・排泄」スイッチに切り変わり、溜まりに溜まった毒素や老廃物を排泄し、脂肪を燃やし、細胞レベルでキレイに若返ることが期待できるものとされブームになっています。
確かに、このファスティング、体質改善には役立つといわれています。実際、ヨガを行う人でもファスティングを行っている人は多いかと思います。ファスティングは、腸内環境の改善や消化器官の休息にはとっても効果があるといわれていますが、これが果たしてダイエットに役立つかというとどうもそうではないようです。というのも、ダイエットをしたいような、特に肥満体形の人が行うと単なる栄養不足になるばかりか、エネルギー消費を抑える節約モードの体になってしまい、逆に痩せにくいエネルギーを温存する体質に変わってしまうのです。人間の体が新人以前、猿人、原人のころから飢餓と戦ってまいりました。なので、飢餓に耐えるように、体が飢餓状態だと認識すると、エネルギー消費を抑え、脂肪を蓄えるようになるように進化してきたのです。なので、ファスティングでダイエットをと軽く考えて行ってしまうと、逆に痩せづらい体質に変わってしまうわけですね。宗教的に行いたい人は別にして、ダイエット目的で、特に消化器官系に特に不調もない方がダイエット目的でファスティングを行うのはあまりお勧めできないわけです。
02 単品ダイエット
単品ダイエットといって、特定の食物を大量に摂ることで、ダイエットをするという方法があります。たとえば、リンゴ、バナナ、卵と時代によって流行廃りはあるものの、何か特定の一つの食べ物を食べ続けるという一見お手軽なダイエット方法です。もちろん、摂取カロリーが低ければ痩せていくのは当然のこと。しかし、この単品ダイエットは、当然栄養の偏りや、もっと怖いことには単品ダイエットが原因によるアレルギーが発生することがあります。アレルギーの原因の多くは、たんぱく質にあり、特定のたんぱく質を取り続けると、以前は食べてもなんともなかった食べ物でもアレルギー反応を起こしてしまうことがあります。たんぱく質の含有量が低いサプリメントでもそうしたリスクがあるといわれるほどです。大人になってからアレルギーにはなりたくないと思います。単品ではなく、多彩な食物をしっかりと食べていきましょう。
03 粗食ダイエット
玄米を主食。野菜や漬物を副菜にし、肉類や砂糖を取らないダイエットです。特に悪いことはなく、健康的に痩せられそうに思えるかもしれませんが、注意が必要です。というのも、白米はすぐにエネルギーになるので、確かに太りやすく、玄米の方がダイエットには適しています。しかし、現代人が玄米をうまく消化できるのかという問題が隠れているのです。ある説によれば、一回の食事で噛む回数は現代人は約600回。これは弥生時代の4000回。戦時中の1400回と比べると、雲泥の差です。現代人はあまり咀嚼しなくなってしまっているのですね。なので、食事だけ玄米に戻したところで、消化できる体制が整っていないと消化不良を起こしたり、玄米は、植物繊維を多く含んでいるので、排出がスムーズになる一方、体にとって必要な栄養分まで排出してしまい、エネルギー不足が起こり、そのため熱を作れず、冷え性になってしまうという方が発生してしまうリスクがあります。くれぐれも粗食ダイエットをしたいなら、しっかりと咀嚼する、他の栄養分もしっかりととるということを忘れないようにしましょう。
04 ヨーグルトで腸活
ヨーグルトは便秘が解消され、痩せやすい体質に改善されるという触れ込みで、知られます。こうしたヨーグルトダイエットも流行っていますが、実は日本人には不向きなダイエットといえます。というのも、日本人を含む夕食人種は、乳製品に含まれる乳糖を分解する酵素が不足している人が3割以上いるといわれています。牛乳を飲んでおなかを壊すという話はよく聞いたことがあるかもしれませんが、大変残念ながら、日本人は乳糖を分解するのが苦手な方が多いのが事実なのです。加えて、意外にヨーグルトには乳脂肪が多いので、「ヨーグルトを毎日、食べてコレステロールが高くなってしまったという人も以外と多い」というのが内科医などの通説だそうです。便秘は改善したものの今度は下痢になってしまうという羽目になりかねません。ヨガの教えにも通じますが、ほどほどにしておきましょう。
05 低カロリーのメニューが鉄板
一時期タニタ食堂などでブームになった低カロリーの食事。一食500カロリーといった低カロリーの食事が売りで、朝と夜を抑えて800㌍に抑えている人言う極端な人もいるようです。しかし、一日1200㌍未満では、栄養不足になる危険性があります。自覚症状としては、むくみや便秘、不眠になったり、性欲も減退するなど意外と不具合が生じてきます。確かに、ある程度ダイエット効果はあるといえますが、精神的にも不安定になり、仕事や勉強にも身が入らなくなり、本末転倒なことになってしまう危険も。さらに生命活動維持にはさして重要ではありませんが、女性が気にある美容の面では、髪や肌、爪などに悪影響を起こし、抜け毛、肌荒れ、老け込みなどが起きる原因にも。ダイエットも大事でしょうが、美容を損ねてまで行うのは辞めておきましょう。
今回は、五つのよくある流行のダイエットのご紹介とその問題点について触れてみました。皆さん少しでもこれに該当することがあれば今一度食生活を見直してみてはいかがでしょうか。やはり、健康的に痩せるにはしっかりと食べて、運動する。特に、ヨガやピラティスなどの適度な有酸素運動を行うのがベストですよ。