10秒の運動にも有酸素性のエネルギーは使われている

持久力アップに必要なのは最大酸素摂取量

持久力を向上させるのに必要なのが「最大酸素摂取量」(1分当たりに摂取することの出来る酸素の最大値)です。まず、大前提として人が運動を行う場合、筋肉を動かす必要があり、筋肉の中で筋原繊維が収縮する必要があります。この時、ATPとはアデノシン三リン酸のことで、アデノシンという物質に3つのリン酸基が結合して出来ています。人は、エネルギーが必要になったとき、このATP分解酵素の働きによって、ATPからリン酸基がはずされて分解されることで、筋肉を収縮させるのです。しかし、このATPは筋肉内に微量しか存在しないので、人が運動をし続けるには、身体の中でATPを再合成(補給)しないといけません。仮に、成人男子が1日分のエネルギーとして摂取した1,800㎉のうち、半分の900㎉がATPの合成に消費されます。このATPを作るシステムとして存在しているのが、酸素と脂質や糖質を反応させる有酸素性エネルギ-供給機構と酸素を使わずにATPを再合成する無酸素性エネルギー機構です。有酸素性エネルギー機構の有酸素性という言葉は、いわゆるダイエットで良く使われるエアロビクス(有酸素性運動)としてよく聞く言葉と同じです。

この有酸素性エネルギー供給機構でどれぐらいのエネルギーが供給されているかは、酸素摂取量をはかることで知ることができます。逆に言えば、ある運動をしたときに必要としたエネルギー量も分かるため、たとえばヨガやピラティスをしたときのカロリー消費量という形で様々な記事などで目にすることがあるでしょう。この有酸素性エネルギー供給機構から供給されるエネルギー量の最大値には個人差があり、それが人の多くの機能に影響を与えています。端的に言えば、持久力のあるなしなどです。有酸素性のエネルギー供給機構の能力は、「最大酸素摂取量」によって指標化されています。即ち、この最大酸素摂取量を高めていく音が、持久力などの能力向上に大きな役割を果たすわけですね。

こう言われると、最大酸素摂取量はマラソンやトライアスロン、競歩などのアスリートだけが注意すればいいと思う人もいるかもしれませんが、それは誤解です。この最大酸素摂取量は加齢によりどんどん低下していきます。これは、最高心拍数の加齢による低下に伴う、最大心拍出量の低下によるものだと考えられています。最大酸素摂取量が低下すれば、同じ強度の運動を行っても、疲労度が高くなってきます。なので、「10代の頃はこれぐらいの運動では疲れなかったのに」ということが生じるわけですね。年齢による持久力の低下を軽減するためにも、この最大酸素摂取量の維持はとても大切なことなのです。また、最大酸素摂取量が高い人ほど糖代謝(インスリン感受性)が高いため、糖尿病の予防にも役立ちますし、生活習慣病予防全般に効果があります。

短時間で爆発的パワーを発揮させるには最大酸素借の向上がキー

有酸素性エネルギー供給機構と並ぶ、人のATP合成を司るもう一つの経路が、無酸素性エネルギー供給機構です。有酸素性運動(いわゆるエアロビクス)と無酸素性運動という一般的に使われるイメージですと、有酸素性運動は、ヨガやジョギングなどの比較的軽めな運動なのに対して、無酸素性運動は筋力トレーニングや100㍍走などのダッシュなど激しい運動がイメージされると思います。このように、無酸素性エネルギー供給機構は、高いパワーを発揮できる一方、長時間は続かないという特徴があります。

この無酸素性エネルギー供給機構には、筋肉内にあるグリコーゲンから乳酸を生成する過程でATPを合成する系統の機構とクレアチンリン酸(高エネルギーリン酸ともいいます)から直接ATPを再合成する系統の機構があります。前者はATP再合成の際に必ず乳酸が生成されるので、乳酸性エネルギー供給機構と呼ばれ、後者は、乳酸が発生しないので、非乳酸性エネルギー供給機構と呼ばれます。

有酸素性エネルギー供給機構は、酸素摂取量を測定すれば再合成されるATPの量も定量化しやすいですが、無酸素性エネルギー供給機構は活動筋の中で起こる化学反応なので定量化することが比較的難しいものです。というのも、筋肉中の乳酸やクレアチンリン酸などの代謝物の濃度変化を知るためには、太い針のような器具を筋肉にさして、筋肉組織の一部を採取するバイオプシー法という技法を用いなければならないからです。その上、この方法で分かるのは、あくまでも筋活動における乳酸やクレアチンリン酸の濃度であり、全体量ではありません。そのため正確に測ることができないわけです。そこで、用いられるのが酸素借という考え方です。

人が運動をすると、必要な酸素量まで達して有酸素性エネルギー供給機構がフル活動できるまでの間、無酸素性エネルギー機構からエネルギーを借金して賄うというシステムになっており、この借金の部分が酸素借というわけです。この考え方の良いところは、酸素を単位として定量化するので、無酸素性エネルギー供給機構であるにも関わらず、有酸素性エネルギー供給機構と対比することが可能になります。

そして、この酸素借の最大値である最大酸素借が、無酸素性エネルギー供給機構が供給するエネルギーの最大値となるわけです。そして、この最大酸素借は高い強度の短時間運動によって増加させることが可能です。

脂肪が燃焼するのは20分後というのは誤解

さて、巷ではしばしば有酸素性運動で脂肪が燃焼し始めるのは20分後だとか12分後からだと言われることがあると思います。また、反対にいわゆるキツい運動は全部無酸素性運動だと考える人も多いと思います。特に800㍍走のような2~3分程度で疲労困憊に至るような運動は非常にきついので、無酸素性運動と感じる人は多いでしょう。しかし、これは誤解です。

実は、30秒程度で疲労困憊に至るような運動(最大酸素摂取量の186%の強度)でも、有酸素性エネルギー供給機構の貢献度は約35%もあります。同様に1~2分程度で疲労困憊に陥るような強度(最大酸素摂取量の146%)の運動では、約50%、さらに2分程度で疲労困憊に至るような強度(最大酸素摂取量の119%)の運動では60~70%にも上ります。つまり、20分や12分も経たずとも、有酸素性エネルギー供給機構は使われているのです。

もちろん、運動強度が低くなり、疲労困憊に至る時間が長くなるにつれ、有酸素性エネルギー供給機構の貢献度は高くなりますが、短く強度がある程度高い運動とはいえ有酸素性エネルギー供給機構が使われないということはないのです。逆に、30秒程度え疲労困憊に陥る運動でも有酸素性エネルギー供給系からエネルギーを依存しており、もっと短く10秒で疲労困憊に至る運動でも10%ぐらいは有酸素性エネルギー供給機構からエネルギーが供給されているように、すべての運動・身体活動には、両方のエネルギー供給系が関わっているのです。

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