ストレスマネジメントとしてのヨガ
疲れをためない人間関係のコツとヨガ
疲れというと、家事や仕事、運動による肉体の疲れを思いえがきがちですが、精神にかかるストレスも自律神経を消耗させる大きな原因です。大して忙しくもないのになんだか疲れるという場合は、精神的なストレスも疑ってみると必要があるかも知れません。精神的なストレスがたまる大きな原因の1つが人間関係です。無駄にストレスをためないためにも、いい意味で力を抜くことが大切です。
ヨガ(Yoga)は人との比較ではありません。健康な肉体になるための運動であるとともに、元々は自分自身を深く見つめなおすためのツールでもありました。ここでは人付き合いで楽になるちょっとしたコツをご紹介します。そのコツと共に、1日の終わりをヨガ(Yoga)で締めくくると、心身共に疲れを翌日に持ち越しません。またヨガの実践が、疲れをためにくい思考にシフトする可能性もあります。それでは早速、人付き合いが楽になるコツを見ていきましょう。
ストレス疲れのもと「すべき思考」
職場や友人付き合いなど、日常の様々な場面で、煩わしさやストレスを感じることも多いと思いますが、女性は特に、心理的ストレスが疲れの原因になりやすいと言われています。そのため、ココロの持ちようを変えることが疲労対策としてもとても有効です。
女性がストレスを抱えがちといわれているものの1つに、「こうするべき」、「こうあってほしい」と期待の発想や押し付けを持つ傾向が強い傾向にあることが挙げられています。「夫がちっとも家事を手伝ってくれない」という不満の裏側には、「夫は家事を手伝うべきである」。「上司なのに部下に責任を押し付けるなんて」の裏側には、「上司は部下を守りたすけるものである」。「○○さんはいつも自慢話ばかりで私の話を聞いてくれない」の裏には「自慢話はするべきではない」や「友人なら人の話を聞くべきだ」という「べき」が隠れているのかもしれません。こういった自分の期待に相手がこたえないことが、人間関係の不満やストレスに繋がるのです。「すべき」や「べきである」思考から解放されて、ちょっとやそっとじゃイライラしないココロを手に入れましょう。
「すべき思考」を手放すことにより、心理的ストレスが減ることは分かりましたが、長年身に付いた考え方を切り替えるのは簡単ではないでしょう。そこで、ヨガです。
ハーバード大学医学大学院によると、ヨガ(Yoga)には、ストレスが及ぼす悪影響を軽減する効果がありす。また、同大学の2021年5月18日の発表によると、運動にはストレスホルモンを減少さて気分を改善させ、ストレスを低減させる効果がありますが、運動なかでもヨガ(Yoga)には、それらに加えて、不安の軽減と気分の改善に効果のある脳内化学物質GABA(gamma-aminobutyric acid)の量を増加させることが分かっています。
SNSとは適度な距離を
現代は情報過多で疲れやすい環境といわれていますが、スマホの普及とSNSにより、ついつい「いいね!」が気になって没頭してしまいませんか?長時間続けると、睡眠不足や眼精疲労など、体が疲れていることに気が付かない「隠れ疲労」に陥る可能性もあります。「いいね!」の魔力に引き寄せられて、自律神経が疲れすぎないように、適度に休みながら楽しむようこころがけましょう。
共感の笑いで疲れを吹き飛ばす
笑うと副交感神経が優位となり、リラックス効果があることはよく知られています。ただ、同じ笑いでもリラックスして疲れが取れる笑いと、そうでない笑いがあるのをご存じでしたか?
一番リラックスできる笑いは、純粋に楽しい時や、愉快な時に出てくる笑いと思いきや、それ以上に「共感の笑い」といって、緊張がゆるんでホッと安心した時に出てくる笑いの方が効果が高いのだそうです。
一方、あまり疲れが取れないのが、「社交場の笑い」。仕事の場で初めて会う人とあいさつする時の笑顔や、社内外の懇親会、接待、PTAといった場面を想像すると、心当たりが皆さんあるのではないでしょうか。人間関係をスムーズにするための「道具」として笑顔を作るため、余計疲れてしまうと考えられています。
共感の笑いを増やすために、できるだけ普段から「自分の笑いのツボのにハマる場」に身を置くとリラックスする機会が増えるでしょう。そんなこと言ったって難しいのも事実。テレビのお笑い番組を家族や友人と一緒に見て笑える機会でも、十分疲れを取ることができます。
ヨガのレッスンの際に、ヨガのポーズをうまく取れないときも笑ってリラックスするのもいいですね。ヨガは他人と争う競技ではありません。一人一人が自分と見つめ合う行いです。うまくいかないときは気楽に笑い、自分でキレイにポーズを決められたときには笑顔で満足するといいと思います。
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |