骨盤-ヨガと解剖学

骨盤には、仙骨によって繋がっている左右の寛骨があります。仙骨は、ラテン語では「神聖なる骨」を意味する三角形の骨で、下端で尾骨と結合しています。ヨガでは、一番意識させられる骨ともいえます。

骨盤

仙骨はアーチ橋の要石のような役目を果たしており、構造的に安定した脊柱の土台を形成しています。全身に数百個ある骨を数珠つなぎにして考えてみるとそのほぼ中心に位置しており、「骨盤の中核」「背骨の土台」と言われています。 仙骨は背骨の根っこで、土台として腰椎から上の上半身の重みを一点で支えています。

仙骨を正面あるいは後方から見ると平べったい亀の甲羅のような姿がイメージできると思いますが、側面から見ると厚みのもった聖火台の土台のようなものとイメージできるかと思います。 背骨は全身に繋がる神経のパイプライン。

その根元で神経を束ねた太いケーブルが「仙骨」の前面を通っています。仙前面には自律神経系が存在していて、全身の筋肉に向けて緊張を促す「交感神経」と弛緩を促す「副交感神経」のバランスは、仙骨の状態により影響を受けます。

仙骨を暖めるとリラックス効果があり、逆に背面から仙骨を締め付けるようにチカラを入れれば全身にビキビキと固まってくような感じが得られると思います。

「仙骨を立てる意識で」「お尻を締めて」「骨盤底筋を意識して」などなど、ヨガレッスン中によく言われているけど意外とわかっていない”ヨガならではの言い回し”だと思います。

「仙骨を立てる意識」とは「坐骨の上に座って」ということで、仙骨は骨盤の中央の、お尻の割れ目の上部にある骨なので、お尻の割れ目が床と垂直になり、腰と背骨が伸びるのが仙骨が立った状態を意味します。

「骨盤底筋を意識する」とは、尿を途中で止めるとき力が入る部分に意識をすることで、骨盤底筋とは、骨盤の底辺にあるハンモック状の筋肉群。「尿を途中で止める」イメージをしたとき、力が入る部分を意識してみましょう。

「お尻を締める」とは左右のお尻を中心に寄せる感覚で、左右のお尻をキュッと中心に寄せ、筋肉が硬くなるのが「締まった」状態。両手をお尻に当てて行うと実感できます。

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【監修者】宮川涼
プロフィール早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。

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