17世紀におけるフランス帯剣貴族のもうひとつの名誉のかたち
Ⅰ.長期的な問い
本テーマの大きな問いは、フランス帯剣貴族の名誉[1]のなかでも、特にルイ13世の治世(1610~1643)における特徴を見出すことである。
名誉に関していえば、この時期に対象を絞った研究は少ない[2]。現時点で確認できているのは、ナタリー・フェラリーの「慰め(la consolation)」に関する研究[3]である。彼女は、手紙に見られる表現を分析し、慰めという行為が名誉回復の機能を果たしていたことを示した。
そのほか16世紀を主として取り扱ったミシェル・ナシエの研究[4]でも、17世紀の名誉にも言及されている。近代化に伴う暴力減少の過程を、デュルケム的視点から再解釈した。ナシエの前提にはノルベルト・エリアスの議論がある。彼は暴力行為の根源的要因として衝動(trieb)をあげ、近代人が自己抑制を習得して衝動を抑えることにより、暴力が減少していったと論じる。近代化以前に、個人の衝動がむき出しとなる野蛮状態を設定するエリアスの議論に対し、ナシエは、16世紀のフェーデの事例を取り上げ批判する。彼は、フェーデの中に様式や集団的性格を見出し、これが行動規範に即して実行された儀礼行為であると主張する。そして、デュルケム的な立場に立ち、集団的心性である名誉が、同一身分同士の社会的価値や地位を均衡させるために、フェーデを引き起こしていると説明した。これに従えば、17世紀以降に見られる暴力の減少は、国家による介入と名誉の相対化によって引き起こされる。つまり、家父長的な束縛が緩むことで家単位で実行されるフェーデが機能しなくなり、私的な暴力が国家へ吸収されていったのである。
フランソワ・ビラコワによる決闘に関する研究[5]は、確かに1627年のブートヴィル事件にハイライトが当てられている。しかし、その主題は、ゲーム(jeu)として決闘をおこなう帯剣貴族の友情や宗教観であり、名誉ではない。ただし名誉に関する言及[6]はあるが、16世紀の名誉が中心であり、17世紀の帯剣貴族にみられる名誉は16世紀の延長上に捉えている。
以上の研究をまとめると、ルイ13世期、あるいは17世紀前半に見受けられる名誉を、明確に区別する内容は見られない。唯一ナシエにおいては、名誉が相対化される一過程として区別され得る。
やはりこの時期における名誉の特徴を捉えるのに、同時代の事例を探し出して研究するのは、現時点では困難だと思われる。しかし、やや視野を広げてみると、フロンド期に、その糸口となるような動きが出てくる。それは受難の会(Confrélie de la Passion)の活動である。
- 問題解決の糸口:受難の会(Confrélie de la Passion)
受難の会は、フェヌロン侯アントワーヌ・ド・サリニャック(Antoine de Salignac, 1617~1687)を中心とする14人の帯剣貴族によって構成される。1651年にパリのサン=シュルピス教会で、決闘を放棄する旨の宣誓をおこない、支援者でもあった同教会の教区司祭オリエ(Olier, Jean-Jacques, 1608~1657)と連携を強めつつ、同年の決闘禁止令の公布に尽力した。その後も王権の対決闘政策を積極的に支援する。1655年には、会員の一人であるコンティ親王(prince de Conti:1629~1666)が、自身が総督を務めるラングドックで活動を行い、同州の貴族による身分連合(la noblesse réunis aux Etats)が紛争解決の手段としての決闘を放棄すると宣誓するに至った。その流れは各地域に波及し、ブルターニュでは会員のラモワニョン(Lamoignon:1617~1677)の働きよって、ベアルンでは同じくグラモン公(duc de Gramont:1604~1673)の働きによって宣誓が果たされた。
受難の会の活動からは、ビラコワやナシエが指摘するような、決闘による自力救済によって紛争を解決する貴族の潮流とは異なる、もう一つの姿が見て取れる。それは、宗教的情熱によって、紛争解決の手段として決闘を放棄する美徳観念を持つに至った貴族のあり方である。
ところで、このような結果が生じた背景は、フロンド期の前時代に求められるのが自然だと考えられる。そもそも、受難の会自体が聖体会(la Compagnie du Saint-Sacrement)の一派である[7]。聖体会などの結社は、1615年にトリエント公会議の決定がフランスに受け入れられてから、発生してきたものである[8]。
加えて、ルイ13世の治世を通じて、信仰の観点から決闘を非難する言説が数多く確認できる。グラフ[9]をご覧いただきたい。これは1500~1700年における、決疑論や決闘に関する書物の出版数を、年度ごとにまとめたものである。全部で4つの軸が確認でき、上から順に①決闘を扱っていないラテン語出版物、②決闘を扱っているラテン語出版物、③決闘を扱っていないフランス語出版物、④決闘を扱っているフランス語出版物となっている。軸から下方向へ伸びる白い棒グラフは、新たに出版された出版物の数を表す。他方、軸から上方向へ伸びる黒い棒グラフは、再版数を表している。決闘に関する出版物を示す②・④の軸に注目すると、全体として1600頃から出版・再版が本格化している。ルイ13世の治世(1610~1643)に着目すると、②においては前後と比べて顕著に出版数が集中している時期であり、④でもやや劣るが、治世を通じて出版がなされている。
(Billacois, op. sit., p.426より引用)
これらは貴族によって書かれたものではなく、ほとんどが聖職者や修道士、また一部はモラリストによって書かれたものだと考えられる。1650年以降になっても、決闘を含めた名誉に関わる事柄について、貴族自身が口を開くことは稀である[10]。さらには出版のみならず、説教も頻繁に行われていた[11]。ルイ13世期は、反決闘の思想で溢れかえっていたのである。
信仰によって、貴族の名誉と決闘の放棄は結びついている。また、信仰によって、ルイ13世の治世と反決闘の精神も結びついている。そこで、共通する信仰と決闘の関係に注目することで、貴族の名誉とルイ13世期を結びつけてみたいと考える。
- 小括
先行研究、とりわけビラコワがブートヴィル伯の事例を挙げて説明するように、自力救済の伝統維持を促す名誉が残存していたのは事実であろう。だが、流血という回復手段を回避しても維持され得る名誉が、同じ時期に並存していた可能性は高い。さらに後者の潮流が篤信家貴族の結社、つまり受難の会から生まれてきたことも確認できる。そこで、次のことを仮定する。ルイ13世期の名誉の特徴として、伝統的名誉の維持と並行的に、篤信家的貴族の名誉が醸成されたことが挙げられるのではないか。
- 問題設定
篤信家貴族の名誉がルイ13世期に醸成された、という仮説の是非を確かめるのが目的である。これには2つの問題がある。1)篤信家貴族に特有の名誉が認められるかという問題。2)もし篤信家貴族に特有の名誉が認められた場合、それがルイ13世期に醸成されたか、という問題。しかし、いずれにせよ同時代の手掛かりは、持ち合わせていない。そこで、現状唯一の手掛かりである、受難の会の活動を始点とする。
この結社に属する会員の中でも、ランティ男爵ガストン(Gaston, baron de Renty, 1611-1649)に着目したい。彼は、受難の会の創設や活動における主要人物である[12]。この結社の創設は、ノルマンディで彼が発起しフェヌロン侯ら仲間を集め、1649年にサン=シュルピス教会で聖王ルイ(在位:1226-1270)に決闘放棄の誓いを立てたことを契機としている[13]。さらに、名声を求めて交戦(rencontre)に参加して負傷したことで改心して、決闘を放棄するに至った経験を持つ[14]。さらに、一次文献を多く残さなかったと言われる[15]結社の会員の中では、比較的史料も豊富である。その思想が判明している会員の中でも、彼であれば、伝統的名誉と篤信家的な倫理観の両方を観察し得るのではないか。
したがって、次の問題を立てる。1)ランティ男爵の改心前後に、名誉に関わるような美徳に関する断絶が確認できるか、また篤信家的な美徳は、決闘以外の何によって保全し得ると考えているか。2)改心に至る心情の動きや、篤信家的な思想の背景に、ルイ13世期に流布した信仰上の言説が影響しているのか。1つ目の問いによって、篤信家的な名誉が、伝統的な名誉から独立しているかが明らかとなる。2つ目の問いからは、少なくともランティ男爵の名誉においては、ルイ13世期の影響が認められるか否かが明らかとなる。
- 史料[16]
【ランティ男爵に関する史料】
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・Renty, Gaston de, Traité, ou Manuel de la fortification, par G. J. B. D. R., éd. Alliot; Paris,
1639
・Saint-Jure, Jean-Baptiste, La vie de monsieur de Renty . Par le P. Jean Baptiste Saint Jure
religieux de la Compagnie de Jesus., chez Pierre Le Petit imprimeur & libraire ordinaire du Roy; Paris, 1651
【ランティ男爵に関する先行研究】
・Souriau, M., La compagnie du Saint Sacrement à Caen : deux mystiques normands au XVIIe siècle, M. de Renty et Jean de Bernières, Paris, Libraire academic Perrin, 1913.
Ⅲ.その他の研究案
【プランB】ナタリー・フェラリーをモデルとして
・ルイ13世期の名誉の特徴を見出すのを目的として
・書簡、日誌、メモワールなどから
・テーマを何にするか
①.侮辱
②.帯剣貴族の経済的慣習
- 見通し
・いかに史料から、該当する表現を見つけるか;締め切りに間に合うのか
(貴族の経歴から絞ることは可能;ただし経歴が確認できる者に限る)
・①は、16世紀に関してすでにナシエが整理している
先行研究を踏まえると、17世紀にも多くが該当する可能性が高い
・②は、史料に見られる表現を、貴族特権喪失法にある規定と照合すれば整理は可能か
・「ルイ11世以降、貴族に対する王権の商業督励政策が断絶したこと、貴族が商業から遠
ざかったこと[17]」に対する原因追及の一端になりうる
・ただし、その場合の主軸は16世紀とするべきではないか
【プランC】決闘に関する事例的研究
・名誉ではなく、王権による暴力の独占を主題にする
・決闘の統制へ動いていた王権が、決闘を
・どの事例を取り上げるか
①1626年11月の決闘[18]:居館ヴェルサイユにおけるリアンクール卿とダリュアン公に
よる決闘で、ブートヴィル訴追に集中するため国王から赦免
②1628年の決闘[19]:決闘抑制に動いたリシュリューが、親類の参加者を赦免するように
働きかけた例
- 見通し
・十分な量の史料入手が困難
・②は、事例の同定すらままなっていない
・①に関する史料はあるが、王権の動きを十分に追いきれるか疑問
史料:①に関する
・Mercure François, XII, p.336 et 441.
・Bassompierre, François de, Mémoires, Paris, 1875.
・Cardinal de Richelieu, Arman Jean du Plessis, Memoires, VII, éd. Société d’Histoire de
France, Paris, 1907-31, pp.63-66.
・Saint-Paul, Charles Vialart de, Histoire du ministere d’Armand Jean du Plessis, cardinal
duc de Richelieu, Paris, 1650.
・Cardinal de Richelieu, Arman Jean du Plessis, Mémoires, VII, éd. Société d’Histoire de
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Ⅵ.これまでの参考文献
【名誉honneurに関して】
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・Cohen, Gustave, Histoire de la Chevalerie en France au Moyen Age, Paris, 1949
・Nadal, Octave, Le Sentiment de l’Amour dans l’œuvre de Pierre Corneille, suivi de De
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・Jouanna, Arlette, « Recherches sur la notion d’honneur au XVIème siècle » Revue d’histoire
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・ Sutcliffe, Frank Edmund, « Guez de Balzac et son temps » Littérature et politique, No8,
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・コルネーエヴァ・スヴェトラーナ「18 世紀~ 19 世紀のロシアで 行われた貴族の決闘と
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・菅野瑞治也「19 世紀のドイツにおける将校の名誉と決闘」『京都外国語大学研究論叢』88
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・高澤紀恵「近世パリ社会と武器」二宮宏之、阿河雄二郎編『アンシアン・ジームの国家と
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・轟木広太郎『戦うことと裁くこと 中世フランスの紛争・権力・真理』昭和堂、2011年
・服部久良「中・近世ドイツ農村社会の武装・暴力・秩序」前川和也編『コミュニケーショ
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・浜本隆志、菅野瑞治也『決闘のヨーロッパ史』河出書房新社、2021年
・阪西紀子『北欧中世史の研究 サガ・戦争・共同体』刀水書房、2022年
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翻訳
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・ミシェル・ナシエ「十六~十八世紀のフランス社会 名誉のある社会」阿河雄二郎訳・解
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・ミシェル・ナシエ「16世紀から18世紀フランスにおける暴力とその衰退」石井三記監
訳、嶋中博章、福田真希共訳『法政論集』 253号、2014年
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【政治史・国制史】
邦文
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・阿河雄二郎「リシュリューの戦争政策 リシュリュー政権確立過程を中心として」『史林』
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・柴田三千雄『近代世界と民衆運動』岩波モダンクラシックス、2001年
・高澤紀恵『近世パリに生きる ソシアビリテと秩序』岩波書店、2008年
・高澤紀恵「宗教対立の時代」柴田三千雄、樺山紘一、福井憲彦編『世界歴史体系フランス
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・高澤紀恵『主権国家体制の成立』山川出版社、1997年
・高澤紀恵「聖なる都市パリの危機と再編 カトリック改革から考える」『歴史学研究』898
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・高澤紀恵「パリの民兵 リーグからフロンドへ」二宮宏之編『結びあうかたち―ソシアビ
リテ論の射程』山川出版社、1995年
・高澤紀恵、ギヨーム・カレ編『「身分」を交差させる 日本とフランスの近世』東京大学
出版会、2023年
・高橋清徳『国家と身分制議会 フランス国制史研究』東洋書林、2005年
・成瀬治「絶対王政成立期の官職概念 ボダンとロワゾーの場合」日本西洋史学会編『西洋
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[1] 以下、「名誉」という語を断りなく言及する場合、帯剣貴族の名誉を指す。
[2] 他に、コルネイユの悲喜劇『ル・シッド』(1636)に表されている、名誉の類似概念「栄光(gloire)」に関する、オクターヴ・ナダルの研究が存在する。なお、こちらは未読だが入手済みである。
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[3] Ferrari, Nathalie, « L’enjeu de l’honneur dans la pratique épistolaire privée de consolation au premier XVIIe siècle français », Drévillon, Hervé, et Venturino, Diego, Penser et vivre l’honneur à l’époque moderne, Presses universitaires de Rennes, 2011.
[4] Nassiet, Michel, La violence, une histoire social ; France, XVIe-XVIIIe siècles, Normandie Roto Impression, 2011.
[5] Billacois, François, Le duel dans la société française des XVIe-XVIIe siècles Essai de psychosociologie historique, Paris : Ed. de l’Ecole des hautes études en science sociales, 1986
[6] Billacois, op. sit., pp.345-352.
[7] Billacois, op. sit., pp.284-285.
[8] 坂野正則、山本妙子「17世紀パリにおける篤信家ネットワークの形成 聖体会と貴顕信心会を中心に」
[9] Ibid., p.426.
[10] Venturino, Diego, « Ni dieu ni roi. Avatars de l’honneur dans la France moderne », Drévillon, Hervé, et Venturino, Diego, Penser et vivre l’honneur à l’époque moderne, Presses universitaires de Rennes, 2011(https://books.openedition.org/pur/121608).
[11] Billacois, op. sit., pp.140-146.
[12] Ibid. p.285.
[13] なお、1649年に彼は死去。この件に、フロンドの乱によるパリの混乱が重なり、結社は一時解散となる。その後、フェヌロン侯が中心となって再集結し、1651年に同じくサン=シュルピス教会でキリストの受難に対して結社を捧げ、決闘放棄の誓いを立てるに至る。Ibid. pp.285-286.
[14] Ibid. p.439.
[15] Ibid. p.285.
[16] 着色されている史料は、入手済・入手可のものである。
[17] 江川溫「商業デロジアンス規範の生成」前川和也編著『ステイタスと職業 社会はどのように編成されていたか』ミネルヴァ書房、1997年、153頁。
[18] ・Herr, Richard, “Honor versus Absolutism : Richelieu’s Fighting against Duelling,”
Journal of Modern History, 27, 1955、p.283.
[19] Billacois, op. sit., p.273.
立川で学ぶ「ヨガの思想」
『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(1)
『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(2)
『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(3)
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『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(15)
バガヴァッド・ギーターの教え(ヨガの古典の経典を通してヨガを学ぶ)
バガヴァッド・ギーターの教え(ヨガの古典の経典を通してヨガを学ぶ)(2)
バガヴァッド・ギーターの教え(ヨガの古典の経典を通してヨガを学ぶ)(3)
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