2023年3月21日(立川の溶岩ホットヨガ)
「人生はマンガを通して学んできた」
00 漫画を読ませない親たち
このブログは、ヨガ・ピラティスのスタジオのブログです。私の担当は、ボクシングやキックボクシングを教えることだったりします。ただ、ヨガスタジオのお客様はみなさん大人ですので、あまり悪い意味で不思議になることはないのですが、学習塾のほうで、いろいろな保護者の方をお会いしていると、時々首をかしげたくなるようなことがあります。もちろん、ヨガスタジオに通われている方にもお子様がいらっしゃって、皆様また別の顔をされているのかもしれませんが。とはいえ、直接見聞きすることが多いのは、教育ママと昔揶揄されたような方がいまだにいるということです。
01 マンガを読むと頭が悪くなる?
標題のとおりなのですが、子供さんに「漫画を読むことを禁止にする」保護者の方は決して少なくありません。とりわけ、小学生くらいの親御さんは親御さん自身までお若いので人生経験も豊富でないせいもあるかもしれませんが、「マンガを読むと頭が悪くなる」と言わんばかりの方もいらっしゃいます。私自身は、ほぼほぼマンガに影響を受けて育ったので、そういうことを言われると、小学生の喧嘩じゃありませんが「馬鹿っていうやつが馬鹿だ」じゃありませんが(苦笑、「マンガを読むと頭が悪くなるという人こそ狭量で、無教養さ丸出しの知性の低い人ですよ」など酷い悪口で言い返したくなるタイプです。
もちろん、そんなことはおくびにも出しませんが、「あー、小学校や中学校の教科書なんて大体いい加減なこと書いているし、国語にしたって、ろくな作品が収められていないんだけどなあ」(前の日記にでも書きましたが、川端康成の『雪国』とか絶対に教科書に載らないわけですね)と内心毒づいてしまいます。今回もそういう風にがちにマンガ擁護論を話し出してしまうと、いつもの日記よろしく、「続きはまた後日に」詐欺になってしまいかねないので、今回は、へりくつは抜きに、私が好きなマンガの名台詞を集めて、ひたすら貼り付けながら一言コメントだけしていきたいと思います。
02 わたしはマンガで人生を学んでいます
というと、もう膨大にあり過ぎますし、よく『名言集』みたいなのが本になっていて、実は、そういうのは前後の文脈やセリフには現れない描写や背景が無視されていて、非常に物足りなく感じてしまうのですが、仮に一作のマンガの良さやその哲学を語るともうきりがないのも事実で、それなら、もうそのマンガ買って読んだら、としかいえません。といっても、お勧めマンガを列挙するだけでは、何も面白くないので、ネットで拾った、そして、ちょっと特定の趣旨を持った名台詞だけを集めて紹介しようと思います。
03 マンガの名言集です
と、マンガの名言集を批判して起きつつ、同じことをします。
いきなり、国民的作品から出しちゃいますが、『ドラえもん』からです。
「一つだけ教えておこう。きみはこれからも何度もつまづく。でもそのたびに立ち直る強さをもってるんだよ。」
です。素敵なセリフじゃないですか。藤子不二雄F氏のマンガは『ドラえもん』ではなく、『異色SF短編集』などにその才能が惜しみなく発揮されているというか、まさに天才なのですが、そんな同氏のマンガの中では、一般受けと商業主義に走った作品なのですが、それでもこの一言はよいですよね。
まあ、マンガの文脈的に、これは確か未来ののび太が小学生の頃ののび太に語ったシーンかと思うので(違ったらごめんなさい)、先を知っている人が、君は立ち直れるだよ、というか、実際立ち直っていったんだよ、と事実を言われているだけの文脈だと思うので、そう考えると大していいことを言っていないのですが(元も子もないこといっていますが)、私、人生でマンガのセリフではないのですが、大好きな名言というのが三つありまして、その一つが、
Our gratest glory consists not in never falling, but in rising every time we fall.(Oliver Goldsmith)
なんですけど、日本語に訳すまでもないような簡単な文章ですが、一応訳しておきますと「我々のもっとも偉大な光栄は、決して倒れないことではなく、倒れるたびに起き上がることである」という感じですね。人間生きていればどんな強いやつでも天才でも負けることや挫折することがあります。人生ノーミスなんて言う人はそもそもギリシア人の格言をもじっていえば、生まれないことであり、あるいは生まれてもすぐ死んだものだけではないでしょうか。こち亀の両さんもはっきりこう言っています。
両さんが珍しいことをいっている感じですよね。
「立ち上がらない事が・・・恥ずかしいんだぞ!」
と説教していますね。まあ、確かに両さんの諦めの悪さは一級品ですよね。あるいは、NHKでも放映している『進撃の巨人』でも。巨人と戦う部隊の隊長のおじさん(登場人物の名前を忘れてしまいましたが、確かそんなに主役級の人ではなかったですよね)は形を変えてこう言っています。
「人は戦うことをやめた時初めて敗北する 戦い続ける限りは まだ負けていない」
です。ちょっと、勝ち負けの話になってしまうと、なんだかニーチェ(Nietzsche)の「ルサンチマン(弱者の怨恨)」(解説は下)みたいに聞けてしまうのが、少し頂けないですね。
解説:ニーチェの思想の根幹の一つ。フランス語で「ressentiment」と書きます。sentimentは感情という意味で、繰り返しを意味する接頭辞「re」がつくので、感情を振り払うことができずに、また反復するという意味合いの言葉の作りになっています。日本語では一般的に「うらみ、ねたみ、そねみ」などと訳されます。ニーチェ用語としては、そういう日常的な意味と少しずれるので、「ルサンチマン」とカタカナ語で訳すの一般的です。
この「ルサンチマン」という言葉は、ニーチェの主要著作であり、珍しく『ツァラトゥストラはかく語りき』のようなアフォリズムや物語風ではなく、論文風に書かれている著作である『道徳の系譜』に頻繁に登場します。簡単にいうと、キリスト教批判で用いられており、キリスト教が行ったことが善悪の価値観の転倒だというのです。
具体的にどういうことかというと、イソップ童話の酸っぱいブドウを思い浮かべるといいかもしれません。猿が木の上に登って美味しそうにブドウを食べているのを見かけた狐は、自分が木の上に登れないので、猿に「ぼくにもそのブドウをおくれよ」というわけですが、猿は「いやぁだよ!」と拒否ります。そうすると、狐は「ふん。どうせあんなブドウなんて酸っぱいに決まっているんだ」といって諦めるわけです。これですね。つまり、本当はブドウを食べたいけれど、ブドウが食べられないのなら、ブドウなんて価値がないものだと決めて、自己正当化するということです。
こういう人間心理が、キリスト教徒の価値評価法の根幹にあるとニーチェは考え、強いものを強いと認める、うらやましいものはうらやましいと認めることを、神の名においてお前は奢った強者であり不正であるとか、富は不要だ、とか価値転倒したことを厳しく追及したのです。この漫画的な状況でいえば、勝負に勝ち相手を倒すことが本当は求めていることですが、負けたのに、「いや、俺は俺が負けと認めなければ負けていないし。」と弱者が自己正当化しているとみられてしまうわけですね。
哲学っぽい話はここまでにしておきましょう。そういうへりくつはあるとしても、実際、戦いの美学を謳った少年マンガの王道『北斗の拳』でも、こういうシーンがあります。
「お 男の闘いは敵が いかに強大であろうとその敵に敗れることはない・・・!!お 男が敗れる時・・・!そ それは自分自身に負けた時だけだ・・・!!」
負けを認めなければ負けませんよね。たとえそれがルサンチマンに基づく、価値転倒であろうが、屈服はしていないですよね。まあ、若干気になるのは「男が」とジェンダーで区別しちゃっているのは、今風にいうとどうかと思うところもありますが、そういう風にジェンダー問題を真面目に考えてしまうと、昭和の名作『魁け男塾』の名台詞が、ただの性差別になってしまうので、気にしないようにしましょう。
「男なら幸せになろうなどと思うな 幸せになるのは女と子供だけでいい 男なら死ねい」
ええ、死ななきゃいかんのかい!と言いたくなりますね。ここまで潔いよいとバリバリのタカ派フェミニストの上野千鶴子さんでも、もう何もいえないのではないでしょうか。これはもう、昭和というより、もうほとんど戦前ですね(笑。でも、この男、江田島平八のセリフは今でも衝撃を持って心に残っております。なので、もう一度江田島平八の登場させます。
いや、最近米国ではやっているAnti feminismとかを唱えたいわけではないですよ。誤解されないようにお願い申し上げます。男、江田島平八なんですよ、もうそれだけで十分じゃないですか。
と、最近、高度なCGアニメだかで話題になった『SLAM DUNK』のあれですね。もう、このセリフは桜木花道のセリフではなく、あの人のあの言葉なのですが、これはもう言わずもがななのではないでしょうか。いいですね。あの人のあの言葉という、よく分からない指示代名詞だけで通じてしまう言葉って(笑。やっぱ、人生、
「あきらめたら そこで試合終了ですよ」
ね。長い人生を生きていくには、継続すること、続けていくことが大切なわけで、
です。本家の手塚治虫大先生の『ブラックジャック』を差し置いて先に紹介しちゃいましたが、
「走り続ける事 自転車を安定させるためには止まっちゃダメなんだよ」
です(『ブラックジャックによろしく』)ね。本家のブラックジャック先生もおなじようなことをきちんとこう言っております。
「問題は特技とかやりかたなんかじゃなくて・・・どうやりとおせるかということでしょう?」
TEDのトークで、心理学者でペンシルバニア大学教授のアンジェラ・リー・ダックワース氏は、「才能やIQ(知能指数)や学歴ではなく、個人のやり抜く力こそが、社会的に成功を収める最も重要な要素である」として、「GRID」理論を提唱しましたが、まさに現代の科学的知見が既に何十年前に先取られているわけですね。GRIDとはどういうものかもう少し詳しく彼女の言葉から引用して説明すれば、
“Grit is passion and perseverance for very long term goals. It’s a disposition to work on things for a long time. For children it could be month or years, for adults we are talking about years and decades with consistent direction and with great effort.”
であり、
“The distinction I’d like to make with is closely related trait and that is self control stamina for the long term. Self control is the ability in the moment when there are distractions and temptation nearby you have the ability to resist to those.”
という力であるわけですね。後で訳文あげますが、読めない方はそのままGoogle翻訳にペッとコピペしてみてください。彼女はこうも言っています。
“You are going to work on one thing to get better at you can’t yet do, 100% focused, get a feedback from someone and have to decide to do something you can’t yet do.
“Then you gotta have the courage to reflect on that. Make adjustments and do the whole thing over. This is where excellence comes from.”
まさに、ドラえもんが、のび太に語る説教の趣旨と通底していますね。マンガの世界ではもうそんなことはアメリカの大学の教授が研究する前にわかっていたわけです。大学受験だろうが司法試験の受験だろうが公認会計士の受験だろうが、博士論文提出であろうが、はたまたサッカー選手であろうが、WBCで活躍する野球選手であろうが、岡本太郎のような芸術家であろうが、もう何をするにしても、きちんと目標を勝ち取りたい、あるいはひとかどの人物になりたければ、一番大事なスキルは、能力でもセンスでもなくて、
のような「やり続ける力」「習慣の力」なんですね。受験マンガで一躍有名になった三田紀房ですが、彼の漫画は別に『ドラゴン桜』だけこういうことをいっているのではなく、『エンゼルバンク』であろうが、『マネーの拳』であろうが『アルキメデスの大戦』であろうが同じようなことを登場人物に語らせていますよね。
さすがにここまで書いて疲れたので、続きは今度とはまた、といつものように終わります。
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定休日 | 年中無休 |
URL | https://ontheshore.jp/ |
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立川ヨガ 立川エリア唯一の溶岩ホットヨガスタジオ「オンザショア」
【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |