自律神経について
01 自律神経は老化する
30代から疲れや老いを自覚する機会が皆さん増えてきているかと思います。背景にあるのは、自律神経の老化。呼吸、心拍、血圧、体温を保ち、消化吸収やエネルギー代謝を司る自律神経が老いてきたら若さは保てません。
ところが、交感神経と副交感神経からなる自律神経のトータルPower(活動量)は10代をピークとして加齢と共に右肩下がりで低下することがわかっています。
その落ち具合はというと、トータルPowerは10代と比べると40代で半分、60代では1/4を下回るほど。男女の差もあり、60代までは男性の方が女性よりトータルPowerが高く、70代で男女差はなくなります。
自律神経の老化の引き金は、有害な活性酸素による酸化です。人は呼吸で酸素を取り込まないと生きていけませんが、その酸素の1~2%は活性酸素に変わります。自律神経に限らず、老化とは、酸化がもたらすものなのです。なかでも自律神経は1度傷つけられると2度と再生しません。
故に、年を追う毎に酸化ダメージが蓄積し続け、自律神経の機能が右肩下がりに低下していくのです。30代からは自律神経に負担をかけない穏やかな生活に心掛ける必要があるのです。
02 積極的な活動時間は一日せいぜい3時間
働き方改革やリモートワーク、在宅勤務が推進される毎日ですが、ビジネスパーソンの多くは一日10時間近く平気で働いている方も多いでしょう。現代のライフスタイルに馴染んでいると何もこのことに疑問を感じませんが、実はこれ、自律神経のリミットを遙かに超えているんです。
人が活発に動き回れるのは三時間が限界だと言われており、10時間も活動し続けるのは無茶な話なのです。当然、こういう生活を続けていると自律神経の老化を一層進める要因となるわけです。
確かに、デスクワークなどは活発に動いてはいないかもしれませんが、緊張を強いられるアウェイな時間です。交感神経がオンになりやすく、自律神経が乱れがちになってしまいます。また、同じ姿勢を続けると血流が悪化して、それも自律神経には非常に有害です。
03 睡眠負債の正体は自律神経
昔、「睡眠負債」という言葉が流行語になったこともありましたが、睡眠不足を放置することで借金のように積み重なり心身に悪影響を及ぼすことです。睡眠負債によってどこよりも疲労が蓄積するのが実は自律神経。日中、自律神経は休みなく作用し続けます。睡眠中も自律神経は作用していますが、昼間と比べると冷え行き着いています。この間に自律神経の回復が進むのです。しかし、睡眠不足だとこの修復が不完全になり、きちんと修復されないまま翌朝を迎えるため、自律神経に疲労が蓄積し、加齢による老化に拍車をかけます。
「睡眠時間などの時間的な不規則性が副交感神経系にネガティブに作用」
内木他「男子大学生における夜間睡眠の乱れと自律神経系活動の関係」(2021)
上記のように睡眠時間などの不規則が副交感神経系にネガティブに作用し、自律神経が酸化ストレスを受けると、SOSとして疲労因子FFと総称されるタンパク質が出てきます。すると、酸化を防いで拾う因子FFを中和するために疲労回復因子FRが作用し、自律神経のリカバーが促されます。忙しくて昼間に長くアクティブに働くほど疲労因子FFは増えるため、長く眠って疲労回復因子FRを働かせるべきですが、実際は、忙しい時ほどあまり眠れないことも多いはず。その結果、睡眠負債が重なり、自律神経は老化の一途をたどることになってしまうのです。(▶寝不足、寝付きが悪い、快眠をしたい方へは「深夜のヨガ」がオススメ)。
04 持久力の正体も自律神経
歳と共に駅の階段を昇るのもおっくうになり、長い距離を歩くのを避けるようになりがちです。これは持久力が低下したサイン。持久力には、全身を動かし続ける全身持久力と特定の筋肉だけを動かし続ける筋持久力があります。彼で落ちやすいのは前者の全身持久力。俗にスタミナといわれますね。
スタミナは、筋肉に必要な酸素を送り届ける心肺機能に左右されます。心肺機能とは、肺から酸素を吸い込み、心臓と血管ネットワークで筋肉などの組織にデリバリーし、呼吸の結果出てくる不要な二酸化炭素を肺から排出する能力です。この心肺機能を背後から操っているのが他ならぬ自律神経。
運動強度に応じて呼吸数や心拍数を上げ下げして、血液で酸素を巡らせたりしているのが自律神経の働きです。体を動かして上がりすぎた体感を発汗などで下げようとするのも自律神経の働き。自律神経の能力が全身持久力の質を決めています。息が切れるようなペースで走るとすぐに疲れて足が止まってしまうでしょう。息が切れる=自律神経ではコントロールできない強度だから、脳がそれ以上の運動をさせないように強制的にストップを出しているのです。そして、加齢でスタミナが落ちるのも歳を重ねるごとに自律神経のチカラが落ちていくからです。
05 血流アップで自律神経を守る
自律神経の働きの中で一番プライオリティが高いのは血流の調整です。血液は酸素、二酸化炭素、栄養素、熱を運び、免疫や代謝の維持に貢献します。血流が良好だと自律神経の負担が減りますし、自律神経の酸化で生じる疲労因子FFも排泄されやすいです。血流を促すために習慣にしたいのは、座りっぱなしを避けて定期的にほっつき歩くことです。じっと座ったままでは股関節近辺で血管が折れ曲がって圧迫され、血流が妨げられます。
また、心臓より低いところを巡る血液を重力に逆らって心臓へ環流させるのは、第二の心臓とも称されるふくらはぎの筋肉の伸縮によるポンプ作用。心臓は血液を送り出せても吸い上げることはできません。座りっぱなしだとこのポンプ機能がオフになったままなので、血流は悪くなりやすいです。新幹線や飛行機などによる長時間の移動で疲れるのはこの座りっぱなしで血流が滞るからです。デスクワーク中や長時間の移動中は意識してちょくちょくと席を立って血管の圧迫を解消し、歩き回って筋肉ポンプを動かしましょう。
06 運動の快眠効果
睡眠が脳の恒常性を保っていることはご存じでしょうか?脳の神経細胞同士の情報のやりとりは、シナプスと呼ばれる接合部分で行われています。といっても、一つの神経細胞が一つのシナプスを持っているというようなシンプルな構造ではありません。たった一個の神経細胞が数万個、あるいは数十万個のシナプスを持っていることもあります。それらの膨大なシナプスが別の神経細胞と繋がって、めまぐるしいスピードで情報交換をしているのです。覚醒中は、とにかくシナプスは増える一方です。外部情報の処理や生体システムをコントロールするために常にシナプス間で情報伝達を行う必要があるからです。
ところが、シナプスの強度は常に一定に保たれています。恒常性があるからです。実は覚醒中に増え続けたシナプスが今度は睡眠中に減るそうなのです。オーバーワークで人が倒れてしまうように、シナプスが延々と増え続けると脳のシステムは破綻してしまいます。そうならないように睡眠中にシナプスの強度や数を減らしてバランスを取っているわけです。こうして毎晩シナプスの最適化が行われ、人は新しい一日を迎えるのです。
覚醒中によく使った部位ほど、シナプスが強化され、夜になると深い眠りに誘われます。では、運動と何が関係しているのか?頭を使った勉強や思索を巡らしていない限り脳も疲れないんじゃないか、と思われる方もいるかもしれません。しかし、そんなことはありません。筋肉内や腱に存在するセンサーが筋肉の状態をモニターして脳に伝え、脳の感覚野から運動野に情報が伝われ、再び筋肉にフィードバックされるわけです。これだけでも相当なシナプス強化が行われており、よく動いた日にぐっすり眠れるのはそのせいなのです。
学者とスポーツマンの脳の使いぶりはほぼ同等です。そもそも人間は動物です。体を使ってなんぼという生き物です。運動するために脳のリソースは想像以上に使われているのです。睡眠不足、なかなか入眠できないという就寝にお悩みを持つ方にこそヨガやピラティス、ボクササイズやキックボクササイズといった運動をオススメしたいわけですね。
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |