肘突き（ソーク・サン / ศอกสั้น / Sok San）
＝「肘を短く押し出すように突く、近距離専用の直線的な肘打ち」
✅ 初心者にもわかりやすく説明すると…
「肘突き」は、パンチのように“肘でまっすぐ突く”攻撃です。
クリンチや密着時など、相手と超近距離で向き合った状態で、
腕を振り回すのではなく、肘だけを前に“ドン”と突き出す技です。
👤 イメージとしては、ひじ鉄＋ボディブローの融合版のような打撃です。
✅ 特徴と利点
| 項目 | 解説 |
|---|---|
| 有効距離 | 超至近距離（10～30cm） |
| 軌道 | 前方直線。小さく鋭い |
| 狙い所 | 鼻・口元・顎・胸元・みぞおちなど |
| 特徴 | 威力よりも「不意打ち・速さ・連続性」が武器 |
✅ どんな場面で使う？
| シーン | 解説 |
|---|---|
| クリンチ中 | 腕を巻き込んで固定した状態での“連打肘”に組み込まれる |
| 密着パンチの中 | フックやアッパーの合間に、小さく肘で突く |
| ガードを固める相手に | パンチの届かない距離でも肘だけ当てられる |
✅ 打ち方のコツ・ワンポイントアドバイス
| コツ | 解説 |
|---|---|
| ✔ 腕を大きく動かさない | “押す”ように肘を出す／肘を先に突き出して肩を後からついていく感覚 |
| ✔ 自分の体重を前に乗せる | 後ろ足の踏み込みを肘に伝えると威力UP |
| ✔ 出してすぐ戻す | “肘だけで押す→引く”の反復で打ち合い中でも回避可能 |
✅ この技が得意なムエタイ選手と特徴
🔹【サムゴー・ギャットモンテープ】
💬 肘打ちの象徴的存在。全肘技の中でも“ソーク・サン”の使用頻度が高い。
クリンチ中に**肘突き→横肘→肘突き…**と連続的に打ち分ける
相手のガードを利用して、**“ガードごと肘で突き飛ばす”**ような動きも特徴的
解説者たちからは「1cmでも肘が入れば出血かダウンが取れる」と語られる
🔹【ノンオー・ガイヤーンハーダオ（ONEムエタイ王者）】
💬 近年のムエタイ実力者で、特に近距離の崩し＋肘突きが上手い。
パンチを打つモーションから急に肘突きへ切り替え
肘突き→膝→ハイキックという“ムエタイ三段連携”の起点技として使用することが多い
✅ 初心者向け練習ステップ
ミラー練習
→ 肘を突き出すだけの動作を、鏡を見て小さく正確に繰り返すミット練習
→ ミットを腹や胸の高さで持ってもらい、肘突きで「ドン」と当てる連携ドリル
→ パンチ（ジャブ）→肘突き→フック→肘突き…と連携練習をする
✅ まとめ
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 技名 | 肘突き（ソーク・サン） |
| 距離 | 超至近距離（10〜30cm） |
| タイプ | 直線的／鋭い／連打向き |
| 得意な選手 | サムゴー、ノンオーなど |
| 特徴 | フェイントになり、連打に組み込みやすい／出血誘発あり |
| コツ | 肘だけで突く、小さく速く、すぐ引くこと |
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| 【監修者】 | 宮川涼 |
| プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |
