憲法を学ぶ(ヨガと平和を愛するヨガ好き・ヨギーのために)1
第1章 憲法と立憲主義
01 憲法とは
憲法とは、国家統治の基本を定めた国家の基礎法である。国家統治の基本は、いつの時代でも国家権力であり、この国家権力によって幾度となく国民の権利・自由が不当に侵害されてきた。典型的には、国家が法律を制定し、それを国民に適用される形で、国民の権利・自由が制約されるのであり、その制約が不当な侵害に至らないよう、国家権力を縛る必要がある。国家権力を制限して国民の権利・自由を守ることが、憲法の最たる役割であり、これを立憲主義的な憲法という(憲法により国家権力を制限し、憲法に基づいた政治を行うことを、立憲主義という)。日本国憲法は、立憲主義的な憲法としては、統治機構について定める部分に大別することができる。
02 国家と法
国家とは、一定の限定された地域(領土)を基礎として、その地域に定住する人間が、強制力をもつ統治権のもとに法的に組織されるようになった社会をいう。従って、領土と人と権力は、古くから国家の三要素といわれてきた。国家という統治団体の存在を基礎づける基本法、それが通常、憲法と呼ばれてきた。
03 憲法の意味
憲法には、①形式的意味の憲法(憲法と名で呼ばれる成文の法典であり、内容を問わない)と、②実質的意味の憲法(ある特定の内容をもった法を憲法と呼ぶ場合であり、成文・不文を問わない)とがある。②は(1)固有の意味の憲法(国家の統治の基本を定めた法としての憲法であり、いかなる時代のいかなる国家にも存在する)、(2)立憲的意味の憲法(自由主義に基づいて定められた国家の基礎法であり、専断的な権力を制限して広く国民の権利を保障するという立憲主義の思想に基づく憲法である)に分類される。
立憲的意味の憲法(②の(2))は国家権力を制限して国民の権利・自由を守ることを目的とする憲法である。その特色として、成文憲法という形式で、硬性憲法という性質(通常の法律よりも厳しい手続によらなければ改正できない)が挙げられる。後者の理由については、憲法は社会契約を具体化する根本契約であり、国民の不可侵の自然権を保障するものであるため、憲法によってつくられた権力である立法権は根本法たる憲法を改正する資格をもつことはできず(それは国民にのみ許される)、立法権は憲法に拘束されるから、憲法の改正は特別の手続によって行わなければならないと考える、と説明される。
04 憲法規範としての特質
近代憲法の特質は、自由の基礎法、制限規範、最高法規という3点である。
(1)自由の基礎法
近代憲法は、何よりもまず、自由の基礎法である。すなわち、憲法は、自由の規範である人権規範に奉仕するものとして存在するものである。このような自由の観念は、自然権の思想に基づく、この根本規範を支える核心的価値が人間の人格不可侵の原則(個人の尊厳の原理)である。
(2)制限規範
憲法が自由の基礎法であるということは、同時に憲法が国家権力を制限する基本法であることを意味する。近代憲法は自然権思想を基礎に置くものであるため、政治権力の究極における根拠も個人(すなわち国民)に存してなくてはいけないから、憲法を実定化する主体は国民であり、国民が憲法制定権力(憲法をつくり、憲法上の諸機関に権限を付与する権力)の保持者であると考えられる。このように自然権思想と憲法制定権力の思想とは不可分の関係にある。また、憲法制定権力は、実体憲法においては国民主権として制度化されることになるため、人権規範は主権原理とも不可分の関係にあることになる。
(3)最高法規
憲法は、国の最高法規であり、国法秩序において最も強い形式抵抗力をもつ。憲法98条の規定は、その趣旨を明らかにしたものである。憲法の最高法規性の形式的根拠は硬性憲法であることに、実質的根拠は憲法が自由の基礎法であることに求められる。すなわち、硬性憲法であることから憲法の形式的最高法規性(憲法が国法秩序において最上位にあること)が当然に派生するため、憲法の形式的最高法規性の実質的根拠については憲法が自由の基礎法であることに求めることになる。
憲法第10章に「最高法規」の冒頭にあって、基本的人権が永久不可侵であることを宣言する憲法97条は、硬性憲法(憲法96条)及びそこから当然に派生する憲法の形式的最高法規性(憲法98条)の実質的根拠を明らかにした規定である。
05 立憲主義と現代国家
近代立憲主義憲法は、個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限することを目的とするが、この立憲主義思想は法の支配の原理と密接に関連する。
(1)法の支配
専断的な国家権力による支配(人の支配)を排斥し、権力を法で拘束することによって、国民の権利・自由を擁護することを目的とする原理である。法の支配の内容として重要なものは、①憲法の最高法規性の観念、②権力によって侵されない個人の人権、③法の内容・手続の公正を要求する適正手続、④権力の恣意的行使をコントロールする裁判所の役割に対する尊重、などだと考えられている。
(2)法の支配と法治主義の対比
法の支配と法治主義(法治国家)とは、法によって権力を制限しようとする点においては法の支配の原理と同じ意図を有するが、少なくとも、次の2つの点において異なる。一つ目は、法の支配が民主主義と結合するものであるのに対し、法治主義はいかなる政治体制とも結合し得る形式的な観念であるということである。二つ目は、法の支配にいう「法」は内容が合理的でなければならないという実質的要件を含む観念であり、いひては人権の観念とも固く結びつくものであるのに対し、法治主義にいう「法」の内容とは関係のない形式的な法律に過ぎない。
(3)立憲主義の現代的意義
(ア)立憲主義と社会国家
立憲主義は、国家は、国民生活にみだりに介入すべきではないという消極的な権力観を前提としている。そうすると、国家による社会への積極的な介入を認める社会国家思想は、立憲主義と矛盾するように思える。しかし、立憲主義の本来の目的は、個人の権利・自由の保障であるため、その目的を現実の生活において実現しようとする社会国家思想とは基本的に一致すると考えるべきであるから、両者は両立する。
(イ)立憲主義と民主主義
立憲主義は民主主義とは密接に結びついている。すなわち、①国民が権力の支配から自由であるためには、国民自らが能動的に統治に参加するという民主制度を必要とするから、自由の確保は、国民の国政への積極的な参加が確立している体制においてはじめて現実のものとなり、②民主主義は、個人尊重の原理を基礎とするため、すべての国民の自由と平等とが確保されてはじめて開花する、という関係にある。民主主義は、単に多数者支配の政治を意味せず、実を伴った立憲民主主義でなければならないのである。このような自由と民主の結合は、まさに、近代憲法の発展と進化を支配する原則であるということができよう。
06 日本国憲法の法源
(1)成文法源
法の存在形式には成文法と不文法(又は慣習法)とがあり、近代国家に至って成文法源が最も重要な法源となっている。実質的意味の憲法も、その多くが成文化(実体化)されるようになった。
(2)不文法源
有権解釈(国家・内閣など最高の権威を有する機関が行った解釈)によって現に国民を拘束している憲法制度から不文法源が形成され、成文法源を補充する役割を果たす。判例も不文法源として重要な意味を有する。憲法も生ける法であるから、時代の変化に対応するために、慣例ないし慣習と言われるものが成立する。憲法慣習には、①憲法に基づき本来の意味を発展させる慣習、②憲法上の明文が規定が存在しない場合にその空白を埋める慣習、及び③憲法規範に明らかに反する慣習、という3つの類型がある。③については、憲法習律としての法的性格を認めることはできるが、それ以上の、慣習と矛盾する憲法規範を改廃する法的効力を認めることは、硬性憲法の原則に反し、許されないと解されている。①・②については、法的効力があり、法源性が認められるが、その法的効力の強さについては争いがある。もっとも、少なくとも、国家機関を政治的に拘束する効力が認められることについては、争いはない。
第2章 国民主権の原理
01 日本国憲法の基本原理
日本国憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つを基本原理とする。これらの原理がとりわけ明確に宣言されているのが憲法前文である。以下に憲法前文を示し、慣習に従って、第一段落を1項(一段ともいう)、第2段落を2項、第3段落を3項という。
(1)前文の内容
「日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民と協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらはこれに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。
われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげて崇高な理想と目的を達成することを誓う。」(日本国憲法前文)
第1に、前文1項の前段は、「主権が国民に存すること」と日本国民が「この憲法を確定する」ものであることを規定することで、国民主権の原理及び国民の憲法制定の意思(民定憲法性)を宣言している。
第2に、前文1項の前段は、それと関連させながら、「自由のもたらす恵沢」の確保と「戦争の惨禍」からの解放を規定することで、人権と平和の二原理を宣言し、そこに日本国憲法制定の目的があることを示している。
第3に、前文1項の後段は、「国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福祉は国民がこれを享受する」と言い、国民主権とそれに基づく代表民主制の原理を宣言し、最後に以上の諸原理を「人類普遍の原理」であると説き、「われらは、これに反する一切の憲法、法令、及び詔勅」を排除するとして、それらの原理が憲法改正によっても否定することができない旨を明らかにしている。
第4に、前文2項は、「日本国民は、恒久の平和を祈願」するとして、平和主義への希求を述べ、そのための態度として「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と宣言する。前文3項は、国家の独善性の否定を「政治道徳の法則」として確認し、前文4項は、日本国憲法の「崇高な理念と目的を達成すること」を誓約している。
(2)基本原理相互の関係
前文で宣言された国民主権の原理、基本的人権の尊重(人権尊重主義)、平和主義の原理は、相互に不可分に関連している。
(ア)人権と主権
まず、基本的人権の保障は、国民主権の原理と結びついている。前文1項は、国民主権及びそれに基づく代表民主制の原理(狭義の民主主義)が基本的人権の尊重・確立を目的とし、それを達成するための手段として不可分の関係にあることを示している。それは、基本的人権の尊重・確立は専制政治の下では完全なものとなり得ず、民主主義政治の下ではじめて完全なものとなり得るからである。
次に、自由は「人間の尊厳」の原理なしには認められないが、国民主権(国民が国の政治体制を決定する最終かつ最高の権威を有するという原理)も、国民がすべて平等に人間として尊重されてはじめて成立するものである。このように、国民主権(民主の原理)も基本的人権(自由の原理)も、ともに「人間の尊厳」という最も基本的な原理に由来し、その二つが合わさって広義の民主主義を構成し、それが「人類普遍の原理」として前文1項後段で宣言されている。
(イ)国民の民主と国際の平和
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |