ストンピング（Stomping／踏みつけ）
＝「立っている状態から、倒れている相手に対して足の裏で踏みつける攻撃技」
✅ 技の基本解説
▶ どんな技か？
ストンピングとは、相手が仰向け・うつ伏せ・四つん這いなどの地面に接している状態のとき、立っている者が足の裏で相手の身体を踏みつける打撃技です。
足の裏全体 or 踵を使って踏み込むのが基本
攻撃対象は顔面・胸部・腹部・四肢・手足・関節部まで多岐にわたる
一撃のダメージというより、制圧・心理的プレッシャー・体勢の破壊を狙う場面が多い
✅ 技の構造・フォーム（基本型）
相手が地面に倒れている（ガードポジションなど）
自分の体勢を安定させる（足を開き、重心を低く）
目標部位を見極める（頭・肩・肘・手首・腹部など）
踵 or 足裏で、上から体重を乗せて踏み下ろす
そのまま重心を戻すか、必要に応じて次の攻撃へ接続
✅ ワンポイントアドバイス・コツと工夫
| コツ | 解説 |
|---|---|
| ✔ 軸足の安定が命 | ストンピングは片足動作のため、蹴る前のスタンスが崩れていると返されやすい |
| ✔ ターゲットは“骨の多い部位” | 頭・胸・手首・足首など固い部位はダメージが通りやすい |
| ✔ 踏んだら“即座に戻す”意識 | 重心を踏みっぱなしにすると相手に足を掴まれるリスク大 |
| ✔ 足裏全体で踏む“体重制圧型”も有効 | とくに護身術・警察術では、破壊よりも固定・制圧を優先 |
✅ ターゲット別の使い方
| 部位 | 効果・目的 |
|---|---|
| 腕（手首・肘） | 武器を持った手を無力化／骨折・脱力 |
| 胴体（みぞおち・横隔膜） | 呼吸制限／次動作への牽制 |
| 顔面 | KO狙い／心理的制圧（ルール上注意） |
| 太腿・膝 | 動きの封鎖／関節破壊（実戦向き） |
| 手・足 | 指や足の甲に踏み→逃走防止・制圧術に有効 |
🥇 この技が得意な選手・使用例・逸話
🔹【ショーグン・フア（PRIDE／UFC）】
「ストンピングの完成者」と呼ばれるほど、倒した相手への足技が鮮やか
特徴：ガードを取ろうとする相手の腕や腿にストンピングを打ち込み、寝技への移行を封じる
🔹【ヴァンダレイ・シウバ】
サッカーボールキックと併用して、**とにかく“倒れた相手に休む隙を与えない”**攻撃性で有名
特に壁際やロープ際での連続ストンピングが代名詞となった
🔹【キャッチレスリング系レスラー（カール・ゴッチ系譜）】
「手首を潰す・顔を踏む・胸を押し込む」など、痛みを与えながら寝技へ連携する使用法
プロレスでは演出の面でも**“迫力ある制圧”として使われることが多い**
✅ ストンピングの活用まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 技の分類 | 立ち技 → 寝技制圧型ストライク |
| 有効距離 | 上から下（自分が立っている／相手が倒れている） |
| 強み | 自分は安全な位置にいながら攻撃できる／制圧力が高い |
| 弱点 | 足を掴まれる／踏み外すとバランスを崩す |
| リスク | 競技ルール上は使用禁止の大会が多く、実戦用 or 特定団体限定技術 |
✅ 練習方法（安全な習得）
✅ ダミー or パッドに対して踏みつけの角度・体重移動を反復
✅ 片足立ちでのバランス感覚を養うエクササイズ
✅ 相手と組んだ後、「制圧 → ストンピングの流れを想定した連携ドリル」
✅ 法的注意点（護身術での活用）
| 状況 | 解説 |
|---|---|
| 護身で使う場合 | 相手が武器を持っていた・複数だったなど明確な危機性の証明が重要 |
| 打撃の程度 | “危害を加えないための制圧”に限定すれば正当防衛の主張もしやすい |
| やりすぎると | 警察から“傷害罪・過剰防衛”で立件される可能性もあるため要注意 |
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| 【監修者】 | 宮川涼 |
| プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |
