インド思想と仏教
1 仏教以前のインド思想
①バラモン教
紀元前 1000 年頃,アーリヤ人がインド北部のガンジス川上流に定住。農耕社会を形成し,自然界の諸現象を神格化した多神教を信仰するようになった。やがて祭祀や儀式が重視されるようになると,司祭者であるバラモンは,彼らが生み出したヴァルナ(=「色」の意味で,のちのカースト制度のもと)という厳しい身分秩序の頂点に立ち,さまざまな特権を手にした。これがバラモン教の始まりとなった。
※ ヴァルナは,バラモン〔司祭者〕・クシャトリヤ〔王族・武士〕・ヴァイシャ〔農民・商工業者〕・シュードラ〔隷属民〕の4つに大別されるが,約 3000 のジャーティ〔出生〕に細分化もされている。
A ウパニシャッド哲学
紀元前7~6世紀になると,バラモン教の聖典『ヴェーダ』に付属する奥義書『ウパニシャッド』から哲学が生まれ,インド思想の母体となった。
※ヴェーダは,神々への賛歌集である『リグ=ヴェーダ』など4種に大別される。
B 輪廻転生
全ての命あるものは,いったん死んでも,生きていた時の行為である業〔カルマ〕を原因に必ず生まれ変わり(=転生),これを無限に続ける(=輪廻)。
※ 現世における行為が積み重なり,来世での形や運命が決定づけられるという考えを,因果応報という。
※ 輪廻転生の思想は,来世でよい報いを受けられるよう善行を勧めるプラス面と,前世での業〔カルマ〕により現世が決まっているため努力を否定するマイナス面がある。
C 解脱
バラモン教に限らず,のちのジャイナ教・仏教・ヒンドゥー教を含むインド思想においては,輪廻の苦しみから解放され安らぎを得ることを共通に悟りとする。
※ ヒンドゥー教は,バラモン教から発展し,創造神ブラフマー・維持神ヴィシュヌ・破壊神シヴァを三神一体の最高神とする思想を中心に,さまざまな神を崇拝する多神教。
D 梵我一如
ウパニシャッド哲学では,宇宙の根源にある不変の原理(=ブラフマン・梵)と自己の本質(=アートマン・我が)は一体,という真理がある。この理解により解脱が可能と考えられたので苦行や瞑想〔ヨーガ〕に励むことが重視された。
②ジャイナ教
A 自由思想家の登場
紀元前6世紀以降,商工業が盛んになり,各都市を中心とする小国家の繁栄の中で,バラモンの権威が揺らぎ,クシャトリヤやヴァイシャの新興商人が力をもつようになった。この頃,バラモン教の伝統にとらわれない,独立した自由思想家が次々と現れた。
※彼らはバラモン教の多神や身分の不平等,祭祀中心主義を批判し,『ヴェーダ』の権威を否定した。
B ジャイナ教の成立(前6世紀後半)
開祖のヴァルダマーナ〔マハーヴィーラ〕は,六師外道(仏教以外の6派の反バラモン教の思想家6名)の一人。彼は,輪廻からの解脱をめざし,徹底した苦行と無所有に努めるとともに,生き物に対する慈悲の行為として、不殺生〔アヒンサー〕を実践しなければならないと説いた。
2 仏教
①シャカ〔釈迦〕と仏教の成立
A ゴータマ = シッダッタ〔シャカ〕(前 463 ~前 383 年頃?〔諸説あり〕)
インド北部,シャカ族の小国の王子として生まれる。四門出遊(=城の東門で老人,南門で病人,西門で死人に会い,北門で修行者に導かれる)を経験したとされ,29 歳で出家し修行者となる。その後,6年間苦行を経験したが,それをやめ菩提樹の下でひたすら瞑想を続けたところ,35 歳で悟りを開きブッダ〔仏陀〕となった。かつての修行仲間5人に初転法輪と呼ばれる最初の説法をした後は,弟子のアナンダらとインド各地に教えを説いて回り,80 歳で入滅したとされる。
B 仏教の成立
シャカ〔ブッダ〕は,バラモン教の身分制度などを批判し,一切の衆生(=人間を含む生き物全て)は,法〔ダルマ〕と呼ばれる真理の前では,皆平等であるとした。
※また彼は,苦行や禁欲を通じて輪廻などの苦悩を生み出す原因である三毒(=貪〔むさぼり〕・瞋〔怒り〕・癡〔愚かさ〕)を断ち切ることを説いた。
②ブッダの教え
A 縁起
→全ての存在は縁あって起こるもの。
ブッダは,物事には必ず原因(因)や条件(縁),すなわち 因縁があり,万物は互いに依存し合い,独立で成り立つものはないと説いた。
※変化しない絶対的なものなど存在せず,全てが変化する相対的なもの。
それこそが不変の真理=「縁起の法」であるとした。
B 四法印
→4つの普遍的真理
人生の全ては苦しみにほかならない。その原因は「全てのものは常に変化している」「不変の実体などなく,全ては縁起により成り立っている」ことを知らない(=無明)からである。それを知りさえすれば,自己や所有物に対する執着(=我執)などの煩悩を消し去り,心が何事にもとらわれない涅槃〔ニルヴァーナ〕の境地に達することができる。
1 一切皆苦
この世の全ては苦しみである。
2 諸行無常
この世の全ては常に変化している。
3 諸法無我
不変の自我のような実体はない。
4 涅槃寂静
煩悩が消えて自由で安らかな境地。
C 四諦
→4段階の真理
1 苦諦
人間と世界の根本の姿は苦しみである。
※ 四苦(=生老病死)と八苦(=四苦+愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦)
2 集諦
苦を引き起こす原因として,無知・欲望・執着などの煩悩がある。
3 滅諦
煩悩を完全に滅することで,平安の境地に達する(=解脱)。
4 道諦
解脱のためには,快楽にふけることや苦行に専念するという両極端を
避け(=中道),正しい修行の道に集中し,実践することが大切である。
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『ヨーガ・スートラ』を学んでヨガを深く知る(1)
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【監修者】 | 宮川涼 |
プロフィール | 早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士号修了、同大学大学院同専攻博士課程中退。日本倫理学会員 早稲田大学大学院文学研究科にてカント哲学を専攻する傍ら、精神分析学、スポーツ科学、文学、心理学など幅広く研究に携わっている。 |