
体内時計のずれは、食欲と消費に同じ答えを出すとは限らない
概日リズムのずれとは、体内の時計が眠る方向へ働く時間に、起きて活動したり食べたりすることを指す。2022年のレビューは睡眠不足とこのずれを取り上げ、食欲に関わるホルモン、エネルギー消費、食べる量や選び方、肥満リスクとの関係を論じている。[4] 昼に眠った時間の長さと、体内時計に沿って眠れているかは、別の論点なのである。
レビューの焦点は、食事や運動だけでは説明しきれない要因として睡眠と時刻を加えることにある。[4] 勤務表の都合と体のリズムが重なりにくいからこそ、食事量の採点だけでは状況を取り逃がす。
具体的な消費の変化を測ったのが、成人14人を対象にした6日間の入院模擬交代勤務実験である。最初の夜勤への移行日は、昼寝と長い覚醒時間を伴い、総消費エネルギーが約4%増えた。ところが昼間の睡眠と午後から夜の覚醒を組み合わせた夜勤の2日目と3日目には、約3%減った。[5] 移行日には増加、その後の夜勤日には低下と、日によって方向も変わった。
この実験では予定された昼間の睡眠時間中の消費が約12〜16%低下し、最初の夜勤の遅い夕食に対する食事誘発性の熱産生も低下した。[5] 食事誘発性の熱産生とは、食べたことに応じて増えるエネルギー消費のことである。昼間の睡眠が乱れたから、その分たくさん消費するはずだという単純な予想とは違う結果だった。
一方、脂肪の利用は最初と次の夜勤の日に増えていた。[5] 総消費量が低下する日にも脂肪の利用は増えており、消費エネルギーの総量と使う栄養素を分けて読む必要がある。
模擬夜勤実験では、夜勤の2日目に炭水化物とたんぱく質の利用が減った。24時間のレプチンとペプチドYYという満腹感に関わるホルモンが下がったのに、本人が評価した空腹感はむしろ弱かった。[5] 消費の総量に加え、どの栄養素を使ったか、ホルモンがどう変わったか、本人がどう感じたかまで測ることで、食事量だけでは見えない反応を検討している。
別の角度から見た2023年の無作為化クロスオーバー試験では、健康な慢性的夜勤者7人が、それぞれ3日間の日勤条件と夜勤条件を経験した。同じ人の条件を替えて比べる型の実験だ。夜勤条件では行動と環境の周期を12時間反転させ、24時間のアシル化グレリンという食欲に関わるホルモンが約17%増加し、朝食時の空腹感も約14%高かった。[14]
この慢性的夜勤者の試験は、食事摂取を慎重に管理した条件で行われた。[14] 食事を自由に選ぶ職場での観察とは異なり、摂取の条件をそろえて体内時計とのずれに伴う反応を比べた点が特徴である。日勤と夜勤の両方を同じ参加者が経験するため、異なる人同士の比較とも区別できる。
しかし、この試験では空腹時と食後の消費エネルギーに有意な変化がなかった。[14] 模擬夜勤の消費低下と、慢性的夜勤者の消費に差がない結果を、片方だけ残して整理するべきではない。対象や実験条件、測った時間の違いも含めて読む必要がある。[5][14]
さらに慢性的夜勤者の試験では、眠気が増した一方、行動活動量が約38%高かった。[14] 眠いなら活動は必ず減る、という想像とも合わない。食欲ホルモン、実際の摂取量、長期の体重変化は、それぞれ確認すべき指標になる。著者ら自身、短期の反応が長期の肥満リスクにつながるかは、さらに試す必要があるとしている。[14]
実験室では食事などを管理して仕組みを細かく測れる反面、家事や通勤や突然の残業がある暮らし全体を再現しきれない。大きなコホート研究では長い期間の関連を追えても、体の反応を同じ細かさで測りにくい。この研究設計の違いは2021年のレビューでも指摘されている。[15] 実験の数字を、まず仕組みの手がかりとして受け止めたい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
対策の入口は、勤務ごとの食事と眠る機会を見える形にすること
対策を考えるとき、勤務表を見ない「朝食は朝に、夕食は早く」という助言は扱いにくい。朝という言葉が、時計の朝なのか、起床後の食事なのか曖昧だからだ。研究が注目するのは、体内のリズムと行動の関係である。[4] まず時計の時刻、起きた時刻、出勤と休憩の位置を並べれば、何を変えようとしているのかを具体的にできる。
たとえば交代勤務の日の記録には、食事内容とともに「出勤前」「勤務中の休憩」「帰宅後」を添える。睡眠にも「夜勤前の睡眠」「帰宅後の睡眠」と記す。日勤の日と夜勤の日を同じ朝昼晩の欄に押し込めず、それぞれの並びを眺めるための工夫だ。交代勤務のレビューが扱った不規則な食事や夜の間食、睡眠のレビューが扱った時刻とのずれを、自分の生活で確認する入口になる。[6][4]
ここでの記録は、研究が取り上げた条件を自分の勤務で観察するための提案だ。休憩が確保されず、持参した食事を食べる場所もないなら、食べ物の選び方だけを本人へ要求しても問題の位置がずれる。記録から職場で相談したい条件を見つける使い方もできる。
時間制限食は、食べる時間帯を限る方法である。2025年のレビューは活動する時間と食事を合わせる戦略に期待を示す一方、研究の規模と期間が限られると述べている。固定夜勤と交代勤務を比較する現場研究を通じ、夜勤者に適した食事時間帯を確かめる必要があるという立場だ。[12]
したがって、夜勤者全員へ同じ断食時刻や食事の締切を指定することはできない。昼に寝る人へ、日勤者向けの時計の予定をそのまま貼り付ける前に、仕事中の安全や眠る機会との両立を考える必要がある。[12][4] 食事時間を試しに整えるとしても、その人の勤務で実行できるかを確かめる作業が先になる。
勤務の見直しも個人の工夫とは別の大切な対象だ。夜勤の型を比較したレビューは、とりわけ長期の固定夜勤に関して勤務スケジュールの修正を提案し、看護師のレビューも勤務管理の改善を求めている。[2][18] 職場の勤務管理も、見直しの対象に含まれている。
相談の材料は「夜勤は悪いらしい」という大きな言葉より、休憩が取りにくい勤務、帰宅後に眠る時間が取れない日、食事を用意できない並びなど具体的な場面のほうが示しやすい。体重だけで判断せず、眠気や食事の困り事も伝える。体調や健康状態の評価が必要な場合は医師に相談する。研究の平均値を自分の診断に使わず、勤務の実態を説明する材料として使いたい。

よくある誤解
「夜勤で太るのは、全員が食べ過ぎるから」という見方では、摂取量に明確な差がなかったレビューを説明できない。交代勤務に絞った新しいレビューには差があったが、交代勤務者内の日勤と夜勤の差は明確ではなかった。[1][6] 総量を確認する意味はある。勤務の時刻や食事の並びも、合わせて確認したい。
「夜勤で代謝が落ちるのだから、食事を同じ割合で減らせばよい」という見方は、実験間の違いを取り落とす。成人14人の模擬実験には消費の低下があったが、慢性的夜勤者7人の試験には空腹時と食後の消費の有意な変化がなかった。[5][14] 食事量を考える際には、短期実験の消費量に加え、実際の摂取と勤務の条件を確かめる必要がある。
「食べる時間を限れば夜勤の肥満リスクはなくなる」という期待も、現時点の研究を超える。時間制限食に関するレビューは有望さを示しながら、長期の検証や勤務形態ごとの最適な時間帯が必要だとしている。[12] 固定夜勤の結果を交代勤務へ、実験室の結果を職場へ移す際には、それぞれ確かめる段階が残っている。
今日からできること
- 出勤前に、勤務中の休憩で食べる食事を用意して持参する。交代勤務者の24時間平均摂取量が日勤者より264 kJ高かったレビューでは、不規則な食事や夜の間食も報告された。差の数字を自分の削減量にせず、予定の食事を菓子だけで済ませる場面を減らす手がかりにする。[6]
- 食事を取れる休憩を勤務表で確認し、その時間に食べる。日勤の日と夜勤の日で同じ時計の時刻に固定せず、起床・出勤・帰宅後の睡眠と並べて食事の位置を決めたい。[4][6][12]
- 帰宅後に眠る予定を先に確保し、食事の準備や家事の予定をその前後に置く。各3日間の日勤・夜勤条件を比べた試験では眠気が増しており、食欲だけでなく眠る機会も予定に入れたい。[14]
- 食べた時刻と内容を24時間の流れで記録し、日付をまたぐ食事も残す。日勤と夜勤の並びを比べる材料になる。[1][6]
- 休憩や睡眠の確保に困った場面を勤務管理の相談へ持っていく。勤務スケジュールの改善も研究が提案する対象だ。[2][18]
夜勤者に適した食事時間帯は、勤務形態ごとの長期検証が必要とされている。[12]

夜勤と日勤の間に置く、オンザショアの運動時間
勤務に合わせて食事と睡眠の位置を見直すとき、運動を続ける場所も勤務表に置いて考えたい。オンザショア立川店は全曜日8:00〜23:30、年中無休で、日勤後や夜勤のある日の予定と営業時間を照らせる。
利用を検討する際は参加条件も先に押さえたい。医師による運動禁止の指示がある場合は利用の対象にならない。妊娠中の利用では、溶岩ホットヨガへの参加はできないが、常温で行うマタニティヨガがある。
ヨガを試す体験レッスンは、税込1,980円で60分の時間を取る。ヨガマットに加え、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚のレンタルを含むため、持参する物を考える際に料金ページと予約ページを参照できる。
レッスンはヨガだけで25種類以上あり、溶岩プレートのあるスタジオのホットヨガと常温ヨガを扱う。ヨガ以外にはパーソナルトレーニング、HIIT、ボクササイズ、女性専用のキックボクササイズ、ピラティスを用意している。店舗はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fに位置する。店舗トップの案内と勤務表を手元に、眠る予定と両立する通い方を考えられる。
参考文献
- Energy intake of shift workers compared to fixed day workers: A systematic review and meta-analysis — M. Bonham et al., 2016, Chronobiology International. DOI: 10.1080/07420528.2016.1192188
- Meta‐analysis on shift work and risks of specific obesity types — Miaomiao Sun et al., 2018, Obesity Reviews. DOI: 10.1111/obr.12621
- The role of insufficient sleep and circadian misalignment in obesity — J. Chaput et al., 2022, Nature Reviews. Endocrinology. DOI: 10.1038/s41574-022-00747-7
- Impact of circadian misalignment on energy metabolism during simulated nightshift work — A. Mchill et al., 2014, Proceedings of the National Academy of Sciences. DOI: 10.1073/pnas.1412021111
- Dietary Patterns under the Influence of Rotational Shift Work Schedules: A Systematic Review and Meta-Analysis — Angela B. Clark et al., 2023, Advances in Nutrition. DOI: 10.1016/j.advnut.2023.01.006
- Circadian Disruption and the Risk of Developing Obesity — H. Duez et al., 2025, Current Obesity Reports. DOI: 10.1007/s13679-025-00610-6
- Circadian misalignment increases 24‐hour acylated ghrelin in chronic shift workers: a randomized crossover trial — J. Qian et al., 2023, Obesity. DOI: 10.1002/oby.23838
- The Effects of Shift Work on Cardio-Metabolic Diseases and Eating Patterns — Alexandra Hemmer et al., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13114178
- Association between shift work and obesity among nurses: A systematic review and meta-analysis. — Qi Zhang et al., 2020, International journal of nursing studies. DOI: 10.1016/j.ijnurstu.2020.103757
冒頭の写真: 夜の化学工場と、その手前を流れる運河を横長の構図で収めた風景。(写真: Dietmar Rabich / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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