歩きながら働く机で一日の消費は増えるか ランニングマシンの机の試験

歩きながら働くトレッドミルデスクは、座って働く場合より消費エネルギーを増やす。ただし、その数字を一日の減量効果へ直接置き換えることはできない。実験室と職場の試験、長期の体重変化、入力速度への影響を分け、自転車デスクとの違いや仕事に組み込む際の考え方も確かめる。

座ったまま画面を見る仕事でも、足元に低速で歩ける機器を置くと、仕事中の活動を変える実験になる。トレッドミルデスクは、低速で歩ける運動機器と立位の机を組み合わせたものだ。立っているだけの机とも区別される。仕事をしながら足を動かす、その追加の動きが研究の対象になる。[16]

机の上の画面は同じでも、足元が動けば消費も仕事も変わりうる。実験室で確かめた消費エネルギーの増加と、職場に置いてから実際に歩く時間、さらに体重の変化は、順を追って確かめたい別々の結果である。[6][17]

机とランニングマシンを組み合わせた室内で使用する3台のトレッドミルデスクの試作品 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

歩く机の消費は、実験室でどこまで増えたか

座り仕事をする成人を対象とした系統的レビュー・メタ分析は、実験室と職場を分けて結果を集めている。系統的レビューは条件を定めて研究を探す方法で、メタ分析は比較可能な結果を統合する手法だ。この研究には計351人を含む13研究が入り、職場の研究が6件、実験室が7件だった。どこで測ったかを分けた点が、日常へ読み替える際の要になる。[6]

実験室の結果を統合すると、座っている条件に比べて、歩く机の使用中は消費エネルギーが1時間当たり105.23 kcal多かった。95%信頼区間は90.41〜120.4 kcalである。信頼区間は推定値の不確かさを示す幅である。[6]

同じメタ分析の職場研究では、通常の机に比べ、24時間を通した座位時間が1時間当たり1.73分少なかった。95%信頼区間は0.17〜3.3分の減少に相当する。一方、ほかの代謝指標では統計的に有意な変化を示す証拠は得られていない。[6]

ここでいう「差が有意」とは、比較した条件の差を統計的に確かめたということだ。それだけで差が生活上大きいか、費用や作業への影響に見合うかまでは決まらない。実験室での消費増加が明瞭でも、職場での長期の変化について研究者は追加の検証を求めている。導入の判断には、異なる測定場面の数字を混ぜないことが先に来る。[6]

立位の机については、この特集の「スタンディングデスクの消費カロリーはどれほどか」の記事に譲る。ここでは歩行やペダル運動を加えた机に絞る。成人を対象に机の種類を比較した系統的レビューでも、歩く机と自転車型の机は、立位の机より消費エネルギーや心拍数が増えるなど、短期の生理的な変化が大きかったと整理されている。[13]

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歩数が増えることと、一日中よく動くことは違う

過体重または肥満のある事務職41人を通常の勤務条件と共用の歩く机に分けた無作為化比較試験では、導入後3か月の変化を調べた。無作為化とは、参加者を偶然に基づいて群へ振り分ける方法である。歩く机の群では、対照群に比べ一日の歩数が1622歩増え、勤務中の軽い身体活動は1時間当たり1.6分増加し、座位時間は3.6分減った。[12]

この試験では歩数だけでなく、加速度計を使って身体活動と座位行動を介入前後に測定した。歩く机の群は21人、通常の勤務条件の群は20人で、参加者の平均年齢は40.1歳だった。研究者が軽い身体活動として具体的に挙げたのは、1分当たり40〜99歩の動きである。歩く机を共用する仕組みを、実際の民間企業の職場で評価した結果だった。[12]

長く続けたときの結果もある。スウェーデンの座り仕事をする、過体重または肥満の健康な事務職80人を対象にした試験では、歩く机を任意で使える群と、従来の座位・立位を切り替える机を使う群を比較した。対象は40〜67歳で、追跡は13か月だった。比較相手は座り続ける机だけではなく、立つこともできる机である。[17]

平日の一日全体の歩行時間について、解析上の群間差は22分、95%信頼区間は7〜37分だった。ただし、研究が先に定めた群間差30分という主要な目標には届かず、主要評価項目は達成されなかった。休日も、その目標を満たしていない。「歩く時間は増えた」と「予定した目標には届かなかった」は、同じ試験について同時に成り立つ説明だ。[17]

この試験では平日と休日を分け、機器で一日の歩行を測っている。勤務中に足が動いたという印象だけで成果を判定しない設計である。研究者は、職場の活動増加が勤務外の活動で相殺される可能性を今後調べるべきだとしている。相殺が必ず起こると断定した結果ではなく、一日全体を見る理由を示す論点として受け取りたい。[17]

参加者は13社の17事業所から集められ、介入群と対照群は各40人だった。歩行時間の測定には太ももに装着する活動計を用い、7日間連続で一日中装着した。測定時点は開始前、2か月、6か月、10か月、13か月で、介入群には研究期間中に4回、利用を促すメールも送られた。任意で使える機器を渡すだけでなく、利用を思い出す働きかけも含む職場の取り組みだった。[17]

また、参加者が誤って自分のアキレス腱を踏んだという有害事象が1件報告されている。歩く机を、作業用の椅子を取り替える程度の変更として片付けるのも適切ではない。足元と機器の使い方にも注意を向けたい。[17]

体重の結果は、机以外の条件も一緒に読む

減量への期待を考えるなら、体重や体組成を実際に測った試験へ進みたい。過体重または肥満の医師20人を対象とした無作為化クロスオーバー試験では、同じ参加者が机を使う期間と使わない期間を経験した。全体は24週間で、それぞれ12週間の条件を比べている。参加者の年齢は25〜70歳だった。[14]

歩く机を使う期間には、運動のカウンセリングと活動量計のフィードバックも組み合わされていた。使用しない期間は活動量計だけという設計である。机を使う期間の身体活動に伴う消費は一日197 kcal多く、期間間の体重差は1.85 kg、体脂肪率は1.9%低かった。代謝や心身の状態に関する指標には差がなかった。[14]

介入の順序も入れ替えている。最初の群は机、カウンセリング、活動量計のフィードバックを先に受け、続く期間は活動量計だけを使った。もう一方の群は、フィードバックなしの活動量計から始め、後半に机などを受け取った。同じ参加者の異なる期間を比べる構成で、日々の活動を測る機器は両方の期間に含まれていた。[14]

別の前向き試験では、座り仕事の従業員36人が希望して通常の机を歩く机へ替え、1年間追跡された。全体の平均体重減少は1.4±3.3 kgで、肥満のある参加者では2.3±3.5 kgだった。[16]

一方、この36人全体で脂肪量の有意な変化はなかった。体重が減った22人の解析では、脂肪量は3.4±5.4 kg減少していた。全体と、この部分集団とで脂肪量の結果は異なった。[16]

この追跡では活動量の増加と座位時間の減少が観察され、仕事の成績には変化が関連していなかった。測定は導入時と6か月後、12か月後に行われた。日々の身体活動は導入時の3353±1802活動単位から、6か月後に4460±2376、12か月後に4205±2238へ増加。活動単位は加速度計による活動量を表すもので、消費カロリーとは異なる尺度だ。座位時間は導入時1020±75分/日、6か月後929±84分/日、12か月後978±95分/日だった。[16]

この集団は女性25人、男性11人からなり、標準体重の人が10人、過体重の人が15人、肥満の人が11人含まれていた。体重や活動の変化だけでなく、幅のある体格の参加者を追っている点も特徴だ。活動量と座位時間は半年後と1年後で違い、長期の経過を複数の時点で測る意義が見える。[16]

数字で読む歩く机

105.23 kcal/時:実験室で、座位より多かった使用中の消費エネルギーの統合値。[6]

1622歩/日:共用の歩く机を使う群で、対照群より増えた歩数。[12]

22分:長期試験の平日の歩行時間について、解析で示された群間差。[17]

1.4 kg:希望者を追った試験での全体の平均体重減少。全員の脂肪量に有意な変化はなかった。[16]

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宮川涼 Founder

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