階段ダイエットは何段で効くのか 体力と体重で違う階段昇降研究の答えを読む

駅や職場の階段を使えば痩せるのか。階段昇降の試験から、段数だけでは決まらない運動の条件と、体力・体重・体脂肪の結果の違いを読む。短時間の強い運動、仕事中に分ける運動、上りと下りを比較し、若い参加者の成果を自分の生活へ移す前に確かめたい点と、無理なく続ける選び方を整理する。

駅の階段の途中で、先を歩く人との間隔が開く。段数は同じでも、急いで上る朝と、荷物を持ってゆっくり上る夕方では息の弾み方が違う。「何段上れば効くのか」という問いには、その階段をどう上るかが隠れている。

ところが、階段運動で心肺機能が改善しても、体重や体脂肪が変わらなかった試験がある。一方、体重の減少を報告した試験もある[1][2][18]。階段は効くのか、効かないのかという二択では、この違いを拾えない。先に決めたいのは「何が変われば効いたと考えるか」である。

段数は数えやすい。しかし、論文に登場する階段には、速く上る運動、ゆっくり回数を増やす運動、時間を空けて分ける運動がある[5][13][18]。同じ階段という名前でも、中身は別である。歩く速さを交互に変えるインターバル速歩は隣の記事に譲り、ここでは生活の上下移動を運動として読み解く。

納屋の側面に設けられた屋外階段と階段の先につながる建物の外観 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

何段という問いには、運動の条件が抜けている

成人の階段運動を扱ったスコーピングレビュー、つまり研究を集めて対象や方法、結果の広がりを整理したレビューは、24研究を取り上げている。心肺機能や体組成、血圧、脂質、インスリン感受性などの改善が報告されている一方、炎症や筋骨格に関する研究はまだ初期段階だとしている[9]。階段という身近な運動にも、調べられている成果と、まだ資料の薄い成果がある。

このレビューは、全研究の減量効果を統合して「平均で何kg痩せる」と出したメタ分析ではない。研究の全体像を知る入口にはなるが、個々の試験の結果を同じ条件として扱うことはできない[9]。読む順番は、階段に期待を持つ、対象と運動方法を確かめる、自分の目的に近い測定結果を探す、である。

段数の具体例として、運動習慣のない若い成人を階段群と運動しない群に無作為に分けた試験がある。各群12人で、階段群は60段を勢いよく上る運動を日に3回、間に1〜4時間の休みを入れ、週3日、6週間続けた。介入後のピーク酸素摂取量は階段群で高かったが、著者は絶対的な増加を小さめと評価している[13]。

この60段には、勢いよく上ること、日に分けて繰り返すこと、回復の間隔を置くことがセットになっている[13]。段数だけ切り取ると、研究の説明書の表紙しか残らない。日常の階段を考えるときも、距離に加えて速さや休み方に目を向けたい。

別の試験では、126段、高さ18.9mを約30秒で全力で上る運動を日に3回、間を1時間より長く空けて行った。健康だが活動量の少ない若い成人42人を無作為に分け、週3回、6週間続けた階段群で、体重当たりのピーク酸素摂取量が7%増えた[8]。この試験の平均年齢は21.6歳で、階段群14人、自転車群13人、生活を変えない対照群15人という構成だった[8]。60段の試験とは参加者も運動の設定も異なる[13]。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

短い運動でも、休みを含めると時間は違う

短時間の階段運動には、ひとまとまりで行う方法もある。運動習慣のない女性を対象にした研究では、20秒の全力の上りを3回行う方法を週3日、6週間続けた12人で、ピーク酸素摂取量が12%増えた。別の方法では、階段の上り下りを60秒ずつ3回行った11人で7%増えている[5]。短い動作を繰り返す運動でも、体力の指標に変化が出る場合がある。

ただし、20秒の3回を見て、運動のための時間はそれだけだと考えるのは早い。若い韓国人男性で肥満のある24人を対象にした無作為化比較試験では、準備運動が3分、その後に20秒の強い上りを3回、間に2分の回復時間を置いた。全体の時間は日に10分、頻度は週5日、期間は4週間だった[1]。階段を上っている時間と、運動の予定として確保する時間は区別したい。

この男性の試験では、年齢から予測する最大心拍数の80%以上を強度の目安にしていた。参加者の平均年齢は25.8歳であり、運動群のピーク酸素摂取量は38.7から41.6mL/kg/minへ改善した[1]。これは普段の移動で階段を選ぶこととは異なる、強度を設定した運動である。通勤中の息切れを、研究の強度管理と同じ扱いにしないことが大切だ。

心肺機能の評価に使われるピーク酸素摂取量は、これらの試験では負荷を高める運動検査で測っている[1][2]。日常で「息が切れた」と感じることと、検査で指標が改善したことは別の情報である。汗をかいた、脚が重くなったという実感だけで、論文と同じ成果が出たとは判定できない。

また、短い全力運動を日中に分けた試験で、40分の自転車運動群はピーク酸素摂取量に有意な改善を示さなかった[8]。自転車群は最大心拍数の60〜70%で運動していた。ピーク酸素摂取量の前後差は階段群で2.5mL/kg/min、95%信頼区間は1.2〜3.7、自転車群では1.0mL/kg/min、区間は−1.1〜3.2だった。対照群では1.7mL/kg/min減少し、区間は−2.9〜−0.4だった[8]。信頼区間は推定の不確かさを表す範囲で、自転車群の区間には変化なしを示すゼロが含まれる。これは、この対象と運動条件での比較結果である。

体力は上がった。それでも体重は動かなかった

仕事をしている中年の読者に近い試験として、公的部門の職員45人を無作為に分けた研究がある。男性22人、女性23人で、平均年齢は42.3歳。職場の145段の階段を毎分75段の速さで上り、週5日、8週間実施した。第1週は日に1回で、2週間ごとに1回ずつ増やし、第5週から日に3回を維持した[18]。

運動群では、対照群に比べて予測最大酸素摂取量が9.4%増えた一方、血圧、血中脂質、体組成には有意な変化がなかった[18]。予測値は検査から推定した指標であり、別の試験で直接測ったピーク酸素摂取量と、値をそのまま比べるものではない[1][18]。それでも、職場の階段で体力の一面が改善し、体組成は変わらないという組み合わせは読み取れる。

参加者は試験中に食事や生活習慣を変えないことに同意していた[18]。運動の舞台は8階建ての職場で、階段群29人、対照群16人だった。著者は、週の運動時間が30分未満の中等度の運動でも心肺機能が改善したと評価している[18]。参加者の仕事場にある階段を使い、回数を増やす方式で調べた点が特徴である。

前述の若い男性の試験でも、心肺機能が改善したのに、体重、体脂肪、代謝に関する測定項目は変わらなかった[1]。階段を続けた本人に体重計だけを渡せば、成果がなかったように見える。しかし論文は、別の測定で変化を捉えている。体重計は仕事をしている。ただ、担当していない仕事まで任せると話がこじれる。

この試験は体組成を生体電気インピーダンス法、体に流す電気への抵抗を使う方法で測り、体脂肪の変化を認めなかった[1]。最大負荷まで行うトレッドミル検査では、運動群の運動継続時間が10.4分から12.1分へ有意に延びた。一方、対照群ではピーク酸素摂取量が低下し、運動継続時間に変化はなかった[1]。走行ベルト上で負荷を高める検査の結果と、体組成の結果を並べると、変化した能力が具体的に見えてくる。

古くから引用されている若い女性の試験も、体重以外の成果を具体的に示している。平均18.8歳の女性15人を無作為に分け、運動群8人は199段の公共の階段を毎分90段の速さで上った。週5日、8週間の運動で、日に1回から最後の時期には5回へ増やしたところ、対照群に比べて最大酸素摂取量が17.1%増えた[16]。

同じ試験で、低密度リポたんぱくコレステロールは7.7%減ったが、総コレステロール、高密度リポたんぱくコレステロール、中性脂肪などは変化しなかった[16]。血液の指標を調べた場合も、すべてが一緒に改善するわけではない。健康に役立つという大きな表現を読むときは、実際に変化した項目へ戻ると期待の輪郭がはっきりする。

この参加者は中年の職員より若く、階段の段数や速さも異なる[16][18]。心肺機能の増加率を並べて、自分も大きいほうの数字を目標にするのではなく、若い少人数の試験と職場での試験を別の資料として読む。研究の成果に年齢と方法を添えることは、日常で無理のない目標を考えるための下準備になる。

数字で読む階段昇降

60段:日に3回、間に1〜4時間を置いた若い成人の試験。体力の増加は小さめと評価された[13]。

145段:平均42.3歳の職員の試験で使った階段。体組成の有意な変化はなかった[18]。

9.4%:その職員の試験における予測最大酸素摂取量の増加。減量率ではない[18]。

66.5から65.2kg:若い女性の小規模試験での運動群の体重。監督つきで4週間実施した結果[2]。

7%:若い成人の短い全力階段運動でのピーク酸素摂取量の増加。最大脂肪酸化率は変わらなかった[8]。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

PAGE TOP
ご体験予約