
体重が減った試験は、何をしたのか
過体重または肥満の若い女性26人を無作為に階段群と運動しない群へ分けた予備的な試験では、違う結果が出ている。平均年齢は25.4歳。運動群は監督のある環境で、準備運動3分、20秒の強い上りを3回、間に2分の回復という日に10分の運動を、週5回、4週間続けた[2]。
運動群の体重は66.5から65.2kg、腹囲は78.0から76.5cmへ減り、ピーク酸素摂取量は31.6から34.9mL/kg/minへ増えた。これらには群と時間の交互作用があったと報告されている[2]。これは、単に運動群の前後を見ただけでなく、時間による変化の仕方が対照群と異なったという分析である。
階段群と対照群はそれぞれ13人で、階段群は4週間に計20回の監督つき運動を実施した。体格指数は24.8から24.4へ低下し、体重・腹囲・心肺機能の改善は対照群との比較で統計的に有意だった[2]。論文の要約には体重変化の信頼区間は記載されていない。平均値と有意差に加えて、対象の少なさも押さえて読む。
若い男性の試験では減量がなく、若い女性の試験では体重が減った[1][2]。しかし、これは男女を同じ試験の中で比較した結果ではない。似た運動でも、別の小規模試験で結果が異なる。男性の試験の平均の体格指数は27.1、女性の試験では25.3で、対象の構成にも違いがあった[1][2]。性別だけを結果の理由とするには、比較の設計が異なる。
家の階段と施設での連続した階段運動を比べた成人女性の研究では、もっと長い期間と、上方向へ進む高さをそろえた条件が使われている。運動習慣の乏しい女性を家庭群26人と施設群24人に無作為に分け、週5日、8週間実施した。上りの高さは1回32.8mで、日に2回から、第7〜8週には日に5回まで増やした。参加者の平均年齢は31.7歳だった[3]。
この研究は対照群に比べ、体重が0.99kg減り、最大酸素摂取量が1.63mL/kg/min改善したと報告している。心肺機能の変化の95%信頼区間は1.21〜2.05である[3]。体重の信頼区間は論文の要約で符号と並びが不明瞭なため、点推定の−0.99kgを示す[3]。
家庭と施設で類似の改善が得られた点は、場所を考えるうえで参考になる[3]。家では上り下りを行い、施設では連続した階段運動を行った。移動した高さをそろえて比べているため、場所の違いと運動量を分けて検討できる[3]。家の階段を使う方式も、回数を段階的に増やす計画に沿っていた。
ここまでの減量試験から読めるのは、階段運動で体重が減る場合もある、というところである[2][3]。同じ家庭と施設の研究では、低密度リポたんぱくコレステロールが0.20mmol/L、中性脂肪が0.21mmol/L低下し、血中脂質にも類似の改善があった。一方、空腹時血糖の低下は家庭群だけだった[3]。場所によってそろった結果と異なった結果があり、体重の平均値だけでは試験全体を捉えきれない。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
上りと下り、脂肪を使う力も別に測る
階段の上りと下りを比較した無作為化比較試験もある。肥満のある若い中国人女性36人を、下り、上り、対照の群へ分けた。週3回、12週間、繰り返しの回数を段階的に増やしたところ、運動群で体組成に関する指標が低下し、腹部脂肪の減少は下り群だけに認められた[4]。
体組成は二重エネルギーX線吸収測定法という検査で評価した。インスリン感受性、つまりインスリンに対する体の反応の指標も、下り群でより改善したと報告している[4]。インスリンの低下率は下り群33.2%、上り群9.8%で、インスリン抵抗性を評価する指標の低下率は35.6%と10.8%だった[4]。抵抗性はインスリンが働きにくい程度を表す。体重だけでなく、こうした代謝の指標を比較した試験である。
炎症に関わる腫瘍壊死因子αは下り群で39.9%、上り群で23.2%低下し、下り群の低下はほかの群と比べて有意に大きかった。別の炎症指標であるインターロイキン6も両運動群で有意に低下した[4]。論文の要約には体組成の具体的な減少量や信頼区間の詳しい記載はない。対象は肥満のある若い女性であり、膝に不安のある人の運動選択は医師への確認が先になる。
階段運動と「脂肪を燃やす力」の関係も分けて読もう。若い成人の126段の試験では、階段群の心肺機能が改善する一方、最大脂肪酸化率は階段群、自転車群、対照群の間で変わらなかった[8]。これは運動中に脂肪を使う速さの最大値を調べた指標であり、体脂肪の量そのものを表す数字ではない[8]。
体力が上がること、脂肪を使う指標が上がること、体重が減ることを、ひと続きの成果として想像しがちである。だが、同じ試験で心肺機能と最大脂肪酸化率が別の結果になったことが、その想像に歯止めをかける[8]。脂肪燃焼ゾーンの詳しい議論は別の記事の役割だが、階段でも「きつかったから脂肪への効果も大きい」とは読み取れない。
研究を日常へ移す際には、体重の記録と、階段を使った記録を別々に残す案がある。これは減量を保証する手法としてではなく、運動の実施と結果を混同しないための整理である。体力と体組成がそろって動かなかった試験を踏まえると、何をしたかと、何が変わったかを別の欄にする意味がある[1][18]。

よくある誤解
「決まった段数を上れば、誰でも痩せる」という誤解がある。60段、126段、145段の研究は、同じ人が段数だけを変えて比べた試験ではない。それぞれ強度、回数、休み方、参加者が異なり、主に示された成果も心肺機能である[8][13][18]。段数は試験の条件であって、減量の共通の合格ラインではない。
「短時間だから、強度は気にしなくてよい」という誤解もある。短い上りの試験には全力で行うものや、予測最大心拍数の80%以上を設定したものが含まれる[1][5][8]。短い運動と軽い運動は同じ意味ではない。忙しい日に取り入れやすそうだという理由だけで、研究の全力運動を駅の人混みで再現する発想は避けたい。
「体重が変わらないなら、階段を使う意味がない」という誤解も、試験結果と合わない。若い男性の4週間の試験でも、心肺機能と体重の結果は一致していなかった[1]。一方、体重が減った若い女性の結果も残っている[2]。階段を使う価値を体重だけに縮めず、減量への期待も対象と条件のついた期待として持つほうが、研究に忠実である。
今日からできること
- 階段運動を始めるなら、職員の試験のように日に1回から取り入れ、回数を増やすときも2週間ごとに段階を分ける。試験は週5日、最終的に日に3回へ進めた[18]。全力で駆け上がらず、自分が安全に上れる階段と速さを選ぶ。
- 長い運動時間を取りにくい日は、階段を使う機会を日に3回に分け、間に1〜4時間を置く方法を生活に取り入れる。60段を使った研究の回数と間隔を参考にする案である[13]。研究の勢いよい上りを全力で再現せず、混雑や足元に不安がある場面では別の経路を選ぶ。
- 階段を上る前には準備運動を入れ、上りを繰り返す間には回復の時間を取る。若い男性の試験では準備3分、各上りの間に回復2分を置いた[1]。持病や痛み、運動への不安があれば実施前に医師に確認する。
- 階段を使った記録には、段数と速さ、回数、回復の間隔を一緒に残す。日に3回でも続けて行う方法と時間を空ける方法で設定が違うため、段数だけで運動を比べない[1][13]。
- 体重を測っている人は、運動を実施した記録と体重の結果を別々に見返す。4週間の男性の試験では、心肺機能が改善しても体重と体脂肪は変わらなかった[1]。

階段のある移動から、オンザショア立川店への経路を考える
オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。階段を使う移動を考えたあと、時間を取って体を動かす場所も駅からの経路で確かめられる。常温ヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがあり、溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガも選択肢になる。ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。種目の選択と参加条件は店のトップで確認し、自分が参加できる内容から考えたい。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。持ち物とレッスンの時間を、駅からの経路と一緒に確認できる内容だ。営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。料金と体験の予約を見ながら、駅での移動とレッスンの時間を生活の中に置いて考えたい。
参考文献
- Effect of brief intense stair climbing on cardiorespiratory fitness and metabolic risk factors in inactive young men with obesity: A randomized controlled trial. — Minsub Han et al., 2025, Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases : NMCD. DOI: 10.1016/j.numecd.2025.103902
- Effect of Short Bouts of Vigorous Stair Climbing on Cardiorespiratory Fitness in Women with Overweight and Obesity: A Pilot Feasibility Study — JeongEun Yun et al., 2023, Journal of Obesity & Metabolic Syndrome. DOI: 10.7570/jomes23024
- Home-Based Stair Climbing as an Intervention for Disease Risk in Adult Females; A Controlled Study — E. Michael et al., 2021, International Journal of Environmental Research and Public Health. DOI: 10.3390/ijerph18020603
- Effects of descending or ascending stair exercise on body composition, insulin sensitivity, and inflammatory markers in young Chinese women with obesity: A randomized controlled trial — B. Chow et al., 2020, Journal of Sports Sciences. DOI: 10.1080/02640414.2020.1829362
- Brief Intense Stair Climbing Improves Cardiorespiratory Fitness — Mary K. Allison et al., 2017, Medicine & Science in Sports & Exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000001188
- Exercise Snacks are a Time-Efficient Alternative to Moderate-Intensity Continuous Training for Improving Cardiorespiratory Fitness but not Maximal Fat Oxidation in Inactive Adults: A Randomized Controlled Trial. — Ming-Yue Yin et al., 2024, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2023-0593
- Stair-climbing interventions on cardio-metabolic outcomes in adults: A scoping review — Anang M. Ghosal et al., 2023, Journal of Taibah University Medical Sciences. DOI: 10.1016/j.jtumed.2023.10.003
- Do stair climbing exercise “snacks” improve cardiorespiratory fitness? — E. Jenkins et al., 2019, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2018-0675
- Training effects of short bouts of stair climbing on cardiorespiratory fitness, blood lipids, and homocysteine in sedentary young women — C. Boreham et al., 2005, British Journal of Sports Medicine. DOI: 10.1136/bjsm.2002.001131
- Evaluating the effects of a low volume stairclimbing programme on measures of health-related fitness in sedentary office workers. — R. Kennedy et al., 2007, Journal of sports science & medicine. DOI: なし
冒頭の写真: 納屋の側面に設けられた屋外階段と、階段の先につながる建物の外観(写真: Acabashi / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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