ポートフォリオ食で下がったLDL 食品の組み合わせと減量の答えの違い

大豆、ナッツ、粘りのある食物繊維、植物ステロールを組み合わせるポートフォリオ食。短期の比較試験で下がったLDLと、長く続けた人の心血管疾患・糖尿病の研究をたどる。血中脂質の改善を減量と取り違えず、食品を組み合わせる意味、薬との比較の限界、日々の食卓への取り入れ方を考える。

29.6%というLDLコレステロールの低下が、食品を組み合わせた食事で報告されている。脂質の高い成人34人が、それぞれ異なる食事を順番に試した研究の、4週間後の結果である。[17] 食事で動いた数字として目を引く。ただし、この割合は体重が減った割合を指していない。

ポートフォリオ食は、コレステロールを下げる食品を同じ食事に集める考え方だ。大豆たんぱく、ナッツ、粘りのある食物繊維、植物ステロールが柱になる。[12][17] 食品売り場では別々の棚にいるものが、研究では同じ献立に収まっている。

ダイエットという言葉から体形を連想して読み始めると、研究の主役を見失いやすい。体重を中心に評価する食事と、血中脂質を中心に評価する食事では、確かめる数字が違う。肥満の栄養療法を整理した声明も、食事の評価を体重の変化だけに限定しないよう求めている。[9]

食品を組み合わせる目的は、LDLを下げることにある

ここで扱うLDLは血中のコレステロールを評価する指標であり、ポートフォリオ食の比較試験で中心に測られてきた項目だ。[17] 体重計の値とは、測っている対象が違う。食べ方を変えた後で血液の値が改善しても、それをそのまま「脂肪が落ちた」と言い換えることはできない。[9][17]

バナナとブルーベリーを組み合わせた、オートミールの料理を写した写真
バナナとブルーベリーを組み合わせた、オートミールの料理を写した写真
写真: Shisma / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons

食品や食品成分を組み合わせた試験のレビューでは、植物スタノール・ステロール、大豆たんぱく、βグルカン、木の実などが取り上げられている。βグルカンは、試験で使う食物繊維の一種である。各成分を研究上の目標量で単独に摂取した場合、LDLの低下は通常3〜9%で、組み合わせると効果がおおむね加算的になると整理された。[12] どれかの食品だけに、すべての役割を背負わせる発想とは異なる。

植物ステロールについては、腸でのコレステロール吸収を妨げる働きが研究の背景にある。[16] レビューが示すのは、異なる食品成分を同じ食事に入れたときの血中脂質への結果である。[12]

比較試験で使われた食材には、大豆食品、アーモンド、オーツ麦、大麦、オクラ、ナスなどがある。[17] 名前を並べると、特別な料理というより、食卓の構成の話に近づく。試験では食品成分の量をエネルギー摂取量に対して設定していた。[17]

大豆だけの減量効果は「大豆食品とダイエットの科学」の記事に譲る。ここで注目するのは、食品の足し算が、血液のどの指標に届いたかである。

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薬と直接比べた試験にも、差と個人差があった

脂質の高い成人を対象にした交差試験では、参加者全員が、飽和脂肪の非常に少ない対照食、その食事にロバスタチンを加えた条件、ポートフォリオ食という、すべての条件を経験した。各条件は1か月で、順番は無作為に決められた。[17] 別々の人の結果を並べるより、同じ人の反応を比較できる設計である。

対照食、薬を加えた食事、ポートフォリオ食でのLDL低下は、それぞれ8.5%、33.3%、29.6%だった。薬とポートフォリオ食の絶対的な差は統計的に有意で、平均の低下幅は薬の条件のほうが大きかった。[17] 近い数字が並んでいても、有意差があったことまで含めて受け取る。

一方、参加者のうち9人、割合にして26%は、ポートフォリオ食のときに最も低いLDLを示した。[17] 平均では薬の低下が大きくても、全員の順位が同じになるわけではなかった。平均値の比較と、各人がどう反応したかは、食事を考えるときにも別々に読む情報である。

この試験の薬はロバスタチン20 mgである。[17] その比較を、現在使われるすべての脂質低下薬や、すべての用量に広げることはできない。服薬中の人が治療の変更を考えるときは、医師に食事の取り組みと検査値を伝えて判断を受ける。

比較には、LDLをどれだけ下げるかに加えて、一定の値を下回った人数という見方もあった。一次予防の基準として試験が置いた3.4 mmol/L未満に達したのは、薬の条件で27人、ポートフォリオ食で24人で、この比較の差は統計的に有意でなかった。[17] 平均の低下幅では薬との有意差があり、基準を下回る能力の比較では有意差がなかったという、評価方法による結果の違いがある。

採血はそれぞれの条件の開始時、2週、4週に行われた。[17] したがって、報告された低下幅は、食品を替えた直後の反応だけを拾ったものでも、長年続けた後の値でもなく、外来で各食事を試した短い期間の測定に基づく。食品の種類と量、比較相手、測定時期がそろって初めて、この数値の輪郭が見えてくる。

食事を渡す研究と、自宅で続ける研究は条件が違う

食品の組み合わせを扱ったレビューは、ポートフォリオ食の10研究を検討している。全食品を提供する約1か月の試験では、LDLは22〜30%低下した。一方、食事指導を中心にした6か月を超える地域での研究では、低下は約15%だった。[12] 短期の管理された条件と、生活の中で続けた条件では、報告された大きさに開きがある。

ただし、この開きを「長く続ければ必ず効果が半分になる」とは読めない。レビューは期間も介入方法も違う研究を整理している。同じ人を同じ条件で短期と長期に比較した数字とは区別したい。複数の食事変更を守る度合いが、時間とともに低下しうる点も指摘されている。[12]

実生活に近い材料になるのが、HIV治療中で脂質異常のある成人60人の無作為化パイロット試験だ。飽和脂肪を減らす指導と、地中海食にナッツ、スタノール、大豆、オーツ麦、豆などを加えた食事を比べた。[6] ポートフォリオ食だけの変更を切り出した試験ではなく、対象も治療中の人に限られる。

6か月時点で、組み合わせ食の群のLDLは比較群より0.4 mmol/L低く、95%信頼区間は−0.7〜−0.1だった。収縮期血圧、つまり上の血圧も比較群より低かった。しかし、これらの群間差は1年時点では維持されなかった。[6] 途中の良い結果を紹介するなら、後の追跡結果を一緒に置くことが、この試験を生活に近づけて読む条件になる。

報告された遵守率は、地中海食の食品で68%、ポートフォリオ食の構成要素で59%だった。[6] 実行できた割合が同じでなかったことも、食事が単なる処方箋の写しにならないことを示している。

脂質の高い成人を対象にした別の無作為化試験では、通常のポートフォリオ食指導と集中的な指導も設けられていた。通常群の来院は6か月に2回、集中群は7回だった。[16] この試験はカナダの4施設で行われ、対照食の指導を受ける群も含めた3群に割り付けられた。[16] 食材の提供に頼る短期試験から、指導を受けて暮らしの中で実行する条件へと、研究の設計が広がっている。

脂肪の質にも組み合わせの余地がある。レビューでは、飽和脂肪を不飽和脂肪に置き換えるとLDLが下がり、HDLコレステロールが上がる場合もあると整理している。さらに、一価不飽和脂肪をポートフォリオ食に含めた研究では、LDLへの効果に加えてHDLの上昇が見られた。[12]

数字で読むポートフォリオ食

34人:同じ参加者が対照食、薬を加えた食事、ポートフォリオ食を試した研究の人数。[17]

22〜30%:全食品を提供した約1か月の研究でのLDL低下の範囲。[12]

約15%:食事指導を中心とする6か月を超える研究でのLDL低下。[12]

351人:脂溶性成分への影響も調べた6か月の無作為化試験の参加者数。[16]

0.86:長期コホートで食事得点が最も高い群を最も低い群と比べた、心血管疾患のハザード比。[2]

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宮川涼 Founder

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