ステビアで砂糖を置き換えると、甘さを残して食べる量を減らせるのか。食事前の飲料、ビスケット、毎日の摂取を調べた人の比較試験から、空腹感と実際の摂取量、血糖と体重の違いをたどる。好結果と差が出なかった結果を並べ、いつもの飲み物やおやつを選ぶときに持ち帰れる判断を考える。
研究に参加した人が、甘い飲料を飲んでから昼食を待つ。水を飲む日もあれば、砂糖入り、ステビア入りを飲む日もある。後で好きなだけ食べられる昼食を用意し、飲み物の甘さが、その先の食事に何を残すかを確かめる実験である。[9]
健康な成人を対象にしたこの試験では、ステビア飲料の後は水の後より、飲料と昼食を合わせた摂取エネルギーが少なかった。一方、別の健康な男性の試験で、ステビアを含む3種類の無カロリー甘味料をまとめた比較では、砂糖入り飲料から減らしたエネルギーが後の食事で補われ、日の合計には差が出なかった。[9][4] 同じ甘味料を使っても、食事のどこまでを見るかで答えは変わる。
甘い飲料の置き換え全般は「甘い飲み物と人工甘味料のダイエット科学」の記事に譲る。ここではステビアに絞り、口にした瞬間の甘さから、その日の食事、続けた後の体重までを追う。

ステビアは甘さの成分であり、食品全体の名前ではない
ステビアの甘味成分は、植物から抽出・精製したステビオール配糖体である。配糖体とは成分に糖が結びついた形を指す。レビューでは、砂糖の50〜350倍の甘さを持つ、カロリーを伴わない甘味料として紹介されている。[15] 甘さを付ける仕事を、砂糖と同じ重量で引き受ける材料ではない。
ここで区別したいのは、甘味成分そのものと、それを使った食品である。ステビア飲料を試す研究と、砂糖の代わりにステビア由来のレバウジオシドMを使ったビスケットを試す研究がある。[9][5] ビスケットの研究を、飲料と同じ「食べ物全体がカロリーを持たない」という意味で読んではいけない。何を置き換え、何が残った食品なのかを先に見る。
さらに、ステビアという呼び名が共通でも、抽出物を毎日摂った試験と、個別の成分であるレバウジオシドAを摂った試験では材料が異なる。[8][17] 同じ植物に由来することは、すべての試験の結果を交換できる保証にはならない。飲料、食品、成分という単位をそろえると、食べ方への応用が具体的になる。
レビューの著者らも、摂取エネルギーや体重管理、腸内細菌についてはステビア固有のデータが限られるため、低カロリー・無カロリー甘味料全体の文献も扱っている。[15] 甘味料全般の説明を見つけたときは、ステビアだけで確かめた結果なのかを読み分けたい。植物由来という出発点と、人が食べ続けたときの結果は、別の問いだからである。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
昼食前に飲むと、その食事の量が減る場合がある
健康な成人20人が参加した二重盲検の無作為化クロスオーバー試験では、同じ人が異なる飲料を別の日に試した。二重盲検は、参加者と評価する側が条件を知らない形、クロスオーバーは同じ人の中で条件を比べる方法である。平均年齢は27歳、平均BMIは21.8で、肥満のある人を対象とした減量試験ではなかった。[9]
飲料は水、ブドウ糖入り、砂糖入り、マルトデキストリン入り、ステビア入りだった。マルトデキストリンは、この実験では甘さを伴わずにエネルギーを持たせる条件として使われた。ブドウ糖入りとステビア入りは甘さをそろえ、飲んで30分後に自由に食べられる昼食を出した。[9] 甘さだけがある場合と、甘さとエネルギーがそろう場合を分けている。
飲料と昼食を合わせた平均摂取エネルギーは、ステビア条件で727kcal、水条件で832kcalだった。ばらつきを示す標準偏差は、それぞれ239kcalと198kcalである。平均差はあっても、全員が同じだけ食べなくなったという数字ではない。水とエネルギーを含む各飲料の間には、合計摂取量の有意な差がなかった。[9]
この研究は、食事前のステビア飲料が、その食事までの摂取エネルギーを抑える可能性を示す。ただし測った合計は飲料と昼食である。[9] 帰宅してからのおやつ、夕食、翌日の体重までを含む答えとして使うと、研究の窓を勝手に広げることになる。昼食の結果は昼食の結果として受け取るほうが、生活に移すときにも期待を調整しやすい。
食べ物に注意が向く程度も調べられたが、条件間に有意差はなかった。[9] 食事量が少なかったからといって、食べ物への関心まで消えたとは言えない。食べたい気持ち、実際に食べた量、頭の中で食べ物が気になる程度は、同じ方向へ一斉に動くとは限らないのである。
飲み物で減った分が、後の食事で埋まる試験もある
健康な男性30人の無作為化クロスオーバー試験では、アスパルテーム、羅漢果、ステビアの甘味料入り飲料と、砂糖65g入りの飲料を比較した。朝食をそろえ、午前中に試験飲料を飲み、その1時間後に自由に食べられる昼食を出した。研究施設を出た後の食事は、その日の食事日誌で追った。[4]
砂糖入り飲料に比べ、エネルギーを持たない甘味料入り飲料の後では昼食量が多かった。飲料で減ったエネルギーは後の食事で補われ、日の総摂取エネルギーには有意な差が出なかった。[4] コップの中では差し引きが済んでも、食卓では別の計算が続いていたことになる。
血糖とインスリンの時間経過も興味深い。砂糖入り飲料では飲んだ後の早い段階で大きな上昇があり、甘味料入り飲料では昼食後に高い反応が見られた。飲料後から3時間にわたる反応を面積として評価すると、条件間に有意差はなかった。[4] 血糖が最初に上がらなかったという観察だけで、その後まで有利と判定するのは早い。
別の成人30人のクロスオーバー試験でも、水、砂糖60g、ステビア1gを食事前に比較した。平均年齢は26.1歳、平均BMIは23.44で、その後はピザを自由に食べられた。ステビア条件では水条件より空腹感と食べたい気持ちが低かったが、自由に食べた食事量にも、日の総摂取エネルギーにも有意な差はなかった。[7]
ここには「お腹がすいたか」と「どれだけ食べたか」を分ける実用的な理由がある。空腹感が弱まることは、それ自体が生活上の感覚として意味を持ちうる。しかし、この試験ではその変化が食事量の有意な減少と並ばなかった。[7] 感覚の変化を体重への効果の代わりにしてしまうと、期待だけが先へ進む。
飲料の比較には、水を基準にする条件と砂糖を基準にする条件がある。昼食までを調べた試験に対し、食事日誌でその日の食事を追った試験もあった。[9][4][7] いつもの砂糖入り飲料を替えるなら砂糖との比較を、後で食べる分まで含めたいなら日の合計を読む。比較相手と測った範囲を一緒に選ぶことが、これらの結果を使い分ける入口になる。
成人30人の試験では女性20人、男性10人が参加し、朝食を統一したうえで、別々の日に3条件を経験した。血糖は昼食後120分まで30分間隔で採血して調べられた。砂糖の事前摂取とそのエネルギー量を調整した解析では、食後血糖に有意な条件差はなかった。[7] 空腹感の回答だけでなく、食べた量と血液の測定を併用した実験である。
男性30人の試験では、飲料後の最初の1時間は15分ごと、その後の2時間は30分ごとに血糖とインスリンを測った。砂糖による早い上昇と、無カロリー甘味料の後の昼食による上昇を、時間を区切って捉えている。4条件の3時間の面積の比較は、血糖がP=0.960、インスリンがP=0.216だった。[4] 早い時間と遅い時間で反応の山が異なることまで、測定の中に含まれていた。
数字で読むステビアの比較試験
20人:食事前の飲料で、飲料と昼食の合計摂取量が水より少なかった健康成人の試験。[9]
30人:砂糖入り飲料で持つエネルギーを減らしても、日の合計に差が出なかった健康男性の試験。[4]
53人:砂糖を置き換えたビスケットを調べた過体重・肥満の成人の試験。[5]
12週間:体重維持の可能性を調べた健康成人の試験期間。長期の減量の証明とは区別する。[8]
−4.10mg/dL:無作為化比較試験のメタ分析における空腹時血糖の群間平均差。証拠の質は低いと評価された。[1]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
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