生まれたときの体重は大人の肥満と関係するか 出生体重を成人まで追った研究

出生体重が大きい人ほど肥満になりやすいという結果と、小さく生まれた人の血糖や脂肪分布に注意を向ける結果は両立する。メタ分析と成人までの追跡研究から、男女差、腹囲と体格の違い、生後の成長、現在の体重の意味を確かめる。生まれたときの数字を運命にも親の責任にもせず、今の健康を考える記事。

大きく生まれた人ほど、その後の肥満が多い。ところが、小さく生まれた人では、体格が小さめでも血糖や脂肪の付き方との関連が見つかる。この食い違いは、出生体重を調べる研究が同じ「太りやすさ」を測っているとは限らないことから生じる。[20][2]

母子手帳に残る数字は、今の体重と何十年も離れている。それでも研究者は、出生時の記録と成人の身体測定をつなぎ、どの指標に関係が残るかを追ってきた。出生体重との関連は、男女や測る項目によって異なり、生後の成長や成人期の体格にも目を向ける必要がある。[7][8]

その数字で自分の将来を採点するより、研究が何を比べたのかを確かめたい。肥満の有無、腹囲、血糖、体の動かしやすさ。それぞれを分けると、生まれたときの体重の意味と、今から確認できることの境目が見えてくる。[1][2][8]

赤ちゃんの小さな足を写した写真足と足先の様子に焦点を当てている 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

大きく生まれた人に多い肥満、その対象を確かめる

出生体重とその後の肥満をまとめたYuらの系統的レビューは、33研究を採用し、そのうち20研究を数値として統合したメタ分析である。残りの研究は数値のまとめに必要な情報が足りず、内容を整理する形で扱われた。採用研究の多くは中程度の質と評価されている。[20]

この分析では、出生体重が4000gを超える群は、4000g以下の群に比べ、その後の肥満のオッズ比が2.07、95%信頼区間は1.91〜2.24だった。オッズ比は、肥満に該当する人としない人の比を、出生体重の群同士で比較する指標である。[20]

もうひとつ大切なのは年齢だ。このレビューの発達段階別の解析では、就学前、学童、思春期を含み、高出生体重との関連は小児期から成人初期まで認められた。中年の体については、後に紹介する成人の体格や身体機能を測った研究が情報を補う。[20]

一方、低出生体重の結果は、研究の選び方で変わった。2500g未満の群と2500g以上の群を比べると、全体では肥満のオッズが低かったが、参加者の選ばれ方に偏りがある研究を除くと、統計的に明確な関連はなくなった。大規模な研究や質の高い研究、コホート研究に限った解析でも、低出生体重と肥満の関連は認められなかった。[20]

高出生体重と低出生体重では、結果の安定性も違う。大きく生まれたことと肥満の関連を説明する文と、小さく生まれたことの健康上の意味を説明する文は、別々に用意した方が正確だ。[20]

統合前には5つの電子データベースで478件の文献を調べていた。統合に含めなかった13研究は、肥満の有無を群ごとに比較するデータが十分でなかったが、内容の整理ではメタ分析と整合する結果だった。数値をまとめた研究だけでなく、残る研究にも目を通した設計である。[20]

さらに、このレビューでは正常出生体重を比較相手にした場合も、おおむね同様の結果だった。比較相手をどう置くかを確かめるのは、低い群と高い群を互いの反対語として扱わないためでもある。比較の基準となった正常出生体重は2500〜4000gだった。[20]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

体格が小さくても、腹囲の比率は大きいことがある

上海の男女の前向きコホートを用いたXiaらの研究では、男性11,515人、女性13,569人について出生体重の情報が得られた。出生体重は本人の申告で、研究参加時に体格を測定している。低出生体重は、成人の体格指数であるBMIの低さ、腹囲の小ささと関連していた。その一方で、腹囲を腰回りや身長で割った比率は高いという関連があった。[2]

腹囲そのものと、腹囲の比率は別の問いに答える。腹囲は何cmか、身長に対してどのくらいか、腰回りと比べてどうか。同じお腹を見ていても、物差しの分母が変わる。この研究の結果は、体重や腹囲が小さいことだけで、体格全体に対するお腹の位置づけまで判断しない方がよいことを示している。[2]

上海の解析では、出生体重とBMI、腹囲、腹囲と腰回りの比、腹囲と身長の比に、直線だけでは表せない関連が見られた。低出生体重群の特徴は、体全体の大きさと、腹部の相対的な大きさを併せて測ることで捉えられている。[2]

ブラジルの研究は、この話に男女差を加える。35〜74歳の11,636人を対象に、出生体重は聞き取り、成人の体格は直接測定した。出生体重が大きい群では、男女とも全身と腹部の肥満指標が大きかった。一方、小さく生まれた男性では全身と腹部の指標が低い方向だったが、女性では腹部に偏る傾向が見られた。[8]

低出生体重の女性で、腹囲と腰回りの比が低い群ではなく高い群に入るオッズ比は1.44、95%信頼区間は1.15〜1.82だった。しかし同じ女性のBMIによる肥満のオッズ比は1.18で、信頼区間は0.92〜1.51と、関連なしに相当する1を含む。「低出生体重の女性は何もかも大きくなる」という結果ではなく、指標によって確かさが違ったのである。[8]

この研究の対象は、大学や研究機関に関わる成人だった。ブラジルで急速な栄養環境の変化を経験した中高年を調べた結果である。上海の研究と合わせて受け取れるのは、体重の数字だけでは脂肪分布に関わる情報を拾い切れず、男女を一括りにもできない、という点だ。[2][8]

血糖の研究は「体重が軽ければ安心」を揺さぶる

上海の研究では、低出生体重と2型糖尿病の関連も調べられた。出生体重2500〜3499gの群に対し、2500g未満の群のハザード比は、研究参加時からの解析で1.17、95%信頼区間は0.92〜1.49だった。出生時からを扱う解析では1.29、信頼区間は1.07〜1.54だった。同じ対象でも、どこからの期間を解析するかで数字と確かさが変わっている。[2]

ハザード比は、時間を追って起きる出来事の起こりやすさを比べた指標である。体脂肪が何kg増えたかを表す値とも、全員が糖尿病になるという宣告とも違う。さらにこの研究では、糖尿病の診断は本人の申告を用いた。体格は測定、出生体重と診断歴は申告という情報の違いも、結果を受け取る条件になる。[2]

高齢の双子を調べたGrunnetらの研究は、遺伝だけで説明できるかという問いを置いた。対象は55〜73歳の一卵性138組、二卵性214組である。出生体重が分かる双子に、糖を摂った後の血糖などを調べる検査を行い、同じ組の中で出生体重と糖代謝の差を比べた。[4]

一卵性双生児内の比較では、出生体重が大きい方で血糖やインスリン抵抗性の指標が低い関連が認められた。インスリンが働いても血糖を下げにくい状態を、ここではインスリン抵抗性の指標で捉えている。現在の体格を考慮しても、関連の一部は残った。成人の肥満だけに説明を集約できない可能性を示す結果である。[4]

一卵性双生児内では、出生体重が1kg大きいことに対し、空腹時血糖は15.7%、糖負荷120分後の血糖は25.5%低い関連だった。空腹時インスリンは26.4%、インスリン抵抗性の指標は37.2%低かった。血糖だけでなく、調節に関わる複数の測定値を組み合わせた解析である。[4]

数字で読む出生体重と成人の体

33研究:出生体重とその後の肥満の系統的レビューに採用された研究数。数値の統合はそのうち20研究だった。[20]

0.77:偏りのある研究を除いた後の、低出生体重と肥満のオッズ比。95%信頼区間は0.58〜1.04で、明確な関連を示さなかった。[20]

11,636人:男女別に出生体重と成人の体格を比べたブラジルの研究の対象者数。体格は直接測定された。[8]

896人:出生記録と成人の安静時代謝を結びつけた研究の対象者数。関連の形は男女で異なった。[13]

8,674人:出生体重や生涯の体格と、中年の身体機能を調べた英国の研究の対象者数。[1]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約