生まれたときの体重は大人の肥満と関係するか 出生体重を成人まで追った研究

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生まれた後の成長は、出生体重と別に追う

英国で679人の若い成人を再調査したMcCarthyらは、生まれてから幼児期までの成長と、成人の脂肪に関わる指標を結びつけた。対象者は、もともと乳の補給を行う無作為化比較試験に参加していた人たちである。再調査に参加したのは、対象集団の72%だった。[7]

1歳9か月から5歳までの体重増加の速さは、成人のBMI、腹囲、腹部の厚みに関わる測定値を予測するうえで重要だった。この時期の体重増加を、集団内のばらつきを踏まえた尺度で表し、その尺度が1増えるごとに、成人のBMIは1.13高かった。95%信頼区間は0.69〜1.57である。[7]

一方、腹囲と腰回りの比については、5か月から1歳9か月までの体重増加が最も強い予測因子だった。同じ「成人の脂肪」を調べても、全身の体格を問うのか、腹部の比率を問うのかで、関連する成長時期が違う。出生直後の体重だけを取り出すと、こうした時間の違いが隠れる。[7]

研究者は、成人の脂肪蓄積を防ぐうえで幼児期が最適な時期かを、未解決の問いとして挙げている。成長の時期と、成人になってから測る項目の組み合わせによって関連が変わる点が、この研究の中心である。[7]

反対の方向を含む経過もある。出生体重2000g未満で生まれた子どもを18歳まで追ったPuneの前向きコホートでは、低出生体重群と対照群の体重に差はなく、脂肪蓄積や高血圧の証拠は認められなかった。出生時の小ささから、必ず肥満や高血圧へ進むわけではないことが分かる。[18]

この研究の低出生体重児161人は、在胎週数や、その週数に対する体の大きさで分けて調べられた。早く生まれたことと、胎内で小さめに育ったことを、体重だけで同じ出来事として扱わない設計である。対照は満期に生まれ、在胎週数に見合う大きさだった71人だった。全員を出生体重だけの箱へ入れると、この比較の意味が失われる。[18]

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中年の体には、現在の体格と増え方も関わる

英国の出生コホートで、45歳時点の血糖の指標と出生前の条件を調べたThomasらの解析は、7,518人を対象とした。母親の妊娠前の体格や妊娠中の喫煙、社会経済的な条件などと、成人の血糖との関連を調べ、そこに出生体重や現在の体格を加えて結果がどう変わるかを確かめている。[3]

在胎週数を考慮した出生体重を統計モデルに加えても、出生前の条件と成人の血糖との関連はあまり変わらなかった。一方、成人時のBMIと腹囲を考慮すると、複数の関連は大幅に弱まった。研究者は、出生前の条件が成人の脂肪蓄積を通じて糖代謝に関わる可能性を示している。[3]

出生前の条件から成人の血糖までを、出生体重ひとつで説明する道筋が十分でなかったという結果だ。成人の体格を含めると関連が変わる点は、今の自分の測定値も見る理由になる。[3]

心臓や血管の病気については、研究開始時にそれらの病気がなかった256,787人を英国の大規模集団で追った研究がある。出生体重2.85kg以下かつ成人のBMIが30以上の組み合わせでは、出生体重と成人体格による基準群に対して、冠動脈疾患のハザード比は1.96、95%信頼区間は1.70〜2.25だった。[11]

この数値は、出生体重と現在の肥満の組み合わせに関する結果だ。出生時の情報と成人のBMIの間に、単純な足し算に収まらない関連が見つかったという位置づけで受け止めたい。[11]

腎機能を扱った英国の研究も、現在の体格を含めて考えていた。完全な情報のある2,192人について60〜64歳の腎機能を調べると、出生体重の低さは、血液の指標から推定した腎臓のろ過機能の低さと関連した。しかし尿のアルブミンとクレアチニンの比との関連は認められず、検査項目すべてで同じ結果が出たわけではなかった。[6]

その関連は糖尿病や高血圧だけでは説明されず、成人時に過体重だった人で強い可能性があった。出生体重という昔の数字と、現在の体格、今の臓器の検査値を、別々の役割を持つ情報として扱う研究である。出生時の体重から自己診断するより、受診時に現在の数字と並べて伝える方が、この研究の問いに近い。[6]

腎臓のろ過機能の推定には、シスタチンCという血液の指標だけを使う方法と、クレアチニンも組み合わせる方法が用いられた。出生体重が1kg低いことに対し、前者の推定値は2.25ml/分/1.73m²低く、95%信頼区間は0.80〜3.71だった。後者では2.13ml/分/1.73m²低く、信頼区間は0.69〜3.58である。異なる推定法でも方向がそろっていた。[6]

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よくある誤解

「小さく生まれたから、代謝が低くて痩せにくい」とは言い切れない。出生記録のある896人の男女を調べたSandbogeらは、成人の体組成と安静時代謝を測定した。女性では、年齢と脂肪以外の体の量を考慮した出生体重と安静時代謝が、弱い逆方向の関連を示した。相関係数は−0.12で、小さく生まれた人ほど低代謝という筋書きとは合わない。[13]

男性では、出生体重の両端で安静時代謝が高いU字型の関連だった。男女の違いを説明する仕組みとして研究者が挙げたのは、自律神経に関わる発達の違いの可能性である。出生記録と実測した代謝量を結びつけることで、男女それぞれの関連の形が見えてきた。[13]

「出生体重が、その後の体の動かしやすさまで決める」という理解にも、別の結果がある。Rogersらの英国の研究では、50歳時点の身体機能を質問票で評価したところ、出生体重との関連は認められなかった。一方、成人期の肥満、BMIの増加、肥満が続いた期間は、身体機能が低いことと関連していた。[1]

身体機能は、単に何kgあるかとは違う結果である。体重管理の目的を、日々の動作や暮らしのしやすさにも広げると、出生体重より後の経過に目が向く。この研究では、身長と体重を7、11、16、33、45歳で測定し、23歳と50歳では本人の申告を用いた。50歳の身体機能は質問票で評価し、男女別の下位10%を身体機能が低い群とした。[1]

「平均的な出生体重なら、以後は調べなくてよい」という線引きも研究の使い方を狭める。各研究は出生時の群分けを使って関連を見ているのであり、群の名前だけで現在のBMI、腹囲、血糖を代用することはできない。出生体重は人生の最初の測定値だが、今の体の検査結果まで書き込まれた数字ではない。[2][3]

男性では、小児期に肥満が始まった群の身体機能低下のオッズ比は、肥満の経験がない群に対し2.32、95%信頼区間は1.26〜4.29だった。中年に始まった群では1.50、信頼区間は1.16〜1.96である。開始時期だけでなく、肥満の期間が長いほど身体機能が低いという関連も見られた。成人後の履歴に着目したのは、こうした時間を含む結果があるためだ。[1]

ここまでの研究の多くは、人の経過を追ったり群を比較したりする観察研究である。関連が見つかったことと、体重を変える介入によって病気を防げたことは区別する。幼児の食事制限や、出生体重から成人の必要カロリーを決める根拠にはせず、現在の健康状態についての判断は医師と行う。[1][7][13]

今日からできること

  • 成人後のBMIが増え続けることを防ぐため、まず何か月を体重維持に取り組む期間にするか決め、その間の増加を何kgまでに抑えたいか具体化する。出生体重より、成人期のBMI増加と身体機能低下の関連に目を向ける行動だ。[1]
  • 腹囲については、何cmを超えたら生活を見直すか、自分の現在値を起点に目安を置く。体重だけを目標にせず、腹囲の増加も抑えることを別の目標にする。上海の研究は体重と腹囲の比率で異なる関連を捉えていた。[2]
  • 過体重が続いている人は、何か月後までに体重管理の取り組みを始めるか期限を決める。低出生体重と腎機能の関連は成人期に過体重だった人で強い可能性があり、研究者も過体重を避ける重要性を挙げている。[6]
  • 健診結果を見返す機会を決め、出生体重、現在のBMIと腹囲、血糖、腎機能について気になる点をまとめて医師へ伝える。目標体重や検査値の判断もそこで相談する。[2][6]
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参考文献

[1] Birthweight, lifetime obesity and physical functioning in mid-adulthood: a nationwide birth cohort study. — Rogers et al., 2020, International journal of epidemiology. DOI: 10.1093/ije/dyz120

[2] Prospective cohort studies of birth weight and risk of obesity, diabetes, and hypertension in adulthood among the Chinese population. — Xia et al., 2019, Journal of diabetes. DOI: 10.1111/1753-0407.12800

[3] Prenatal exposures and glucose metabolism in adulthood: are effects mediated through birth weight and adiposity? — Thomas et al., 2007, Diabetes care. DOI: 10.2337/dc06-1881

[4] Birth weight is nongenetically associated with glucose intolerance in elderly twins, independent of adult obesity. — Grunnet et al., 2007, Journal of internal medicine. DOI: 10.1111/j.1365-2796.2007.01793.x

[6] Low birth weight, later renal function, and the roles of adulthood blood pressure, diabetes, and obesity in a British birth cohort. — Silverwood et al., 2013, Kidney international. DOI: 10.1038/ki.2013.223

[7] Birth weight; postnatal, infant, and childhood growth; and obesity in young adulthood: evidence from the Barry Caerphilly Growth Study. — McCarthy et al., 2007, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.1093/ajcn/86.4.907

[8] Sex-specific associations of birth weight with measures of adiposity in mid-to-late adulthood: the Brazilian Longitudinal Study of Adult Health (ELSA-Brasil). — Rockenbach et al., 2016, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/ijo.2016.76

[11] Association between birth weight and risk of cardiovascular disease: Evidence from UK Biobank. — Liang et al., 2021, Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases : NMCD. DOI: 10.1016/j.numecd.2021.05.017

[13] Birth-weight and resting metabolic rate in adulthood – sex-specific differences. — Sandboge et al., 2012, Annals of medicine. DOI: 10.3109/07853890.2010.549147

[18] Pune low birth weight study, growth from birth to adulthood. — Chaudhari et al., 2012, Indian pediatrics. DOI: 10.1007/s13312-012-0165-7

[20] Birth weight and subsequent risk of obesity: a systematic review and meta-analysis. — Yu et al., 2011, Obesity reviews : an official journal of the International Association for the Study of Obesity. DOI: 10.1111/j.1467-789X.2011.00867.x

冒頭の写真: 赤ちゃんの小さな足を写した写真。足と足先の様子に焦点を当てている。(写真: Dean Johnson / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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