親になった父と母の体重変化 母親以外もBMIが上がった長期追跡の比較

親になった前後の体重変化には、同じ年月を過ごした比較相手がいる。母親の変化をまとめたメタ分析と父親の長期追跡から、親にならなかった人との差、食事と活動の変化、子どもの人数と中高年の体組成を確かめる。妊娠による変化と家族生活に伴う変化を分け、夫婦で見直す手がかりを探る。

母親にならなかった女性も、平均5.6年でBMIが2.8上がっていた。母親になる前後を比べた研究の意外な比較相手だ。出産後の体重を考えるとき、妊娠した人の変化だけを追うと、同じ年月に起きた体格の変化が見えにくい。[17]

母親になった女性の体重変化を読むには、同じ年月を過ごして母親にならなかった女性の変化も見る必要がある。縦断研究をまとめたメタ分析では、両方でBMIが上がり、母親になった側には追加の増加が認められた。集められた研究は、若い成人期に家族の形と体格がどう動くかを追っている。[17]

父親を追った研究や、中高年の体の中身を測った研究まで視野を広げると、話はさらに変わる。妊娠した体だけを見ていたときには拾えなかった、親として暮らす時間の問題が見えてくる。父親のBMIの軌跡と、中高年の脂肪以外の成分にも目を向けたい。[4][8]

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母親の体重増加は、同じ年月を過ごした女性と比べる

Corderらの系統的レビューは、親になる前、または妊娠前から出産後まで追った研究を集めたものである。対象年齢は15〜35歳で、全体で11研究が採用された。そのうち女性の6研究について、母親になった人と、子どもを持たないままだった人のBMI変化を統合している。BMIは体重と身長から求める体格の指標で、研究ではkg/m²の単位で扱われた。[17]

母親にならなかった女性も、平均5.6年の間にBMIが平均2.8上がっていた。著者らが示す身長164cmの女性での換算では、約7.5kgに相当する。母親になった女性では、これに加わるBMIの増加が0.47で、体重換算では約1.3kgだった。ここでの約1.3kgは、出産後に増えた総量でも、戻すべき目標でもなく、比較した集団の変化の開きである。[17]

出産前の服が入らないとき、その原因を出産だけに求めたくなることはある。しかし、この分析で比較相手にも増加があったことは重い。若い成人の時期に進む変化の上に、母親になることに関連する変化が重なっていた、と読むのが適切だ。著者らも、母親だけに限らず若い女性全体への肥満予防を課題としている。[17]

「母親は17%多く太る」という表現にも注意が要る。このレビューの17%は、母親にならなかった女性と比べたBMI増加量の相対的な大きさを表す。比較相手のBMI増加量を基準にした表現で、各人の体重増加率とは異なる。母親にならなかった女性の開始時BMIは平均22.8で、追跡中の増加は開始時の12.3%だった。母親になることに関連した追加分は、開始時BMIの4.3%に相当すると報告された。[17]

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父親にも変化があるが、研究の答えはそろわない

Garfieldらは、男性10,253人を対象に、思春期から父親になる時期を含む20年間のBMIの軌跡を調べた。父親ではない男性、子どもと同居しない父親、同居する父親を区別した縦断研究である。父親になる時期には、同居の有無にかかわらずBMIの軌跡が増加する方向へ変わり、同時期の父親ではない男性では減少方向が観察された。[4]

この研究では、年齢が高くなることとBMIの高さには、全期間を通してすべての男性で正の関連があった。その上で、父親になる境目に注目すると、同居する父親と同居しない父親の両方で、父親ではない男性とは違う軌跡が見られた。年齢に伴う変化と、家族の立場が変わる時期の動きを同じデータの中で捉えている。[4]

Syrdaの縦断分析は、8,729人のデータを用い、結婚、離婚、妻の妊娠、出産後という出来事の時期を区別した。妻の妊娠中には男性のBMIに有意な影響が見られず、出産後の時期にはBMIが高い傾向があった。また、結婚生活を通じて夫婦のBMIには同じ時点での相関が見られた。出産という境目の前と後をまとめないことが、父親の変化を読む鍵になる。[6]

ただし、先ほどの系統的レビューでは、男性のBMI変化を扱った研究は1研究で、親になる人とならない人の変化に差を報告していなかった。複数の男性研究で増加との関連が示されても、すべての比較が一致したわけではない。男性の研究を集めた数自体が少なく、家族状況の分類や追跡時期にも幅があった。[4][6][17]

忙しく動くことと、運動の強さは別に測られている

初めて親になるカップルを追ったVerseleらの前向き研究では、妊娠12週、産後6週、産後6か月に食事、身体活動、座って過ごす行動、BMIを調べた。食事には質問票、活動と座位行動には加速度計が使われている。身体の動きを機器で測り、食事の回答とは別に評価した点が特徴である。[18]

女性では、妊娠初期から産後6か月にかけて軽い身体活動が増え、座って過ごす行動が減った。一方で、果物の摂取が減り、アルコール摂取が増えた。産後6週から6か月にかけての果物摂取の減少は、BMI増加と関連していた。出産後を、ただ活動量が下がる期間として描くと、この研究で測られた変化を取りこぼす。[18]

男性でも軽い身体活動は増えたが、中強度から高強度の活動は妊娠12週時点と比べて産後6か月で減っていた。動く機会が増えることと、強めに体を動かす機会が保たれることは両立しない場合がある。「一日中動いていた」という実感を否定せず、どの強さの活動が変わったのかを分けて考えられる結果だ。[18]

重要なのは、この研究でBMI変化と身体活動・座位行動の変化との関連は認められなかったことだ。BMIと活動の強さは、異なる結果として報告された。男性では食事の特定の分類の摂取増加とBMI増加に関連があったが、この分類の食品を日常の献立へ勝手に翻訳して、禁止する食品一覧を作ることも避けたい。[18]

レビュー全体でも、身体活動の結果は一様ではなかった。女性を扱った4研究中2研究、男性を扱った2研究中2研究で、親になった人のほうが活動の低下が大きかった。食事を扱った3研究も評価する指標で結果が異なり、多くは差を示さなかった。「育児で食生活が必ず悪くなり、運動不足で太る」という一本線の説明より、何が変わったかを各家庭で確かめる読み方に合っている。[17]

食事についても、男女をまとめた平均だけで済ませないほうがよい。カップルの研究では、男性に有意な食事変化が認められなかった一方で、女性には複数の変化が認められた。集団全体の変化が有意かという問いと、個々の食事変化がBMI変化に関連するかという問いは異なる。同じ「食事を調べた」という言葉の下でも、比較した内容を区別したい。[18]

数字で読む親になる前後の体重

11研究:親になる前後を追った系統的レビューに採用された研究数だった。[17]

0.47kg/m²:母親になることに関連した、比較群に対する追加のBMI増加である。[17]

10,253人:父親になる時期とBMIの軌跡を検討した男性の縦断研究の対象となった。[4]

産後6週と6か月:この間の女性の果物摂取の減少が、BMI増加と関連した。[18]

0.59kg:60〜64歳の男性で、子どもがいる群といない群を比べた除脂肪量指標の差。95%信頼区間は0.15〜1.02で、子どもがいる群のほうが高かった。体組成を測った解析の対象は男女合わせて2,229人だった。[8]

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宮川涼 Founder

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