ゴルフは運動になるのか 歩くラウンドとカート、体重と体組成で分かれる答え

ゴルフは運動になるが、カートで回る日と歩く日を同じには扱えない。中年男性がコースを歩いた比較試験と、体重・体組成を整理した系統的レビューをたどる。女性ゴルファーの筋トレ、けがの調査、栄養研究も確かめ、消費カロリーを減量の約束にせず、好きな競技を続ける方法を考える。

しばらく活動の少なかった中年の男性ゴルファーたちが、コースを歩く比較試験に参加した。研究者は、年齢を合わせた、同じく活動の少ない男性にも協力してもらい、体重だけでなく腹囲や歩き続ける力を、開始前と終了後に測った。スコアの上達ではなく、コースを歩くことが体に残す変化を調べた比較試験である。[4]

この試験では、歩くゴルフを続けた側に体重や腹囲の改善が見られた。一方、複数の研究をまとめた系統的レビューでは、体格指数であるBMIは多くの研究で変わらず、脂肪量など別の指標には良い変化がありうると整理されている。[1][4] 好きな競技が運動になることと、体重が必ず減ることには、間に確かめる条件がある。

ゴルフの場合、その条件にはプレー中の移動方法も含まれる。身体活動を調べたレビューでは、カートに乗る人の活動量は歩く人より少なかった。[3] 打った回数だけを思い返すと、打つ場所までどう移動したかが抜け落ちる。ダイエットの目でゴルフを見るなら、まずこの移動と、続けた後に測る指標に目を向けたい。

歩くラウンドとカートでは、運動の中身が違う

身体活動を扱った迅速レビューは、ゴルフ中の酸素摂取量、心拍数、消費エネルギー、歩数、移動距離などを調べた研究を対象とし、19本を採用した。結論は、ゴルフは主に中強度の身体活動だが、参加者やプレーの条件によっては低強度にもなる、というものだった。[3] 「ゴルフ」という競技名に、一定の運動強度が貼り付いているわけではない。

同じレビューで明確だった違いの一つが、カート利用である。コースを歩く場合より、カートで回る場合の活動量は少ない。[3] 同じ組で同じホールを回っても、移動の手段が違えば、体を動かしている中身は変わる。ゴルフをした日という予定表の印だけでは、この差を区別できない。

このレビューが調べた項目には、座って過ごす行動、筋力、柔軟性、バランスも含まれていた。心拍や消費エネルギーだけを集めた調査ではなく、ゴルフでどのような身体活動が生じるかを幅広く探したものだ。採用研究の質の評価には、コホート研究や横断研究を評価するための道具が使われた。[3]

一方、結論では筋力や柔軟性に関する身体活動の指針との関係は、さらに研究を要するとされた。[3] コース内の移動で得られる活動と、スイングのための筋力や柔軟性は、それぞれの測定で捉える課題となっている。歩行、心拍、筋力という評価の違いを残しておくと、ラウンドの日とそれ以外の日の運動を考えやすい。

歩いて回ることを考える際にも、「全部歩けば正解」と急いで決める必要はない。活動量については歩行に利点がある一方、ゴルフの健康研究にはけがの問題も含まれる。[2][3] コースを回る方法は、運動量だけの競争にせず、自分が安全に参加できる条件と合わせて選ぶことになる。

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続けて歩いた中年男性では、腹囲にも差が出た

冒頭の比較試験に参加したのは、健康な男性ゴルファー55人と、年齢を合わせた対照の男性55人である。年齢は48〜64歳で、どちらも試験前の7か月は活動の少ない生活だった。20週間、ゴルフ群には週2〜3回のプレーが勧められ、対照群にはその働きかけをしなかった。[4] 日頃から競技を重ねていた人の成績ではなく、活動が少なかった中年男性を調べた点が大切だ。

ゴルフコースのグリーン付近に置かれた、ゴルフバッグを写した写真。
ゴルフコースのグリーン付近に置かれた、ゴルフバッグを写した写真。
写真: Heungsoon / CC0 / Wikimedia Commons

体重の変化を群間で比べると、歩くゴルフの側で1.4kg多く減っていた。95%信頼区間は0.6〜2.1kgである。腹囲の差は2.2cm、95%信頼区間は1.0〜3.3cmだった。[4] これらは開始前から終了後への変化を両群で比較した差である。

体力面にも変化があった。トレッドミルで歩ける時間の変化の群間差は36秒で、95%信頼区間は19〜53秒。背中を伸ばす姿勢を保つテストでは13秒の差があり、95%信頼区間は2〜24秒だった。[4] 体重の減少とともに、歩き続ける能力と体幹の筋持久力という、異なる結果が測られている。

血液の指標では、HDLコレステロールと、総コレステロールに対するHDLの比率にも、ゴルフ群でより大きい改善があった。[4] HDLという血中脂質の指標まで調べていたため、体重と腹囲に加え、血液検査の変化も同じ研究の中で捉えられている。

測定は開始時と20週間後に行われた。研究者は体組成、心肺の働き、運動機能と筋骨格の体力、血圧、血清脂質、血糖、インスリンを調べている。[4] 体重だけを終点に置くよりも広い設計で、歩く時間や姿勢を保つ力の変化も評価した試験だった。

著者らは、ゴルフ中の歩行を継続率が高く、けがのリスクが低い活動と評価した。[4] この研究で扱ったのは、健康な中年男性がコースを歩く条件だ。活動の少ない時期から定期的な参加へ移った人たちに、運動を続けやすい形があったという点も、体重の数字とともに残る。

BMIが動かなくても、体の中身には別の問いがある

2022年の系統的レビューは、ゴルフの心血管、代謝、筋骨格の健康と体組成を調べた23研究を採用した。研究の質は16本が良好、7本が中等度と評価されたが、全体の結果は一様ではなかった。[1] 研究の数が増えても、対象者や方法が違えば、答えを単純な賛成か反対には畳めない。

体組成について、多くの研究ではゴルフをすることやキャディーの仕事はBMIに影響しなかった。その一方、ゴルフによって脂肪量や除脂肪量など、ほかの体組成指標が好ましく変わる可能性が示された。[1] 体重に関わる指標が変わらないという結果だけで、測定したすべての項目が不変だったとは読めないのである。

レビューは体組成への影響が評価項目によること、研究の設計、対象者の特徴、運動の与え方に不統一があることを限界として挙げている。[1] 実験研究と観察研究がともに含まれ、研究間で対象や運動の与え方にも違いがあった。

中年男性の比較試験と、このレビューを並べると、矛盾の扱い方も見えてくる。特定の対象に歩くゴルフを勧めた試験では体重と腹囲が改善し、幅広い研究を見渡すとBMIの変化は多くで確認されなかった。[1][4] 前者を成功例、後者を失敗例として分けるのではなく、試験の条件と評価項目の違いを確かめるのが先だ。

レビューでは、バランス、血圧、HDLコレステロールなどに改善を報告した研究もあった。代謝面については、長く追った証拠が限られるとされている。[1] キャディーについては骨密度、骨の硬さの指標、筋力の改善も報告された。[1] プレーする人とキャディーとして働く人では、研究が扱う役割も、注目する測定項目も異なる。

たとえば、体重と腹囲を同じ結果の言い換えと考えず、それぞれ何が起きたかを分けて見る。これは新しい減量法を足すというより、研究の測り方を自分の期待に持ち込む工夫だ。体組成への影響が項目によるというレビューの結論は、単一の数字で競技の価値を裁かない理由になる。[1]

このレビューは、最初に見つかった572件から、全文を確認する109件を経て、採用する23研究を選んだ。検索には複数の文献データベースを使い、査読を受けた英語の研究を対象にしている。[1] 個別の体験談を並べる方法と違い、採用条件を設けて集めた研究から、体組成と心血管、代謝、筋骨格の領域を整理したものだ。

採用された研究の型には、無作為化比較試験、介入前後の比較、症例対照研究、横断研究、コホート研究が含まれる。[1] 運動を働きかけて前後を測る設計と、すでにゴルフに参加している人を調べる設計が同じレビューに収まっている。そのため、研究数とともに、どのように参加者を集め、何を比べたかが結果を理解する手がかりとなる。

数字で読むゴルフの研究

身体活動の迅速レビューは19研究。主に中強度だが、条件によって低強度となる。[3]

歩くゴルフの比較試験は20週間。対象は活動の少なかった48〜64歳の男性である。[4]

同試験の体重変化の群間差は1.4kg。95%信頼区間は0.6〜2.1kgだった。[4]

同試験の腹囲変化の群間差は2.2cm。95%信頼区間は1.0〜3.3cmだった。[4]

女性ゴルファーの筋トレ試験は45人を割り付け、29人が完了した。完了者だけの結果に注目し過ぎないための数字でもある。[19]

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宮川涼 Founder

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