リバウンド予防と食べ過ぎ後の立て直し 一度の脱線を長い中断にしない研究

食べ過ぎた日を境に、ダイエットを全部やめてしまう。その前に考えたいのが、減量後の体を理解し、生活のつまずきを具体的に直す方法である。再発予防訓練の比較試験、長期の体重維持、薬の中止後の研究を読み分け、失敗の採点から再開の段取りへ視点を移す。日常で選べる行動も示す。

手帳には通えた日の印が並んでいるのに、頭の中には食べ過ぎた日の映像だけが残っている。「あれで全部だめになった」と思うと、次の食事も、次の運動も、再開する理由を失ってしまう。せっかく続けた行動まで、同じ箱に入れて片づけたくなる。

ここで考えたいのは、食べ過ぎを消す方法より、その後の暮らしをどこにつなぐかである。肥満の女性を対象に、減量後の再発予防訓練と問題解決療法を比較した試験は、この問いに近い。ただし、再発予防という名前の訓練が、追加の支援を受けない場合より全体として優れていたわけではなかった。[1]

食欲の衝動を扱う記事や、認知行動療法そのものを扱う記事とは分けて、ここでは減量後に起きるつまずきと支援の切れ目を追う。成功者の生活を丸ごとまねる話より、うまくいかなかった場面から何を修正できるかを考えたい。

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食べ過ぎた出来事と、体重が戻る経過を分ける

この記事では、予定していた食べ方や活動から外れた出来事を「脱線」、減量後に体重が戻っていく経過を「再増加」と呼び分ける。ここでの区別は、生活上の出来事を整理するための呼び方である。出来事の説明と、長い経過の評価を混ぜずに考えるための言葉である。

研究でも、リバウンドに当たる体重再増加の定義は統一されていない。減量手術後の再増加を扱ったレビューは、定義への合意が乏しいため、どのくらいの人に起きるかの推定が難しいと指摘している。[12] ある研究で再増加に分類された人と、別の研究の同じ名称の集団を、そのまま同一視しにくい理由がここにある。

したがって、会食で予定より食べたことと、減量後の体重が長期に戻ることを、同じ判決にしてしまわないほうが話を整理しやすい。会食の場面なら、何を注文したか、誰といたか、どこで予定が変わったかという問いになる。長い経過なら、食生活と活動の変化、減量を支えた治療や支援の終了まで視野に入る。後者には、生理的な調節も関わる。[8][12]

例えば、残業後に夕食の用意がなく、買ったものを追加して食べたとする。「自分は続かない人だ」という評価で終える代わりに、食事の用意が間に合わなかったという状況の説明に置き換えてみる。これは後で紹介する問題解決の考え方を日常に下ろした例である。状況が書ければ、用意するものや帰宅後の順序を選び直す余地が生まれる。試験が比較したのは支援の方法であり、具体的な献立の効果は検証の対象外だった。[1]

区別した後は、修正すべき条件を絞っていく。脱線の場面が繰り返され、いつもの活動も消え、支援との接点までなくなっていたら、修正の対象は食べ物だけに収まらない。生活介入後の体重維持を検討した系統的レビューでは、介入の種類や期間、栄養士の関与、維持期の専門職による支援といった条件が、その後の体重経過に関わりうるとされている。[20]

体重だけを見て「できた、できなかった」と二分すると、途中の条件が見えなくなる。何が続き、何が途切れたかを分けてみる。食べ方が乱れた週にも歩く習慣は残っているかもしれず、運動を休んだ時期にも食事の用意はできているかもしれない。全部を捨てる前に、残っている行動を見つけるという使い方である。

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再発予防という名前より、比較試験の中身を見る

Perriらの試験に参加したのは、肥満のある女性80人である。全員が週ごとの集団行動療法を20回終え、最初の減量は平均8.74 kgだった。その後、追加の接触がない群、再発予防訓練を受ける群、問題解決療法を受ける群へ無作為に割り付けられた。[1] これから減量を始める人ではなく、いったん行動療法で減量した人に、次の支援をどう届けるかという比較である。

再発予防訓練と追加接触なしの群、再発予防訓練と問題解決療法の群の間には、全体の体重変化について有意な差が認められなかった。[1] 有意差とは、偶然のばらつきだけで説明しにくい差があるかを検討するものだ。この結果から、再発を予防する訓練さえ受ければ体重が戻らない、という約束は作れない。名前だけなら、再発予防はすでに勝っていそうである。試験は名前を採点してくれない。

一方、問題解決療法を完了した参加者では、追加接触なしの群より長期の減量が大きかった。体重を10%以上減らした割合も、問題解決療法群35%に対して追加接触なしの群6%と報告された。[1] ここは希望の持てる結果だが、完了者の結果と、無作為割付後の全体の結果を同じ強さで扱わないことが大切である。最後まで参加できた人の特徴も関係する可能性を残して読む。

この試験は、問題を具体的に扱う支援を考える材料にはなる。しかし、問題解決療法が再発予防訓練を全体として上回った、女性以外にも同じ割合で効く、自宅で問いを書くだけで同じ効果になる、とまでは言えない。[1] 体重を戻さない万能の心理技法を探すより、支援の内容と参加できる条件を確かめるほうが、この結果に合っている。

日常への翻訳としては、「意思を強くする」を目標にする前に、困った場面を具体化する方法が考えられる。外食が続いたなら、外食そのものを失敗にするのではなく、注文の時点で決められたことと、その場で変わったことを分ける。運動に行けなかったなら、仕事の終了、移動、着替えのどこで止まったかを見る。これは試験の効果量を再現する処方でなく、問題解決という支援を生活の言葉に置き換えた例である。[1]

支える側にも同じ問いが向く。本人に「次は気をつけよう」と言うだけでは、予定が崩れた条件は残る。代わりの選択を用意できるか、次の参加につながる連絡があるか、実行できなかった理由を話せるか。追加接触なしの条件と、支援を続ける条件を比較した試験として読むと、努力の量だけでなく、減量後の支え方も検討対象になる。[1]

体は減量後も、同じ条件では動いていない

体重が戻ることを、約束を守らなかった結果だけで説明すると、減量後の生理的な変化が抜け落ちる。Busettoらのレビューは、体重と脂肪量の調節には、自分で決める食事量や運動を超えた多くの仕組みがあると整理している。減量後には、食欲を抑えるホルモンの分泌低下と、食欲を高めるホルモンの増加という補償的な変化がみられ、食欲や食べ物の報酬としての価値を高める方向に働くという。[8]

報酬としての価値とは、食べ物に感じる魅力や、食べたときに得られる満足に関わる話である。同じ菓子を前にしても、減量前と減量後で、ただ同じ我慢を再現すればよいとは限らないという見方につながる。[8] この説明が扱うのは肥満の人の減量後の生理であり、個人の夕食で何が起きたかは別に考える。

また、安静時のエネルギー消費は、体組成の変化から予想する値より低くなることがある。この実測と予測の差を代謝適応と呼び、再増加を部分的に説明する可能性が論じられている。[8] ここから全員の消費量が同じだけ下がるとも、特定の運動でその差が帳消しになるとも言えない。戻りやすさを理解する材料として扱いたい。

さらに、新しい生理学のレビューは、脂肪組織の免疫、腸内細菌、減量で失われた組織の構成、食欲を調節する脳の働きなどを取り上げる一方、研究の多くが関連を調べたもので、介入研究は限られると明記している。[10] 仕組みの候補が見つかることと、生活で使える予防法が確立することには距離がある。細胞の説明を読んだ翌日から、特別な食品を買い足す根拠にはならない。

こうした生理の話は、「どうせ戻る」と諦める材料より、支援を早々に終えない理由として使える。減量後の維持にも、体の変化と生活上の条件を一緒に考える視点が要る。[8][20] 代謝の詳しい議論は別の記事に譲り、ここでは、つまずいた人に気合いだけを足しても説明が足りない、というところを押さえたい。

数字で読むリバウンド予防

80人:最初の行動療法を終えた肥満女性を対象とする、追加支援の無作為化試験である。[1]

35%対6%:問題解決療法群と追加接触なしの群で報告された、体重10%以上減少の達成割合。全体の比較と完了者の結果は分けて読む。[1]

27試験・7,236人:生活介入後の長期体重維持を集めた系統的レビューの規模である。[20]

平均5%低い体重:同レビューが報告した介入前に対する維持の成績。再増加があっても、平均では減量分がすべて失われたわけではなかった。[20]

月0.4 kg:減量薬の中止後を集めたメタ分析の平均再増加速度。95%信頼区間は0.3〜0.5 kgで、研究全体の平均を示す。[7]

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