
体脂肪と中高年女性には、別の比較が必要だ
健康な成人を扱ったレビューの総括は、137の系統的レビュー、3万人超の参加者に関する知見を統合した。筋肥大を高める条件として週10セット以上の高い量を、筋力を高める条件の一部として週2回以上の実施を挙げている。筋力と筋肥大で、著者らが挙げる条件は分かれている。[7]
予定が合うなら頻度を分ける、通える日が限られるならその中で量を考える。その選び方を支えるのが、量をそろえた頻度の比較である。ただし、筋肉の成長で頻度差が小さいという結果を、脂肪の減少やすべての健康指標にまで広げてはいけない。予定表の自由度は得られるが、すべての目的に共通する証明書までは付いてこない。[14]
体組成を変えたい読者にとって、最も見落としやすいのは、筋肥大と脂肪減少では評価の対象が違う点である。筋肉の厚さを測って量の違いを評価した試験と、体脂肪率まで測った試験は、答えられる問いが異なる。それぞれの成果について、実際に測った指標を確かめたい。[15][18]
筋トレ未経験の男性48人を無作為に割り付けた試験では、種目当たり1、3、5セットの群と対照群を比較した。トレーニング群は週3回、6か月間実施した。上腕の筋肉の厚さや一部の筋力、筋持久力では、複数セット、とくに多いセット数が有利な結果があった。筋持久力は、繰り返し力を出し続ける能力に関わる指標である。[18]
しかし、トレーニングをしたすべての群で体脂肪率が低下し、除脂肪量が増えた一方、その変化には群間差がなかった。この論文の要約には体脂肪の減少量がkgで示されていないため、脂肪の結果は体脂肪率の変化として読む必要がある。筋肉について量の差を認めた同じ論文に、体脂肪では差がないという結果も並んでいる。[18]
この試験で減量との接点になるのは、セット数の順位よりも、運動した各群で体脂肪率の低下と除脂肪量の増加が同時に観察された点だ。体組成の改善を考える際には、脂肪の割合がどう変わったかと、脂肪以外の量がどう変わったかの両方が評価対象になる。この試験が扱ったのは未経験者の筋トレ量の比較であり、この論文の要約には体重の減少量が示されていない。[18]
経験のある健康な男性34人の無作為化試験では、種目当たり1、3、5セットを比較し、連続しない日に週3回、8週間行った。すべての群で筋力と筋持久力が向上し、群間には有意差がなかった。一方、筋肉の大きさでは、肘を曲げる筋肉と太ももの測定部位で、高い量が有利だった。未経験者の試験と合わせても、成果ごとに答えを分ける必要がある。[15][18]
この経験者の試験は、短い群では週3回、各13分でも筋力と筋持久力の向上が得られたと報告している。この短い実施時間の結果は、健康な筋トレ経験者で得られたものだ。しかも、筋肉をより大きくしたい目的では高い量が有利な部位がある。短い運動を評価することと、すべての目的に十分だとすることは別である。[15]
中高年女性については、対象が近い研究も見るべきだ。閉経後の45歳以上、または60歳以上の女性を扱った系統的レビュー・メタ分析の二次解析は、14の無作為化比較試験を用いた。無作為化比較試験とは、参加者を偶然に基づいて群に割り付ける試験である。量の低い群と高い群の両方で、対照群と比べて筋肉量関連指標が増加した。[19]
報告された増加の目安は、高い量で約1.3kg、低い量で約0.9kgだった。標準化した効果の大きさは、高い量で0.52、95%信頼区間0.27〜0.77、低い量で0.34、同0.14〜0.53である。標準化とは、測定尺度の違いをならして比較する方法だ。この数値はkgでも体脂肪の減少率でもなく、著者らは高い量の優位性を示唆している。[19]
ただし、この解析ではエビデンスの確実性が低いと評価され、試験の偏りのリスクにも懸念があった。増加量の読み取りには、こうした証拠の質も含める。また、量の区分は全体の運動量を用い、低い群が445.0、高い群が997.3という任意単位で報告されている。これは研究内の量の指標であり、若い男性の研究で使われた筋肉ごとの週セット数とは集計単位が異なる。女性の研究があることを評価しつつ、別の集計単位を一緒にしない姿勢が必要だ。[19]
一方、60歳以上を対象にした151試験、6,306人のネットワークメタ分析では、低い量でも除脂肪量や筋肉の大きさに利益があった。ネットワークメタ分析は、複数の介入を比較する研究をつないで評価する方法である。除脂肪量の標準化効果は0.25、95%信頼区間0.10〜0.40、筋肥大では0.40、同0.25〜0.54だった。より大きな筋力改善には高い量が必要な可能性が示された。[8]
女性の解析は高い量に優位性を示唆し、高齢者全体の解析は低い量の利益を示している。どちらかを消す必要はない。両者を読む際には、対象、比較の方法、量の区分、測定指標の違いを考慮する。高齢者の解析も、結果が主に身体的に健康な人で観察され、機能に障害のある人の証拠は限られると述べている。[8][19]
新しい量と頻度のメタ分析では、参加者の79.1%が男性で、平均年齢は25.16歳だった。大きな研究のまとめでも、参加者の中心は若い男性である。自分に近い対象の試験を並べて読むことで、一般論と個別の計画の距離が見えてくる。食事の種類は「高たんぱく食の種類で痩せ方は違うのか」、走るか歩くかの比較は「ランニングとウォーキング、痩せるのはどちらか」の記事に譲り、ここでは筋トレの配分と、その成果の測り方に焦点を置きたい。[2]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「筋肉を増やすには、とにかく通う日を増やせばよい」という考えは、週の量を見落としている。同じ量を行うなら、頻度を上げたときに筋肥大が有意に大きくなるとは確認されていない。頻度を増やす判断には、筋力を伸ばしたいのか、量を分散したいのか、予定に合うのかという理由が必要だ。回数の多さだけを成果の代理にしない。[2][14]
「週10セットが最低条件で、それ未満は意味がない」という読み方も強すぎる。健康な成人のレビュー総括は、高い量が筋肥大を高める条件を示しているのであって、少ない量を無効と判定したものではない。高齢者の解析には低い量の利益があり、経験のある男性の試験でも少ないセットの群に筋力の向上があった。より大きな成果を目指す条件と、利益が始まる条件を混同しない。[7][8][15]
「筋肉に効いた量なら、脂肪にも同じように効く」は、測った結果を取り違えている。未経験の男性の試験では、セット数の多さが上腕の筋肥大などに有利でも、体脂肪率の変化には群間差がなかった。体脂肪を目的にするなら、局所の筋肉の増加率ではなく、体脂肪の測定結果を読むべきだ。ダイエットの期待を、論文が測っていない成果に載せない。[18]

今日からできること
- 筋トレを始めるなら、指導者と種目を決め、週3回・種目当たり1セットという少ない量から予定を組む案を相談する。未経験男性の6か月の試験では、この群でも筋力が向上した。ただし、体脂肪率の変化にセット数による群間差はなかった。[18]
- 通える日が限られるなら、現在の週の総セット数を保ち、実施できる日に配分して筋トレを続ける。筋肥大を目的とする場合、量が同じなら頻度は好みに応じて選べるという比較結果を使う。[14]
- すでに筋トレをしていて筋肥大を優先したい人は、筋肉ごとの週のセット数を確認し、週10セット以上という研究上の目安と現在の量を比べて配分を見直す。高齢者では低い量にも利益が報告されており、始めたばかりなら少ない量で実施を続ける選択肢もある。[7][8]
- 次の運動から、種目名、実施したセット数、各セットで繰り返した動作の回数を残す。増量する前に普段の内容と比較し、量と頻度のどちらを変えたか分かる記録にする。[2][13]
- 体組成の記録では、体脂肪率と除脂肪量を別々の欄に残す。未経験男性の6か月の試験では、種目当たり1セットの群を含む運動群で両方が改善し、変化に群間差はなかった。この結果も、量を増やすか判断する材料になる。[18]
オンザショア立川店で、筋トレを続ける週の枠をつくる
筋トレの回数と量を分けて計画するなら、週の予定に運動の枠を置き、続ける場所を決めることから考えたい。オンザショア立川店にはパーソナルトレーニングがあり、生活の中で通える曜日と時間を探す際の候補になる。
店舗へはJR立川駅北口から徒歩1分。溶岩ホットヨガスタジオの住所は東京都立川市曙町2-14-10、エトロワビル3Fとなる。毎日の営業時間は8:00〜23:30で、年中無休。仕事や家の用事と合わせて運動の枠を考える際には、店舗の案内も参照できる。
医師に運動を止められている場合は利用対象外となる。溶岩ホットヨガは妊娠中の参加を受け付けず、常温のマタニティヨガが参加の選択肢となる。
ヨガの体験は60分、料金は税込1,980円だ。バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験予約と料金ページで内容を見て、予定に入れる時間を考えられる。
ヨガには25種類以上のレッスンがあり、溶岩プレートを敷いた室内でのホットヨガに加え、常温のヨガも選べる。ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITという選択肢もある。

参考文献
- Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis — B. Schoenfeld et al., 2017, Journal of Sports Sciences. DOI: 10.1080/02640414.2016.1210197
- The Resistance Training Dose Response: Meta-Regressions Exploring the Effects of Weekly Volume and Frequency on Muscle Hypertrophy and Strength Gains. — Joshua C. Pelland et al., 2025, Sports medicine. DOI: 10.1007/s40279-025-02344-w
- A Systematic Review of The Effects of Different Resistance Training Volumes on Muscle Hypertrophy — Eneko Baz-Valle et al., 2022, Journal of Human Kinetics. DOI: 10.2478/hukin-2022-0017
- A Systematic Review with Meta-Analysis of the Effect of Resistance Training on Whole-Body Muscle Growth in Healthy Adult Males — P. Benito et al., 2020, International Journal of Environmental Research and Public Health. DOI: 10.3390/ijerph17041285
- American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews — Brad S. Currier et al., 2026, Medicine and Science in Sports and Exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000003897
- Effects of Resistance Training Volume on Physical Function, Lean Body Mass and Lower-Body Muscle Hypertrophy and Strength in Older Adults: A Systematic Review and Network Meta-analysis of 151 Randomised Trials — Régis Radaelli et al., 2024, Sports Medicine. DOI: 10.1007/s40279-024-02123-z
- The Importance of Previous Resistance Training Volume on Muscle Growth in Trained Individuals — William B. Hammert et al., 2023, Strength and Conditioning Journal. DOI: 10.1519/ssc.0000000000000798
- How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis of studies examining the effects of resistance training frequency — B. Schoenfeld et al., 2019, Journal of Sports Sciences. DOI: 10.1080/02640414.2018.1555906
- Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men — B. Schoenfeld et al., 2018, Medicine and Science in Sports and Exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000001764
- Dose-Response of 1, 3, and 5 Sets of Resistance Exercise on Strength, Local Muscular Endurance, and Hypertrophy — R. Radaelli et al., 2015, Journal of Strength and Conditioning Research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000000758
- Higher volume resistance training enhances whole-body muscle hypertrophy in postmenopausal and older females: A secondary analysis of systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials. — P. Nunes et al., 2024, Archives of gerontology and geriatrics. DOI: 10.1016/j.archger.2024.105474
冒頭の写真: トレーニング用のラックにバーベルを戻す人と、筋力トレーニングの器具(写真: U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Siwan Lewis / Public domain / Wikimedia Commons)
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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