水泳で痩せにくいのは本当か 体組成の変化と運動時間を研究から読み分ける

水泳用のレーンに区切られたプール複数のコースが並ぶメインプールの様子 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

時間を増やせば必ず変わる、とは言えない

ここで、結果が出なかった試験を重ねて読む。若い女性を対象にした12週間の水泳では、週3回、各60分のトレーニングを行った。それでも脂肪量、除脂肪量、筋肉量、体内の水分に関する測定値に変化は記録されず、著者らは体組成への有意な影響がなかったと結論した。[2] 単純に時間の目安を上回れば成功する、という説明には合わない結果である。

この試験ではヒップ周囲は減り、ウエストとヒップの比は増えていた。[2] 比率は、分母になるヒップ側の変化も受ける。したがって、比が増えたという記載をそのまま腹部脂肪の増加と言い換えることはできない。測ったものが何だったかを確認しないと、同じ試験が見出し次第で成功にも失敗にも見えてしまう。

体組成は生体電気インピーダンス法で測定されていた。[2] 体に電気を通したときの抵抗などを使う測定法である。測定項目には体の水分や筋肉量が含まれる一方、この論文の要約には食欲や食事量の結果が示されていない。[2] 「きっと食べすぎたから脂肪が減らなかった」という説明は、この試験の結論ではない。変化がなかった事実と、その原因を確定できることは別だ。

時間を検討するなら、自分が続けた内容を先に整理したい。欠席が多かったのか、泳ぐより休む時間が長かったのか、予定した内容を実施できたのか。実施内容を確かめると、予定と生活のずれを具体的に見直せる。研究の目安は計画を見直す材料として使い、予定どおりでも変わらなかった自分を責める物差しにしない。

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強く泳ぐ前に、何の成果を求めるか決める

肥満の高齢女性55人、平均年齢69.5歳の比較研究では、中強度の連続運動と高強度の間欠的運動を水中で行った。食事への介入はなく、週3回、各60分、3か月続け、運動のエネルギー消費を週1500 kcalでそろえていた。[19] この値は研究で設定された条件であり、普段の水泳の消費量を計算する換算表にはならない。

中強度群では開始前から終了後に体重と脂肪量がともに0.7 kg減り、高強度群では脂肪量だけが0.7 kg減った。中強度群では安静時エネルギー消費も1日81 kcal減った。[19] 安静時エネルギー消費は、安静にしている状態で使うエネルギーである。運動した後は必ず安静時の消費が増える、という筋書きにこの結果は当てはまらない。

ただし、これらは各群の前後比較で有意だった項目だ。[19] 片方だけが有意だったから、その項目について群同士の差も必ず有意だったとまでは読めない。報告された体重変化を、運動しなかった場合との差と同じものとして扱うのも誤りになる。著者らの全体評価は、体組成への影響は控えめで、中強度の方が好ましい結果だったというものだ。[19]

生活の質に関する変化も調べられている。中強度群では痛み、社会面、活力の項目、高強度群では活力と健康状態の項目が改善した。[19] 体重だけを見ていると、測定されたこうした成果が表から消える。生活の質のどの項目が変わったかまで見ると、両群で共通する活力の改善と、それぞれに見られた変化を分けて把握できる。[19]

別の小規模研究では、運動習慣がなく過体重・肥満の高齢女性44人、平均年齢71.1歳を水中運動群と対照群に分けた。論文は前後測定を行う準実験として記載しつつ、群への割り当ては無作為と説明している。週2回、各55分の運動を1か月行い、運動群の前後で体重は0.7 kg、脂肪量は0.6 kg減っていた。[18] この値も群間の減量差ではない。

こちらは週120分超という分析の区分に届かない時間でも変化が見られた事例になる。[18][1] 対象も運動内容も研究の型も異なるので、時間別のメタ分析を打ち消す決定打ではない。集団の傾向に合わない試験もある、と受け止める方が自然だ。時間の数字を覚えるより、数字が何を比較したものかを覚える方が、次に別の結果を見たときにも役に立つ。

減量以外に目を向けると、水泳のレビューでは健康な成人の最大酸素摂取量が対照群より平均5.87 mL/kg/min改善し、95%信頼区間は2.93〜8.81だった。[5] 最大酸素摂取量は運動中に取り込める酸素量の上限を示し、心肺の体力を評価する指標である。これを脂肪の減少量へ変換することはできないが、体重計が見ていない成果が存在することは示している。

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よくある誤解

「水泳は痩せない」は、好ましい平均差を示したレビューと一致しない。[5] 一方、「泳げば必ず脂肪が落ちる」も、有意な体組成変化がなかった若い女性の試験や、体重と腹囲以外で有意な効果がなかった水中エアロビクスの分析に合わない。[2][3] 相反する標語からどちらかを選ぶより、対象と運動内容を並べて判断したい。

「きつい運動ほど減量も大きい」も、常に成り立つ関係ではない。過体重・肥満の成人を扱った12件の系統的レビュー、計149研究の概観では、エネルギー消費が等しい条件で有酸素運動と高強度インターバル運動の体重・脂肪・内臓脂肪の減少に差はなかった。[4] 水中の比較研究でも、中強度群でより多くの指標に好ましい変化が見られている。[19] 苦しさだけで運動の価値を採点する根拠にはならない。

この概観で運動による体重減少の平均差は、該当するレビュー間で−1.5〜−3.5 kg、脂肪量の平均差は−1.3〜−2.6 kgだった。[4] 水泳だけの数字ではないが、運動全般の期待を考える背景にはなる。体重が劇的に動く広告のような見通しを前提にすると、研究では好ましいとされる規模の変化まで小さく見えてしまう。

「泳いだ後は空腹になるので痩せない」という説明は、身近で分かりやすい。しかし、ここで取り上げた論文の要約には、泳いだ後の空腹感、食事量、食欲に関係するホルモンを直接測った結果がない。食事介入がない研究でも体重や脂肪量の減少は報告されている。[18][19] 食事を管理しないことと、食事量が変わらなかったことを確認することは同じではないため、空腹の仮説を肯定も否定もできない。

プール帰りにパンを買う場面が続くなら、それは自分の暮らしとして記録してよい。買った事実と空腹だった感覚を残し、「水泳のせいで食欲が増えた」という因果の結論はいったん保留にする。仕事が遅くなった日、夕食を先延ばしにした日など、泳ぐ以外の条件も書き添えたい。記録は自分の行動を確かめるための手段であって、この研究群が効果を検証した食欲対策ではない。

体重を減らした後の維持についても、減量の結果をそのまま延長しない方がよい。運動研究の概観では、維持を扱ったレビューで有意な効果は見られず、維持に適した運動方法にはさらに研究が必要とされた。[4] 泳いで一度体重が減ったとしても、その運動だけで将来の体重まで保証されたことにはならない。

今日からできること

  • 水中エアロビクスなどを続けられる人は、週の運動枠を決め、実際に動く時間を合計で120分超にする計画を検討する。健康な成人の水中運動の分析で、体組成の改善と関連した時間区分である。[1]
  • 水中運動のクラスを選ぶときは、中強度の内容を候補に入れる。中強度または中〜高強度が好ましかった分析と、中強度の連続運動を週3回・各60分行った比較研究がある。[1][19]
  • 体組成を確かめたい人は、次の運動予定を立てる前に、体重・腹囲・体脂肪のうち確認したい指標を選び、記録欄を作る。水中エアロビクスの分析では、体重と腹囲に有意な差が出た。[3]
  • 泳ぎ続けても変化が乏しい人は、予定した内容と実施した内容を照合する。週3回・各60分を12週間続けても体組成に有意な変化がなかった若い女性の試験を踏まえ、時間だけで成果を判断しない。[2]
  • 泳いだ後の空腹が気になる人は、泳いだ日に空腹を感じた時刻、その強さ、食事や補食の内容を記録する。帰宅から食事までの流れを振り返れる形で残す。
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

オンザショア立川店で、泳がない日の運動枠を組む

運動時間を実際に動いた内容とともに捉えるなら、泳がない日にも続けられる陸上の運動枠を予定に置く方法がある。その場所の候補となるオンザショア立川店には常温のヨガがあり、ヨガ全体では25種類以上のレッスンから選べる。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、ピラティス、パーソナルトレーニング、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもある。

利用の条件も予定を組む前に押さえたい。医師に運動を止められている場合、スタジオは利用できない。妊娠中は溶岩ホットヨガの対象外となるが、常温のマタニティヨガが用意されている。

ヨガの体験料金は税込1,980円で、レッスン時間は60分。ヨガマットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルを含む。料金と体験予約のページで、参加に必要な情報を確かめられる。

東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fにあり、JR立川駅北口から徒歩1分。営業は年中無休、全曜日共通で8:00〜23:30という時間帯だ。泳ぐ日と陸上で動く日を予定表に書き分け、通える時間帯を店のサイトで照らし合わせたい。

参考文献

  1. The effects of water-based exercise on body composition: A systematic review and meta-analysis. — Hai-Feng Zhu et al., 2023, Complementary therapies in clinical practice. DOI: 10.1016/j.ctcp.2023.101766
  2. Effect of 12-Week Swimming Training on Body Composition in Young Women — Małgorzata Charmas et al., 2019, International Journal of Environmental Research and Public Health. DOI: 10.3390/ijerph16030346
  3. Effects of water aerobics on body composition in obesity and overweight people: a systematic review and meta-analysis — Ziyan Ding et al., 2025, BMJ Open. DOI: 10.1136/bmjopen-2024-091743
  4. Effect of exercise training on weight loss, body composition changes, and weight maintenance in adults with overweight or obesity: An overview of 12 systematic reviews and 149 studies — Alice Bellicha et al., 2021, Obesity Reviews. DOI: 10.1111/obr.13256
  5. Chronic Physiological Effects of Swim Training Interventions in Non-Elite Swimmers: A Systematic Review and Meta-Analysis — I. Lahart et al., 2018, Sports Medicine. DOI: 10.1007/s40279-017-0805-0
  6. Efficacy of the WATERinMOTION Aquatics Exercise Programme on the Body Weight and Composition of Sedentary Older Women with Overweight/Obesity — M. Rezaeipour et al., 2021, Montenegrin Journal of Sports Science and Medicine. DOI: 10.26773/mjssm.210903
  7. Investigation of Pool Workouts on Weight, Body Composition, Resting Energy Expenditure, and Quality of Life among Sedentary Obese Older Women — M. Rezaeipour, 2020, Montenegrin Journal of Sports Science and Medicine. DOI: 10.26773/mjssm.200309

冒頭の写真: 水泳用のレーンに区切られたプール。複数のコースが並ぶメインプールの様子。(写真: Kerry Raymond / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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