
体重が落ちても脂肪だけが減ったとは限らない
Aminiらの2021年の系統的レビューとメタ分析は、成人の18試験を集め、体重だけでなく脂肪量、除脂肪量、腹囲などを調べた。体重は比較相手より平均2.87 kg減り、95%信頼区間は−3.84〜−1.89 kgだった。脂肪量の平均差は−1.40 kgで、95%信頼区間は−2.50〜−0.30 kgである。[11] 体重と脂肪量を別に測る意味が、この違いに表れている。
同時に、除脂肪量の平均差は−0.81 kg、95%信頼区間は−1.32〜−0.30 kg、別に報告された除脂肪体重の指標も平均−0.63 kgだった。[11] 除脂肪量は、体から脂肪を除いた部分の量を指す。筋肉量そのものと同じ言葉として扱わない方がよい。この論文が示したのは脂肪量の減少だけではなく、脂肪以外の指標にも減少があったという結果だ。
なお、これらの平均差を足し算して、体重変化の内訳をぴったり復元することはできない。メタ分析は複数の試験の結果を指標ごとにまとめており、数字をそのまま個人の体の収支表にはできない。[11] 研究の平均値は、今朝の自分の体重から脂肪の減少量を逆算する計算式ではないのである。
新しい分析も単純な答えにはしていない。Leungらの2025年のメタ分析には、過体重・肥満の2,821人を含む33の無作為化試験が入った。炭水化物が1日100 g以下という全体の解析では、体重と体脂肪率などは有意に減ったが、脂肪量には有意な減少が確認されなかった。[2] 体脂肪率は体重に占める脂肪の割合であり、脂肪そのものの量とは違う指標である。
一方、炭水化物が1日50 g以下の部分群では、解析したすべての項目で改善が認められた。研究者は介入や参加者の違いによるばらつきが大きいことも述べている。[2] ここから「脂肪は減らない」とするのも、「制限を強くすれば必ず脂肪が減る」とするのも不適切だ。全体の結果と部分群の結果は、対象と条件を分けて読むのが妥当だ。
筋力や運動能力については、Wangらの2025年の系統的レビューとメタ分析が手掛かりになる。成人の33研究を対象に、無作為化試験と非無作為化の比較研究を含めた分析では、筋肉量、スクワットやベンチプレスの筋力に、有意な群間差は確認されなかった。ただし、除脂肪量と脂肪量には有意な減少があった。[17]
この結果とAminiらの結果は、見ている指標も集めた研究も完全に同じではない。[11][17] 「除脂肪量が減った」を「筋力が必ず落ちる」へ置き換えず、「筋力に差がなかった」を「脂肪以外は何も減らない」へ置き換えない。この区別が、筋肉を気にする人にとって大切になる。
Wangらは運動試験中の脂肪酸化、つまり脂肪を燃料として使う指標の増加も報告した。しかし最大酸素摂取量、疲労に至るまでのトレッドミル運動時間、主観的なきつさには有意な影響がなかった。[17] 脂肪を使う指標が変わることと、長く動けること、体脂肪がどれだけ減るかは別の評価である。燃料の使い方だけで、運動の成果を先取りはできない。
生活では、体重の記録に加え、普段の動作や運動で気になった変化を相談時に伝えられるようにしておくとよい。これは筋力試験の代わりではなく、数字だけで判断しないための準備である。研究で筋肉量と筋力が別々に評価されているように、自分の関心も「何kg減ったか」だけに閉じ込めない。[17]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「減量の数字が大きい食事ほど、健康面でも優れている」という思い込みがある。Patikornらの2023年のアンブレラレビューは、複数のメタ分析をさらに見渡す研究で、17のメタ分析、68の無作為化試験を検討した。体重減少には中等度の質の証拠がある一方、LDLコレステロールの上昇には高い質の証拠があった。[3] 成果と注意点は、同じ食事で同時に起こり得る。
ただし同じアンブレラレビューでも、過体重・肥満の成人への超低カロリーのケトジェニック食では、筋肉量、LDLコレステロール、総コレステロールの悪化を伴わずに体格や心血管代謝の指標が改善したと報告された。[3] Castellanaらの超低カロリー食のレビューでも、LDLとHDLコレステロールには変化が認められなかった。[13] LDLが上昇した研究と、悪化しなかった研究が併存している。対象者と食事のエネルギー設定を区別することが、この食い違いを読む出発点になる。
LDLコレステロールは血中脂質の検査項目である。Buenoらの長期比較でも、中性脂肪は減り、HDLコレステロールは増えた一方、LDLコレステロールも平均0.12 mmol/L増えた。[1] 検査項目をひとまとめに「脂質が改善した」と表現すると、逆向きの変化を見落とす。体重が落ちた記録と、検査の結果はそれぞれ確認する必要がある。
「体重が標準範囲なら、厳しい糖質制限の注意点は小さい」という考えも確かではない。Jooらの2023年のメタ分析は、体格指数が25 kg/m2未満の成人の無作為化試験3件をまとめた。ケトジェニック食では比較食よりLDLコレステロールが平均1.08 mmol/L増え、95%信頼区間は0.37〜1.79 mmol/Lだった。総コレステロールも増え、中性脂肪に有意な差はなかった。HDLコレステロールも平均0.35 mmol/L増え、95%信頼区間は0.27〜0.42 mmol/Lだった。[12] 著者らはHDLの上昇にも触れたうえで、標準体重の人がこの食事を選ぶ際には高コレステロール血症のリスクを考慮するよう結論付けている。[12]
これは標準体重の成人を対象にした結果である。[12] 減量を必要とする肥満の人に検討された介入を、体重を少し整えたい人の食事にそのまま移すと、利益と注意点の釣り合いも変わる。自分が研究の対象と似ているかを確認するだけでも、見出しの勢いから距離を取れる。
「専門職の監督下で安全とされたから、自己流でも同じ」という読み方にも無理がある。超低カロリーの食事をまとめたMuscogiuriらは、一般的な副作用が通常軽度であると述べると同時に、禁忌の検討と個別化、専門職の監督を条件に置いた。[6] 安全性の条件は、介入そのものの一部である。持病のある人、妊娠中の人、高齢者は、ケトジェニック食を始める前に医師に相談する。
反対に、「注意点があるから、減量効果の報告も信用できない」という結論も避けたい。体重減少の報告と血中脂質の上昇の報告を、両方残して評価するのが妥当だ。[1][3] どちらかを消して気持ちよく選ぶより、自分の目的に必要な成果と、確認し続ける項目を並べる方が食事選びは具体的になる。
アンブレラレビューに含まれた試験の追跡期間の中央値は13週間だった。研究者は、短期の変化が心血管イベントや死亡といった長期の結果につながるかを調べる必要があると述べている。[3] 検査値が変わったことと、将来の病気が減ることまで確認したことは同じではない。「健康に良い」を大きな一語で済ませず、どの結果まで測ったかを確かめたい。

今日からできること
- 医師や専門職と食事計画を決めている人は、主食を減らした分に何を食べるかまで献立に書き込む。研究の炭水化物1日50 g以下という条件だけを取り出さず、総エネルギーとたんぱく質も含めて、決めた計画を食卓に反映する。[1][4]
- 次の食事では、計画にあるたんぱく質の料理を主食と一緒に抜かずに用意する。超低カロリー食の研究は理想体重1 kg当たり1〜1.5 gのたんぱく質を設定しているが、この値を自己流の目標にせず、専門職が個別に決めた量に沿って支度する。[6]
- 減量の記録には、始めた日と食事を変えた内容を併記する。12か月以上の比較で低脂肪食との差は平均0.91 kgだった。短期の体重変化と長く続けた経過を混ぜず、相談時に食事の変更と体重の推移を一緒に伝える。[1]
- 普段行っている運動では、動作やきつさの変化も記録する。体重だけで筋力を判断せず、食事の相談時には運動中の様子も伝える。成人の比較研究では、除脂肪量の減少と筋力の有意差なしが併存していた。[17]
- 食事を大きく変える前に、血中脂質を追う方法を医師に相談する。標準体重の成人ではLDLが平均1.08 mmol/L、HDLが平均0.35 mmol/L増えた結果もあるため、体重の目標と検査の見通しを併せて相談する。[12]
立川駅北口、ケトジェニック食の体重と筋力を分けて見るオンザショア
除脂肪量と筋力を分けて見る研究の視点を日常へ持ち込み、普段の動作に目を向けながら運動を続ける場所として、オンザショア立川店を紹介する。[17]
JR立川駅北口から徒歩1分の店舗は、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fに位置する。ヨガの体験は税込1,980円で60分。ヨガマット、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルを含む内容だ。体験を予約する前に、料金ページも参照できる。
利用条件として、医師の指示で運動を中止している人は参加できない。妊娠中は溶岩ホットヨガの対象外となり、常温のマタニティヨガが選択肢となる。
レッスンにはパーソナルトレーニングやピラティスのほか、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITがある。ヨガは25種類以上を用意し、常温のクラスと、溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガを扱う。年中無休で、どの曜日も8:00〜23:30に営業する。店のトップページで店舗情報をたどり、通える時間と種目を選び、これからの生活の予定に組み込む。

参考文献
- Very-low-carbohydrate ketogenic diet v. low-fat diet for long-term weight loss: a meta-analysis of randomised controlled trials. — N. Bueno et al., 2013, The British journal of nutrition. DOI: 10.1017/s0007114513000548
- Effects of ketogenic and low-carbohydrate diets on the body composition of adults with overweight or obesity: A systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. — L. Y. Leung et al., 2025, Clinical nutrition. DOI: 10.1016/j.clnu.2025.01.017
- Effects of ketogenic diet on health outcomes: an umbrella review of meta-analyses of randomized clinical trials — C. Patikorn et al., 2023, BMC Medicine. DOI: 10.1186/s12916-023-02874-y
- Do Ketogenic Diets Produce Greater Weight Loss than Higher-Carbohydrate Diets Under Comparable Prescribed Energy Conditions? A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials — T. Zurawski et al., 2026, Nutrients. DOI: 10.3390/nu18152525
- European Guidelines for Obesity Management in Adults with a Very Low-Calorie Ketogenic Diet: A Systematic Review and Meta-Analysis — G. Muscogiuri et al., 2021, Obesity Facts. DOI: 10.1159/000515381
- The effect of ketogenic diet on body composition and anthropometric measures: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials — M. Amini et al., 2021, Critical Reviews in Food Science and Nutrition. DOI: 10.1080/10408398.2020.1867957
- Effects of very low-carbohydrate ketogenic diets on lipid profiles in normal-weight (body mass index < 25 kg/m2) adults: a meta-analysis. — Minjin Joo et al., 2023, Nutrition reviews. DOI: 10.1093/nutrit/nuad017
- Efficacy and safety of very low calorie ketogenic diet (VLCKD) in patients with overweight and obesity: A systematic review and meta-analysis — M. Castellana et al., 2019, Reviews in Endocrine and Metabolic Disorders. DOI: 10.1007/s11154-019-09514-y
- Effects of ketogenic diet on muscle mass, strength, aerobic metabolic capacity, and endurance in adults: a systematic review and meta-analysis — Yaqi Wang et al., 2025, Journal of Health, Population, and Nutrition. DOI: 10.1186/s41043-025-01090-z
冒頭の写真: 調理前の生のサーモンの切り身を写した写真。切り身の形と身の色が見える。(写真: FULVIO_TOGNON / CC0 / Wikimedia Commons)
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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