更年期の体重増加とダイエット 昔と同じ食事でもお腹が変わる理由を論文で読む

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運動は、脂肪を減らす役割と筋肉を保つ役割で考える

閉経後の女性では、運動について比較的厚い根拠がある。無作為化比較試験101研究、計5,697人をまとめたメタ分析は、運動をしない対照条件などと比べて、筋肉量や脂肪を除いた体の量の増加、脂肪量、体脂肪率、ウエスト、内臓脂肪の減少を報告している。メタ分析は複数の研究結果を統計的に統合する方法だ。[2]

さらに運動の種類を分けた分析では、有酸素運動と複合運動で脂肪量の指標への効果が大きく、筋力トレーニングと複合運動で筋肉量の指標への効果が大きかった。有酸素運動は歩行など、継続して体を動かす運動、筋力トレーニングは抵抗に対して力を出す運動として考えると、役割の違いがつかみやすい。[2]

複合運動は、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせる方法である。分析では脂肪量の側にも筋肉量の側にも改善が見られ、論文は体組成を改善する選択肢として位置づけている。歩行を続けることと抵抗に対して力を出すことを、同じ目的の奪い合いにせず、それぞれが担う役割から組み合わせる考え方だ。[2]

筋力トレーニングを詳しく見ると、ほてりなどの血管運動症状があり、身体活動の少ない閉経後の女性65人を対象とした試験がある。15週間、週3日の監督つき筋力トレーニングを行う群と、それまでの身体活動を変えない群に無作為に分けた。お腹の脂肪は磁気共鳴画像で測定した。[14]

予定された週3回のうち少なくとも2回に参加した女性を対象とする解析では、皮下脂肪、内臓脂肪、腹部の脂肪全体、脂肪の比率の変化が対照群と有意に異なり、減少が示された。筋力トレーニングにも、お腹の脂肪の分布に対応する可能性がある。評価したのは画像から得た腹部の脂肪量と比率である。[14]

この試験で特に気をつけたいのは、介入を十分に実施した人を中心に解析している点だ。割り当てられた人全員の結果とは異なるため、参加できた人の特徴や継続のしやすさが結果に影響する余地がある。週2回という数字は、週3回の予定に対する参加条件だった。[14]

長期の運動を考える材料として、閉経後の女性4,451人、50〜79歳のデータを使った研究もある。観察データから、全員が一定の身体活動を続けた場合の試験を模して推定する方法を用い、3年間の体組成の変化を検討した。観察データを使って、活動時間を変える介入の結果を推定した研究である。[16]

週150分以上の中程度の身体活動を全員が続けたと仮定した推定では、介入をしない想定より、体重は2.6kg低く、95%信頼区間は1.5〜3.6kg低い範囲だった。内臓脂肪の面積は16.8cm²低く、その区間は10.4〜23.1cm²低い範囲だった。信頼区間は推定値の不確かさを示し、個人に約束された減量範囲ではない。[16]

体脂肪率は1.3%低く、脂肪を除く軟部組織の割合は1.2%高いという推定も報告されている。体重だけでなく中身を評価している点が、この研究の使いどころだ。ただし、観察データに基づくモデルの仮定が必要で、把握できていない生活条件などの影響が残り得る。推定値を読む際には、実際に割り当てた運動試験の結果と区別する。[16]

この横断研究では、閉経前の女性と移行期の女性の体脂肪率の平均差は、閉経前のほうが10.29%低く、標準誤差は2.73%だった。標準誤差は平均差の推定の精度を表す数字である。腹部側と腰・臀部側の脂肪分布の比率も、閉経前のほうが0.16低く、標準誤差は0.05だった。全体の体脂肪率と脂肪が集まる場所の両方に、段階による差が見られた。[18]

中程度の自転車運動中の脂肪酸化は、閉経前のほうが閉経後より1分当たり0.09g多く、標準誤差は0.03gだった。これは運動中に測定した代謝の差であり、そのまま毎日の脂肪の減少量には置き換えられない。同じ研究で、食事と身体活動の生活要因に群間差がなかったことも併せると、体の変化を食べすぎや運動不足だけで説明することの難しさが見えてくる。[18]

日常に持ち帰るなら、脂肪を減らす運動と筋肉を使う運動の役割を整理し、継続して体を動かす時間と、抵抗に対して力を出す機会を考える。具体的な運動の比較は、この特集の有酸素運動と筋トレの比較に譲る。ここでは閉経後にも体組成を改善する余地があること、移行期の人には対象の違いを残して参考にすることが中心になる。[2][9]

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食事は「減らす量」だけでなく、研究の限界まで読む

食事を変えるとき、更年期専用の食べ方を探したくなる。しかし閉経への移行期と閉経後の女性の栄養介入を扱ったレビューでは、条件を満たした研究は7本だった。内訳は無作為化比較試験4本、横断研究2本、準実験研究1本である。準実験研究は、無作為に割り当てる比較試験とは異なる条件で介入を評価する研究だ。[3]

このレビューが比較したのは、摂取エネルギーを抑えた食事と、地中海式と呼ばれる食事パターンだった。介入を行った研究では、いずれも体重と内臓脂肪が減る可能性を示した。一方、横断研究では、地中海式の食事への適合度が高い人ほど、体格の指標や内臓脂肪が低いという関連があった。[3]

ここにも、実験と観察の境界がある。ある食事パターンに近い人の体脂肪が少ないことは、その食事を始めれば同じだけ減るという意味ではない。食事以外の暮らし方や、もともとの健康状態が異なる可能性もある。レビューは、介入研究の変化と、横断研究で見られた関連を分けて整理している。[3]

食事と運動の研究を切り分けた方法にも特徴がある。このレビューは、食事と運動を組み合わせていて食事単独の群がない研究や、単一の微量栄養素だけを扱う研究を除外した。体重か体組成を評価していることも採用条件だった。そのため、ここでの結果は食事への介入についての整理であり、運動を組み合わせたときの効果は別の研究と合わせて考える必要がある。[3][9]

気になる注意点もある。採用研究のうち1本では、厳しいエネルギー制限が骨密度の低下と関連する可能性が示された。骨密度は骨の状態を評価する指標だ。レビューは、閉経段階の分類が研究間で違うこと、栄養介入の研究そのものが少ないことも指摘している。[3]

食事を変える計画では、摂取エネルギーだけでなく体を動かす機会も一緒に考え、骨の状態や個別の健康上の問題を含む判断は医師に相談したい。

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よくある誤解

「更年期だから、増えた体重はすべてホルモンのせい」という理解は広すぎる。中年期のレビューは、加齢、活動量、エネルギー消費、閉経に伴う脂肪分布を分けている。体重が増えることと、お腹へ脂肪が集まりやすくなることは、関連しながらも同じ現象ではない。ホルモンだけを原因にすると、生活の中で調整できる部分が見えにくくなる。[7][13]

「閉経後は代謝が一律に落ちるから、食事を一律に減らすしかない」とも言い切れない。追跡研究では睡眠中の消費の低下が大きかった一方、別の横断研究では安静時の消費に群間差がなかった。測定条件も研究の型も異なる。代謝の違いを、全員に同じ食事制限を課す根拠にしてはいけない。[12][18]

「体重が動かないなら運動は無意味」という判定も狭い。閉経後の運動研究は、脂肪量、ウエスト、内臓脂肪、筋肉量などを別々に評価し、改善を報告している。脂肪が減ったか、筋肉が増えたかは、それぞれの測定値で確かめる。体重の結果も併記すると、何が動いたかが明確になる。[2]

今日からできること

研究の回数や時間は、対象と実施条件を含めて参考にする。全員に共通する運動の処方ではない。体調や運動経験に合わせ、個別の健康状態については医師に相談する。

  • 移行期前後で筋トレを始めるなら、週2回、12週間取り組む試験を参考に、抵抗に対して力を出す運動を続ける。まず扱える負荷と動作を確認し、筋力の変化と脂肪の変化を分けて見ていく。試験では脂肪以外の量と筋力が改善した。[20]
  • 閉経後で歩行などを増やすなら、中程度の身体活動を週合計150分以上行う条件を、無理なく取り組めるか検討する。1日の都合に合わせて動く時間を分け、継続して体を動かす。これは3年間の観察データに基づく推定の条件である。[16]
  • 歩くことを続けているなら、筋力トレーニングも組み合わせる。脂肪への働きかけだけでなく、筋肉を使う機会を持つ。閉経後女性のメタ分析では、有酸素運動と筋トレを合わせる方法が体組成改善の選択肢になっている。[2]
  • 食事を変えるなら、今の食事で量を減らせるものを選び、摂取エネルギーを抑える食べ方に取り組む。移行期・閉経後の女性を扱ったレビューでは、この食事への介入で体重と内臓脂肪が減る可能性が示された。厳しい制限は骨密度低下との関連も報告されており、減らす量を一律に決めない。[3]
  • 体の変化が気になるときは、週1回、同じ服のお腹周りのフィット感と普段の動きやすさを、体重とは別に書き留める。メモは相談時に変化を伝える材料として使う。
  • 食事を大きく減らす前に、今の食べ方と変えたい内容を医師に相談する。骨の状態も含めて検討し、体重の減少だけを成績にしない。
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動く時間を生活に組み込む、オンザショア立川店

運動の時間と筋肉を使う機会を生活に組み込むには、通える時間帯も選ぶ軸になる。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。仕事や日々の用事の前後に、移動を含めてどの時間を使えるか考えたい。

常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングのほか、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。店舗情報で内容を確認し、自分が続けたい動きから候補を選べる。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。実際のレッスンを試す際は、料金と体験の予約を確認できる。

参考文献

  1. The effects of exercise training on body composition in postmenopausal women: a systematic review and meta-analysis — M. Khalafi et al., 2023, Frontiers in Endocrinology. DOI: 10.3389/fendo.2023.1183765

  2. Nutrition Interventions for Weight Gain and Body Composition Changes in Menopausal Women: A Review — Kelley McClain et al., 2022, Current Developments in Nutrition. DOI: 10.1093/cdn/nzac070.033

  3. Weight Gain in Midlife Women — M. Hurtado et al., 2024, Current obesity reports. DOI: 10.1007/s13679-024-00555-2

  4. Lifestyle Interventions Targeting Body Weight Changes during the Menopause Transition: A Systematic Review — J. Jull et al., 2014, Journal of Obesity. DOI: 10.1155/2014/824310

  5. Increased visceral fat and decreased energy expenditure during the menopausal transition — J. Lovejoy et al., 2008, International Journal of Obesity. DOI: 10.1038/ijo.2008.25

  6. Association of Mid-Life Changes in Body Size, Body Composition and Obesity Status with the Menopausal Transition — C. Karvonen-Gutierrez et al., 2016, Healthcare. DOI: 10.3390/healthcare4030042

  7. Resistance training decreased abdominal adiposity in postmenopausal women. — S. Nilsson et al., 2023, Maturitas. DOI: 10.1016/j.maturitas.2023.107794

  8. Effects of moderate/vigorous activity on 3-year body composition changes in postmenopausal women: a target trial emulation. — Jia-Rui Li et al., 2024, American journal of epidemiology. DOI: 10.1093/aje/kwae190

  9. Metabolic effects of menopause: a cross-sectional characterization of body composition and exercise metabolism — Lacey M. Gould et al., 2022, Menopause. DOI: 10.1097/gme.0000000000001932

  10. Total and regional body adiposity increases during menopause—evidence from a follow‐up study — Hanna-Kaarina Juppi et al., 2022, Aging Cell. DOI: 10.1111/acel.13621

  11. THE EFFECT OF RESISTANCE TRAINING ON BODY COMPOSITION IN FEMALES APPROACHING OR IN THE MENOPAUSAL TRANSITION: A RANDOMISED CONTROLLED TRIAL — Anurag Pandit et al., 2026, Journal of Clinical Exercise Physiology. DOI: 10.31189/2165-7629-15-s2.174

冒頭の写真: ダンベルを使い、腕を動かしながらエアロビクスに取り組んでいる様子(写真: Amanda Mills, USCDCP / Public domain / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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