減量手術後の運動は何を変えるか 体重と筋力、動く暮らしを分けて考える

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術後の暮らしは、最初の変化の先まで見る

術後しばらくして外へ出やすくなったとして、その変化は先まで続くのか。活動計を使った成人473人の観察研究では、術後の最初の1年に座る時間が減り、中等度から高強度の身体活動が増えた。対象の79%は女性だった。[17]

座る時間の平均は1日573分から545分へ変わった。それぞれの95%信頼区間は563〜582分、534〜555分だった。[17] 大きな体重減少を思い浮かべると、生活も劇的に変わりそうに感じる。しかし、この研究での座る時間の変化は比較的小さかったと著者らは捉えている。[17]

中等度から高強度の身体活動は週77分から106分へ増えたが、術後1年から3年の間には有意な変化がなかった。[17] 最初の改善がその後もさらに積み上がるとは限らず、初期の水準が維持される経過が見られたことになる。

なお、この473人の研究と、先に紹介した310人の研究は、同じ大きな追跡研究の参加者を扱っている。[9][17] ふたつの独立した実験が同じ結論を証明した、と数を重ねる読み方は避けたい。前者からは長い時間の推移、後者からは術前後の個人差を受け取るのが適切である。

暮らしの振り返りも、運動を始めた日だけで終えず、その後どうなったかに目を向けるとよい。参加を始めた時期、仕事が忙しくなった時期、外出が減った時期。それぞれの様子を比べる発想である。研究で平均の変化が落ち着いたことは、全員が同じ予定で停滞するという予告ではなく、長く見る理由になる。[17]

また、活動時間の数字には測り方が関わる。同研究では中等度から高強度の活動をすべて数えた値と、10分以上続くまとまりに限った値を別に出している。[17] 違う数え方の数値を並べて、「これだけ足りない」と差し引くことはできない。歩数、運動時間、座る時間は、それぞれ違う窓から生活を見ている。

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術前の準備には、体力と続け方の両方がある

運動を始める話は、必ずしも退院後から始まるわけではない。術前の運動を検討した2024年の系統的レビューとメタ分析には、無作為化比較試験6件と非無作為化試験4件、計281人が含まれた。[19] 研究を統合して、心肺体力などを評価している。

6分間歩行テスト、つまり決められた時間内に歩いた距離を見る検査では、解析対象100人の統合結果で運動群に31.87mの差があった。95%信頼区間は27.84〜35.89mだった。[19] これは検査結果の群間差であり、読者が毎日の歩行にその距離を追加すべきという指示にはならない。

同レビューは体格の指標や心肺体力が改善する可能性を示す一方、生活の質の各要素に有意な変化は認めず、結果を一般化する際には慎重さを求めている。[19] 体力がよくなったから、生活の感じ方まで同じ割合で変わると広げず、測った項目ごとに結果を見る。

続け方に関しては、術前の歩行を支える無作為化試験が参考になる。最初に75人を割り付け、その後手術を受けた36人を含む解析で、介入群は術前に6週間、毎週のカウンセリングを受けた。歩数は介入後に増え、術後6か月の追跡でも対照群より多かった。[7]

ただし、中等度から高強度の活動をまとまりの時間で測った指標では、術後の追跡時点で群間差は有意でなかった。[7] 「活動が増えた」という見出しだけでは、この違いが抜け落ちる。歩数の維持という成果と、あらゆる活動指標で差が確認されたという主張は分けるべきである。

この試験からは、歩く行動を術前に支え、その増加を術後にも保てる可能性が読み取れる。[7] ただし、その後の長期的な減量を保証する試験結果としては扱わない。自分に当てはめる際も、術前に準備できることを医師と考える材料にとどめ、同じ期間や歩数を再現することを目的にしない。

続け方そのものを調べた、手術を待つ成人を対象とする2025年のスコーピングレビューもある。これは研究領域の広がりを整理する方法で、7件の研究から、楽しさ、動機づけ、自分にもできるという感覚、目標設定などが運動継続に関連する要素として挙げられた。[20]

そこで使われた支援には、個別や集団での身体活動の相談、認知行動療法、デジタル技術があった。[20] どの手段でも同じ効果が出ると決める資料ではないが、続かない理由を意志の弱さだけに置かず、支援の形や本人の感じ方に目を向ける材料にはなる。できる内容を選ぶことまで、準備のうちと考えたい。

歩行を支えた試験では、介入群の歩数は開始時の1日5,163歩から介入後7,950歩、術後の追跡時には7,870歩だった。対照群ではそれぞれ5,163歩、5,601歩、5,087歩である。[7] これは目標歩数表として見るより、支援を受けた集団で、術前に変わった行動が追跡時点にも残っていた経過として読むとよい。

同時に、最初に割り付けられた全員が手術を受けた集団の解析に含まれるわけではなかった。[7] 小さな術後集団の結果から、誰でも同じ経過になると断定するのは難しい。手術後の生活を準備する際は、数字を追いかけるだけでなく、支援を受けられる形を先に用意するという発想を持てる。歩数の結果と継続要因のレビューは、その問いを考える別々の材料になる。[7][20]

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よくある誤解

「手術で体重が落ちれば、活動量も自然に増える」という見方には幅がある。機器で測った活動量が変わらなかった女性の研究と、集団としては増えた成人の研究があり、後者でも活動量を減らした人がいた。[4][9] 他人の術後の経過を、そのまま自分の予定表に写すのは難しい。

「筋トレをすれば、筋力も脂肪も同じようによくなる」とも言い切れない。術後の系統的レビューでは、筋力低下を防ぐ方向の結果と、筋トレ単独では脂肪量の減少が確認されなかった結果が併記されている。[10] 何を目的にした運動なのかを先に確かめると、成果を見失いにくくなる。

「研究でよかった量を、そのまま始めればよい」という受け取り方も慎重にしたい。術前の介入試験には特定の支援期間があり、測定指標によって術後の群間差も異なった。[7] 研究は効果を比較するための条件で組まれている。運動の開始や内容は医師に確認し、研究中の歩数や期間を自分の処方に置き換えない。

ここまでの結果を踏まえると、術後の運動には、追加の減量との関連、筋力を守る可能性、活動を続ける支援という別々の意味がある。[1][7][10] 期待をひとつに束ねず、医療者と何を評価するかを共有することが、研究を自分の生活に使う入口になる。

今日からできること

  • 次の受診で、歩行と筋トレを始めてよい時期、1回の時間、週の回数を医師に尋ね、実施できる範囲を決める。[7][10]
  • 歩行を許可されている人は、今週の3日間、医師と決めた時間内で、買い物や外出の行き帰りに歩く機会をつくる。[9][20]
  • 自宅での運動を許可されている人は、今週2回、医療者から教わった動きを指定された回数で行う。始める時刻を前日までに決めておく。[10][20]
  • 一緒に歩ける家族や友人がいる人は、今週1回、許可された範囲の散歩に誘い、自分が楽しめる道を歩く。[20]
  • 運動を再開した人は、1週間、歩いた日と実施時間をその日のうちに記録し、次の受診で続けやすさを伝える。[20]
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術後の一歩を、通える距離から考える

術後の運動を続ける足場を考えるなら、オンザショア立川店への道のりも、医師が認めた活動の範囲で検討したい。所在地は立川市曙町のエトロワビル3F(東京都立川市曙町2-14-10)で、JR立川駅北口から徒歩1分の距離にある。毎日8:00〜23:30に営業し、年中無休なので、生活に合う通い方を考えられる。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

ヨガ体験の料金は税込1,980円。60分のレッスンで使うヨガマットと、バスタオル2枚・フェイスタオル1枚のレンタルもこの料金に入っている。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけでも25種類以上あるが、術後の参加可否は種目名で判断せず、医師に確認した条件をもとに検討する。

施設は店の案内、費用は料金、申し込みは体験予約で確認できる。術後に再開できる動きを医師と決めてから、参加したいレッスンの内容を問い合わせよう。

参考文献

  1. Does exercise improve weight loss after bariatric surgery? A systematic review. — Egberts et al., 2012, Obesity surgery. DOI: 10.1007/s11695-011-0544-5
  2. Longitudinal assessment of physical activity in women undergoing Roux-en-Y gastric bypass. — Berglind et al., 2015, Obesity surgery. DOI: 10.1007/s11695-014-1331-x
  3. Intervention-related increases in preoperative physical activity are maintained 6-months after Bariatric surgery: results from the bari-active trial. — Bond et al., 2017, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/ijo.2016.237
  4. Pre- to postoperative changes in physical activity: report from the longitudinal assessment of bariatric surgery-2 (LABS-2). — King et al., 2012, Surgery for obesity and related diseases : official journal of the American Society for Bariatric Surgery. DOI: 10.1016/j.soard.2011.07.018
  5. Resistance Training in Post-Metabolic and Bariatric Surgery Patients: a Systematic Review. — Morales-Marroquin et al., 2020, Obesity surgery. DOI: 10.1007/s11695-020-04837-1
  6. Objective assessment of changes in physical activity and sedentary behavior: Pre- through 3 years post-bariatric surgery. — King et al., 2015, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.21106
  7. Evaluation of the Effect of the Pre-Operative Exercise Training on Weight Loss, Quality of Life, and Cardiopulmonary Parameter in Bariatric Metabolic Surgery: A Systematic Review and Meta-Analysis. — Ghannadi et al., 2024, Obesity surgery. DOI: 10.1007/s11695-024-07333-y
  8. Psychological determinants of exercise adherence in individuals with severe obesity awaiting bariatric surgery: what strategies can physical therapists adopt in prehabilitation programs? A scoping review. — Nascimento et al., 2025, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/s41366-025-01830-5

冒頭の写真: 病院の理学療法・リハビリテーションで使われる、体を動かすための器具。(写真: Happi Raphael / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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