
電話やオンラインで届く支援にも、測る項目の違いがある
通所の時間が取りにくい人には、遠隔で受けられる支援が現実的な候補になる。ただ、対面の試験で可能性があったことと、遠隔でも同じ成果が出ることは分けて確かめたい。電話による予備的な無作為化試験では、ACT群53人、標準型52人が、12か月にわたり各15〜20分、計25回のコーチングを受けた。[6] これは継続的な支援を比較した研究であり、短い言葉を思い出すだけの工夫とは条件が異なる。
体重計の報告に基づく10%以上の減量達成割合は、3か月時点でACT群15%、標準群4%、6か月で24%対13%だった。しかし12か月では30%対30%になった。12か月の自己申告体重を使うと25%対15%で、こちらも推定の幅は広かった。[6] 途中の差だけを広告の見出しのように切り出すと、後半の結果を見落とす。
12か月の体重計の報告に基づく比較では、オッズ比は0.93、95%信頼区間は0.28〜3.09だった。オッズ比は達成の起こりやすさを比べる指標で、1なら差がない。ここでは信頼区間が1をまたぎ、ACTの明確な優位を示す精度ではなかった。参加時はACT群53人、標準型52人だったが、この比較の評価対象は57人だった。[6] 方法が便利かという問いと、効果が確かかという問いは両方残る。
オンラインの栄養教育とACT、毎週の電話支援を組み合わせた試験もある。過体重または肥満の成人79人を対象とする無作為化比較で、介入後には食事の質を表す指標や、自己申告による食行動、体重、心の健康など、多くの項目で待機群より改善が見られた。一方、自己申告の身体活動には介入効果がなく、その後の追跡では食事の質の改善が維持されなかった。[13]
待機群との比較は、支援を受ける全体の価値を知るために役立つ。ただ、この介入は栄養教育と電話支援も含んでいるため、改善をACTだけの効果に分けることはできない。[13] オンラインという受け取り方だけを見て選ぶより、何を教わり、行動に困ったときに誰が支えるのかを確認するほうが、研究で調べた条件に近づく。
また、体重についての否定的な見方を自分に向けてしまう「体重の自己スティグマ」に注目した試験では、別の結果が出ている。自己スティグマの強い過体重・肥満の成人55人に、ACTの自習教材と電話支援、またはメールによる働きかけを提供すると、待機群に比べて自己スティグマは大きく改善した。しかし自己申告の体格指数や感情的な食行動では、待機群を上回る改善は認められなかった。[9]
自己スティグマの試験の内訳は、教材と電話支援が17人、教材とメールの働きかけが20人、待機群が18人で、評価は開始時と8週間後に行われた。電話支援群では健康的な食行動と一般的な身体活動の改善が大きかったが、身体活動を測る別の指標では待機群を上回らなかった。同じ運動の話でも、使った尺度によって結果がそろわない点まで含めた報告である。[9]
自分への見方が和らいでも、体重の指標が同じように変わるとは限らない。この結果を「気持ちだけ」と片づける必要も、減量成功と言い換える必要もない。本人が困っていることが自己批判なら、その改善はそれ自体の評価対象になる。体重も変えたいなら、食事や運動の実際を別に確かめる。支援への満足と測定した効果を分ける読み方が、ここでも役に立つ。[9]
身体活動そのものを扱った系統的レビューでは、無作為化試験6件を統合したメタ分析で、小〜中程度の効果が示されている。[17] ただしこれは活動量への結果であり、同じ大きさの減量を意味しない。活動の増加、食べ方の変化、体重の変化を、一直線の成果として一括りにしないことが大切だ。
このつながりを詳しく調べた成人189人の試験では、受容型の群で「身体活動をしようとする時間」の増え方は標準型より大きかった。加速度計で測った中〜高強度の身体活動は両群で増えたものの、増え方の群間差は有意ではなかった。その一方で、治療途中の活動意図が増え、それに続いて活動時間が増えるという経路が、減量への効果の一部を媒介した。[5]
やる気があれば動ける、という単純な言い方では拾えない結果である。意図と実測の活動量は別に測られ、群全体の平均差と、途中の変化の経路でも答えが異なった。[5] 家で試すなら、「運動したいと思えた」だけで終えず、靴を出したのか、外に出たのか、実際に動いたのかまで具体化する。その観察は研究の読み方を借りた工夫であり、個人の減量率を予測する計算式にはならない。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「受け入れるなら、変わる努力をやめることになる」という誤解がある。運動の試験でACTが教えたのは、価値を明確にし、不快な気持ちを経験しながら行動を変えるための技能だった。[18] たとえば、気乗りしない自分を叱る作業と、着替えをする作業は別にできる。気分を否定しなくても、行動を選び直す余地はあるという整理だ。食事と運動の目標を含んだ試験で受容型が調べられた点も、この理解に合う。[10]
「自己批判が減れば、体重も必ず減る」という誤解もある。自己スティグマの試験では、自己スティグマの改善と体格指数の改善は一致しなかった。[9] 自分への言葉が穏やかになった日に、体重計まで同じ方向に動くとは限らない。逆に、体重が変わらないことを理由に、心の負担が軽くなった事実を取り消すのも適切ではない。何が変わったかを項目ごとに見るほうが、次の支援を考えやすい。
「長期追跡で差があれば、リバウンドを防げる方法と確定する」という誤解にも注意したい。長期試験では、治療完了者の減量維持割合に差があっても、全割り付け参加者では有意差に達せず、再増加量にも差がなかった。[12] 別の試験では副次的な解析で再増加が少なかったが、主要な平均減量率の比較は有意ではなかった。[10] 研究ごとの対象と指標を保ったまま読むと、ACTは有望な補助技能であり、将来の体重を保証する札としては扱えない。
隣の題材である呼吸法や食欲の渇望そのものを弱める方法とは、ここで問うことを分けている。中心は、気持ちが残るときにも、自分で選んだ食事や運動の行動を支えられるかという点だ。[18] 認知行動療法全般の比較も別の題材になる。本記事で確かめた範囲では、ACTという名前より、既存の生活支援に何を足し、どの結果を測ったのかが判断の軸になる。[2][10]

今日からできること
- 今夜、運動で大切にしたい生活の方向を1行で書く。「休日に歩いて出かけたい」など、自分の言葉にする。[18]
- 明日の外出時は、気乗りしなさに気づいたうえで、歩ける道を自分のペースで5分歩く。[18]
- 今週は2回、帰宅後に着替えてから5分間、無理なくできる体操を行う。[18]
- 週末は1回、出発前に歩く時間を自分で決め、その時間だけ散歩する。[5]
- 1週間の終わりに1回、運動するつもりだった時間と実際に動いた時間を並べて記録し、翌週に行う散歩の長さを決める。[5]
気持ちを連れたまま、体を動かす
大切にしたい暮らしを運動の行動へつなぐ候補に、オンザショア立川店がある。気乗りする日を待つ間にも、参加できる種目や通い方を具体化できる。全曜日とも8:00〜23:30の営業で、休業日を設けず年中無休である。JR立川駅北口から徒歩1分で着く店舗の住所は、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。
ヨガを試す場合は税込1,980円で60分間のレッスンを受けられる。レンタルにはヨガマットに加え、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚が含まれる。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。
種目には、溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガ、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱い、ヨガだけでも25種類以上を用意している。店の案内・料金・体験の予約で参加の条件を確認できる。自分が大切にしたい方向をひと言にして、気持ちを連れたまま体を動かす一歩を踏み出そう。

参考文献
- Acceptance and Commitment Therapy for Obesity. — Schumacher et al., 2025, Current obesity reports. DOI: 10.1007/s13679-025-00634-y
- Physical Activity Intentions and Behavior Mediate Treatment Response in an Acceptance-Based Weight Loss Intervention. — Godfrey et al., 2019, Annals of behavioral medicine : a publication of the Society of Behavioral Medicine. DOI: 10.1093/abm/kaz011
- Efficacy of telehealth acceptance and commitment therapy for weight loss: a pilot randomized clinical trial. — Bricker et al., 2021, Translational behavioral medicine. DOI: 10.1093/tbm/ibab012
- Efficacy of environmental and acceptance-based enhancements to behavioral weight loss treatment: The ENACT trial. — Butryn et al., 2017, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.21813
- Acceptance and Commitment Therapy and Weight-Related Difficulties in Overweight and Obese Adults: A Systematic Review. — Pitil et al., 2024, Psychological reports. DOI: 10.1177/00332941221149172
- A Pilot Randomized Controlled Trial of Acceptance and Commitment Therapy Guided Self-Help for Overweight and Obese Adults High in Weight Self-Stigma. — Potts et al., 2022, Behavior modification. DOI: 10.1177/0145445520975112
- A randomized trial of an acceptance-based behavioral intervention for weight loss in people with high internal disinhibition. — Lillis et al., 2016, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.21680
- Long-Term Follow-up of the Mind Your Health Project: Acceptance-Based versus Standard Behavioral Treatment for Obesity. — Forman et al., 2019, Obesity (Silver Spring, Md.). DOI: 10.1002/oby.22412
- A randomized controlled trial of online acceptance and commitment therapy to improve diet and physical activity among adults who are overweight/obese. — Levin et al., 2021, Translational behavioral medicine. DOI: 10.1093/tbm/ibaa123
- Effectiveness of Acceptance and Commitment Therapy (ACT) interventions for promoting physical activity: a systematic review and meta-analysis. — Pears et al., 2021, Health psychology review. DOI: 10.1080/17437199.2020.1727759
- A pilot study of acceptance and commitment therapy for promotion of physical activity. — Butryn et al., 2011, Journal of physical activity & health. DOI: 10.1123/jpah.8.4.516
冒頭の写真: ノートにペンで書き込む女性の手元を近くから捉えた、横長の写真。(写真: Shixart1985 / CC BY 2.0 / Wikimedia Commons)
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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- 食物繊維サプリの減量効果はどれほどか サイリウムとグルコマンナンで違う答え
- 断食を模した食事とダイエットの科学 短い低カロリー期間で変わる数字と比較の条件
- ラマダンの断食と体重の科学 平均約1kgの減少と終了後に戻る数字の意味
- 食事写真の記録はダイエットで続くのか 撮り忘れと通知から考える長続きの条件
- オンラインの仲間は減量を支えるか 投稿の多さより見たい支援の中身と公開範囲
- VR運動とダイエットの科学 仮想の対戦相手で変わる頑張りと体脂肪の距離
- 屋外運動は続けやすいのか 室内との比較で見える楽しさと減量までの距離
- 山歩きとダイエットの科学 ハイキングの体重減少と歩く力を分けて考える
- 呼吸法はストレス食いを減らすか 不安が和らぐ研究と体重への期待を分けて考える
- 認知行動療法とダイエットの科学 過食が減ることと体重が減ることの違いを知る
- 催眠療法とダイエットの科学 食べ方の改善と体重が減ることの間にある距離
- 孤独と肥満はどう関係するか 食べ方と体重、人との距離を分けて考える科学
- ストレスとコルチゾールでお腹に脂肪がつくのか 腹部肥満を決めつけない研究の見方
- 甲状腺機能低下と体重増加の関係 治療で減る重さと脂肪の違いを知るために
- インスリン抵抗性と減量の科学 体重が減る前にも運動で変わる体の反応を知る
- 親の食べ方と子どもの体重 お手本と口出しの違いを家族の食卓の研究から考える
- 減量手術後の運動は何を変えるか 体重と筋力、動く暮らしを分けて考える
- 体重の自己認識は減量につながるか 正しく知ることと自分を責めることの境界
- 腹囲身長比で分かる健康リスク 体重だけでは見えない情報と目安の使い方
- 代謝的に健康な肥満はあるのか 健診の異常なしと将来の安心を分けて考える
- 体重と寿命の関係、BMIで答えは変わるか 死亡率が低い研究と高い研究の分かれ道
- 退職後の体重はどう変わるか 定年で消える仕事の動きと増える余暇を見直す
- 食べたい衝動とダイエットの科学 渇望を弱める工夫と食べる量が変わる条件
- リバウンド予防と食べ過ぎ後の立て直し 一度の脱線を長い中断にしない研究
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
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