
同じ人の「今日できそう」も変化する
自己効力感を固定した性格のように扱うと、日による揺れが見えにくくなる。膝の変形性関節症がある高齢者135人を22日間追った研究では、毎朝、痛みがあってもその日を活動的に過ごせそうかを尋ねた。活動は加速度計で測り、歩数と中等度の身体活動を調べている。[14]
朝の自己効力感が高いことは、その日の歩数や中等度の身体活動が多いことと有意に関連した。人口統計学的な背景やほかの心理社会的要因、配偶者の支援や行動への働きかけを考慮しても、関連が残った。[14] 本人の回答だけで活動量を評価した研究と違い、機器で測った動きと照合している点は、この研究の特徴である。
ただし、朝の自己効力感から翌日の活動への関連は有意でなく、活動から翌日の自己効力感への逆方向の関連も有意ではなかった。[14] 今日の見通しと今日の行動の関係はあっても、日をまたいで同じ流れが確認されたわけではない。この時間の区別を落とすと、「昨日運動したのだから今日は自信があるはず」と余分な期待を足してしまう。
また、これは膝に症状のある高齢者を追跡した研究であり、一般の減量希望者に自信を高める介入をして体重を比べた試験とは異なる。[14] 朝に前向きな言葉を唱える習慣の減量効果を証明したとも読めない。関連を、すぐに万人向けの手順に変えないことが研究を使う際の約束になる。
生活の場面では、「今日できそう」と思う内容を言葉にする練習として応用できる。通勤の帰りに動けそうなのか、自宅で体を動かすほうが取りかかれそうなのか。低い見通しが出たら、人格の採点にせず、どの条件が引っかかっているかを考える材料にする。痛みのために運動を変える判断は医師に相談する。研究の質問をまねて、痛みを押して運動する理由にしてはいけない。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
楽しさと計画を加えると、自信の役割が変わる
活動量の少ない成人448人を対象にした分析では、開始時と6か月時点の自己効力感も楽しさも、12か月時点の身体活動を予測した。しかし両方を同じ分析に入れると、楽しさのほうが強い予測因子となり、自己効力感の予測は有意でなくなった。[15] 運動促進の無作為化比較試験に参加した人のデータだが、この予測関係自体を無作為化で検証したわけではない。
さらに分析すると、開始時の楽しさと12か月後の身体活動との関係を、6か月時点の自己効力感が媒介した。[15] 媒介とは、ある関係の途中に位置する可能性を統計的に調べる見方だ。逆向きに、開始時の自己効力感とその後の活動の関係を、途中の楽しさが媒介する結果は得られなかった。[15] 自信を先に完成させてから楽しむ、という順番だけを想定しないヒントになる。
運動を選ぶ際、「続けるべきだから耐えられるか」という問いばかりだと、楽しさの情報を拾いにくい。動作の好み、人と一緒に動く感じ、終えたときにまた試したいと思うか。こうした点を比べることは、楽しさがその後の活動を予測した結果を生活に置き換える考え方である。[15] 楽しい運動なら体重が必ず落ちる、という結論まで足さないことも同時に守りたい。
計画との関係を扱った研究もある。運動の計画介入を受けた225人を1年間、5時点で追った二次分析では、その人の普段より計画が多いことと、平均的な自己効力感が高いことが組み合わさった場合に、身体活動量が最も多かった。[17] 測っているのは自己申告の中高強度の身体活動である。[17]
この分析では、意図と習慣の関係も単純ではなかった。普段より強い意図が活動量を予測したのは、平均的な活動習慣が弱い場合だった。[17] すでに続けている人と、取りかかり始めた人とで、同じ励ましが同じ役割を果たすと考える必要はない。計画、自信、習慣を全部まとめて「やる気」と呼ぶと、それぞれの働きが隠れてしまう。
たとえば、予定表は埋まっているのに動けないとき、さらに予定を増やす以外の点検ができる。選んだ運動を実行できそうか、やっていて心地よい部分があるか、日常の流れに置けているか。これは試験で確立した万能の手順ではなく、複数の要因が関わった結果から導く実用的な問いである。[15][17] 手帳が熱心に運動していても、体のほうはまだ椅子に座っていることがある。

よくある誤解
「自信をつけてから始めるべきだ」という思い込みは、開始の条件を厳しくする。膝の手術前の患者31人を無作為に分け、介入群が8週間、週3回の運動を行った試験では、自己効力感に時間による変化も群間差も有意には認められなかった。[3] 運動の実施と自信の尺度の変化は、別々に評価する。自信の点数を、行動を始める許可証のように扱わなくてよい。
「自信が変わらなかったら運動も無意味だ」と考えるのも早い。地域在住の65歳以上171人を運動群と健康教育群に分けた試験では、3か月の介入後、転倒に関する自己効力感の有意な改善はどちらの群にもなかった。一方で、開始時の自己効力感と、歩行速度や膝を伸ばす筋力などの変化との関連が検討されている。[1] 研究者は、参加者の開始時の転倒への自己効力感がもともと高かったことを、変化が認められなかった理由の可能性として挙げている。[1] 出発点が高い集団と低い集団で、同じ尺度の変化が同じように見えるとは限らない。変化しなかったという結果にも、誰を対象にしたかという情報が伴う。
この試験で測ったのは転倒への自信であり、減量や運動全般への自信に読み替えないことが大切だ。[1]
「続かない人は自信が足りないだけ」という見方にも、反例がある。慢性の肩の痛みがある47人を追った研究では、自宅運動を続けた人は23人、48.93%だった。自己効力感、肩の機能障害、治療への期待は、継続を予測できなかった。[20] 時間の制約やほかの用事は継続と関連する障壁で、運動を楽しむことは継続と関連する促進要因だった。[20]
痛みを扱う自宅運動の結果を、そのまま一般のダイエットに移すことはできない。それでも、困難を本人の信念だけに帰す前に、予定や運動内容を見ようという問いは残る。[20] 自信が低い人に励ましだけを足しても、迎えの時刻や仕事の締切は動かない。生活上の条件を話題にできることも、続ける支援を考えるうえで外せない視点である。
今日からできること
- 今週は自分が楽しめそうな運動を週2回行う日を決め、当日はその動きから始める。回数は生活に合わせて自分で決める試し方だ。[15][17]
- 次の運動では、自分がすでに実行できた動きを最初に1回行い、終えたあとに取り組めた状況を1行で記録する。[5]
- 今週は運動する日を1日選び、前夜に着替えを用意して、当日は準備した服で運動に取りかかる。行動計画を実行できる形にする。[17]
- 来週は楽しめた運動をもう1回行い、動作や運動後の感覚のうち、また取り組みたい部分に目を向ける。[15]
- 次の週末に、運動と重なった用事を1つ挙げ、翌週はその用事と重ならない日に運動を移す。[20]

できる感覚を、実際の動きに移す
自己効力感を通う条件と一緒に考えるなら、オンザショア立川店の種目や利用方法を、実際に取り組む行動に結びつけたい。溶岩ホットヨガスタジオで、溶岩プレートを敷いた室内のホットヨガのほか、常温ヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズなどに取り組める。ヨガだけでも25種類以上から内容を検討できる。
体験で動きを試す場合、ヨガは1回60分、料金は税込1,980円となる。レンタルにはヨガマットに加えてバスタオル2枚とフェイスタオル1枚が含まれる。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。
通う先はJR立川駅北口から徒歩1分の東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、年中無休、どの曜日も8:00〜23:30に営業している。店舗サイトで種目を見て、料金案内と体験予約で利用の準備を進められる。自分ができそうな動きを1つ挙げ、体験でその動きに取り組んでみよう。
参考文献
- The effects of short-term exercise intervention on falls self-efficacy and the relationship between changes in physical function and falls self-efficacy in Japanese older people: a randomized controlled trial. — Arai et al., 2007, American journal of physical medicine & rehabilitation. DOI: 10.1097/PHM.0b013e31802ef29d
- Prehabilitation influences exercise-related psychological constructs such as self-efficacy and outcome expectations to exercise. — Brown et al., 2014, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/JSC.0b013e318295614a
- What is the best way to change self-efficacy to promote lifestyle and recreational physical activity? A systematic review with meta-analysis. — Ashford et al., 2010, British journal of health psychology. DOI: 10.1348/135910709X461752
- Exercise self-efficacy. — Fletcher et al., 2001, Clinical excellence for nurse practitioners : the international journal of NPACE. DOI: 10.1054/xc.2001.24203
- Self-efficacy, attendance, and weight loss in obesity treatment. — Fontaine et al., 1997, Addictive behaviors. DOI: 10.1016/s0306-4603(96)00068-8
- Morning self-efficacy predicts physical activity throughout the day in knee osteoarthritis. — Zhaoyang et al., 2017, Health psychology : official journal of the Division of Health Psychology, American Psychological Association. DOI: 10.1037/hea0000479
- Self-efficacy versus perceived enjoyment as predictors of physical activity behaviour. — Lewis et al., 2016, Psychology & health. DOI: 10.1080/08870446.2015.1111372
- Habits and self-efficacy moderate the effects of intentions and planning on physical activity. — Di Maio et al., 2021, British journal of health psychology. DOI: 10.1111/bjhp.12452
- Self-efficacy and exercise participation in sedentary adult females. — McAuley et al., 1991, American journal of health promotion : AJHP. DOI: 10.4278/0890-1171-5.3.185
- Adherence of individuals with shoulder pain to home exercise booklets: Barriers, facilitators, and the impact of disability, self-efficacy, and treatment expectations. — Francisco et al., 2024, Musculoskeletal science & practice. DOI: 10.1016/j.msksp.2024.102956
冒頭の写真: ジャブラニツァ山でのハイキングの様子を写した、二〇二〇年一月の写真。(写真: Liridon / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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