水中運動とダイエットの科学 体重と体脂肪で違う、水中エアロビクスの実力

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膝が気になる人は、脂肪と歩く力を別々に見る

膝に不安があると、体重を減らしたい気持ちと、運動を始めてよいのかという迷いが重なる。そのとき参考になるのが、軽い膝の変形性関節症がある閉経後女性87人を対象としたWallerらの無作為化比較試験だ。運動群43人は4か月間に監督下の高強度水中抵抗運動を48回行い、比較群44人は通常の身体活動を維持した。[10]

脂肪量は、体の成分を調べる二重エネルギーエックス線吸収測定法で評価された。介入後には運動群に有利な脂肪量の減少が見られ、変化の推定値は−1.17kg、95%信頼区間は−2.00〜−0.43kgだった。歩行速度も0.052m/s改善し、95%信頼区間は0.018〜0.086m/sだった。[10] 脂肪と歩く能力を、同時に測っている点がこの試験の特徴である。

その後の追跡が興味深い。介入終了後12か月で、体組成は開始時の水準に戻った一方、歩行速度の改善は維持された。除脂肪量と、膝の症状や生活上の状態を測る評価には変化がなかった。[10] 水中運動の成果は、ひとまとまりで残ったり消えたりするわけではない。脂肪量、歩行、膝の状態を、それぞれの時間軸で見ることになる。

追跡を含む期間中、余暇の身体活動が多いことは脂肪量の減少と関連していた。[10] ただし、この関連は、特定の活動を増やせば誰でも脂肪が維持できると証明したものではない。運動群に分ける試験の部分と、日常活動との関係を調べる部分では、読み取れる因果の強さが違う。

痛みについては別の試験も確認したい。Wangらは、股関節または膝の変形性関節症がある成人38人のデータを用い、12週間の水中運動を非運動の比較条件と比べた。関節の柔軟性、筋力、有酸素的な体力は改善したが、自分で評価した身体機能と痛みには効果がなかった。[15] 体力の検査が良くなれば、痛みも同じように減るとは限らないのである。

この試験の運動参加率は81.7%で、運動に関連する有害な出来事は観察も報告もされなかった。[15] 参加できた人が多いという結果には意味があるが、それを個々の病状での安全保証にはできない。膝の病気や痛みがある人は医師に相談し、教室側にも状態を伝えて、参加できる内容を確かめるのが出発点になる。陸上のレッスンも考えているなら、水中での参加経験だけを根拠にせず、候補のクラスで行う動作を医師に伝え、参加の可否や避ける動作を確認したい。水中運動を調べたこの試験から、陸上の負荷まで判断することはできない。[15]

減量と膝の病気そのものの関係は、既存の膝を扱う記事に譲る。ここで押さえたいのは、水中での運動を選ぶ場合にも、痛み、脂肪、歩く力を別々に評価するという点だ。[10][15] 「まだ痛いから全部失敗」「歩けるから脂肪も減ったはず」と判断を急がず、自分が変えたいものを具体的にしておくと、試験の結果を生活につなげやすい。

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ふだんの教室と、終了後の暮らしまで考える

日常に近い条件での教室を調べたPereira Neivaらの比較研究では、運動群15人と比較群8人を対象に、各45分、週2回の水中エアロビクスを12週間行った。参加者は成人と高齢者で、運動群の平均年齢は約59歳だった。[16] 大きな統合研究とは違い、身近な教室を思い浮かべやすい規模と条件の研究である。

結果の読み方には注意点がある。年齢と開始時の値を調整して比べたところ、終了時の運動群と比較群の間には差がなかった。一方、運動群の中だけで開始前と終了後を比べると、上肢の瞬発的な力や脂肪に関する指標などに改善が報告された。[16] 著者らの結論は前向きだが、群間差がないという事実を省くと、試験から言えることを広げすぎてしまう。

運動前後の変化を見た感想と、比較群との差を確かめた結論は、同じ強さにはならない。[16] 自分の教室選びでも、「参加した人の数字が変わった」という紹介だけでなく、比較対象があるかまで見るとよい。数字が載っていること自体より、その数字がどの比較から出てきたかが大切だ。体験談の写真と研究のグラフは、似た場所に並んでいても役割が違う。

続け方を考える材料として、Bocaliniらの高齢女性の研究もある。水中運動を12週間行い、その後の運動休止を追ったところ、運動期間には有酸素的な能力や神経・筋の機能、生活の質が改善した。しかし休止後6週間には、上半身と下半身の筋力、敏捷性、柔軟性、バランスは、運動していない群の水準に戻った。[17]

これは体脂肪が同じ速さで戻ると示した研究ではなく、運動で得た体力の変化が、休止後どうなるかを調べた結果だ。[17] 脂肪量の追跡ではWallerら、体力の追跡ではBocaliniらというように、測ったものを保って読むと、休止を一律の恐怖にせず、続ける形を考える材料にできる。[10][17]

教室を選ぶなら、参加開始の日だけでなく、忙しい時期にどう通うかも考えたい。着替えの持ち運び、施設までの移動、帰宅後の用事まで含めて、自分に扱える負担かを見る。こうした選び方は、ここで比較した研究が効果を検証した方法そのものではなく、研究の条件を日常に置き直すための工夫である。通えそうな曜日を見つける作業と、体脂肪の数字を読む作業は、どちらも教室を選ぶ判断に含めてよい。

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よくある誤解

「体重が減れば、体脂肪にも同じ確かさの効果がある」という受け取り方は慎重にしたい。過体重・肥満の人のメタ分析では、体重と腹囲に有意な減少があっても、脂肪量や体脂肪率など他の指標への効果は有意ではなかった。[5] 自分の関心が脂肪なら、紹介されている成果も脂肪の測定なのかを確認する。体重計は便利だが、研究の全項目を代わりに表示してはくれない。

「高齢者には体重が落ちなければ意味がない」と考えると、見逃すものがある。高齢者のメタ分析は、体重に有意な効果がなくても、筋力、柔軟性、移動能力、体脂肪率の改善を示している。[20] 体重と、立って歩く能力が別の結果になることを踏まえ、目標を体重だけに限定しない選び方もできる。

「水中だから、膝の痛みも自然に良くなる」という期待にも幅を持たせたい。変形性関節症の成人の試験では、体力が改善しても痛みには効果がなかった。[15] また、水中抵抗運動の試験では脂肪量と歩行速度が改善しても、膝に関する評価は変わらなかった。[10] 運動の効果をひとつの言葉にまとめず、医師に確認したい症状と、運動で評価する体力を分けておくと、教室側にも希望を伝えやすい。

今日からできること

  • 水中運動を始める人は、今週の参加日に、指導者と相談して水中歩行を5分から行う。[3]
  • 教室に参加した日は、指導者が案内する準備運動と整理運動を各5分行い、歩行だけで終えない。[3]
  • 運動を続けたい人は、今週は1回、参加できる水中運動の教室で体を動かし、翌週も通える曜日を決める。[10][17]
  • 自分の変化を見るために、今週1回、体重と腹囲を記録する。[5]
  • 膝の病気や痛みがある人は、初回の参加前に、候補の水中・陸上クラスの内容を医師に伝え、行える動作と避ける動作を相談する。[10][15]
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水中の歩行から、陸上で続ける動きへ

水中運動で考えた「何をして続けるか」を陸上にも広げるなら、オンザショア立川店の常温ヨガやピラティスも検討の入口になる。水中試験の結果をそのまま陸上のレッスンに当てはめず、参加する動作を具体的に知ってから始めたい。

同店はJR立川駅北口から徒歩1分で、東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fに入っている。年中無休で、曜日を問わず8:00〜23:30の営業だ。溶岩プレートのあるスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガは25種類以上を扱う。

体験で受けられるヨガは60分で税込1,980円。バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルもこの料金に入る。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。店舗案内・料金表・体験予約で参加の情報を確認できる。水中歩行で動かしたいと考えた体を、陸上ではどう動かすか、初回に担当者へ希望を伝えよう。

参考文献

  1. Water-based exercise improves health-related aspects of fitness in older women. — Takeshima et al., 2002, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1097/00005768-200203000-00024
  2. Effects of water aerobics on body composition in obesity and overweight people: a systematic review and meta-analysis. — Ding et al., 2025, BMJ open. DOI: 10.1136/bmjopen-2024-091743
  3. The effects of water-based exercise on body composition: A systematic review and meta-analysis. — Zhu et al., 2023, Complementary therapies in clinical practice. DOI: 10.1016/j.ctcp.2023.101766
  4. Effects of high intensity resistance aquatic training on body composition and walking speed in women with mild knee osteoarthritis: a 4-month RCT with 12-month follow-up. — Waller et al., 2017, Osteoarthritis and cartilage. DOI: 10.1016/j.joca.2017.02.800
  5. Effects of aquatic exercise on flexibility, strength and aerobic fitness in adults with osteoarthritis of the hip or knee. — Wang et al., 2007, Journal of advanced nursing. DOI: 10.1111/j.1365-2648.2006.04102.x
  6. The effect of 12 weeks of water-aerobics on health status and physical fitness: An ecological approach. — Pereira Neiva et al., 2018, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0198319
  7. Repercussions of training and detraining by water-based exercise on functional fitness and quality of life: a short-term follow-up in healthy older women. — Bocalini et al., 2010, Clinics (Sao Paulo, Brazil). DOI: 10.1590/s1807-59322010001200013
  8. Effects of aquatic exercise on improving body composition and muscle strength in the older adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. — Gao et al., 2025, Frontiers in public health. DOI: 10.3389/fpubh.2025.1726568

冒頭の写真: 水中エアロビクスを行うアレグラ・ケントの姿を記録した横長の写真。(写真: Gotfryd, Bernard, photographer / Public domain / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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