糖質制限か脂質制限か、長期比較試験で読む体重差と続けられる食事の選び方

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体重以外の成績は、同じ方向にそろわない

体重だけなら近い食事でも、血液指標の変化まで同じとは限らない。38試験のメタ分析では、6〜12か月の低炭水化物食は、低脂肪食に比べて中性脂肪の低下とHDLコレステロールの上昇に有利だった。一方、LDLコレステロールと総コレステロールの変化は低脂肪食に有利だった。[18] HDLとLDLは、血液検査で区別されるコレステロールの指標だ。

同解析の群間差は、中性脂肪で−0.10mmol/L、HDLで0.05mmol/Lだった。LDLの差は0.07mmol/Lで、低炭水化物食側の値が相対的に高い方向を示し、95%信頼区間は0.02〜0.12mmol/Lである。[18] 専門的な単位の数字を自分で判定する必要はない。体重が減る方向と、すべての検査項目が望ましく変わる方向がそろうとは限らない、という点が大切だ。

2年の比較試験でも、低炭水化物群はHDLの上昇が大きく、初期には中性脂肪などの低下が大きかった。一方で、初期のLDLの低下は小さく、有害な症状の訴えも低脂肪群より多かった。[12] 体重に加えて血液指標と症状を並べると、食事の選択に必要な情報が増える。定期的な検査を受けている人は、食事の変更と検査結果を医師に伝え、個別の判断につなげるのがよい。

そもそも血液指標の変化は、病気の発症が減ったことそのものではない。低炭水化物食に有利な減量差を示した148人の試験にも、臨床的な心血管疾患の発生を評価していないという限界が記されている。[20] 「リスクに関わる指標が改善した」と「将来の病気を防ぐと確かめた」は、異なる主張である。

脂肪の場所にも違いが見つかっている。DIETFITSの449人の画像データを用いた解析では、画像検査から推定した内臓脂肪の減少は、低炭水化物群のほうが12か月で6.3cm²大きく、95%信頼区間は0.6〜12cm²だった。女性は60%、平均年齢は39歳で、低炭水化物食による内臓脂肪減少は男性でより大きかった。[4] 内臓脂肪は開始時、6か月、12か月に画像検査で推定された。6か月の群間差は10.6cm²で、95%信頼区間は5〜16.2cm²だった。[4]

同じ試験の性別に分けた二次解析では、男性では低炭水化物食が低脂肪食より体重を多く減らし、その差は−2.98kg、95%信頼区間は−4.47〜−1.50kgだった。女性では同様の有意な差はなかった。男性では脂肪量だけでなく除脂肪量の減少も大きかった。[5] 除脂肪量は、体のうち脂肪以外の部分を指す。

この結果を「男性は糖質制限、女性は脂質制限」と処方箋のように扱うのは早い。女性で差がなかったことは、脂質制限の優越を示していない。[5] 体重、脂肪の場所、脂肪以外の部分を区別すると、減ったkgだけで成功を判定する難しさが見える。体脂肪と筋肉の評価は体組成の特集記事で詳しく扱う。

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食事の質と継続は、どちらの陣営にも必要だ

栄養素の比率だけを決めても、献立は完成しない。DIETFITSの食事記録がそろった448人を対象にした二次解析では、食事の質の改善と、決めた食事法に沿って食べる程度を同時に調べた。[2] 二次解析とは、元の試験のデータを別の問いで検討する分析である。新たな参加者を集めて、質のよい食事と悪い食事へ無作為に割り当てた研究ではない。

低炭水化物群でも低脂肪群でも、食事の質と遵守の両方が高い人たちは、両方が低い人たちより12か月のBMI低下が大きかった。群間のBMI変化の差はそれぞれ−1.15kg/m²と−1.11kg/m²で、95%信頼区間は−2.04〜−0.26と−2.10〜−0.11だった。質だけ、または遵守だけが高い群では、両方が低い群との有意な差は認められなかった。[2]

この分類でいう「高い」は、変化量を中央値で分けた研究内の区分である。[2] 食事の質の指標の変化量と、炭水化物または脂質の摂取量の変化量を組み合わせ、各食事群の中で4つに分けて比較した。両方を改善すれば必ずその差が生まれるという因果を、この解析だけで断定することもできない。それでも、低炭水化物か低脂肪かというラベルだけでは、食事の成績を十分に説明できないことを示す材料になる。[2]

食物繊維の比較は、実際の食卓を想像しやすい。DIETFITSの二次解析では、12か月時点の平均摂取量は低脂肪群で23.04g、低炭水化物群で18.61gと低脂肪群が多かった。しかし、両群で最大の供給源はでんぷんの少ない野菜だった。低脂肪群では全粒穀物や果物、低炭水化物群ではナッツ、種子などの植物性食品も供給源になっていた。[15]

食物繊維の供給源を分けると、でんぷんの少ない野菜からの量は低脂肪群で4.13g、低炭水化物群で5.13gだった。低脂肪群では全粒穀物から3.90g、果物から3.40gを摂っていた。[15] 低炭水化物食だから野菜まで遠ざける、低脂肪食だから主食の内容は考えない、という読み方では食品の層が抜け落ちる。野菜や植物性食品をどこに残すかを見る視点は、栄養素の制限を食卓全体の設計へ戻すために使える。[15]

朝の支度で忙しく、昼は外食、夜は家族と同じおかずという暮らしなら、食事法の名前を決める前に、その場面を紙に書き出してみたい。主食の量を別に調整しやすいのか、油の多い料理を別の料理へ変えやすいのか。食事相談で検討したいのは、制限を実行できる場面と難しい場面の違いだ。DIETFITSでも、維持できる範囲を探すことが支援の中心にあった。[1]

献立は平日だけではない。家族との外食や帰宅が遅い日にも、同じ方針で選べるものがあるかを考える。冷蔵庫の中だけで成立する方法では、買い物先が変わったときに選び直せなくなる。試験が継続できる範囲の制限を探す設計だったことを踏まえると、最も厳しく減らすことと、長く維持することを同じ目標にしないほうがよい。[1]

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よくある誤解

「糖質制限は必ず脂質制限より痩せる」。複数試験の統合では低炭水化物食に平均の優位があったが、大きな長期試験で有意な体重差がない結果もある。[1][18] 平均の差は、自分がどちらで成功するかを言い当てるものではない。試験ごとの食事条件を省いて勝敗だけを宣言すると、根拠の幅を狭くしてしまう。

反対に「長期では差がないのだから何を食べても同じ」も飛躍だ。DIETFITSで比べたのは、食事の質を重視し、行動を変える支援を受ける低炭水化物食と低脂肪食だった。[1] 両群には12か月に22回の少人数セッションがあり、維持可能な制限を探す支援があった。[1] 同じ支援の枠組みの中で、どちらの食事も減量につながったと読むのが適切だ。

「インスリンを調べれば、自分に合うほうが決まる」。DIETFITSの主解析では、開始時のインスリン分泌と食事法による減量効果の関係は有意でなく、検討した遺伝子型のパターンも食事の選別に役立たなかった。[1] インスリンは、この研究では糖負荷後の血中濃度を用いて分泌の指標としたものである。[1]

ただし、同じデータを用いた探索的な再解析では、炭水化物関連の指標と減量に強い関連があり、食後の血糖への負荷を示す指標の低下が減量を説明する可能性が示された。開始時のインスリン分泌とその指標の低下で分けた分析では、減量への効果の違いが3か月と6か月で見られたが、12か月では有意ではなかった。著者らも探索的研究なので慎重に解釈すべきだとしている。[7]

主解析と再解析は、同じ問いを同じ方法で検証した結果ではない。[1][7] 再解析は仕組みを考える材料として位置づけられる。食事の質の二次解析も、DIETFITSの参加者のデータを使っている。[2] 論文が増えても、独立した試験が増えたことと同義ではない。 論文の本数を、食事法への投票数として数えないことが大切だ。

今日からできること

  • 低炭水化物食を選ぶなら、主食をゼロにする前に、続けられる量へ調整する。DIETFITSの12か月時点では、炭水化物は平均で摂取エネルギーの30%だった。強い制限だけが試験の食事ではなかったことを目安に、主食の量とおかずを組み合わせて選ぶ。[1] でんぷんの少ない野菜や、ナッツ・種子などの植物性食品も献立に残す。[15]
  • 低脂肪食を選ぶなら、油の多い料理を減らし、主食には全粒穀物、食事には果物や野菜を取り入れる。[15] 脂質の量は、148人の試験で使われた摂取エネルギーの30%未満という設定を参考に、食事全体で調整する。[20] この比率は油だけの割合でも、全員に適した処方でもない。食事の支援を受けながら続けられる範囲を探す。
  • 制限を始めた後も、外食や家族との食事で続けられる量へ戻す余地を持つ。DIETFITSでは最初の2か月に脂質または炭水化物を制限し、その後は維持しやすい量まで増やした。[3] 2か月を自己流の強い制限の目標にせず、食べ方を調整する段階も含めて考える。
  • 食事相談では、主食や油の調整で困った場面を伝える。12か月に22回の少人数セッションがあった試験は、継続的な支援も含めた方法だった。[1] 相談の頻度は利用できる支援に合わせて決める。
  • 糖尿病の治療中で薬やインスリンを使っている人は、糖質制限を始める前に医師に相談する。ほかの持病で治療中の人も、食事法を大きく変える前に医師に確かめる。受診時には食事で変えたい内容と、中性脂肪、HDL、LDLなどの検査結果を併せて伝える。
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食事の選び直しと運動の選択肢、オンザショア立川店

食事を続けられる形で選ぶように、運動の場所も日々の時間に照らして選びたい。オンザショア立川店は営業時間8:00〜23:30、年中無休。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10エトロワビル3Fにある。夕食の支度や帰宅の予定と合わせて、通える時間帯を考える入口になる。

選択肢は、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガだけではない。常温のヨガとピラティスもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも選べる。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。

ヨガの体験は60分、税込1,980円で、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。時間、種目、利用条件を照らし合わせながら、店舗案内と料金を確認し、体験予約へ進める。食事の選択とは別に、暮らしに入る運動の予定を考えたい。

参考文献

  1. Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults and the Association With Genotype Pattern or Insulin Secretion: The DIETFITS Randomized Clinical Trial — C. Gardner et al., 2018, JAMA. DOI: 10.1001/jama.2018.0245
  2. Association of dietary adherence and dietary quality with weight loss success among those following low-carbohydrate and low-fat diets: a secondary analysis of the DIETFITS randomized clinical trial — Michelle E. Hauser et al., 2023, The American Journal of Clinical Nutrition. DOI: 10.1016/j.ajcnut.2023.10.028
  3. Weight, insulin resistance, blood lipids, and diet quality changes associated with ketogenic and ultra low-fat dietary patterns: a secondary analysis of the DIETFITS randomized clinical trial — L. Aronica et al., 2023, Frontiers in Nutrition. DOI: 10.3389/fnut.2023.1220020
  4. Effect of low-carbohydrate vs low-fat diet intervention on visceral fat estimated from dual energy X-ray absorptiometry in a 12-month randomized controlled trial. — Shawna Follis et al., 2025, International journal of obesity. DOI: 10.1038/s41366-025-01989-x
  5. Examining differences between overweight women and men in 12-month weight loss study comparing healthy low-carbohydrate vs. low-fat diets — L. Aronica et al., 2020, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/s41366-020-00708-y
  6. Evidence for the carbohydrate-insulin model in a reanalysis of the Diet Intervention Examining The Factors Interacting with Treatment Success (DIETFITS) trial. — A. Soto-Mota et al., 2023, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.1016/j.ajcnut.2022.12.014
  7. Comparison of dietary macronutrient patterns of 14 popular named dietary programmes for weight and cardiovascular risk factor reduction in adults: systematic review and network meta-analysis of randomised trials — L. Ge et al., 2020, The BMJ. DOI: 10.1136/bmj.m696
  8. Effects of low-carbohydrate vs low-fat diets on weight loss and cardiovascular risk factors: a meta-analysis of randomized controlled trials. — A. Nordmann et al., 2006, Archives of internal medicine. DOI: 10.1001/archinte.166.3.285
  9. Weight and Metabolic Outcomes After 2 Years on a Low-Carbohydrate Versus Low-Fat Diet — G. Foster et al., 2010, Annals of internal medicine. DOI: 10.7326/0003-4819-153-3-201008030-00005
  10. Changes in Quantity and Sources of Dietary Fiber from Adopting Healthy Low-Fat vs. Healthy Low-Carb Weight Loss Diets: Secondary Analysis of DIETFITS Weight Loss Diet Study — L. Offringa et al., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13103625
  11. The Effect of Low-Fat and Low-Carbohydrate Diets on Weight Loss and Lipid Levels: A Systematic Review and Meta-Analysis — S. Chawla et al., 2020, Nutrients. DOI: 10.3390/nu12123774
  12. Effects of Low-Carbohydrate and Low-Fat Diets — L. Bazzano et al., 2014, Annals of internal medicine. DOI: 10.7326/m14-0180

冒頭の写真: バンズを使わずに盛り付けられたハンバーガーを写した料理の写真。(写真: Triplec85 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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