保育園で子どもの肥満は防げるか 園の食事と遊びを変えた試験、動いたBMIと動かなかったBMI

幼稚園の屋外に設けられた遊び場を写した写真園での遊びの場となる園庭 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

6か国の幼稚園で、BMIの位置は動かなかった

ToyBoxは、幼稚園を拠点にし、家族も巻き込む複数の要素を組み合わせた取り組みで、園ごとに無作為に割り付ける形で試された[5]。舞台は、ベルギーの東フランドル州と西フランドル州、ブルガリアのヴァルナ、ドイツのバイエルン、ギリシャのアッティカ、ポーランドのマゾフシェ、スペインのサラゴサにある幼稚園だった[5]。子どもの体重と身長は、決められた手順で測られている。

結果は、年齢と性別ごとのBMIパーセンタイル(同じ年齢・性別の子100人の中で何番目の位置にいるかを表す値)の変化に、試験の効果は無かった[5]。6,000人を超える子を測った試験で、効果が見られなかったという結果である。

この試験は、効果の有無とは別に、どんな条件の子でBMIの位置が上がりやすかったかも調べた。親が子どもの実際の体重の状態を軽く見積もっていること、親の過体重、母親の妊娠前の過体重が、それぞれ独立に、子どものBMIパーセンタイルの上昇と関連していた[5]。

母親の妊娠前の体重は、今からは変えられない過去の数字だ。責める材料にはならない。研究者が結論で勧めたのも、親や養育者が自分と子どもの体重の状態を正しく捉えられるよう支えることだった。体重が多すぎると気づくことが、家族の中で変わる準備を高め、好ましい行動の変化を続けやすくするという見立てである[5]。

ToyBoxの結果と、看護師が施設を回った3州の試験の結果が分かれた理由は、ここで読める範囲では分からない。国も期間も違い、測った指標もzBMIとBMIパーセンタイルで同じではない。片方の試験だけを取り出して「園の取り組みは効く」とも「効かない」とも言い切らないのが、いまの時点での読み方だろう。

読んだ分のカロリーは、石の上で返せる。

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子どもの体重が「見えていない」とき

ToyBoxで関連が見つかった「軽く見積もる」ことは、中国の幼稚園でも調べられている。長沙の都市部にある幼稚園6か所で、2〜6歳の364人を対象にした横断研究だ[20]。

過体重や肥満の子の養育者のうち、60%を超える人が、子どもの体重の状態を実際より軽く見ていた[20]。そうした養育者は、体重を気にかけたり、子どもの食べる量を制限したりすることが少なかった。誤って分類した養育者の子は、食欲が乏しいとされることも多かった[20]。

軽く見積もりやすい条件も出ている。男の子の養育者は女の子の養育者より、世帯の月収が7,000〜11,000元の家庭はそれより高い所得の家庭より、子どもの体重を軽く見ることが多かった[20]。

ただし、これは一時点の調査であり、軽く見ていたから太ったという順序までは示していない。この研究の結論には、見え方を正すことの副作用への注意も書かれているが、それは後の「よくある誤解」で扱う。

園に通っていれば、身体測定の数字は定期的に家に届く。数字が届くことと、その数字をどう見るかは別の段階だということを、この研究は示している。

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家で増えた踊りと、数えられたファストフード

園の取り組みが、家の中の過ごし方まで届くかを調べた試験もある。CHILEという試験は、農村部の、主にヒスパニックかアメリカ先住民の住む地域にある、就学前の子が通うHead Startの施設16か所を、6つの要素の介入か比較群かに群ごとに割り付け、2年間続けた[19]。

測ったのは、家での子どもの身体活動である。655人の子の養育者を便宜的に集め、4回の時点で質問票に答えてもらった。2年間の家での身体活動の相対的な変化は、介入群で比較群の1.56倍だった(95%信頼区間1.02〜2.38)[19]。

勧めた遊びはボール遊び、踊り、体を使うゲーム、跳ぶこと、歩くことの5つで、このうち比較群に比べて有意に増えたのは踊りだった(2.9、95%信頼区間1.2〜7.1)[19]。数字は養育者の答えによるもので、体重の変化はこの試験の論文の要約には出てこない。それでも、園から家へと働きかけが届いた一つの記録として読める。

家の食卓の側では、ファストフードが調べられている。3〜5歳の541人を1年追った前向きコホート研究で、身長と体重は始まりと終わりに実際に測った[11]。親は、およそ8週ごとに6回のオンライン調査で、11のチェーン店のファストフードを子どもが過去1週間に何回食べたかを答えた。

始まりの時点で、過体重の子は18.1%、肥満の子は9.8%だった[11]。1年のうちに、健康な体重から過体重へ、あるいは過体重から肥満へと一段上の区分に移った子は8.1%いた。ファストフードを食べる子の平均の回数は週2.1回(標準偏差1.4)だった[11]。

社会的な条件、子どもの他の生活習慣、親の体重を調整したうえで、平均の週の回数が1回増えるごとに、体重の区分が上がるリスクは1.38倍(95%信頼区間1.13〜1.67)だった[11]。観察研究なので、回数そのものが原因だとまでは言えない。ただ、園の献立をどれだけ整えても、週末や帰り道の一食は園の外にある、という当たり前のことを数字にした研究ではある。

園の外の教室と、画面の向こうの栄養士

園を通さず、家族に直接働きかけた試験では、BMIはどうだったか。テネシー州ナッシュビルの、支援が届きにくい地域の610組の親子を対象にした無作為化比較試験がある[9]。子どもは3〜5歳で、肥満になるおそれはあるが、まだ肥満ではない子に限った。

介入の304組には、地域の施設を拠点にした家族向けの36か月の取り組みが届けられた。毎週の技能の講座を12回、その後9か月は月に1回の電話での助言、残りの24か月は行動のきっかけを届ける維持の期間である[9]。対照の306組は、公共図書館が行う就学準備の講座を36か月のあいだに6回受けた。参加者の91.4%がラテン系で、子どもの平均年齢は4.3歳、56.7%の世帯は年収が2万5,000ドル未満だった。90.2%が最後まで残った[9]。

36か月後の子どものBMIの平均は、介入群も対照群も17.8で、36か月のBMIの軌跡に有意な差は無かった[9]。図書館で就学の準備をしていた子と、同じ数字に並んだことになる。

一方で、介入群の子の1日の摂取エネルギーは平均1,227kcalで、対照群の1,323kcalより少なかった(調整した差は−99.4kcal、95%信頼区間−160.7〜−38.0)[9]。親が子どもと地域の施設を使った割合も、介入群56.8%、対照群44.4%と差が出ている[9]。食べる量と出かける先は動き、BMIの軌跡は動かなかった。

オーストラリアのTime2bHealthyは、画面越しの試験である[16]。2〜5歳の子と親86組を、11週間のインターネットの講座と、その後3か月の2週ごとのメールを受ける群42組と、メールだけの比較群44組に分けた。講座の参加者は目標を立て、栄養士から一人ひとりに返事を受け、参加者だけの交流の場で栄養士とやり取りもできた[16]。

BMIの変化に群の差は無かった[16]。そのかわり、介入群の子は嗜好品(お菓子や甘い飲み物のような、なくても困らない食べ物)を食べる頻度が減り(推定値−1.36、95%信頼区間−2.27〜−0.45)、親の「食べるように迫る」関わり方と、栄養についての自信も改善した[16]。ただし子どもの91%はもともと健康な体重の範囲にあり、目標の参加人数に届かなかったため、差を見つける力が足りなかった可能性を研究者自身が書いている[16]。

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

よくある誤解

「預けると親子の愛着が育ちにくく、そのぶん太りやすくなる」という心配を聞くことがある。愛着と就学前の子の肥満の関係をまとめたSantosらの系統的レビューは、2000年から2021年7月までの文献1,124件を調べ、8研究・9,225人を採り入れた[6]。結果は、愛着が体重に関わる結果に役割を持つことを支持していた。

しかし、このレビューが扱ったのは愛着の質であり、預け先の違いを比べた研究としては書かれていない。研究の数が少なく、多くが一時点の調査で、方法もまちまちで、父親を含まない調査が多いことを、研究者自身が限界として挙げている[6]。愛着と肥満がどうつながるのかの仕組みも分かっていない。「預ける」と「愛着が弱い」を同じものとして扱う根拠は、この論文の中には無い。

「太り気味だと気づいたら、すぐに食べる量を厳しく減らすのが近道だ」という考えもある。先の長沙の研究の結論には、体重の状態を正しく捉えることは行動を変える動機として大切かもしれないが、子どもの食事をより強く制限することにもつながりうる、と書かれている[20]。研究者は、その制限が長期の体重増加と結びつけられてきたことにも触れ、気づきを高める取り組みには健康な体重管理の方法を教えることを組み合わせるよう求めた[20]。見えるようになることと、締め付けることは、別の行動である。

「野菜と果物さえ多く食べていれば、園児の体重は心配ない」とも言い切れない。アラスカ州南西部の12の地域で、Head Startに通うユピックの3〜5歳の155人を調べた研究では、BMIパーセンタイルの中央値が91で、過体重か肥満の子は70%にのぼった[12]。食べたものを体の中の目印(バイオマーカー)で測ると、伝統的な食べ物の摂取の目印はBMIと逆の向きに関連していた。一方、超加工食品の目印と、皮膚のカロテノイドで測った野菜と果物の目印は、BMIと関連していなかった[12]。

この研究は介入の前の時点のデータで、因果までは示していない。それでも、体重と結びついていたのが野菜の量ではなく、その土地で食べ継がれてきた食べ物だったことは、園の食事を「野菜の量」だけで採点しない理由になる。研究者も、伝統的な価値と知識を重んじる、文化に根ざした取り組みの必要を挙げている[12]。

今日からできること

  • 家で体を動かす遊びの中に、踊りの時間を入れる。週に何回、1回何分にするかは、家の広さとお迎えの後の時間で決めればよい。Head Startの施設を拠点にした試験では、家での身体活動を増やす働きかけで、勧めた5つの遊びのうち踊りが比較群よりはっきり増えた。ただし体重の変化は確かめられていない[19]。
  • 子どもがファストフードを食べた回数を、1週間ごとに数えてみる。例えばこの研究で食べる子の平均は週2.1回だったので、まずその数と自分の家の回数を並べ、上限を週に何回にするかは家族で決める。3〜5歳を1年追った研究では、週の回数が多い子ほど、体重の区分が一段上がりやすかった。観察研究なので、回数を減らせば必ず防げるとまでは言えない[11]。
  • 園から身体測定の結果が届いたら、体重の数字だけでなく、同じ年齢・性別の子の中での位置で見る。何か月ごとに見返すかは自分で決める。6か国の幼稚園の試験では、親が子どもの体重を実際より軽く見ていることが、BMIの位置の上昇と関連していた[5]。見る目的は食事を厳しくすることではない。
  • 食事の時間に「全部食べなさい」と迫る声かけを減らす。1週間の夕食のうち何回でその声かけを控えるかを、まず自分で決めておく。親向けのインターネットの講座の試験では、親の「食べるように迫る」関わり方が改善し、子どもの嗜好品を食べる頻度も減った。BMIには差が出ていない[16]。
  • 公民館や児童館のような地域の施設を、子どもと使う回数を月単位で決める。ナッシュビルの試験では、家族向けの取り組みを受けた親の方が、地域の施設を子どもと使う割合が高く(例えば介入群56.8%、対照群44.4%)、子どもの1日の摂取エネルギーも少なかった。BMIの軌跡は対照群と変わらなかった[9]。

園の送り迎えの道すじに、大人の60分を

園の連絡帳に書かれるのは子どもの一日で、大人が体を動かした時間はどこにも記録されないが、JR立川駅の北口を出て歩いて1分、東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fに、オンザショア立川店という溶岩ホットヨガのスタジオがある。

開いているのは8:00〜23:30で、曜日による違いはなく、年中無休だ。登園を見送った後の朝か、子どもが眠った後の夜か、空く時間帯は家庭ごとに違う。

溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガのレッスンだけで25種類以上になる。

医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

初めての人が受けられるのはヨガの体験で、60分のレッスンが税込1,980円、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットの貸し出しまでが含まれる。日時は体験の予約のページから選べ、通う場合の費用は料金のページに載っている。

体験の予約のページに並ぶ回の時刻を、お迎えの時刻と一つずつ見比べる。

参考文献

[3] Child Care Center Staff Readiness to Change in an Early Childhood Obesity Prevention Program. — Lebron et al., 2024, Journal of public health management and practice : JPHMP. DOI: 10.1097/phh.0000000000001850

[5] Prospective BMI changes in preschool children are associated with parental characteristics and body weight perceptions: the ToyBox-study. — Manios et al., 2022, Public health nutrition. DOI: 10.1017/s1368980021001518

[6] Relation between Attachment and Obesity in Preschool Years: A Systematic Review of the Literature. — Santos et al., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13103572

[9] Effect of a Behavioral Intervention for Underserved Preschool-Age Children on Change in Body Mass Index: A Randomized Clinical Trial. — Barkin et al., 2018, JAMA. DOI: 10.1001/jama.2018.9128

[10] Cluster-randomised trial of the impact of an obesity prevention intervention on childcare centre nutrition and physical activity environment over 2 years. — Natale et al., 2022, Public health nutrition. DOI: 10.1017/s1368980021004109

[11] Fast food intake and excess weight gain over a 1-year period among preschool-age children. — Emond et al., 2020, Pediatric obesity. DOI: 10.1111/ijpo.12602

[12] Obesity Prevalence and Dietary Factors Among Preschool-Aged Head Start Children in Remote Alaska Native Communities: Baseline Data from the “Got Neqpiaq?” Study. — Hill et al., 2023, Childhood obesity (Print). DOI: 10.1089/chi.2022.0143

[15] Impact of the great east Japan earthquake on the body mass index of preschool children: a nationwide nursery school survey. — Yokomichi et al., 2016, BMJ open. DOI: 10.1136/bmjopen-2015-010978

[16] An Internet-Based Childhood Obesity Prevention Program (Time2bHealthy) for Parents of Preschool-Aged Children: Randomized Controlled Trial. — Hammersley et al., 2019, Journal of medical Internet research. DOI: 10.2196/11964

[17] Nutrition and physical activity randomized control trial in child care centers improves knowledge, policies, and children’s body mass index. — Alkon et al., 2014, BMC public health. DOI: 10.1186/1471-2458-14-215

[19] Effects of an Obesity Prevention Intervention on Physical Activity Among Preschool Children: The CHILE Study. — Cruz et al., 2016, Health promotion practice. DOI: 10.1177/1524839916629974

[20] Dietary Behaviors and Caregiver Perceptions of Overweight and Obesity among Chinese Preschool Children. — Tang et al., 2018, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph15040716

冒頭の写真: 幼稚園の屋外に設けられた遊び場を写した写真。園での遊びの場となる園庭。(写真: M1chu / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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