学歴と肥満の関係は国の豊かさで逆を向く 91か国の比較と、糖尿病の道筋にBMIを見た遺伝の研究

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遺伝と環境は、きれいに分けられない

遺伝の手がかりを読むときに知っておきたいのが、遺伝と社会の条件が重なり合う研究だ。2026年の系統的レビューは98本の研究(遺伝の研究79本、遺伝子の働き方の印を調べた研究21本、2本は両方に該当)をまとめた。肥満に関わる多くの遺伝の違いを足し合わせた点数(ポリジェニックリスクスコア)の影響は、教育の短さや地域の貧しさが重なる人で強く現れることが多かった。ただし結果は、社会経済のどの要素を測ったか、人生のどの時期か、点数の作り方、肥満の定義、祖先の集団、解析の枠組みによって食い違っていた。遺伝と社会の掛け合わせを正式に検定した研究は29本にとどまる。[8]

同じレビューは、ストレスや代謝に関わる部位のDNAメチル化(遺伝子の働きを調整する化学的な印)が、社会経済的な不利と肥満をつなぐ道筋の一つかもしれないとしている。一方で、組織による違いと因果の向きは、まだ限界として残る。著者らは、教育と幼いころの社会経済的な条件が、遺伝による肥満のリスクを左右する変えられる環境かもしれないと結んでいる。ここから私が読み取るのは、遺伝の手がかりもまた環境の中で働いており、遺伝を使えば社会の影響を完全に取り除ける、とまでは言えないということだ。[8]

もう一つ、教育の「跡」を体の中に探した研究が、意外な結末を迎えている。27のコホート研究、合わせて10,767人のDNAメチル化を調べたメタ分析では、教育の長さと結びつく部位が9か所見つかった。ところが9か所とも、以前から喫煙と結びつくことが知られていた。たばこを吸ったことのない人に絞ると2か所しか残らず、その2か所も、母親の妊娠中の喫煙と強く結びつく部位だった。教育との関連の大きさは、BMIや飲酒、喫煙との関連よりはるかに小さかった。著者らは、残った2か所の教育の印に見えたものが、教育と母親の喫煙との相関を映している可能性を挙げている。[5]

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体の内側の印と、運動の続き方にも差があった

学歴と結びつくのは、体重計の数字だけではない。欧州の6つのコホート研究、最大17,470人を対象に、炎症の印を5種類比べた研究がある。いちばん教育の差と強く結びついていたのは、体の炎症の程度を表すC反応性タンパク(CRP)で、次がフィブリノゲン、やや弱くインターロイキン6が続いた。教育の短い人ほど炎症の値が高いという関連は、健康行動とBMIを調整した後も残っていた。インターロイキン1βと腫瘍壊死因子αでは、関連が見られなかった。体重が同じでも、体の内側の状態まで同じとは限らない。[4]

運動の場に通い続けられるかにも、教育の差が出ていた。バーモント州バーリントンの心臓リハビリテーションの施設に、2016年1月から2019年12月までに登録した1,407人を追った前向きの観察研究である。教育の年数は、開始時のほとんどの特徴と関連し、出席したセッションの回数を予測していた。修了時まで測れた917人では、教育の短い人ほど心肺の体力の伸びが小さく、ほかの変数を調整しても差は残った。著者らの結論は、本人の意志の問題として片づける形をとっていない。出席を増やすことと、行動の変化を支える形にプログラム自体を変えることを、施設の側の課題として挙げている。[3]

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暮らしが揺れた時期に、体重を保ちにくかった人たち

パンデミックで外出が制限された時期の体重を調べた研究を集めた系統的レビューがある。41本の研究、合わせて469,362人で、年齢は6歳から86歳までだった。体重が増えた人の割合は研究によって7.2〜72.4%、減った人の割合は11.1〜32.0%と幅があり、増えた量は0.6〜3.0 kg、減った量は2.0〜2.9 kgだった。体重が増えたのは、主に、もともと過体重や肥満だった人である。増えた人には、不健康な食べ物を食べる量の増加、身体活動の変化、睡眠の乱れが重なっていた。[19]

反対に、体重が減ったのは、もともと体重が少なかった人と、制限の前から食べる量が少なく体をよく動かしていた人だった。そして、体重を保つことは収入が減った人たちで難しく、特に教育の短い人で難しかった。このレビューの研究の多くは横断研究で、短い期間の結果である。それでも、平時には見えにくい差が、暮らしの土台が揺れた時期に表に出たという読み方はできる。在宅生活と体重の話は「コロナ禍の外出制限と体重変化 増えた人と減った人、在宅生活で分かれた道」の記事に詳しい。[19]

よくある誤解

「勉強をがんばれば、誰でも体の健康もついてくる」という見方がある。子どもの成績とBMIを追った米国の研究は、地域の条件まで調べて、この見方に注文をつけた。上の階層へ移りやすい地域かどうかを郡ごとに見ると、移りにくい地域に住む子どもでは、成績が高いほどBMIが高い側にあった。著者らは、不利な環境の子どもが成績を上げることの健康の代償は、上へ進むための支えが乏しい地域に集中していると書く。学歴の恩恵が体に届くかどうかは、本人の努力の外側にある条件にも左右される。[18]

「子どものころのつらい経験が、学歴も体重もまとめて決めてしまう」という説明も、すっきりしすぎている。1991〜1992年に英国南西部で生まれた子どもを追った研究では、16歳までに虐待やいじめなど4つ以上のつらい経験をした人は、一つもない人に比べ、家庭や社会経済の要因を調整した後も、16歳の時点で学業の成果が低いことのオッズ比が2.0(95%信頼区間1.7〜2.4)だった。ところが17歳の肥満とのオッズ比は1.4(0.9〜2.2)で、関連は弱かった。健康の解析に入った4,917人のうち、17歳で肥満だった人は7.3%である。著者らは、つらい経験だけ、あるいは社会経済の不利だけに絞った対策では多くの例を取りこぼすとしている。[6]

「学歴と体重の差は、自己管理の差にすぎない」と考える人もいる。社会経済的地位と肥満の総説を集めたレビューは、追跡研究から関係が両方向に流れていることを示した。社会経済的な不利が肥満より先に来る研究がある一方で、肥満が先にあり、その後の社会経済的な不利につながる逆の因果を示す研究もある。そのあいだを取り持つ要因として、健康行動のほかに、住む環境の条件、心理的な要因、生物学的な過程が調べられてきた。個人の心がけ一つにまとめられる話ではない。[14]

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今日からできること

  • 週に何日スポーツをするかを、いまの日数に1日足した数で置いてみる。ドイツの12年の追跡では、同じ人の中でスポーツの頻度が増えた時期が、BMIの低さと関連していた(係数−0.13)。観察の結果なので、足す日数と1回の長さは自分の今の生活から決める。[7]
  • パートナーとの同居を始めた時期や、世帯の収入が変わった時期を年表に1行ずつ入れ、その前後3年の自分の体重の推移と見比べる。同じドイツの研究が同じ人の中で測ったのは、同居に移った時期(+0.29)と収入が増えた時期(+0.10)がBMIの高さと関連していたこと、集団全体で最初の3年の上がり方が急だったことである。見比べる時期の手がかりとして借りる数字で、体重を量る間隔そのものはこの研究が調べていない。[7]
  • 1週間のうち酒を飲む日を、例えばいまより1日少ない数で置いてみる。欧州の研究は、遺伝の手がかりで推した教育が、BMIと並んで飲酒の量にも影響を持つことを、2型糖尿病への道筋の途中の要因として示した。飲む日を減らした人の体重を追った試験ではないので、減らす日数は自分の暮らしから決める。地中海食の中身は「地中海食で体重は落ちるのか 大規模試験が示す体脂肪と内臓脂肪、減量の条件」の記事に譲る。[2]
  • 在宅勤務や長い休みのように外へ出る日が減る期間に入る前に、間食を買い置きする量と、寝る時刻の幅を何分以内にするかを決め、期間の終わりに始めの体重と比べる。外出制限の研究では、体重が増えた人に不健康な食べ物の増加と睡眠の乱れが重なり、増えた量は研究によって0.6〜3.0 kgだった[19]。
  • 心臓の病気のあとリハビリに通っている人は、予定された回数のうち何回出られたかを数え、出にくい理由があれば担当の医療者に伝える。バーモント州の施設の研究では、出席の回数と体力の伸びに教育年数による差があり、著者らはプログラムの側の工夫を求めていた。[3]

問われるのは、学歴より体の状態

学校に通った年数は研究の大事な変数だが、運動の場に入る前に問われるのは体の側の条件で、オンザショア立川店ではその決まりが短く示されている。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

本文のドイツの追跡で、体重の推移と結びついていたものの一つが、スポーツをする頻度だった。頻度を保つには、仕事の終わり方が日によって違っても通える開き方があると助かる。店は8:00から23:30まで開いていて、休みの日は一年を通して無い。溶岩プレートを敷いた部屋のホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、HIIT、ボクササイズ、女性専用のキックボクササイズ、パーソナルトレーニングを扱い、ヨガのレッスンだけで25種類以上ある。

ヨガの体験は60分で、税込1,980円。バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットの貸し出しまで、その料金の中に含まれる。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅の北口から歩いて1分ほどだ。料金のページと体験の予約、店のトップはそれぞれのリンクから開ける。学歴の欄は書き換えられないが、スポーツをする日は来週から一日足せる。その一日目を体験の60分に充てる日として、今週の予定の空きから選び出す。

参考文献

[1] Educational attainment and obesity: a systematic review. — Cohen et al., 2013, Obesity reviews : an official journal of the International Association for the Study of Obesity. DOI: 10.1111/obr.12062

[2] Examining causal relationships between educational attainment and type 2 diabetes using genetic analysis: findings from the EPIC-InterAct study through Mendelian randomisation. — Macciotta et al., 2025, Journal of epidemiology and community health. DOI: 10.1136/jech-2024-222734

[3] The Association of Patient Educational Attainment With Cardiac Rehabilitation Adherence and Health Outcomes. — Gaalema et al., 2022, Journal of cardiopulmonary rehabilitation and prevention. DOI: 10.1097/hcr.0000000000000646

[4] Patterning of educational attainment across inflammatory markers: Findings from a multi-cohort study. — Maurel et al., 2020, Brain, behavior, and immunity. DOI: 10.1016/j.bbi.2020.09.002

[5] An epigenome-wide association study meta-analysis of educational attainment. — Karlsson Linnér et al., 2017, Molecular psychiatry. DOI: 10.1038/mp.2017.210

[6] Associations of adverse childhood experiences with educational attainment and adolescent health and the role of family and socioeconomic factors: A prospective cohort study in the UK. — Houtepen et al., 2020, PLoS medicine. DOI: 10.1371/journal.pmed.1003031

[7] Socioeconomic, behavioral, and psychological correlates of body weight and weight gain: evidence from a 12-year German panel study. — Bittmann, 2026, BMC public health. DOI: 10.1186/s12889-026-30138-w

[8] Socioeconomic position, genetic susceptibility, and epigenetic profiles in obesity across the life course: a systematic review. — van Uhm et al., 2026, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/s41366-026-02181-5

[14] Socioeconomic Status and Obesity. — Autret et al., 2024, Journal of the Endocrine Society. DOI: 10.1210/jendso/bvae176

[17] Life-course trajectories of body mass index from adolescence to old age: Racial and educational disparities. — Yang et al., 2021, Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. DOI: 10.1073/pnas.2020167118

[18] Youth academic achievement, social context, and body mass index. — Gaydosh et al., 2021, SSM – population health. DOI: 10.1016/j.ssmph.2020.100708

[19] Systematic review of the effects of pandemic confinements on body weight and their determinants. — Khan et al., 2022, The British journal of nutrition. DOI: 10.1017/s0007114521000921

冒頭の写真: 卒業生たちが空中へ投げ上げた、四角い天板の付いた複数の卒業帽。(写真: AKS.9955 / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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