肝硬変の体重管理は筋肉から 握力の低い人で死亡の危険が2.2倍だったメタ分析

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体重を減らすと言われたら、何を減らさないか

ここまでの研究は、筋肉の少なさと経過の関連を見た観察研究が中心だった。では体重を減らすべき人は、どう減らせばよいのか。正直に書くと、今回集めた論文の中に、肝硬変の人を実際に減量させ、筋肉がどう変わったかまで追った試験は無かった。言えるのは、指針やレビューがどんな組み合わせを勧めているかまでである。

Santangeliらのレビューによれば、国際的な栄養学会と肝臓病の学会は、サルコペニア肥満のある肝硬変の人の管理で、食事を治療の一部として使うことを強く勧めている。その中身は、摂るエネルギーを減らすことと、たんぱく質と微量栄養素を補うこと、塩分を制限することの組み合わせだ[17]。エネルギーを減らす話と、たんぱく質を補う話が、同じ文の中に並んでいる。体重を減らすときにも、筋肉の材料は削らないという設計である。

Goyalらのレビューは、サルコペニアと虚弱の管理を複数の手立ての組み合わせとして描いている。肝硬変の合併症とアンモニアの管理、体重1kgあたり1日1.2〜1.5gのたんぱく質と夜遅くの軽食による十分な栄養、計画された有酸素運動と筋力の運動、そのほか研究中の治療が並ぶ[9]。この数字はレビューが示す管理の目安であり、読者が自分の体重に掛けて当てはめる量ではない。減量もたんぱく質の量も、主治医の管理下で、一人ひとりに合わせて決められる。

夜遅くの軽食が挙げられていることは、同じレビューが筋肉を減らす要因の一つに、飢餓の状態に早く入ってしまうことを数えていたのと並べて読める[9]。減量のために夜は何も食べない、という世間でよく聞く工夫は、このレビューの勧めとは逆を向いている。

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食事を変えた試験は、何を動かし、何を動かさなかったか

食事の中身を変えて筋肉の指標を追った無作為化比較試験がある。Taghizadehらは30〜60歳の肝硬変の人42人を、植物と乳製品のたんぱく質を中心にした食事の群21人と、肉も含む標準的な食事の群21人に分けた[6]。2つの食事はエネルギーとたんぱく質の量をそろえてあり、違うのはたんぱく質の源だけだ。12週間後に、握力、椅子から5回立ち上がる時間、4mを歩く速さ、血液の指標、体の各部の計測を比べた。

植物と乳製品の群では、握力も立ち上がりも歩く速さも12週間で良くなった。ところが、標準の食事の群と比べると、差は統計的に明確でなかった[6]。群の中で良くなったことと、比べた相手より良くなったことは別の話であり、この試験が示したのは前者だけである。

はっきりした差が出たのは血液の側だった。植物と乳製品の群では血液中のアンモニアと、筋肉の成長を抑える物質であるミオスタチンが安定していたのに対し、標準の食事の群ではどちらも有意に上がった。アンモニアの値には群の間で明確な差があった[6]。体重、BMI、上腕の周囲長、上腕の皮下脂肪の厚さ、上腕の筋肉の周囲長には、群の間の差はなかった[6]。

つまり、たんぱく質の量を変えずに源を入れ替えると、12週間で体重は動かず、筋肉の働きにも群の差は出ず、群の間の差がはっきりしたのはアンモニアの値だった。小さな試験の一つの結果であり、これだけで肉を減らせという話にはならない。それでも、肝硬変の食事でたんぱく質の「量」と並んで「源」が研究の対象になっていることは分かる。

分岐鎖アミノ酸、いわゆるBCAAの補給については、Ismaielらのメタ分析がある[19]。12研究、計1,225人を質的にまとめ、そのうち5研究を数値で統合した。補給の前後で比べると、骨格筋指数と上腕の筋肉の周囲長は改善した。しかし握力と上腕の皮下脂肪の厚さには改善が見られなかった[19]。研究者は、含まれた研究の方法の質が限られているため、結果は慎重に解釈すべきだと書いている[19]。

ここでも、筋肉の量と力が別々に動いている。量の指標が増えても、握力が増えたとは言えない。冒頭のメタ分析で死亡と結びついていたのは握力の低下も含んでいたから、量が増えたという知らせだけで安心するのは早い[1][19]。BCAAは医療の現場で使われる製剤でもあり、使うかどうかは主治医が判断するものだ。

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よくある誤解

「肝硬変で筋肉が問題になるのは、痩せた人だけだ」。この思い込みは、移植の研究の数字が崩す。Brownらが肝移植を受けた401人を調べた研究では、移植時の平均のBMIは28で、決して痩せた集団ではなかった。それでも移植前に、女性の13%、男性の32%がサルコペニアと判定されていた[20]。97人の研究でも、サルコペニアだけがある人のBMIの中央値は23だった[10]。BMIの数字だけで、筋肉の足りなさは判定できない。

「移植を受ければ、筋肉は自然に戻る」も、同じ研究が否定する。CTで測った骨格筋指数は移植後の1年間で平均4.7cm²/m²下がり、その後も年に0.39cm²/m²ずつ下がった[20]。1年目より後の下がり方は女性のほうが速く、年に0.87cm²/m²と男性の0.17cm²/m²を上回った。移植から3年後には、女性の31%、男性の48%がサルコペニアだった[20]。移植の直後のリハビリテーションは、この研究では骨格筋指数の推移と関連していなかった[20]。

ただし、この研究では、移植前のサルコペニアは移植後の長期のサルコペニアを予測した唯一の要因だった一方で、移植後の死亡とは関連していなかった[20]。移植前のサルコペニアと移植後の死亡の関連を示したメタ分析[3]と、一見ぶつかる。片方は一つの施設の記録をさかのぼった研究で、もう片方は30のコホート研究を束ねたメタ分析である。研究の型と集めた人の数がこれだけ違えば、同じ問いでも答えが割れることはある。どちらの研究も、移植の前の筋肉の少なさを軽く見てよいとは言っていない。

「BCAAの製剤やサプリを飲めば、握力も戻る」という期待もある。先のメタ分析では、握力の改善は見られなかった[19]。植物と乳製品のたんぱく質の試験でも、筋肉の働きに群の差は出なかった[6]。飲む物だけで筋肉の力まで取り戻せるという根拠は、集めた論文の中には無い。

今日からできること

  • 主治医から体重を減らすよう言われている人は、食べる量を減らす日にも、たんぱく質の皿を一品残すと決める。指針が勧めるのは、エネルギーを減らすこととたんぱく質を補うことの組み合わせだった[17]。皿の中身を肉にするか魚や卵にするかは、その日の献立で選べばよい。
  • たんぱく質のうち、豆や乳製品から取る食事を週に何回にするかを、主治医と決めた量の範囲で自分で選ぶ。例えば、源を植物と乳製品に寄せて12週間続けた試験では、アンモニアの上昇が抑えられた[6]。体重や筋肉の働きには差がなかった点も覚えておく。
  • 夕食から翌朝までの空腹の時間を何時間までにするかを決め、主治医が認める内容で夜遅くの軽食を入れる時刻を選ぶ。レビューは夜遅くの軽食を栄養管理の一部に挙げている[9]。
  • 体を動かす日を週に何日にするかを、主治医に許された範囲で自分で決める。身体活動を増やすことは、肝硬変の人の生活の質に良い影響を示した介入の一つとして報告されている[14]。息が上がるほどの強さにするかどうかは自己判断で上げない。
  • 次の受診で、自分の筋肉の量を画像で測った結果があるか、握力の値はどうだったかを主治医に聞く。そのときに見せるため、椅子から5回続けて立ち上がる秒数を、何週間おきに同じ椅子で測るかを決めておく(体調の悪い日には測らない)。立ち上がりや握力は手軽な検査として挙げられ[9]、握力で判定したサルコペニアは死亡のハザード比2.21と結びついていた[1]。BCAAの製剤を勧められたときは、握力までは改善しなかったというまとめがあることを踏まえ、使う目的を尋ねる[19]。
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

主治医のひと言を持って、立川駅北口へ

肝硬変で通院し、運動の量を主治医と相談している人にまず関わるのは、医師に運動を止められている場合の扱いだ。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。止められていない人でも、溶岩プレートを敷いた暑い部屋に入ってよいかどうかは、肝臓の状態と腹水の有無を知る主治医にしか判断できないので、先に聞いておく。

レッスンはヨガだけで25種類以上あり、暑い部屋の溶岩ホットヨガのほか、室温のままで行う常温のヨガ、ピラティス、HIIT、ボクササイズ、女性専用のキックボクササイズ、パーソナルトレーニングがある。筋肉の話を受診で聞いた日が平日でも週末でも、営業は8:00〜23:30で、年中無休だ。

オンザショア立川店は、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにあり、JR立川駅北口から歩いて1分で着く。ヨガの体験レッスンは60分で税込1,980円、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットの貸し出しが含まれる。料金は料金の一覧、予約は体験の予約のページから入れられる。

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参考文献

[1] Prognostic value of different sarcopenia assessment methods for mortality in patients with liver cirrhosis: a systematic review and meta-analysis. — Xie et al., 2026, Frontiers in nutrition. DOI: 10.3389/fnut.2026.1876147

[3] Sarcopenia As a Predictor of Survival and Complications of Patients With Cirrhosis After Liver Transplantation: A Systematic Review and Meta-Analysis. — Markakis et al., 2025, Clinical transplantation. DOI: 10.1111/ctr.70088

[5] The impact of sarcopenia and frailty on decompensation in compensated cirrhosis: A systematic review. — Becchetti et al., 2025, Hepatology communications. DOI: 10.1097/hc9.0000000000000811

[6] The effect of a diet based on vegetable and dairy protein on biochemical and functional indicators of sarcopenia in patients with liver cirrhosis: a randomized controlled trial. — Taghizadeh et al., 2025, Nutrition journal. DOI: 10.1186/s12937-025-01272-9

[7] Overlap between body composition abnormalities and sex-specific prognostication in decompensated cirrhosis. — Yang et al., 2025, Frontiers in nutrition. DOI: 10.3389/fnut.2025.1705226

[9] Current management strategies for sarcopenia and frailty in cirrhosis: Missing link in transplant candidacy. — Goyal et al., 2026, World journal of hepatology. DOI: 10.4254/wjh.v18.i1.115048

[10] Interactions Between Sarcopenia, Physical Frailty and Resting Energy Expenditure in Cirrhosis and Portal Hypertension. — Jacob et al., 2025, Nutrients. DOI: 10.3390/nu17243844

[13] Correlation between computed tomography-based body composition parameters and hepatic venous pressure gradient in patients with cirrhosis: a systematic review and meta-analysis — Yang et al., 2024, Diagnostic and interventional radiology (Ankara, Turkey). DOI: 10.4274/dir.2023.232553

[14] Factors influencing and enhancing health-related quality of life in sarcopenia patients with liver cirrhosis: A comprehensive review. — Bhagchandani et al., 2025, Journal of family medicine and primary care. DOI: 10.4103/jfmpc.jfmpc_149_25

[17] Pathophysiological-Based Nutritional Interventions in Cirrhotic Patients with Sarcopenic Obesity: A State-of-the-Art Narrative Review. — Santangeli et al., 2024, Nutrients. DOI: 10.3390/nu16030427

[19] Effects of Branched-Chain Amino Acids on Parameters Evaluating Sarcopenia in Liver Cirrhosis: Systematic Review and Meta-Analysis. — Ismaiel et al., 2022, Frontiers in nutrition. DOI: 10.3389/fnut.2022.749969

[20] Cirrhosis-related sarcopenia may not resolve after liver transplantation. — Brown et al., 2023, JHEP reports : innovation in hepatology. DOI: 10.1016/j.jhepr.2023.100881

この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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