妊娠高血圧腎症と妊娠前の体重 BMIが5上がるごとに増す危険と、集団で違った傾き

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妊娠してからの体重は、減らす対象として測られていない

妊娠してからの体重については、Dudeらの前向きコホート研究が時期を分けて調べている。対象は初めて出産する、1人の赤ちゃんを妊娠した女性8,296人で、そのうち1,564人、18.9%が妊娠高血圧症候群を発症した。体重の変化は、自己申告の妊娠前の体重から最初の健診(妊娠6〜13週)までを初期、そこから2回目の健診(16〜21週)までを中期、3回目の健診(22〜29週)までを後期として測った。[9]

それぞれの時期の増え方は、妊娠前のBMIによって決まる週ごとの増加の目安に照らし、足りない・目安どおり・多すぎるの3つに分けられた。症候群との関連が示されたのは中期と後期で、目安を超えた増え方の調整発生率比は、中期で1.16、後期で1.19だった。体重の増えすぎは、病気がはっきり現れる前に起きていた。研究者は、妊娠中期の早い段階から、目安を超える増え方が症候群の危険の高さと結びついていたと結論している。[9]

この研究が数えたのは、目安に対する増え方の過不足である。妊娠中に体重を減らした人と減らさなかった人を比べたものではない。妊娠中の体重について言えるのは、目安を超える増え方が症候群の多さと結びついていた、というところまでだ。[9]

中国の蘭州で2010〜2012年に行われた出生コホート研究は、妊娠前の体格と妊娠中の増え方を同時に扱った。妊娠高血圧腎症の女性347人と、血圧が正常だった9,516人を比べている。妊娠前に過体重か肥満だった人は、普通体重の人に比べてオッズ比1.81、妊娠中の増え方が目安を超えた人は、目安どおりの人に比べて2.28だった。両方が重なった人では、普通体重で増えすぎもなかった人に比べて3.78と最も高かった。[14]

研究者は、妊娠前のBMIと妊娠中の増え方を互いに独立した危険因子とし、二つが重なると危険がさらに大きくなる可能性を、今後確かめるべき点として挙げている。妊娠前の体格は妊娠してからは変えられないが、増え方は妊娠中も続く別の出来事として測られている、ということになる。増え方の目安や、それを支える食事と運動の試験については「妊娠中の体重増加はどこまでよいか 食事と運動の試験で見える支援と数字の限界」の記事に譲る。[14]

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体の中では何が起きているのか

体重とこの病気をつなぐ仕組みの候補として、研究者が挙げるものの一つが炎症である。Jancsuraらは、過体重か肥満の女性のうち妊娠高血圧腎症を発症した37人と、発症しなかった74人の血液で、炎症に関わる20の物質を妊娠初期・中期・後期の3回測った。発症した人では、炎症を進める物質と抑える物質の多くが、初期と中期に高かった。[12]

後期まで高いままだったのは、腫瘍壊死因子アルファとインターロイキン8の2つだけである。発症しなかった人では妊娠が進むにつれて炎症の物質が増えたのに対し、発症した人では妊娠の間ほとんど変わらなかった。研究者は、過体重や肥満の女性で発症した人は、肥満に関連した炎症の高い状態のまま妊娠に入っていた可能性を考えている。37人と74人を比べた研究であり、肥満でない女性と炎症の様子が違うかどうかは今後の課題として残る。[12]

Lopez-Jaramilloらのレビューも、妊娠前の肥満や過体重、妊娠中の体重の増えすぎが、インスリンが効きにくい状態や全身の炎症と結びつき、血管の内側の膜の働きを損なう仕組みの一つとして提案されていると整理している。カルシウムやたんぱく質などの栄養の不足も、発症に関わる要因の一つに数えられる。ここで示されているのは仕組みの候補であって、食事を変えれば防げるという試験の結果ではない。[16]

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食事や薬で防げたという結果は、まだ出ていない

では、妊娠中の食事で何とかならないのか。Sharmaらの系統的レビューは、妊娠中の地中海食の守り方と、妊娠高血圧腎症、妊娠糖尿病、体重の増えすぎの関係を、観察研究と無作為化比較試験の合わせて7本から調べた。妊娠高血圧腎症を扱った4本のうち、危険の低さとの関連を報告したのは前向きコホート研究の1本だけで、点数が最も高い群の最も低い群に対するオッズ比は0.78だった。[5]

同じレビューで、地中海食は妊娠糖尿病については2本の無作為化比較試験で危険の低さと結びつき、体重の増えすぎについても1本の試験で、点数が1点上がるごとに相対リスクが0.91だった。研究者の結論は、妊娠糖尿病と体重の増えすぎには守る方向の関連があり、妊娠高血圧腎症にはそれが見られない、というものである。同じ食事でも、結果ごとに答えが違った。[5]

薬で体重を落としてから妊娠する場合はどうか。Pondugulaらの後ろ向きコホート研究は、妊娠前1年以内にGLP-1受容体作動薬を使っていた243人を調べた。このうち103人は妊娠前からの糖尿病のため、140人は体重の管理のために使っており、65.4%には妊娠中にも使った記録があった。比べる相手は、同じ目的で薬を使っていない人たちである。[4]

妊娠高血圧症候群との関連は、糖尿病の群でも体重管理の群でも見られなかった。調整オッズ比は順に0.72、0.83で、どちらも信頼区間が1をまたいでいる。体重管理の群では、妊娠中の増え方が目安に届かない人のオッズが低く、研究者は薬をやめた後の体重の戻りを映している可能性を挙げた。妊娠を考えているときは、そのことを処方した医師に伝え、薬を続けるかどうかとその後の体重の見方は医師と決める。自分の判断で薬を始めたりやめたりはしない。[4]

よくある誤解

「体重を整えれば、どの型の妊娠高血圧腎症も減らせる」という受け取り方は、蘭州の研究の細部と合わない。妊娠前の過体重や肥満、妊娠中の増えすぎとの関連は、軽い型、重い型、遅く発症する型では同じように見られたが、早く発症する型では関連が見つからなかった。この病気はいくつかの型を含み、体重との結びつきが型によって違う可能性がある。[14]

「コレステロールの値を見れば、なりやすい人が分かる」とも言えない。肥満の女性を追ったWilliamsらの研究では、通常の脂質の検査や診察の測定値には、発症した人と発症しなかった人で違いがほとんど無かった。細かな脂質の分析でも、妊娠初期と中期の値は発症を予測しなかった。違いが出たのは妊娠後期で、酸化ストレスへの反応に関わるとされる脂質の一群が、発症した人で高かった。[11]

「妊娠してからでも食事を減らせば取り戻せる」という考え方も、研究の測り方と食い違う。妊娠中の体重を調べた研究は、増え方を足りない・目安どおり・多すぎるの3つに分けていて、足りないことも目安から外れた状態として扱っている。妊娠中に体重を減らすことを勧めた研究は、ここで読んだ論文には含まれていない。[9]

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今日からできること

  • 妊娠を考えている人は、体重と腹囲を同じ日に測り、BMIと一緒に見る日を何か月おきにするかを決める。メタ分析は妊娠前か妊娠初期のBMIと腹囲を使い、例えばBMIが5上がるごとの妊娠高血圧腎症の調整オッズ比は1.70、腹囲での症候群のオッズ比は2.20だった[3][18]。
  • 妊娠を考えている人は、心血管の点数の4つの習慣のうち、体を動かす量について、週に何日・1日何分を増やすかを自分で決める。点数が高い群に比べて、中くらいの群で症候群のオッズ比は1.78だった。点数と発症の関連を追った観察研究で、習慣を変える試験の結果ではない。[2]
  • 同じ点数のもう一つの習慣である睡眠について、寝る時刻を何分早めるかを、妊娠を考えている時期の平日に決めて試す。研究は睡眠を食事・喫煙・体を動かす量と並ぶ習慣として点数に入れていたが、睡眠だけの働きは分けていない。[2]
  • 妊娠中の人は、食事を減らすのではなく、地中海食に近い食べ方を週に何日取り入れるかを決める。7本を集めたレビューでは、試験の1本で地中海食の点数が1点上がるごとに体重の増えすぎの相対リスクが0.91だった。妊娠高血圧腎症については、守る方向の関連は見られていない。[5]

妊娠の前と妊娠中で、選べるクラスは分かれる

妊娠前の心血管の点数には体を動かす量も入っていたが、その量を溶岩プレートを敷いた暑いスタジオで重ねられるのは、妊娠していない期間に限られる。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。

妊娠高血圧腎症と診断されたことがある人や、血圧の薬を使っている人が次の妊娠を考えているなら、暑い部屋のレッスンに入ってよいかどうかは、まず主治医の答えを待ちたい。血圧の薬の量や前回の妊娠の経過を知っているのは主治医だからである。

オンザショア立川店は、健診の帰りにも寄りやすいJR立川駅北口から歩いて1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。開いているのは毎日8:00〜23:30で、休みの曜日は無い。ヨガのレッスンは25種類以上あり、溶岩ホットヨガのほかに常温のヨガやピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも組まれている。

クラスの種類と費用は店のページと料金の一覧に載っている。妊娠中の人は、次の健診で主治医にマタニティヨガのことを尋ね、許しが出てから初めの1回を申し込む。

参考文献

[2] Lower Prepregnancy Cardiovascular Health is Associated With Hypertensive Disorders of Pregnancy: The CARDIA Study. — Dodds et al., 2025, Hypertension (Dallas, Tex. : 1979). DOI: 10.1161/hypertensionaha.124.24517

[3] The effect of maternal pre-pregnancy body mass index on hypertensive disorders of pregnancy (HDP): a systematic review and dose-response meta-analysis of cohort studies involving 50 million pregnancies. — Xiong et al., 2025, EClinicalMedicine. DOI: 10.1016/j.eclinm.2025.103395

[4] Gestational Weight Gain and Hypertensive Disorders of Pregnancy With Prepregnancy and Early Pregnancy Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonist Exposure. — Pondugula et al., 2026, Obstetrics and gynecology. DOI: 10.1097/aog.0000000000005995

[5] Impact of Mediterranean Diet Adherence During Pregnancy on Preeclampsia, Gestational Diabetes Mellitus, and Excessive Gestational Weight Gain: A Systematic Review of Observational Studies and Randomized Controlled Trials. — Sharma et al., 2025, Nutrients. DOI: 10.3390/nu17101723

[6] Preeclampsia and Eclampsia: A Complex Interplay Between Prepregnancy Obesity, Race, and Ethnicity. — Chehab et al., 2026, Journal of the American Heart Association. DOI: 10.1161/jaha.125.044260

[9] Weight gain in early, mid, and late pregnancy and hypertensive disorders of pregnancy. — Dude et al., 2020, Pregnancy hypertension. DOI: 10.1016/j.preghy.2020.03.001

[10] The Relationship between Obesity and Pre-Eclampsia: Incidental Risks and Identification of Potential Biomarkers for Pre-Eclampsia. — Abraham et al., 2022, Cells. DOI: 10.3390/cells11091548

[11] Lipidomics Reveals Elevated Plasmalogens in Women with Obesity Who Develop Preeclampsia. — Williams et al., 2023, Journal of clinical medicine. DOI: 10.3390/jcm12082970

[12] Inflammatory markers are elevated in early pregnancy, but not late pregnancy, in women with overweight and obesity that later develop preeclampsia. — Jancsura et al., 2023, American journal of reproductive immunology (New York, N.Y. : 1989). DOI: 10.1111/aji.13763

[14] Pre-pregnancy BMI, gestational weight gain and risk of preeclampsia: a birth cohort study in Lanzhou, China. — Shao et al., 2017, BMC pregnancy and childbirth. DOI: 10.1186/s12884-017-1567-2

[16] Obesity and Preeclampsia: Common Pathophysiological Mechanisms. — Lopez-Jaramillo et al., 2018, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2018.01838

[18] Maternal adiposity measures and hypertensive disorders of pregnancy: a meta-analysis. — Xiang et al., 2024, BMC pregnancy and childbirth. DOI: 10.1186/s12884-024-06788-2

冒頭の写真: 薄いピンクのブラウスと白いスカートを身に着け、建物の階段に裸足で座る妊婦。(写真: Oceanic7777 / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年11月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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