腎移植の後の体重増加 平均4.5kg増の1年目に、4人に1人は減っていた

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動いている人に多かったのは、家事でなく運動だった

移植を受けた4,034人の活動量を調べた研究がある。大規模な多施設の試験に参加した人の開始時のデータで、平均年齢は51.9歳、女性は37%、参加者の20%にはすでに心血管の病気があった。活動の点数は質問票の答えから作られたもので、機械で測ったものとは違う。この点数で低い、中くらい、高いの三つの組に分けると、高い組では激しい活動と歩行が多かった。ところが、毎日の家事、仕事の活動、座って過ごす時間には組の差が見られなかった。著者らの結論は、最も活動的な人はより意図して運動していた、というものだ。[19]

低い組には、過体重や肥満、糖尿病、心血管の病気のある人が多かった。ただし開始時の一時点のデータなので、動かないから体重が増えたのか、病気や体重のために動きにくいのかは決められない。若いこと、亡くなった人から腎臓を受けたこと、移植からの年数が短いこと、糖尿病がないことも、活動の点数の高さと関連していた。動ける条件そのものが、人によって違う。[19]

家事で一日中立ち働いている人は、「私は動いているから」と思いがちだ。この研究が見せたのは、家事や仕事の量ではなく、運動のために取った時間のほうに差があったということである。もちろん、差があったからといって、誰もが同じように増やせるわけではない。

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運動の試験は、移植の前の人で進んでいた

集めた論文で唯一の無作為化比較試験は、移植の後ではなく前の人を対象にしていた。移植の待機リストにいる121人を無作為に分け、一方は1回1時間、週3回、8週間の運動のプログラムに参加し、もう一方は通常のケアを受けた。平均年齢は63.4歳で、76%が男性、40%が虚弱の状態にあった。最後まで続けた106人で比べると、運動の組は通常のケアの組より、最大の仕事量で12.8ワット(95%信頼区間3.4〜22.2)、握力で1.8kg、太ももの筋肉の厚さで1.2mm上回った。追跡が短いこと、比較の数が多く偶然の可能性があることを、著者ら自身が限界として書いている。体重の変化は、この報告の評価項目に挙がっていない。[7]

移植の後では、高齢の人34人と34人の2組を比べた報告がある。個別の活動のプログラムで、どちらの組も体力、血圧、脂質、インスリンの効き、生活の質が良くなったとされる。ただし2組の違いは移植した腎臓の動脈の本数で、運動をしなかった組はいない。運動の効果を確かめた比較とは言いにくい。[12]

移植後の活動を整理したレビューは、さらに正直である。活動のデータは限られており、主に客観的でない方法で集められてきた。活動は移植の開始時にも、その後の経過の中でも低く、悪い経過と関連する可能性がある。そのうえで、活動を医療の欠かせない一部として扱うよう求めている。運動の強さは、座って安静にしているときの消費を基準にしたMETという単位で表され、3.0未満が座位中心の活動、3.0〜5.9が中くらい、6.0以上が激しい活動に分類される。慢性腎臓病の人への指針として、中くらいの強さで少なくとも1回30分、週5回という量も紹介されているが、これは移植後の人の試験の結果とは違う。集めた論文の中に、移植後の人の体重を主な結果にして運動や食事を試した無作為化試験は見当たらなかった。[10]

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よくある誤解

「肥満があると、移植はあきらめるしかない」。レビューによれば、肥満の人は手術の合併症のリスクが高く、待機リストに入りにくく、移植を受ける見込みも低く、待つ時間も長い。それでも肥満は手術の合併症のリスク因子であって、移植の禁忌とはされていない。透析に対する生存の利点もあり、複数の分野の専門職で治療を組むことで結果を大きく改善できる可能性があるという。低侵襲の手術の技術が合併症を減らしうるとも、このレビューは書く。あきらめる前に、移植の担当医と話す材料である。[3]

「体重が多いのは、食べすぎているからだ」。BMIが35を超え、移植を目指す人80人の体重管理を調べた研究に、意外な数字がある。詳しい栄養の評価を受けた44人のうち、減量のための栄養相談をそれまでに受けたことがある人は14.6%だけだった。計算上の1日の摂取カロリーは推奨の82.9%で、食べすぎの証拠はほとんどなかったという。66%は減量に向けて動き出す段階にいて、食べ方の質問で最も高かったのは、意識して食べる量を抑える傾向だった。移植の前の人の結果なので移植後にそのまま当てはめられないが、「食べすぎ」という見立てが先に立つ危うさは伝わる。この試みで目標のBMIに達した人は26.3%で、著者らは成果を、限られているが無視できないと評した。[14]

「体が弱っている人に運動は無理だ」。移植を待つ人の試験の参加者の40%は虚弱の状態にあったが、虚弱の人でもほとんどの項目で有意な改善が見られた。ただしこの試験は指導のもとで組まれたプログラムで、追跡も短い。自己流で同じ負荷をかけてよいという意味には読めない。[7]

今日からできること

  • 移植から最初の6か月は、体重を測る回数を先に決め、増え方を線で見る。この時期を選ぶ根拠は、増加が1年目によく現れ、最初の6か月の間に問題になりやすいとするレビューである[6]。回数そのものは調べられていないので、例えば週に1回から置き、1回の上下ではなく線の傾きを次の外来に持っていく。
  • 体重と同じ日に腹囲も測る。測るものを足す根拠は、95人の研究で平均のBMIが安定していた2年間に体脂肪が増え、サルコペニアのリスクには大きな腹囲も関わっていたことにある[4]。頻度は調べられていないので、例えば月に1回から始める。
  • 次の外来で、体脂肪と筋肉を分けて測る機会があるか、栄養の相談を受けられるかを尋ねる。移植を目指す人の研究では、詳しい評価を受けた44人のうち、減量のための栄養相談をそれまでに受けたことがある人は14.6%だけだった[14]。移植を待っている人は、運動のプログラムがあるかどうかも同じ場で聞ける[7]。
  • 1週間のうち、家事と仕事を除いて、運動のために取った時間を分で数える。4,034人の研究で活動の多い組と少ない組の差が出たのは、意図した運動と歩行だった[19]。例えば慢性腎臓病の人への指針には少なくとも1回30分、週5回という量があるが[10]、移植後の人の試験の結果ではないので、増やす幅は、いまの数字を主治医に見せてから考える。
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次の外来の紙に一行足す

家事でも仕事でもない運動の時間は通院の合間に探すことになるが、JR立川駅北口から徒歩1分の店は8:00〜23:30の間、年中無休で開いている。

ただし移植を受けた人には、店の時間より先に確かめることがある。免疫抑制薬を飲みながら溶岩ホットヨガの暑い部屋に入ってよいかは、移植を担当する主治医の判断を仰ぐ話だ。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fのオンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、ボクササイズ、女性専用のキックボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンが組まれている。ここまで読んだ体重や筋肉の変化を、店のレッスンが変えると言える根拠は無い。差し出せるのは、主治医の許しが出た人が、週の中に同じ運動の時間を置き続けるための営業の幅である。

ヨガの体験は60分のレッスンで税込1,980円、ヨガマットとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚のレンタルを含む。内容は店の案内と料金に、申し込みは体験の予約にある。次の移植外来の前に、暑い部屋に入ってよいかという問いを一行、診察で渡す紙に書き足す。

参考文献

[3] Obesity in kidney transplantation. — Di Cocco et al., 2020, Transplant international : official journal of the European Society for Organ Transplantation. DOI: 10.1111/tri.13547

[4] Obesity After Successful Kidney Transplantation. — Wołoszyk et al., 2020, Transplantation proceedings. DOI: 10.1016/j.transproceed.2020.02.091

[6] Weight Gain After Kidney Transplant. — Aksoy, 2016, Experimental and clinical transplantation : official journal of the Middle East Society for Organ Transplantation.

[7] Exercise-Based Prehabilitation for Kidney Transplant Candidates: the FRAILMar Randomized Controlled Trial. — Pérez-Sáez et al., 2025, American journal of kidney diseases : the official journal of the National Kidney Foundation. DOI: 10.1053/j.ajkd.2025.07.003

[8] Does obesity really affect renal transplantation outcomes? — Caamiña et al., 2024, Actas urologicas espanolas. DOI: 10.1016/j.acuroe.2023.08.007

[9] Weight gain after renal transplant: Incidence, risk factors, and outcomes. — Altheaby et al., 2022, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0268044

[10] Physical activity and renal transplantation. — Bellizzi et al., 2014, Kidney & blood pressure research. DOI: 10.1159/000355799

[11] Kidney transplant complications and obesity. — Olarte et al., 2009, American journal of surgery. DOI: 10.1016/j.amjsurg.2008.11.021

[12] Physical activity in elderly kidney transplant patients with multiple renal arteries. — Calogero et al., 2022, Minerva medica. DOI: 10.23736/S0026-4806.20.06573-8

[13] Effect of weight change after renal transplantation on outcomes of graft survival. — Barroso Hernández et al., 2022, Nefrologia. DOI: 10.1016/j.nefroe.2021.08.009

[14] Conservative Management of Obesity in Kidney Transplant Candidates. — Hajjar et al., 2022, Journal of renal nutrition : the official journal of the Council on Renal Nutrition of the National Kidney Foundation. DOI: 10.1053/j.jrn.2021.03.005

[19] Physical Activity and Cardiovascular Risk among Kidney Transplant Patients. — Kang et al., 2019, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/MSS.0000000000001886

冒頭の写真: 動物解剖学の博物館に展示された、哺乳類の腎臓の断面を見せる教材用の模型(写真: Wagner Souza e Silva / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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