ダイエットのきのこは油を吸うから避ける?揚げ方の研究と炒める一皿の考え方

きのこを炒めると油が見えなくなり、つい足したくなる。ダイエット中に避けるべきかを、揚げ調理の油の取り込み、厚さや温度、食べられる膜の実験から考える。研究の数値を家庭の炒め物へそのまま当てはめず、素材の栄養と完成した一皿の脂質を分けて読むための視点を示す。

フライパンにきのこを入れたら、さっきまで見えた油がなくなった。焦げそうな気がして油を足し、盛りつけた後で「きのこなのに、油を使いすぎたか」と気になる。夕食の支度で、食材より油の瓶を見つめる時間が長くなる。

答えの芯は、油を取り込むことだけを理由に、きのこを献立から外す必要はないということだ。きのこの揚げ調理では、切片の厚さ、油温、表面に付ける食べられる膜によって、最終的な油の含有量が変わった。油の取り込みは固定された性質だけではなく、調理条件にも左右される。[2]

ただし、揚げる実験で得た削減率は、家庭で炒めた一皿の削減率ではない。ここでは、油を吸うという印象を、そのまま食材の良し悪しに変換せずに考える。既存の「ダイエットのきのこはゆで汁も使う?加熱で変わる成分と香りを研究で読む」には水へ移る成分の問いを譲り、こちらは油と接する調理条件に焦点を絞る。

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きのこの栄養と、料理に加えた油を分ける

食用きのこを食品の原料として扱ったレビューでは、たんぱく質や食物繊維、ビタミン類、ミネラルを含む食材としての特徴が整理されている。きのこを粉末にして食品へ加える使い方も取り上げられ、栄養組成だけでなく食品の加工上の性質も検討されている。[5] きのこは油を吸うためだけに存在する食材ではない。

ここで区別したいのは、素材にどのような成分があるかと、完成した料理に何を加えたかである。きのこの栄養を論じたレビューと、揚げたきのこの油含有量を測った実験は、答えようとしている問いが違う。[2][5] 食材を選ぶ話と、調理を組み立てる話をつなぐには、その間に自分が使う油や衣を置いて考える必要がある。

例えば、買ってきたきのこを使う献立を考えるとき、「きのこが入っている」という説明だけでは料理の姿は決まらない。衣を付けて揚げるのか、フライパンで炒めるのか、別の調理法にするのかを先に言葉にする。そのうえで、油をどこで使い、何を皿へ移すのかを確認する。これは栄養価の計算結果ではなく、料理を曖昧な名前で判断しないための整理である。

食品開発のレビューで栄養面の特徴が評価されていることは、好きなだけ油を加えてよいという意味ではない。一方、揚げた食品に油が含まれることは、素材の成分が無意味になったという意味でもない。[2][5] 「健康的な食材だから料理も同じ」「油を吸うから食材ごと避ける」という両端を離れると、台所で調整する対象が見えてくる。

ダイエットという検索語から入っても、結論を体重の話へ急がなくてよい。以下で紹介する油の研究が測っているのは、調理したきのこの油含有量や加工上の変化である。[1][2] 体重を変えたいかどうかにかかわらず、同じ料理を自分の意図に沿って作りたい人にとって、調理条件を分ける視点は使える。

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揚げたきのこでは、厚さと温度で油含有量が変わった

きのこの油の取り込みを直接扱った食品実験では、油温を150〜180℃、切片の厚さを2〜6mmの範囲で変え、きのこ全体や部位の油の取り込みを調べている。さらに、表面へ食べられる膜を付ける条件も比較した。[2] 対象は人ではなく調理したきのこであり、調理条件とできあがった食品を比べる研究である。18〜39歳の女性の体重や健康への効果に、そのまま当てはめることはできない。

この実験では、試した範囲の中で油温が低い場合と切片が厚い場合に、最終的な油含有量が低かった。[2] 「細かく切れば、いつでも油を減らせる」「高温なら必ず油を吸わない」といった単純な説明では、この結果を扱えない。厚さと温度は、少なくともこの実験では結果に関係する条件だった。

ただし、ここから家庭の調理全体に対する最適温度を決めることはできない。研究の比較範囲が150〜180℃であったことと、自宅のフライパンをどのように使うかは別の問題である。[2] 低いほど際限なくよいと読み替えたり、加熱を不十分にしてよいと受け取ったりする理由にはならない。実験の温度は比較の枠として読む数字だ。

厚さについても同じである。2〜6mmという比較は、きのこの形をそろえながら条件を調べるためのものである。[2] 普段ほぐして使うきのこ、丸ごと使うきのこ、薄く切るきのこを、同じ料理として並べると判断が曖昧になる。切り方を試すなら、まず同じ種類で同じ料理を作るつもりなのかを確かめたい。

実験で厚い切片の油含有量が低かったという結果は、食べやすさや好みの優劣まで決めるものではない。[2] 家庭なら、歯応えを残したいのか、ほかの具材となじませたいのかという目的もある。研究が示す調理条件と、自分が食べたい料理の条件を並べて考える。数字は献立への命令ではなく、思い込みを点検する材料になる。

揚げ方を比較する研究を読む際には、結果だけでなく、何を動かした実験なのかも見る。この研究は温度、厚さ、表面の膜を扱っているため、単に「きのこが油を吸った」という観察より、調理のどこを変えると結果が変わるかに近づいている。[2] 家庭で役立つのも、結論の丸暗記より、その問いの立て方である。

例えば、きのこの種類も切り方も油の使い方も変えた料理を、前回の皿と見比べたとする。おいしくできたかは判断できても、どの変更が違いを生んだかは分けにくい。実験で条件を明示する意味はここにある。料理の記録にも「今回は切り方を変えた」と書き添えれば、次に何を確かめたいのかがはっきりする。

水分の蒸発を抑える膜が、油の取り込みも抑えた

同じ実験では、メチルセルロースとカッパカラギーナンという成分を、それぞれ濃度0.5%の食べられる膜として使っている。これらは食品の表面を覆うために用いられたもので、きのこの水分の蒸発と油の取り込みの関係を調べる役割を持つ。[2] 家庭の小麦粉の衣と、名前だけで同じものと考えないようにしたい。

表面を覆った条件では水分の蒸発が抑えられ、それに伴って油の取り込みが減った。最終的な油含有量の削減は10〜22%であった。[2] この結果が面白いのは、油だけを見ているようで、実際には水分の動きも調理の結果につながっている点である。油の瓶だけが実験の主役ではなかった。

この10〜22%は、比較した条件に対する食品中の油含有量の削減率である。[2] 料理全体のエネルギーが同じ割合で減ったという数字でも、食べた人の体脂肪が減ったという数字でもない。何が分母になった割合なのかを落とすと、台所の工夫が、いつの間にか体への約束へ変わってしまう。

別の食品実験では、オーツ麦のでんぷんとβグルカンを組み合わせ、揚げたきのこの衣として検討している。対象は食品であり、18〜39歳の女性が食べた際の体重変化を直接示す研究ではない。βグルカンはこの研究ででんぷんと組み合わせて使われた成分であり、組み合わせによって、でんぷんの膨張や水分の移動が抑えられ、連続した結びつきの強い層が形成された。[1]

顕微鏡による観察や成分の分析でも、その複合した衣による油の取り込みの低下が確かめられた。揚げたきのこの香りについても望ましい変化が報告されている。[1] 表面をどう設計するかが、水分、油、香りにまたがる課題だと分かる。ただし、オーツ麦を料理へ加えれば同じ結果になると受け取るのは早い。研究で作った衣の仕組みと、食材を足すだけの手順は分けておきたい。

膜の実験を読むときも、比較の相手を意識したい。油含有量が下がったという説明は、同じ条件で何と比べたのかを伴って初めて意味を持つ。表面に使う材料を変えた結果を、油そのものを替えた結果や、調理法を替えた結果として紹介しない。研究が試したのは特定の膜と揚げ調理の組み合わせである。[1][2]

両方の実験は、表面の層や水分の移動を変えることで油の取り込みを調整できるという方向で一致している。[1][2] 一方で、材料も比較条件も同一ではない。別の実験の削減率を合算したり、衣なら種類を問わず油を防ぐと一般化したりせず、どの条件で確かめたのかを残す読み方が必要だ。

数字で読むきのこの揚げ調理

150〜180℃:油の取り込みを調べた実験の油温の比較範囲である。[2]

2〜6mm:同じ実験で比べた切片の厚さであり、家庭で守る一律の切り幅ではない。[2]

0.5%:メチルセルロースとカッパカラギーナンの食べられる膜に用いた濃度である。[2]

10〜22%:食べられる膜を使った実験で達成された、最終的な油含有量の削減率である。[2]

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宮川涼 Founder

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