災害と避難生活の体重 福島で避難した人の平均1.2kg増とその後の10年

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レビューが挙げた条件には、本人の外にあるものが並ぶ

災害の研究を集めた系統的レビューは、災害の後の体重増加を報告した17本を整理した。11本が子ども、5本が大人、1本が思春期を対象とし、すべてコホート研究で、対象の年齢は生後3か月から67歳まで、追跡は6か月から15.5年に及ぶ[5]。

危険の要因として挙げられたのは、座りがちな暮らし、不健康な食べ方、母親のBMIの高さ、混合栄養、ストレス、飲酒、沿岸に住んでいたこと、仮設住宅、災害からの時間である[5]。並べてみると、沿岸に住んでいたこと、仮設住宅、災害からの時間は、本人が明日から変えられる項目ではない。座りがちな暮らし、食べ方、飲酒、ストレスは行動や心理の項目だが、それが起きた場も災害の後の暮らしである。本人の内か外かという線引きは私の整理で、レビューが示した区分ではない。著者らは、災害の後の肥満を、けがの手当てなどの差し迫った課題と並べて公衆衛生の課題に組み込むよう提案し、その影響が世代をまたいで長く続く点も強調している[5]。

時代をさかのぼると、1995年の阪神・淡路大震災の研究がある。淡路島の男性108人を調べると、暮らしが悪くなった群では、心的外傷後ストレスの得点が高く、仮設住宅に住む人の割合も高かった[1]。震災の後の調査であり、暮らしが悪くなったから得点が高いのか、その逆かは分からない。ただ、住まい、心、暮らしの3つが同じ群に重なって出てくることは、16年後の福島の研究と響き合う。

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10年の数字は、増え方がゆるやかになった話だった

では、その後はどうなったのか。福島県の原子力発電所の周辺の13の市町村の住民を調べた総合的な健診の報告がある。震災の前後の健診を比べる部分と、2011〜2017年度の健診を追う部分からなる。前者によると、2011〜2012年度には、過体重、高血圧、脂質異常、糖尿病、代謝症候群、肝機能の異常のほか、尿酸値の高さ、多血症、心房細動が、2008〜2010年度より増えた。この傾向は避難した人で最も強かった[19]。

2011〜2017年度の変化は一様ではない。過体重の人の割合は変わらず、肝機能の異常は減り、高血圧と脂質異常の治療を受ける人は増えた。一方で、糖尿病とHbA1c(血糖の平均を示す値)は上がった[19]。避難した人は、避難しなかった人より、糖尿病、脂質異常、慢性腎臓病、肝機能の異常の危険が高く、著者らは、健康状態を見守り、生活習慣病を防ぐ対策を続ける必要があると結ぶ[19]。

10年の単位で見たのがFukasawaらの研究である。福島県の40〜74歳の住民の特定健診のデータ、710,201人分を2012〜2021年度について調べた。代謝症候群は事故の直後に避難区域で急に増えたが、その後の増え方は、避難区域のほうが周囲の地域よりゆるやかだった[16]。

なぜゆるやかなのか。新たに代謝症候群になる人の増え方が遅いことが一部を説明し、代謝症候群からの回復の速さは2つの地域で違わなかった[16]。つまり、治った人が多かったのではなく、新しく当てはまる人の増え方が抑えられていた。理由は要約に書かれていないので、ここでは推測しない。ゆるやかになったのは増え方で、増えること自体が止まったのではない[16]。

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暮らしの答えと、手当てを試した試験

暮らしの答えと糖尿病を結んだ研究もある。2015年に福島で特定健診を受けた40〜74歳の193,246人を2020年まで追った研究は、10の生活の問いを2つのまとまりに分けた。喫煙、飲酒、朝食を抜くこと、早食い、遅い夕食、間食のまとまりと、運動、歩く量、速歩き、十分な睡眠のまとまりである[10]。前者の点数が最も良い組は、最も悪い組に比べて2型糖尿病のハザード比が男性0.82、女性0.87と低かった[10]。後者の関連がはっきり出たのは、過体重でない男性だけだった[10]。災害の影響を調べた研究ではないので、先に見た糖尿病の上昇を説明する数字としては使えない。それでも、同じ県の同じ年代で、どの答えが体の数字に結びつくかを測った記録である。

手当てを試した試験は、汶川地震の後の研究にある。家族を亡くし、代謝症候群のある132人を対象にした無作為化試験で、ストレスへの対処を土台にした自己管理の手引きと取り組みを組み立てた。取り組みの直後と2か月後のどちらでも、自己管理の行動の合計点と6つの領域の点が対照群より高かった[20]。要約に書かれた結果は行動の点数で、体重や代謝の数字の改善までは読み取れない。災害の後の体の問題を、本人の頑張りに任せず手順として渡す試みの1つとして読む。

「避難した人」をひとまとめにしない

研究を並べると、同じ避難でも、誰に何が出たかは揃っていない。血圧の研究では、避難の経験との関連が見られたのは男性だった[13]。飲酒の研究では、飲みすぎる人の増加も高血圧との強い関連も女性の側で目立った[14]。幼児の研究では、福島の成長曲線で上昇が見られたのは男の子だった[7]。

年齢も違う。平均67歳の健診の結果は[9]、小学生の結果と[2]、同じ言葉で語れない。災害の種類も、地震、津波、原子力事故で、暮らしの壊れ方が違う。論文の数字を「被災した人はこうなる」という1つの文に縮めると、目の前の1人の事情が見えなくなる。研究が示しているのは傾向であり、個人の予測とは別のものだ。

災害は予告なしに来る[5]。立川に住む読者にとっても、これは遠い土地の記録とだけは言えない。自分が避難する側になることも、遠くの親族が避難した人になることも、起こりうる。そのときに役立つのは、「太った」という1語の評価より、歩く分数、夕食の時刻、酒の量、健診の数字という、論文が実際に測ってきた項目のほうだろう。

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よくある誤解

「災害の後は痩せるものだ」。食べ物が足りない数日の印象としては分かるが、年の単位で追った日本の健診や学校の記録は、増える向きの数字を示した[2][9]。ただし、系統的レビューは体重増加を報告した研究を集めたものなので、すべての災害で全員が増えるという意味にはならない[5]。

「避難しなかった人には関係がない」とも言えない。福島の13の市町村では、避難しなかった人の平均体重も有意に増え[9]、女性の飲みすぎの増加は避難区域の外でも見られた[14]。避難した人より小さいとはいえ、影響を避難の有無だけで線引きできないことを、これらの数字は示している。

「時間がたてば元の体に戻る」も、数字とは合わない。過体重の人の割合は2017年度まで変わらないままで、同じ期間に糖尿病とHbA1cは上がった[19]。代謝症候群は増え方がゆるやかになっただけで、回復の速さは避難区域で特に速いわけではなかった[16]。福島の幼児の研究が題に掲げたのも、上昇が長く続いたことだった[7]。指標によって動きが違い、悪化が続いたものもある。自然に戻ったとは言えない。

今日からできること

  • 引っ越しや異動で暮らしが変わったら、1日に歩く分数を前の暮らしと比べる。論文が調べたのは、仮設住宅の小学生の通学の時間までである[2]。大人の歩く分数を調べた論文はここには無いので、測り方だけを借りた項目と考える。
  • 遅い夕食、朝食を抜く日、間食の日が週に何日あるかを数え、多いものを1つ選んで、例えば週に1日減らす。福島の40〜74歳の研究では、これらに喫煙、飲酒、早食いを合わせた答えの点数が最も良い組で、2型糖尿病のハザード比が低かった[10]。観察研究なので、1日減らした効果を調べた数字ではない。
  • 酒の量を暮らしが変わる前と後で比べ、後のほうが多ければ、暮らしが変わる前の量を超えないようにする。もとから多いと感じる人は医師に相談する。例えば福島の避難区域の女性では、震災後だけ飲みすぎた人の高血圧のハザード比が、前後とも飲みすぎなかった人に対して2.34だった[14]。
  • 健診の結果は、前の年の紙と並べて読む。福島の研究は、災害の前の健診があったから変化を測れた[19]。体重の行だけで安心せず、血糖、血圧、脂質の行も横に見る。
  • 代謝症候群と言われている人は、食事、運動、薬、気持ちの4つのうち、手が回っていない領域を1つ選び、次の受診で医師に尋ねる。汶川地震の後の試験で、自己管理の点が上がった領域の名前である[20]。

帰る時刻が読めない時期に

暮らしが変わって帰る時刻が読めない時期は、乗り換えのついでに寄れるかどうかが先に来るので、JR立川駅北口から徒歩1分という距離を先に書いておく。ここまでの論文に、ヨガを調べたものは無い。店について言えるのは、場所と時間の事実までである。

オンザショア立川店の場所は東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3F。溶岩プレートを敷いた部屋のホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、ボクササイズ、HIIT、女性専用のキックボクササイズがあり、ヨガだけで25種類以上ある。8:00〜23:30の営業は曜日で変わらず、年中無休である。

体験レッスンはヨガだけで、60分の料金は税込1,980円。ヨガマットのレンタルとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚も、その金額に含まれている。詳しいことは店の案内と料金の案内に、申し込みの窓口は体験の予約にある。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

暮らしが変わった後の帰り道を地図でたどり、立川駅で降りられる日を探す。

参考文献

[1] Posttraumatic stress and change in lifestyle among the Hanshin-Awaji earthquake victims. — Fukuda et al., 1999, Preventive medicine. DOI: 10.1006/pmed.1999.0528

[2] Obesity in elementary school children after the Great East Japan Earthquake. — Moriyama et al., 2018, Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society. DOI: 10.1111/ped.13468

[5] Obesity after Natural disasters and Associated Risk Factors: A Systematic Review. — Nour et al., 2025, Disaster medicine and public health preparedness. DOI: 10.1017/dmp.2024.347

[7] Prolonged elevated body mass index in preschool children after the Great East Japan Earthquake. — Isojima et al., 2017, Pediatrics international : official journal of the Japan Pediatric Society. DOI: 10.1111/ped.13340

[8] Longitudinal changes in body mass index of children affected by the Great East Japan Earthquake. — Zheng et al., 2017, International journal of obesity (2005). DOI: 10.1038/ijo.2017.6

[9] Effect of Evacuation on Body Weight After the Great East Japan Earthquake. — Ohira et al., 2016, American journal of preventive medicine. DOI: 10.1016/j.amepre.2015.10.008

[10] Lifestyle behaviour patterns in the prevention of type 2 diabetes mellitus: the Fukushima Health Database 2015-2020. — Ma et al., 2023, Public health. DOI: 10.1016/j.puhe.2023.08.026

[13] Impact of lifestyle and psychosocial factors on the onset of hypertension after the Great East Japan earthquake: a 7-year follow-up of the Fukushima Health Management Survey. — Kobari et al., 2022, Hypertension research : official journal of the Japanese Society of Hypertension. DOI: 10.1038/s41440-022-00968-3

[14] Association Between Changes in Alcohol Consumption Before and After the Great East Japan Earthquake and Risk of Hypertension: A Study Using the Ministry of Health, Labour and Welfare National Database. — Sato et al., 2023, Journal of epidemiology. DOI: 10.2188/jea.JE20220161

[16] Prevalence, incidence, and recovery of metabolic syndrome after the fukushima nuclear power plant disaster: A 10-year longitudinal study. — Fukasawa et al., 2024, Social science & medicine (1982). DOI: 10.1016/j.socscimed.2024.117296

[19] Trends in Lifestyle-related Diseases and Their Risk Factors After the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident: Results of the Comprehensive Health Check in the Fukushima Health Management Survey. — Ohira et al., 2022, Journal of epidemiology. DOI: 10.2188/jea.JE20210386

[20] Application of health self-management intervention program for metabolic syndrome patients in the bereaved population following the Wenchuan earthquake. — Lihua et al., 2023, Frontiers in public health. DOI: 10.3389/fpubh.2023.1277389

冒頭の写真: 宮城県石巻市の門脇小学校に展示された、東日本大震災の後に使われた仮設住宅(写真: Yasu (talk) / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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