ほうれん草のチラコイドと食欲 間食の欲求は減ったが食べた量は変わらなかった試験

茎から切り離して集めた重さ1kg分のほうれん草の葉を写した写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

メタ分析が示したのは、短い期間の空腹と満腹

食欲の試験を束ねたのが、Nikradらの系統的レビューとメタ分析である。チラコイドを食事と組み合わせると、空腹は加重平均差で−2.415mm(95%信頼区間−3.544〜−1.287)、満腹は+4.602mm(同2.356〜6.848)と、どちらも好ましい向きに統計的に有意だった[16]。mmは線の上の目盛りの長さで、kgのように体で感じられる単位とは違う。有意であっても、「間食をやめられるほどの差」かどうかは、この数字からは読めない。

著者の結論は「短い介入期間で」という条件付きである。空腹の低下は、介入が56日未満のときや、もともとの空腹が45mm未満のときに確かめられた。満腹の上昇は、84日未満のときや、もともとの満腹が45mmを超えるときに確かめられた[16]。もともとの空腹が低い側で確かめられたのだから、ひどく空腹な人ほど効いたという形の結果ではない。量としては、1日5gと7.4gが空腹を下げるのにより有効とされている[16]。長く飲み続けるほど効くという話は、この分析からは出てこない。解析の対象も空腹と満腹の感覚で、体重は含まれていない[16]。

植物全体を見渡したPayabらの系統的レビューは、279件の臨床試験を含み、食欲を下げた植物の中にほうれん草の名を挙げる[20]。ただし、要約に体重の統合値が示されたのは緑茶やインゲンマメの仲間で、ほうれん草の記述は食欲までである。著者らも、効き目を確かなものにするには質の高い試験がまだ要るとしている[20]。

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運動に足すと、2本の試験の結論が割れた

粉を足すか、体を動かすか。この問いに近い形の試験が、肥満の男性を対象に2本ある。Saeidiらの2023年の試験は、平均27.6歳、平均BMI32.6の男性68人を、対照、サプリ、トレーニング、トレーニングとサプリの4群に17人ずつ分けた[5]。トレーニングは高強度のファンクショナルトレーニングで、週3回、1回最大60分を12週続ける。抽出物5gか、偽薬のコーンスターチ5gは、昼食の30分前にとった[5]。

この試験では、インスリン、血糖、インスリン抵抗性の指標に群の差が認められ、著者らは、トレーニングにチラコイドを足すことでレプチンなどの脂肪由来の物質やインスリン抵抗性が下がったと結論している[5]。

同じ型の試験が2026年に出た。Raziらは肥満の男性60人を15人ずつ4群に分け、週3回のトレーニングを12週続けた。脱落が27%あったため、計画どおり続けた人だけの解析と、割り付けた全員の解析の両方を行い、多くの項目を調べることの補正もかけている[7]。

結果は、トレーニングをした2群が、偽薬だけの群より体組成とインスリン感受性で改善した。一方、トレーニングに偽薬を足した群とチラコイドを足した群の間に、全身の代謝の指標で有意な差はなかった[7]。一部の物質で控えめな上乗せの兆しはあったものの、運動だけの場合を上回る臨床的な優位には届かず、著者らは探索的な所見と位置づける。12週のトレーニングが主な原動力だというのが結論である[7]。

2本の結論は食い違う。どちらが正しいかは、まだ決められない。共通しているのは、体を動かした群で数字が動いたことだ。どちらも若い肥満の男性の試験で、強度も高い。30〜50代の女性にそのまま当てはめられる結果とは言えない。粉の検討より先に体を動かすことを考える、という順番は、2本を並べた私の読みとして書いておく。

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皿の上のほうれん草は、別の話として読む

ほうれん草そのものを食べた試験は、ずっと古い。Gustafssonらの1995年の試験は、健康な男性10人に、ひと晩の絶食の後の朝、電子レンジで加熱したほうれん草入りの食事を食べてもらった。量は150gと250gで、食物繊維は順に4.3gと7.2g。切ったものと細かく刻んだものも比べた。ほうれん草のない対照の食事も含め、エネルギーは2000kJ、消化される炭水化物は59gにそろえてある[2]。

3.5時間の観察で、多い方の量は満腹感を高め、食後の血糖の上がりを抑えた。刻み方の違いは満腹感に影響しなかった[2]。満腹感の得点は、野菜の食物繊維と水分の量に正の相関を示すように見えた[2]。

この試験はチラコイドを調べたものとは違い、論文が手がかりとして挙げるのは繊維と水である。葉を何g食べれば濃縮品5gに当たるのかにも、加熱で膜がどうなるのかにも、この試験は答えない。健康な男性10人の朝の1食の結果なので、毎日の夕食の副菜で同じことが起きるとも言えない。電子レンジから出てきた山盛りの緑と、スプーン1杯の粉を、同じ話として扱うわけにはいかない。

よくある誤解

「欲求が36%減るなら、間食も36%減る」。これは測定値の読み違いである。36%は欲求の得点の低さで、間食の回数や量の減りとは違う[3]。線の上の印が左に動いたことと、袋を開けなかったことの間には、まだ距離がある。

「誰にでも同じように効く」とも言えない。チラコイドの食欲の試験の多くは、過体重か肥満の人を対象にしている[3][4][15]。普通の体重の人がさらに痩せるかどうかを調べた試験ではない。男女の比較も、確かめられたとは言いにくい。男性で夕食が減る傾向を見た試験は、性別による欲求の違いの可能性を示すにとどまる[4]。

「葉の成分だから、飲み方に気をつけなくてよい」という受け止めにも根拠はない。チラコイドは食事の脂肪や炭水化物の吸収を遅らせると説明され、食後の血糖の数字も動かしている[1][4]。ここで読んだ論文の要約に、長く飲み続けたときの安全性を確かめた記述は無かった。

「飲むのは朝がよい」という話も、比べた結果があるわけではない。朝食の前に飲む試験もあれば、昼食の前や昼食と一緒に飲む試験もあり[3][4][5]、時刻そのものを比べた試験は見当たらない。試験の設計の都合で決まった時刻を、効く時刻と読み替えないほうがよい。

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今日からできること

  • ほうれん草を食事に足すなら、いつもの1回分を一度はかりに載せ、1食で何gまで増やすかを決める。例えば試験の量は加熱した150gと250gで、満腹感が高まったのは多い方だった。健康な男性10人の1食の試験で、切り方は問われず、試験の量をそのまま目標にする話でもない[2]。
  • 間食をしない三食を、何週間続けるかを決めて試す。例えば2週間で区切って見直す(2週間は読者の例)。12週の試験では偽薬の群もこの指示の下で3.5kg減っていたが、全員に活動を増やす指示も出ていて、指示を受けなかった群がないので、指示の効果は分けられない[19]。
  • 息の上がるトレーニングを週に何回入れるかを決める。体組成とインスリン感受性が偽薬だけの群より改善した試験は週3回で、対象は若い肥満の男性だった[7]。例えば週1回から始める形は読者の例で、この試験が調べたものではない。
  • 空腹と「あれが欲しい」を、1日2回、別々の点数でつけてみる。例えば1週間続け、欲しさが高い時間帯を見つける(日数は読者の例)。試験でも空腹と欲しさは別の項目として測られていた。測り方を借りるだけで、点数をつけること自体の効果を調べた試験ではない[3]。

粉の前に、一週間の動かし方を見る

ほうれん草の膜の話を長く読んでもらった後で店が言えるのは、溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガやピラティス、HIITといった、葉の成分とは関係のない種目のことだけだ。

オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10のエトロワビル3Fにある。8:00〜23:30の間で全曜日あいているので、甘いものが欲しくなる夕方の手前にも、夜遅くにも時間を置ける。ヨガだけで25種類以上あり、常温のヨガも含まれる。パーソナルトレーニングや、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズもある。

体験はヨガの60分で、税込1,980円。バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルまでその金額に入る。料金は料金の案内に、申し込みは体験の予約にある。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

ほうれん草の話を読んだ今週は、欲しさの点数が高かった時間帯をひとつ丸で囲み、その前後に動く日を置いてみる。

参考文献

[1] Thylakoids: A Novel Food-Derived Supplement for Obesity – A Mini-Review. — Foshati et al., 2020, International journal for vitamin and nutrition research. Internationale Zeitschrift fur Vitamin- und Ernahrungsforschung. Journal international de vitaminologie et de nutrition. DOI: 10.1024/0300-9831/a000556

[2] Satiety effects of spinach in mixed meals: comparison with other vegetables. — Gustafsson et al., 1995, International journal of food sciences and nutrition. DOI: 10.3109/09637489509012564

[3] Consumption of thylakoid-rich spinach extract reduces hunger, increases satiety and reduces cravings for palatable food in overweight women. — Stenblom et al., 2015, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2015.04.051

[4] Acute Effects of a Spinach Extract Rich in Thylakoids on Satiety: A Randomized Controlled Crossover Trial. — Rebello et al., 2015, Journal of the American College of Nutrition. DOI: 10.1080/07315724.2014.1003999

[5] Supplementation with spinach-derived thylakoid augments the benefits of high intensity training on adipokines, insulin resistance and lipid profiles in males with obesity. — Saeidi et al., 2023, Frontiers in endocrinology. DOI: 10.3389/fendo.2023.1141796

[7] Adipo-Myokine Modulation in Obesity: Integrative Effects of Spinach Thylakoids and Functional Training in Men with Obesity: A Randomized Controlled Clinical Trial. — Razi et al., 2026, Nutrients. DOI: 10.3390/nu18030509

[11] The effects of spinach-derived thylakoid supplementation in combination with calorie restriction on anthropometric parameters and metabolic profiles in obese women with polycystic ovary syndrome: a randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial. — Tabrizi et al., 2020, Nutrition journal. DOI: 10.1186/s12937-020-00601-4

[15] Supplementation by thylakoids to a high carbohydrate meal decreases feelings of hunger, elevates CCK levels and prevents postprandial hypoglycaemia in overweight women. — Stenblom et al., 2013, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2013.04.022

[16] Thylakoid supplementation and hunger and fullness perception: a systematic review and dose-response meta-analysis of randomized controlled trials. — Nikrad et al., 2025, Nutrition reviews. DOI: 10.1093/nutrit/nuae012

[17] Reward-Induced Eating: Therapeutic Approaches to Addressing Food Cravings. — Rebello et al., 2016, Advances in therapy. DOI: 10.1007/s12325-016-0414-6

[19] Body weight loss, reduced urge for palatable food and increased release of GLP-1 through daily supplementation with green-plant membranes for three months in overweight women. — Montelius et al., 2014, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2014.06.101

[20] Effect of the herbal medicines in obesity and metabolic syndrome: A systematic review and meta-analysis of clinical trials. — Payab et al., 2020, Phytotherapy research : PTR. DOI: 10.1002/ptr.6547

冒頭の写真: 茎から切り離して集めた、重さ1kg分のほうれん草の葉を写した写真(写真: Nillerdk / CC BY 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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