寝る前のたんぱく質は筋肉に届くか カゼインで眠る間の合成は増え、翌朝の代謝は動きにくい

ボウルに入ったカッテージチーズを写した一枚の写真乳製品の食品 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

「寝る前」は、試験の中ではかなり狭い

日常の「寝る前」は幅が広い。夕食の皿を片づけた直後も、歯を磨いた後も、布団に入ってからも寝る前である。試験の「寝る前」はずっと狭い。閉経前後の女性の試験は、最後の食事から2時間以上あけて、眠る30分以内に飲むと決めていた[3]。活動的な女性の試験も、標準の食事の2時間後で、いつもの就寝の30〜60分前だった[4]。肥満の女性の4週間の試験は、毎晩、眠る30分以内である[18]。

つまりこれらの試験は、夕食を済ませ、胃が落ち着いたころに、もう一度口に入れる形を調べている。残業で遅くなった夕食の皿にたんぱく質を増やす話とは、条件が違う。夕食の時刻そのものの研究は「夜遅い食事は太るのか 体内時計と比較試験で読む、夕食の時刻だけでは決まらない理由」の記事に、寝る前の間食全般は「寝る前の間食は太るのか たんぱく質補給と翌朝の代謝、減量を分けて考える」の記事に譲る。ここでは、たんぱく質を夜に足す試験だけを見る。

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翌朝の代謝は、ほとんど動かなかった

痩せる話に移ると、景色は変わる。2021年の系統的レビューは、健康な人と過体重・肥満の人を調べた11本の研究を集めた。就寝30分前に24〜48 gのカゼインを摂っても、代謝や食欲への影響は限られるか、無い。これが主な結論で、データはまだ少ないとも断っている[1]。

個々の試験も静かだ。平均71.3歳の12人が、40 gのたんぱく質飲料、同じカロリーの糖質飲料、水を入れ替えて試した試験では、翌朝の食欲、朝食で食べた量、安静時代謝(じっとしていても使うエネルギー)のどれにも差が無かった[2]。運動習慣の少ない閉経前の女性7人と閉経後の女性7人が、カゼイン25 gと偽薬を試した試験でも、翌朝の代謝と食欲は偽薬と変わらなかった。閉経後の女性の安静時代謝はどちらの夜でも閉経前の女性より低かったが、これは飲み物の差ではなく二つの集団の差で、平均年齢は閉経後の女性が56.4歳、閉経前の女性が19.9歳と離れていた[3]。

活動的な女性10人の試験は、数字の並びが少し可笑しい。たんぱく質30 gのカッテージチーズ、同じ量のカゼイン飲料、カロリーのない偽薬を比べると、翌朝の安静時エネルギー消費は順に1日5,840 kJ、5,694 kJ、5,991 kJだった。いちばん大きい数字は偽薬である。もちろん統計的な差は無く、空腹感にも差は見られなかった[4]。

食い違う結果もある。活動的な若い男性11人の試験では、ホエイ30 g、カゼイン30 g、糖質33 gのどれを飲んでも、翌朝の安静時エネルギー消費の予測値は偽薬より高かった。順に1日8,151 kJ、8,126 kJ、7,988 kJで、偽薬は7,716 kJである[16]。

気になるのは、糖質でも上がっている点だ。たんぱく質に固有の働きというより、寝る前にカロリーのあるものを摂ったこと自体の影響とも読める。しかも測ったのは翌朝の安静時で、体重を追った試験でもない。活動的な若い男性で見えたこの差を、減量の材料として数えるのは早い。翌朝の代謝を上げて痩せる、という筋書きの支えは、今のところ弱い。

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体脂肪は、飲み物の種類では分かれなかった

体脂肪まで追った試験は少ない。その一つが、運動習慣のない若い肥満の女性37人の4週間の試験である。ホエイ、カゼイン、糖質のいずれかを1回140〜150 kcal分、毎晩、眠る30分以内に摂り、監督つきの運動を週3日(筋トレ2日、高強度インターバル1日)行った。4週間後、除脂肪量(体脂肪以外の重さ)と筋力は増え、体脂肪は減り、気分も良くなった。ただし3組すべてで、である。組の差が出たのは、カゼインの組で朝の満腹感が増えた点だけだった。インスリンの効きの指標にも、4週間の影響は見られていない[18]。

ここから言えるのは、体脂肪の動きが飲み物の種類で分かれなかったということだ。何も飲まない組が無いので、一杯がどれだけ助けたのか、足を引っぱったのかは分からない。毎晩の140〜150 kcalは、夕食の後に乗る分である。この試験には運動が組み込まれていた。運動を足さずに飲み物だけを足した人の体脂肪について、ここで挙げた試験は答えを持っていない。

一つ、良くない話も添えておく。この試験の報告は前置きで、運動習慣のない肥満の女性では、寝る前に単一の栄養素を摂ると食欲は下がるものの、インスリン感受性に悪い影響が出るおそれがあると述べている[18]。運動と組み合わせた4週間で影響が見られなかったことと、運動なしの一杯が同じ話になるとは限らない。

よくある誤解

「寝る前に飲むなら、カゼインでなければならない」。夜にはカゼインが向くという説はあるが、夜に直接比べた試験では、筋原線維の合成速度はカゼインとホエイの順に1時間あたり0.056%と0.064%、ミトコンドリアのたんぱく質では0.082%と0.092%で、どちらも差が確かめられなかった[7]。翌朝の代謝の測定でも、ホエイとカゼインの差は見られていない[16]。種類の議論に熱が入るわりに、夜の数字はあまり応えてくれない。

「足した分は、翌朝の食欲が落ちて帳消しになる」。たんぱく質は腹持ちが良いという話からの連想だが、40 gを飲んだ高齢者の翌朝の朝食の量は、水を飲んだ夜と差が無かった[2]。差が無いとは、減りもしなかったということだ。著者らはこれを、1日のたんぱく質を増やす手段として使えると前向きに読んだ。朝食の一回だけを見た結果ではあるが、減量の目で読むと、足した分は翌朝に差し引かれなかったことになる。同じ数字が、筋肉を守りたい人には朗報で、体重を減らしたい人には注意書きになる。

「寝る前に摂ると、翌朝の脂肪の使われ方が悪くなる」。呼吸交換比(呼気から見た、糖と脂肪の使われ方の目安)は、翌朝の測定で高齢者でも活動的な女性でも飲み物による差が無かった[2][4]。夜の一杯が脂肪の利用を止めるという心配は、この範囲では支持されない。もっとも、これは太らないことの保証とは別の話である。

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今日からできること

  • 三食のたんぱく質の合計を、体重1 kgあたりのgで一度計算する。寝る前の一杯で差が出なかった自転車選手は、平均で2.5 gを超えていた[9]。自分の数字を知るまでは、夜の一杯を買い足さない。
  • 寝る前に足す夜は、運動した日に絞る。高齢の男性の試験では、その晩に先に動いた組のほうが夜の合成の反応は大きかった[11]。例えば週に2回動く人なら週2晩、というように、足す晩は動いた回数の中で決める。
  • 飲み物にこだわらず、食品でも試す。カッテージチーズは同じたんぱく質量の飲料と、翌朝の代謝と空腹感に差が無かった[4]。夜に無理なく食べられる量を食品の表示でgに読み替え、試験の30 gより少なくてもよいので、自分の一回分の数字を持つ。
  • 足した夜の翌朝と足さなかった翌朝を5回ずつ比べ、朝食の量が減っているかを見る。40 gの試験では減らなかった[2]。減らないなら、その分は1日の総量の増加として数える。
  • 体脂肪を動かしたいなら、飲み物より先に週の運動の日数を今の暮らしから数える。週3日の運動を続けた4週間の試験では、飲み物の種類によらず体脂肪が減った[18]。週3日は試験の条件なので、例えばこれを参考に、続けられる日数を自分で決める。
  • 血糖の治療を受けている人や、食事の指示を受けている人は、飲み物を足す前に主治医に「寝る前のたんぱく質を足してよいか」と尋ねる。運動習慣のない肥満の女性では、インスリン感受性への悪い影響のおそれが指摘されている[18]。

動いた日の夜に、足すかどうかを考える

高齢の男性の試験で夜の反応を大きくしたのは、その晩のうちに先に動くことで、先に動く日を作るなら、ヨガだけで25種類以上あるレッスンと、ピラティスやHIITまで並ぶ種目の幅が使える。試験で動いたのは店のレッスンではなく、ヨガで同じ反応が出るかも調べられていない。それでも、運動した日を週に何度作れるかは、種目の幅と開いている時刻に左右される。

オンザショア立川店は、溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガ、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、パーソナルトレーニングを扱う。営業は8:00〜23:30の年中無休なので、夕方から夜にかけて、仕事の後に動く日も作れる。

東京都立川市曙町2-14-10エトロワビル3Fにあり、JR立川駅北口から徒歩1分。ヨガの体験は60分で税込1,980円、バスタオル2枚とフェイスタオル1枚、ヨガマットの貸し出しまで含む。料金の表と体験の予約の入口は、店のサイトで別のページに分かれている。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できない。常温のマタニティヨガがある。

動いた夜に寝る前のたんぱく質を足すのか、今の食事で足りているのかを、レッスンの帰りの電車で計算し直す。

参考文献

[1] Pre-Sleep Casein Supplementation, Metabolism, and Appetite: A Systematic Review. — Dela Cruz et al., 2021, Nutrients. DOI: 10.3390/nu13061872

[2] Pre-Sleep Casein Protein Ingestion Does Not Impact Next-Day Appetite, Energy Intake and Metabolism in Older Individuals. — Morehen et al., 2019, Nutrients. DOI: 10.3390/nu12010090

[3] The effects of pre-sleep consumption of casein protein on next-morning measures of RMR and appetite compared between sedentary pre- and postmenopausal women. — Schattinger et al., 2021, The British journal of nutrition. DOI: 10.1017/S0007114520001506

[4] Pre-sleep protein in casein supplement or whole-food form has no impact on resting energy expenditure or hunger in women. — Leyh et al., 2018, The British journal of nutrition. DOI: 10.1017/S0007114518002416

[6] Effects of pre-sleep protein consumption on muscle-related outcomes – A systematic review. — Reis et al., 2021, Journal of science and medicine in sport. DOI: 10.1016/j.jsams.2020.07.016

[7] Pre-sleep Protein Ingestion Increases Mitochondrial Protein Synthesis Rates During Overnight Recovery from Endurance Exercise: A Randomized Controlled Trial. — Trommelen et al., 2023, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-023-01822-3

[9] Pre-sleep protein supplementation in professional cyclists during a training camp: a three-arm randomized controlled trial. — Valenzuela et al., 2023, Journal of the International Society of Sports Nutrition. DOI: 10.1080/15502783.2023.2166366

[11] Physical Activity Performed in the Evening Increases the Overnight Muscle Protein Synthetic Response to Presleep Protein Ingestion in Older Men. — Holwerda et al., 2016, The Journal of nutrition. DOI: 10.3945/jn.116.230086

[13] Intragastric protein administration stimulates overnight muscle protein synthesis in elderly men. — Groen et al., 2012, American journal of physiology. Endocrinology and metabolism. DOI: 10.1152/ajpendo.00321.2011

[15] Protein Ingestion before Sleep Increases Overnight Muscle Protein Synthesis Rates in Healthy Older Men: A Randomized Controlled Trial. — Kouw et al., 2017, The Journal of nutrition. DOI: 10.3945/jn.117.254532

[16] Night-time consumption of protein or carbohydrate results in increased morning resting energy expenditure in active college-aged men. — Madzima et al., 2014, The British journal of nutrition. DOI: 10.1017/S000711451300192X

[18] The influence of nighttime feeding of carbohydrate or protein combined with exercise training on appetite and cardiometabolic risk in young obese women. — Ormsbee et al., 2015, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2014-0256

冒頭の写真: ボウルに入ったカッテージチーズを写した一枚の写真(乳製品の食品)(写真: FASTILY (TALK) / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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